平成8378日目

2011/12/16

【野田佳彦首相】「福島原発事故」事実上の収束宣言

野田佳彦首相は16日、記者会見し、東京電力福島第一原発事故に関し「原子炉は冷温停止状態に達し、事故そのものが収束に至ったと確認された」と述べ、事故収束への工程表「ステップ2」の完了を宣言した。

3月11日の地震と津波で原発の全電源が喪失、3基で燃料溶融が起きる未曾有の原子力事故発生から9カ月余り。首相は「不安を与えてきた大きな要因が解消される」と強調、事故対応の進展を示すことを狙ったとみられる。

ただ施設撤去に向けた道のりは長く、放射性物質の放出は微量ながらも続いている。広範囲の除染や住民帰宅など重い課題が山積する中、住民からは収束宣言は早すぎると批判が出ている。


https://www.kantei.go.jp/

事故炉の最終処理は今後、16日に新設した「政府・東電中長期対策会議」が主導、21日に初会合を開く。解体撤去終了まで最長40年とされる長期の工程表を作成する。首相は「原発事故との戦いが終わるわけではない。廃炉に向けて最後まで全力を挙げる」と話した。

1〜3号機では破損した原子炉から漏れた汚染水を回収、浄化し炉の冷却に使うシステムを導入。①圧力容器底部の温度が100度以下になった②放射性物質の放出が目標まで下がった③冷却システムの当面の安全性が確認できたーことから、政府は冷温停止状態と判断。地震や津波を含め不測の事態が起きても敷地境界での被ばく線量が低い状態を維持できるため「収束」と表現した。

ただ、経済産業省原子力安全・保安院の担当者は「建屋の中を詳細に見たり圧力容器の状態を確かめたりすることもできない」とし、細かい評価は不可能だと明かした。

1号機の燃料のほぼすべて、2、3号機は6割程度が圧力容器を貫通し外側の格納容器に落ちたと推定されるほか、4号機の使用済み燃料プールには大量の燃料が入っており、今後も厳しい作業が予想される。《共同通信》

野田首相は16日の記者会見で、ステップ2完了を受け、住民避難区域に関し「政府の考え方を近く示す」と述べ、早期に見直す考えを示した。細野豪志原発事故担当相、枝野幸男経済産業相ら関係閣僚が福島県入りし、18日に関係自治体との協議を始める。

同時に除染と賠償、健康管理に全力を挙げる意向を表明。除染作業の当面の費用として1兆円超を用意したことを説明するとともに、来年4月をめどに作業員として3万人以上確保する方針も打ち出した。《共同通信》

野田政権は16日の原子力災害対策本部で、東京電力福島第一原発の事故収束に向けた工程表ステップ2(冷温停止状態の達成)の終了を確認した。野田佳彦首相は記者会見で「発電所の事故そのものは収束に至ったと判断される」と事故収束を宣言した。

原子炉を安定的に冷やすステップ1は7月に完了。ステップ2は当初、来年1月中旬までに終える予定だったが、首相は年内完了を国際会議で公約。除染や住民の帰還など課題が残る中で「事故収束」をあえて宣言し、安全性をアピールした。国際公約を守るため収束宣言を急いだとの見方もあり、福島県の佐藤雄平知事は「事故は収束していない。多くの県民は不安を感じている」と反論した。《朝日新聞》

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12月16日のできごと(何の日)
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【サッカー】

サッカーの中国スーパーリーグ、杭州緑城の監督就任が決まった前日本代表監督の岡田武史氏(55)が16日、東京都内で記者会見し「やるからにはアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で王者になってクラブワールドカップ(W杯)でバルセロナを破りたい」と意気込みを語った。

杭州からオファーがあったのは今秋。その後、J1浦和などから監督就任の要請があったというが、杭州を選択した理由を「熱心に誘ってもらった。どんどん強くなる可能性があり、世界に出ていくという野心を持っている」と語った。年明けには日本でのキャンプも予定している。《共同通信》

J1のG大阪は16日、次期監督に予定していた元日本代表の呂比須ワグナー氏(42)の指導者資格に問題があるため、監督招聘を断念したことを明らかにした。

呂比須氏の持つ指導者資格がJリーグの監督に必要な公認S級ライセンスに相当せず、故郷ブラジルでもトップリーグでの指揮経験がないため、日本サッカー協会の承認が下りなかった。15日夜に同協会の小倉純二会長から金森喜久男社長に連絡があったという。

金森社長は呂比須氏をヘッドコーチとして招くプランを示唆。ブラジルで新監督候補との交渉を始めることを明かし、年内には新体制を決めたいとしている。《共同通信》

【政府】「共通番号」15年に開始

政府は16日、国民一人一人に番号を割り振って納税実績や医療などの情報を管理する「共通番号制度」に関する実務検討会を開き、来年の通常国会に提出する法案と、導入に向けた工程表の概要を決めた。2015年1月に共通番号の利用を始めることや、行政組織などを監視する第三者機関の設置を盛り込んだ。

当初は税、社会保障、防災の各分野で利用し、その後に幅広い行政手続きへの利用も検討する。

番号制をめぐっては自民党政権時代からたびたび検討されてきたが、プライバシーが侵害されるとの懸念が根強く、導入が見送られてきた。

政府は、所得や病歴といった個人情報の流出を防ぐ仕組みを整えることで、国民の不安を和らげることができると判断した。

第三者機関の名称は「番号情報保護委員会」とし、学識経験者らで構成。政府から独立して強い権限を持つ「三条委員会」とする。情報の漏えいや悪用に関わった行政委員への罰則も設け、国民の不安を和らげる考えだ。

16年1月には、行政組織による個人情報へのアクセスを個人がインターネット上で確認できる仕組みも導入する。

番号制を導入すれば政府が国民の所得を把握しやすくなるため、脱税をけん制する効果も期待されるが、検討会の峰崎直樹事務局長(内閣官房参与)は「所得を完全に把握するのは困難」と話している。《共同通信》

【政府】八ッ場ダムは再開

政府は16日、政権交代後に中止を表明した八ッ場ダム(群馬県)の建設を再開する方向で最終調整に入った。政府首脳は同日夜、記者団に「22日までに前田武志国土交通相が最終判断する」と述べ、国交省首脳も「(早期に完成する)代替案がないのに、途中で止めるのは無責任極まりない」と話した。政府は週明けから民主党と詰めの協議に入り、正式決定する方針。

八ッ場ダム中止は民主党が政権交代を果たした2009年の衆院選で掲げた政権公約。党内では前原誠司政調会長らが、ダムの事業主体である同省関東地方整備局が「継続が妥当」と判断した検証を疑問視するなど反対派も少なくないが、前原氏は15日、藤村修官房長官に判断を一任すると表明するなど、党内も政府側の判断に従う方向に傾いている。

民主党の国土交通部門会議は16日、事業見直しの検証手続きに対する疑問点について国交省から説明を受けた。部門会議の松崎哲久座長は、治水面で建設の根拠となる利根川の基準流量の見積もりなど「納得できない項目もあるが回答はおおむね明確」と述べ、評価する姿勢を示した。20日に前原氏に報告書を提出する。《共同通信》

【ソウル高裁】在日男性に無罪判決

ソウル高裁は16日、1975年に韓国公安当局が在日韓国人16人を「北朝鮮のスパイ団」として摘発した事件で約4年間服役した在日2世、金東輝さん(57)=大阪市旭区=の再審で無罪を言い渡した。起訴事実は令状なしの拘束と拷問で作られた虚偽の自白調書だけが根拠で、容疑自体がでっち上げられたと認定した。

事件は韓国中央情報部(KCIA、現在の国家情報院)が75年11月22日に「大学に浸透した在日韓国人学生らのスパイ団を摘発した」と発表し「11・22事件」と呼ばれる。16人のうち4人が死刑判決(恩赦で全員減刑)を受けるなど重刑が続出した。《共同通信》

【大阪市・平松邦夫市長】退任会見

11月の大阪市長選で橋下徹前大阪府知事に敗れた平松邦夫市長は16日、退任記者会見で「この4年は自分の人生の中で一番凝縮した時間を過ごした」と振り返った。18日付で正式退任し、橋下氏が19日、新市長に就任する。

会見で「市民、市政のためにという思いが少しも揺るがなかった」と胸を張った。一方、橋下氏へバトンタッチする心境について聞かれると、生活保護費の不正受給問題などを挙げた上で「道半ばのものはたくさんあるが、助走はできたと思う」と語った。

橋下氏には「(27日発足の)府市統合本部が目指すところを早く見せてほしい。多くの市民が不安に思っている」と注文した。《共同通信》

【民主党】社会保障改革案を了承

民主党の社会保障と税の一体改革調査会(会長・細川律夫前厚生労働相)と税制調査会(会長・藤井裕久元財務相)は16日午前、合同会議を開いた。政府側は一体改革大綱素案のうち、これまでにまとまった社会保障分野の骨子について修正案を提示。合同会議はこれを了承した。

政府は19日にも関係閣僚の会合を開き、社会保障分野の骨子を正式に決定する。社会保障改革の概要が固まったことで、民主党は19日以降、消費税増税を柱とする税制抜本改革の集中的な議論を始める。政府、与党は年末に一体改革大綱素案を策定する方針だ。《共同通信》