平成3316日目
1998/02/05
この日のできごと(何の日)
【WTO】基本電気通信合意が発効
世界の通信市場自由化を目指す世界貿易機関(WTO)の基本電気通信合意が5日発効した。日本でも外国通信事業者の本格進出が可能になり、米通信大手のワールドコムが同日、郵政省に回線などの設備を保有する第一種電気通信事業者の免許を申請したほか、英ブリティッシュ・テレコム(BT)も同免許を取得する方針を明らかにした。
WTOの合意は日本を含む56カ国で発効し、それぞれの国が外国企業の参入を阻む規制を撤廃する。
日本ではKDDとNTTを除く第一種電気通信事業者に対する外資規制が撤廃され、外国電話会社が自前回線を使った事業展開が可能になる。国内事業者との資本提携も容易になるため、今後日本の通信業界再編がさらに加速することも予想される。
本格参入の一番乗りになったワールドコムは同日、昨年末に設立した日本法人が主体となって免許を申請。当面は外資系金融機関が集中する東京都心部を対象に自前で光ファイバー網を敷設。ワールドコムのネットワークを利用して国際通信を行うほか、国内ではNTTなどと相互接続し、平成10年中に音声通信を含めたサービスを開始する予定だ。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【愛知県渥美町】中3男子、教師にエアガン
5日午後2時40分ごろ、愛知県渥美町の町立中学校で授業中、3年の男子生徒(15)が男性教師(30)に向けてエアガンを発射した。男性教師は顔などに5日間の軽傷。学校の通報を受けた愛知県警田原署員が、同校3階の廊下で男子生徒を見つけ、障害の現行犯で逮捕した。
調べでは、男子生徒は校舎1階にある理科室前の廊下で6時間目の授業中、男性教師にエアガンを3発発射、うちプラスチック製の弾2発が教師のほおに当たり、けがをさせた疑い。
教師は逮捕された男子生徒を含む数人のグループが教室前の廊下で騒いでいたため、「静かにしろ」と注意したところ、突然撃たれたという。
調べに対し、男子生徒は「友達に注意した教師の態度が気に入らなかったから撃った」と供述している。《共同通信》
【自民党】沖縄振興法案を先送り
自民党は5日午前、沖縄県総合振興特別調査会と沖縄振興委員会の合同部会を開き、優遇税制などを盛り込んだ沖縄振興開発特別措置法改正案を了承した。ただ、同日予定していた政調審議会への提出を見送り、今後の取り扱いについては「政治的判断にゆだねる」として、同調査会会長の加藤紘一幹事長と岡部三郎沖縄振興委員長に一任することを決めた。
同改正案は予算関連法案であるため、政府、自民党は当初、10日に閣議決定後、国会に提出する方針だったが、8日投開票の沖縄県名護市長選で、大田昌秀知事が海上ヘリ基地建設反対派の候補者を応援していることに党内から反発が強まり、法案に関する一連の手続きをいったん見合わせることにした。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】金融連絡会新設を表明
衆院は5日午後の本会議で、大蔵省検査汚職事件に関する橋本龍太郎首相の中間報告と質疑を行った。報告で首相は「MOF担(金融機関の大蔵省担当者)を必要としない行政への転換」を表明、金融機関と大蔵省が定期的に意見交換する「金融連絡会」を新設し、金融行政への信頼回復に全力を挙げる決意を強調した。
首相は「天下り問題」をはじめとする公務員制度の見直しや、大蔵省部内調査を指示したことを説明、監督者も含め処分する考えも示した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・新党友愛の中野寛成代表は5日の定例会見で、沖縄県名護市沖の米軍海上ヘリ基地建設問題に言及し「混乱をつくったのは、政府の優柔不断で甘い対応が原因だ」と、橋本龍太郎首相の責任を強い口調で非難。この日、沖縄県の宮平洋副知事が上京したこともあって、「(少女暴行事件という)不幸な事件をきっかけに、便宜的な対応に終始した」「事前に知事や市長と話し合うべきだった」などと、政府批判の独演会に。一息置いて最後に一言「沖縄問題は泥縄問題だ」。
○・・・自民党の村上正邦参院幹事長はこの日の政府与党首脳連絡会議で、同党の保利耕輔国対委員長を横目に「平成10年度予算を年度内に成立させるには、金融安定2法案を6日に衆院通過させることだ。野党の理不尽な要求には応じられない」と、大蔵不祥事をめぐり野党が攻勢を強めていることに不快感をあらわにした。また首相が「不祥事の中間報告は蔵相でなく私がやる。よくない先例をつくると思うが、国会運営に必要ならやる決意だ」と釈明すると、村上氏は「口を酸っぱくして言っていたのに、無理難題をぶつけられている。野党の言うがままではないか」と、怒りは収まらない様子。《共同通信》
【中国・遅浩田国防相】台湾は敏感な問題
中国の遅浩田国防相は5日午後、橋本龍太郎首相、小渕恵三外相と相次いで会談した。外相との会談で、国防相は新たな日米防衛協力のための指針(ガイドライン)について「台湾問題は中国人民の感情にかかわる敏感な問題だ」と述べ、台湾が周辺事態(有事)の適用範囲に含まれることは容認できないとの立場をあらためて表明した。小渕外相は「双方の防衛関係者の交流を深めていけば誤解も解け、透明性も高まり、理解が進むと思う」と述べた。
朝鮮民主主畿人民共和国(北朝鮮)の食糧危機について、遅国防相は「中国としてできる限りの援助を行っている。日本は経済大国であり、積極的な役割を期待したい」と要望した。
国防相は首相、外相との会談を通じて「両国の善隣友好関係はアジア太平洋の平和と安定に必要」と強調。その上で「(両国間には)一時、不幸な時期もあったが、歴史の長い流れの中では短いことだ。中日共同声明、中日平和友好条約を基礎にすれば、中日関係は大いに発展し得る」と述べた。《共同通信》
【ドイツ】失業者482万人
ドイツ連邦雇用庁が5日発表したドイツの1月の失業者数は前月比30万2000人増の482万3000人となり、1997年2月の467万2000人を抜いて戦後最悪となった。失業率も前月の11.8%から12.6%に急上昇した。
2月は例年、失業者が最も増える時期であり、500万人をうかがう水準になるとの見方が有力だ。失業者らは同日、全国各地で政府の無策に対する初の統一抗議行動を展開。深刻化する失業問題はコール長期政権の基盤を大きく揺るがしており、今秋の総選挙の行方を左右しそうだ。
このため、コール首相率いる連立与党は同日、連邦議会に若年層や長期失業者らを対象にした新たな雇用創出策を緊急提案した。提案は①自治体が住民サービスなどに新たに10万人を雇用②中期的に最低賃金を引き下げ、雇用を目指す−などが柱。
地域別にみると、旧西ドイツの失業者数は前月比17万2000人増の323万5000人(失業率10.5%)。旧東ドイツは13万1000人増の158万8000人(同21.0%)だった。
ヤゴダ雇用庁長官は「季節要因を除外すると、旧西ドイツの労働市場は景気回復で安定化している。旧東ドイツは依然、悪化が続いている」と指摘した。《共同通信》