平成5151日目
2003/02/14
この日のできごと(何の日)
【小泉純一郎首相】チリ大統領と会談
小泉純一郎首相は14日、チリのラゴス大統領と首相官邸で会談し、米英両国が準備しているイラク攻撃に関し、国連安全保障理事会での新決議の採択が望ましいとの認識で一致した。
チリは2003−04年の安保理の非常任理事国。国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長による安保理追加報告を踏まえ、首相はブッシュ大統領、ブレア英首相にも電話で新たな安保理決議の採択が望ましいと伝えた」と述べ、ラゴス大統領に協力を要請した。
大統領は「非常任理事国として、武力行使の回避と国連決議の尊重を望んでいる。国連を弱体化させてはならない。日本とチリは同じ観点から問題を見ていると思う」と答えた。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【愛子内親王殿下】独り歩きや「ダンス」も
宮内庁は14日、独り歩きを始めた皇太子ご夫妻の長女、愛子さま(1つ)の近況と写真、映像を公表した。「大きな栗の木の下で」の童謡に合わせてダンスのようなしぐさをみせられ、とても、活発だ。
住まいの東宮御所(東京・元赤坂)で撮影された。白いベビー服姿の愛子さまは、ご両親や縫いぐるみの間を速足で歩いたり、CDプレーヤーから流れる音楽に合わせ、全身でリズムをとったり、ポケットをたたいたり。プレーヤーのボタンもあちこち触り、興味津々の様子だ。
堀江振一郎東宮侍従によると、体重は約10キロ。言葉の理解も進み、絵本「三びきの子ブタ」でオオカミがわらの家を吹き飛ばす場面では、一緒に「ふぅー」と声を出したりするという。《共同通信》
【フィギュア四大陸選手権】
フィギュアスケートの四大陸選手権第3日は14日、北京の首都体育館で行われ、女子シングルはショートプログラム(SP)1位の村主章枝(早大)が自由演技でも安定した演技で1位となり、2季ぶり2度目の優勝をした。
荒川静香(早大)が2位、中野友加里(グランプリ東海ク)が3位に入り、日本勢が上位を独占した。
村主は持ち前の表現力に加え、確実にジャンプを決めた。青森冬季アジア大会では荒川が優勝、村主が2位、中野が3位で、日本女子は2大会運続で1−3位を占めた。今大会は欧州以外の地域の選手が参加。米国はミシェル・クワンら主力選手を送っていない。
アイスダンスの日本勢は有川梨絵(京都アクアリーナク)宮本賢二(龍谷大)組が8位、渡辺心、木戸章之組(新横浜プリンスク)が9位。シェリン・ボーン、ビクター・クラーツ組(カナダ)が優勝した。《共同通信》
【大阪・鶴見緑地】少年30人、ホームレスを襲撃
14日午前2時半ごろ、大阪府守口市の花博記念公園鶴見緑地で、金属バットや鉄パイプを持った少年約30人が、園内の休憩所に寝ていたホームレスの男性10人を殴りつけた。無職男性(59)がろっ骨を折る1ヵ月のけが、3人が頭や腹などに打撲を負う軽いけがをして病院に運ばれた。ほかの6人にけがはなかった。
少年らは中学生から高校生とみられ、ミニバイクと自転車に乗り逃走。守口署が傷害容疑で行方を追っている。これまでに少年らとホームレスのトラブルはなかったという。《共同通信》
【泥酔男性放置死事件】九条署元所長ら書類送検
京都府警九条署の泥酔男性放置死事件で、京都府警は14日、真冬の屋外に男性を放置した事実を隠ぺいするため「パトカー内で保護」とうそを報告したなどとして、虚偽有印公文書作成、同行使容疑で当時同署長のA警視正(59)=現警務部付=ら9人を書類送検した。
また国家公安委員会と府警は同日、A元署長ら5人の停職4−2カ月、減給3人、戒告1人の懲戒処分を発表。昨年秋に内部告発で発覚した事件は、元署幹部らが刑事責任を問われる事態に発展した。
調べでは、A元署長らは共謀し、1997年1月16日、署員が保護した建設作業員の男性(50)が死亡した際に作成した「変死体取扱報告書」などの公文書に虚偽を記載した疑い。
9人のうち2人は男性の保護に向かわなかったのに「現場に急行した」と虚偽の報告書を作成した疑い。
A元署長は副署長から「不適切な保護で死亡事案が起きた」と報告を受けながら、公表して問題となるのを恐れ「(保護場所は)パトカーの中でいい」と関係書類の改ざんを指示。その後、副署長や刑事課長ら署幹部と保護に当たった地域課員の間で、報告書の書き換えや口裏合わせが行われたという。《共同通信》
【共産党・不破哲三議長】世代交代を強調
共産党の不破哲三議長(73)は14日午後、国会内で記者会見し、自らの次期衆院選不出馬に関連して「党の活動を発展的に進める上で、若い世代に引き継ぐことが大事だ。外交や理論分野では引き続き仕事をしていく」との考えを示した。不破氏は国政の現場から退くことが決まったが、議長職にはとどまり、党活動全般の指導に当たる。
これに先立ち市田忠義書記局長が次期衆院選比例代表の第一次公認候補者30人を発表した。不破氏のほか他の現職5人が勇退する。《共同通信》
【UNMOVIC・ブリクス委員長】安保理追加報告
イラクの大量破壊兵器開発疑惑で、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長と国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は14日午前、査察経過について国連安全保障理事会で追加報告を行い、核、生物、化学兵器の廃棄について「確たる証拠」が必要と強調、イラク側の協力は依然不十分との見解を示した。
また来週から米軍のU2偵察機などを使った査察を開始する意向を表明。エルバラダイ事務局長も「査察は偵察から調査の段階に入った」と述べ、査察要員を増やして査察をさらに継続する意欲を表明した。
安保理決議の制限150キロを超える射程能力があるミサイルについて「禁止されているシステムだ」と言明。イラク側に決議違反があるとの認識を示したが、査察現場へのアクセスや科学者聴取での進展を評価、完全な「クロ」認定は避けた。
追加報告を受けて、米国は安保理決議に対するイラクの「重大な違反」を主張。早期イラク攻撃を容認する新決議案を英国とともに、来週にも提出する予定。イラク攻撃をめぐる国際社会の論議は重要局面に入る。
一方、イラクのフセイン大統領は14日、追加報告の直前、査察団が求めていた大量破壊兵器を禁止する大統領令を布告、査察への協力姿勢をアピール。ブリクス委員長も報告で触れた。
委員長はさらに「イラクが事前に査察団訪問を把握していたとの証拠はない」と述べた。ただイラクが廃棄したとする神経ガスVXや炭疽菌、化学物質については「説明がなされていない」と不満を表明した。《共同通信》
【米・ブッシュ大統領】単独攻撃辞さず
ブッシュ米大統領は14日、ワシントンの連邦捜査局(FBI)本部で演説し、イラクのフセイン大統領について「いずれにしても武装解除される」と述べ、国連安全保障理事会の支持がなくてもイラク攻撃を辞さない姿勢を示した。
大統領は「フセインは、大量破壊兵器を保有している。世界をだますことに慣れており、だまし続けている」と述べ、イラクが国連査察を欺いていると強調した。
また、パウエル米国務長官は同日、イラクの大量破壊兵器査察に関する追加報告を受け、安保理協議や査察を「数週間」で終わらせたい意向を表明した。しかし、長官はフランス、ドイツなど安保理の大半が反対する武力行使容認の決議案提出については、ブッシュ大統領と協議し「遠くない将来」に判断するとだけ語り、採択が難しいとの判断をうかがわせた。《共同通信》
【クローン羊・ドリー】安楽死
世界初の体細胞クローン動物、羊のドリーを誕生させた英スコットランド地方エディンバラ近郊のロスリン研究所は14日、進行性の肺疾患のため獣医師の判断でドリーを安楽死させたと発表した。6歳7カ月で、通常の羊の寿命の約半分だった。
肺疾患が体細胞クローンに起因するかどうかが今後の焦点になる。宗教団体が「クローン人間を誕生させた」と発表し、物議を醸したばかりだが、クローン技術の安全性があらためて問われることになりそうだ。
ドリーは1996年7月5日、成長した羊の体細胞を使って誕生。遺伝的に全く同じクローン人間をつくることもできる技術の成功として世界に衝撃を与えた。
ロスリン研究所のグリフィン博士は「羊は通常11−12歳まで生きる。肺疾患は老齢で特に屋内飼育されている羊に多い。現在解剖中だ」と述べた。《共同通信》
【この日の民主党】
「絶対儲かる」発言で竹中大臣の辞任を要求
14日の衆院予算委員会で一般的質疑が行われ、民主党から海江田万里議員、米澤隆議員、末松義規議員が質問に立った。
海江田議員と末松議員はともに、竹中金融・経済財政担当相が株価指数連動型上場投資信託(ETF)について、「(私は)買います。絶対もうかります」と7日の記者会見で発言したことに関して追及した。
海江田議員は「『大臣が絶対もうかると言っている』と証券会社が販売すれば違法になる」と批判し、発言の撤回を求めた。それに対して竹中金融・経済財政担当相は「7日の閣僚懇談会で、『日本の未来を買うことになる』として閣僚がETFを積極的に購入するよう提案した」などと答弁。「懇談後の記者会見で自身も購入するのか聞かれたので、個人投資家としての立場で買うと答えた」などと言い訳の答弁を繰り返した。
竹中金融・経済財政担当相は海江田議員の重ねての追及に、「誤解を招くものであり、不適切だった」と陳謝。また、金融庁のホームページに掲載されている記者会見の議事録から削除する考えを表明した。
一方、福田康夫官房長官は末松議員の質問に対し、竹中金融・経済財政担当相が会見に先立つ閣僚懇談会でも「もうかる」と発言していた事実を明言するとともに、「私どもは冗談と受け止めた。ただ、記者会見で言うことは問題があった。冗談が過ぎている」と答弁した。末松議員が竹中金融・経済財政担当相の解任を求めたが、福田長官は「人事権者ではない」と述べるにとどめた。本会議をはさんで行われた午後の質疑では、福田官房長官は午前中とはちがう、あいまいな見解を示した。これには末松議員が「精査した答弁を」と厳しい口調で求め、その姿勢を批判した。
また米澤議員は北朝鮮の核問題・日朝交渉に関して追及。平壌宣言は時期尚早であり、その内容もあまりにも手薄であり、小泉首相の見識が疑われると断じた。その上で「拉致問題が何ら解決に向けて前進しないのは、そうした日本政府の姿勢に起因する」との見方を示した。万景峰号の入港禁止、日本円の持ち出し・不正送金の禁止、不法入国・不法滞在の取り締まり強化、工作員対策の強化など、日本政府として強い姿勢で臨むよう提案した。
山花議員、希望ある税制改革案を提示
衆議院本会議で14日、内閣提出の公債発行特例法案および所得税法等改正案について、趣旨説明と質疑が行われ、民主党の山花郁夫議員が質問に立った。
山花議員はまず、小泉首相が国債発行30兆円枠を守れなかったことについて「たいしたことではない」と答弁した問題を取り上げ、公約破棄に対する所管大臣としての見解をあらためて質した。しかし塩川財務相は、「税収の見込みちがいによって枠を越えてしまったが、国債発行を極力抑えるという根本精神は貫いていく」などとし、首相と同様、国民に対する公約の重みを顧みない無責任な態度をあらわにした。
また山花議員は、行財政改革の現状について、小泉首相が「成果が明確に現れるまでには、いまだしばらく時間が必要」と述べていることを引きながら、「効果が現れるのはいつなのか、結果を出せなかった場合にどう責任をとるのか」と追及。竹中金融・経済財政担当相は「05年から06年には中期的成長経路へ復帰する」などと抽象的に述べただけで、責任の取り方については答えなかった。
竹中金融・経済財政担当相が7日の閣僚懇談会およびその後の記者会見でETF(株価連動型上場投資信託)について「絶対もうかる」などと発言した問題で、山花議員は「不見識だ」と同相を厳しく指弾。発言を利用した違法な勧誘が行われる恐れなども指摘しながら、反省の弁を求めた。ところが竹中大臣は、「個人の投資家として、そう言った」などとお粗末な言い逃れをした上で、「誤解されかねない部分はあった」と付け加え、金融庁ホームページから当該発言を削除するとだけ答えた。
政府の税制改正案をめぐって山花議員は、「自民党と霞が関の既得権益を守るという妥協の産物」「抜本改革としても景気対策としても中途半端」と厳しく批判。発砲酒税、たばこ税など大衆増税の影響などを質したが、塩川財務相は「思い切った構造的・制度的改革」などと居直った。
関連して山花議員は、民主党の予算案に盛り込まれた税制改革案について、「短期的には民間需要を喚起し、中長期的にはNPO・教育・環境に重点をおいた」などと説明。これに対する見解も質した。塩川財務相は、「みんな同じようなことを考えている」などとすり寄りながら、「民主党の場合は減税優先だが、財政バランスは考えているのか」などと控えめに指摘するにとどまった。
また消費税について、自民党内の議論では引き上げが固まっているが、小泉首相は任期中には引き上げないとしている中で、議論が迷走しつつあると指摘。内閣としての見解をあらためて質した。塩川財務相は、「安易な引き上げは、税への信頼を失う。財政の合理化を図った後に考える」と述べた。
これに関連して山花議員は、平成16年度実施予定の年金国庫負担引き上げの財源について、「消費税の引き上げを行わない場合はどうやって手当するのか」と追及。しかし塩川財務相は、「国民的議論を通じて考えたい」などとごまかした。
イラク問題に関する民主党の現時点での考え方 2003/02/14
1.イラク問題への基本認識
* イラクには、大量破壊兵器の開発、使用、拡散の疑惑があり、イラク問題に適切に対処することは、テロ組織への大量破壊兵器流出の恐れのほか、中東和平との関係、エネルギー安全保障、緊迫する北朝鮮情勢への対応などの観点から、外交上極めて重要である。
* 「イラクがこれまで採択された一連の国連決議に従わず、国際平和と安全保障に脅威を及ぼしている」(国連安保理決議1441)との認識を基本的に共有するが、イラクの大量破壊兵器問題については、クウェート解放に向けた湾岸戦争や同時多発テロを受けたアフガンでの対テロ掃討とは、状況が全く異なっており、それに応じた対処を想定すべきである。2 今後の諸課題
(1) 当面の対応
* わが国は、国連安保理等を通じた国際協調体制が重要であるとの観点から、武力行使によらない平和的解決のため、国連にあくまでも努力を促すとともに、米国等に対しても、単独主義的な行動をとらないよう自制を促し、慎重な対応をとるよう強く求める。
* イラクは、UNMOVIC(国連監視検証査察委員会)及びIAEA(国際原子力機関)の報告、米国が提示した証拠等に対し、査察への全面協力を通じ、みずから疑惑の完全な払拭に努めるべきである。
* 国連査察の実施に当たっては、提出されている証拠及び情報等に基づき、イラクの大量破壊兵器に関する疑惑を厳しく検証するため、多国籍軍やPKO等の活用を想定する仏・独等の提案も踏まえ、装備や人員など査察体制を抜本的に強化し、国連査察を続行すべきである。
* 情勢の推移を注視し、邦人保護をはじめとした危機管理体制に万全を尽くすべきである。(2)国連安保理決議なしに米国等が単独で武力攻撃を開始した場合
* 仮に米国等が新たな国連安保理決議のないまま、イラクへの武力攻撃を行った場合、これに反対すべきである。
(3)国連安保理が「武力攻撃容認決議」を採択した場合
* 仮に国連安保理決議がなされ、これに基づいて武力行使がなされた場合でも、イラクの政治体制転覆を目的とする武力行使を支援すべきではない。政府に対して『テロ特措法』に基づく支援活動との明確な線引きを求める。特に、武力行使に当たっては、市民の犠牲を防ぎ、大量破壊兵器や運搬手段の破棄に限定してなされるべきである。
* 難民対策や食料支援等の人道支援、トルコ・ヨルダンなど周辺諸国の安定維持への協力、戦争影響の最小化、戦後復興への支援などを重視する外交を行う。
* OPEC等の産油国に対し、石油の安定供給に向けた取組みを求めるとともに、日本やアジアにおける石油共同備蓄体制の強化など、エネルギーの安定供給への対応を検討する。《民主党ニュース》