平成2935日目

1997/01/20

【全日空217便ハイジャック事件】

20日午後6時40分ごろ、大阪発福岡行き全日空217便ボーイング777(乗員10人、乗客182人)の機長から、「ハイジャックされた」と運輸省福岡空港タワーに通報があった。同機は福岡空港にほぼ定刻の6時47分に着陸。容疑者の男は包丁(刃渡り約15センチ)を所持しており、約30分後に福岡県警に銃刀法違反の現行犯で逮捕された。乗客と乗員にけがはなかった。

福岡県警の調べでは、自称福岡市南区内の男(31)で、「国外に行ける飛行機を用意しろ」などと要求した。同県警は機内に包丁を持ち込んだ経緯などを調べている。

調べによると、男はスチュワーデスに包丁をちらつかせて操縦室に案内させ、国外に行くよう要求。機長は「福岡で飛行機を替えなければ国外には行けない」と説得した。着陸後、男は「客は降ろしてもいい」と話し、乗客は空港職員の誘導で避難を始めた。その後「スチュワーデスと一緒に降りたい」などと言って、乗客に交じって機内から出た。機内と空港内ロビー2階を結ぶ接続通路から男が降りてきたところを、付近にいた乗客が「犯人だ」と警察官に示し、取り押さえられた。

男は精神分裂病の通院歴があり、調べに対し「米国に行く予定だった」などと供述しているという。検査の結果、酒は飲んでいなかった。全日空によると、男は紙袋とつえを機内に持ち込み、最前列に座っていた。

福岡空港は午後6時50分に滑走路を閉鎖したが、午後7時55分、解除された。日本航空など国内航空3社によると、福岡空港が一時閉鎖された影響で、同空港へ向かっていた計6便が熊本、長崎空港などに臨時着陸し、福岡空港からの出発便でも5便が欠航。国際線にも遅れが出た。《共同通信》




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【大相撲初場所】9日目

大相撲初場所9日目(20日・両国国技館)横綱曙、大関若乃花と武蔵丸が白星を重ね9連勝でトップを堅持した。曙は関脇魁皇を落ち着いて浴びせ倒し、若乃化は速攻で肥後ノ海を寄り切り、武蔵丸は土佐ノ海を豪快に押し倒し、それぞれ全勝を守った。横綱貴乃花は旭鷲山を引き落として2敗をキープし、平幕の貴闘力も7勝2敗。大関貴ノ浪は玉春日の押しに屈して5敗目。この日の結果、幕内は、全勝の曙、若乃花、武蔵丸を貴乃花と貴闘力が追う展開、十両は久島海が8勝1敗で単独トップに立った。《共同通信》

【ナホトカ号重油流出事故】

石川県3市6町で再漂着

ロシア船籍タンカー「ナホトカ」の重油流出事故で、新潟県の両津海上保安署は20日、少量の油を新潟県の佐渡島南端で発見した。第九管区海上保安本部(新潟市)は、「ナホトカ」から流出した油である可能性が極めて大きいとしており、沿岸への漂着は7府県目となる。

石川県内では20日午後5時までに、3市6町で重油の再漂着が確認されたほか、北陸電力志賀原発でも、少量の油粒がオイルフェンスを越えているのが見つかり、職員が回収した。

能登半島東沖から富山湾を南下していた流出重油は、強い西の季節風に流され、新潟県南西部に接近し、21日夕には同県上越市北西沖数キロまで近付く見込み。油塊や油膜の一部は能登半島東側を南下、やや東に向きを変えながら富山湾にも向かっており、富山県でも回収機材を積み込んだ作業船が港に待機するなどの警戒が続いた。

日本原子力発電の敦賀発電所(敦賀市)と動力炉・核燃料開発事業団の新型転換炉ふげん(同市)では同日午前、重油漂着の可能性が大きくなったため、三重目のオイルフェンス設置作業を開始した。

20日は県内で3829人が6市4町で油の収作業に汗を流し、集めた漂着油の総量は8万5899キロリットルに上った。舳倉島には航空自衛隊隊員の23人が渡り、現地状況を調査したほか、ひしゃくなどの回収資機材の搬入を行った。《北國新聞》

福井県三方町にも漂着

ロシア船籍タンカー「ナホトカ」の重油流出事故で、三方町に20日、重油が漂着し、河野村を除く福井県沿岸11市町村に被害が拡大した。福井市では大量の重油が流れ着き、約400人が回収に追われた。

三国町安島に座礁した船首部からの重油抜き取り作業はこの日も荒天のため再開できなかった。《福井新聞》

【橋本龍太郎首相】施政方針演説

第140通常国会が20日召集され、橋本龍太郎首相は同日午後の衆院本会議で施政方針演説を行った。

首相は現在の日本の社会経済の仕組みが「活力ある発展を妨げている」と指摘、「変革と創造」の実現に向け①行政②財政構造③社会保障構造④経済構造⑤金融システム⑥教育ーの6つの改革を「一体的に断行する」と強調。

「痛みを恐れて改革の歩みを緩めたり、先延ばしすることは許されない」とし、政治のリーダーシップでやり抜く決意を表明した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相と自民党の加藤紘一幹事長は20日、国会内で開かれた自民党両院議員総会であいさつ。加藤氏が「当分総選挙はない。前の通常国会のような不毛の対立ではなく、与野党ががっちり対決しなければならない」とげきを飛ばした。すると首相は「今年は東京都議選もあるし、来年は参院選もある。幹事長は前言を撤回してもらいたい」と、ニヤリ。首相と幹事長の掛け合いに居並ぶ議員は爆笑となったが、野党の分裂状態をしり目にゆるみがちな自民党。「ひょっとしたら首相の頭には解散の二文字がある」との勘繰りも。

○・・・伊藤宗一郎衆院議長はこの日、議長室で「衆院インターネット・ホームページ」の開設式。記者団から感想を聞かれると「画期的なことです」「今は画像が国会議事堂とかハードばかりだが、国会の論戦とか、法案の審議状況などを織り交ぜ、中身のあるリアルなものにしたい」と意欲満々。しかし、入力のための職員の人繰りや議事録公開手続きの問題となると「人のことや制度の問題は一朝一夕にはいかない」。議会制度協議会で国会改革を進めている伊藤議長だが、本当の改革は機器の充実より「論戦の充実」との声も聞かれた。《共同通信》

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】動きなし

日本大使公邸人質事件は、ペルー政府とトゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループのパイプ役を担う赤十字国際委員会ペルー事務所のミニグ代表が20日夕(日本時間21日午前)、公邸に入ったものの双方の声明発表や人質解放の兆しなどはなく、直接交渉再開に向けた動きは表面上、2日連続で停止した。ミニグ代表が交渉に関する政府のメッセージなどをMRTAに渡したかどうかなどについては、同事務所、政府ともコメントを控えている。

一方、フジモリ大統領は、同日、欧州連合(EU)とスペインの駐ペルー大使の信任状受理式で「ペルーは(中南米で投資家の)もっとも魅力的な市場の一つなった。人質事件は個別の出来事であり、平和と安定が発展の支柱であると確信するペルーの進路を変えることはない」と語り、事件がペルーに最小限の打撃しか与えないとの自信を示した。

ペルー政府は同日夕、閣議を開催、人質事件と国会に送る各種法案について協議したとされているが、協議内容は明らかになっていない。《共同通信》

【米・クリントン大統領】2期目スタート

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クリントン米大統領(50)は20日昼、ワシントンの議事堂前で行われた就任式で宣誓し、第2期政権が正式にスタートした。大統領は就任演説で21世紀へ向け「新しい約束の地」にわれわれの照準を定めようと訴え、米国を新たな希望の地にするとの強い決意を示した。

大統領は約20分間の演説で、建国以来3度目の世紀の変わり目を迎えた米国民が「情報化時代と全地球的社会に向けた推進力を形成すべきだ」と指摘。教育水準の向上により、すべての子供が情報化時代の恩恵を受けられるよう国づくりに力を尽くすことを強調した。

ゴア副大統領とのコンビで2001年1月まで米国を率いる大統領は「次の世紀でわれわれを待ち受ける挑戦に目を向けなければならない」として、財政均衡や教育・福祉改革、人種対立の克服など、米社会の活性化に全力で取り組むと表明した。

外交面では「世界で最も偉大な民主主義国家が民主主義国家の世界全体をリードしていく」と述べ、唯一の超大国の地位を堅持して一いく考えを表明した。

一方で、上下両院で共和党が多数派を維持しており、2期目も厳しいかじ取りを迫られる大統領は「いがみ合いと分裂で時間を無駄にしてはならない」と述べ、共和党に対し、中道路線に基づいた超党派の協調を呼び掛けた。

クリントン大統領は、不況に苦しむ米国の再生を訴えた1期目の就任演説とは対照的に、現在の米経済の活況ぶりを背景に「米国経済は再び世界最強になった」と自信を誇示した。

議事堂前には寒波の中、大統領就任式を見ようと各地から約24万人の市民らが集まった。大統領夫妻は就任式の後、議事堂からホワイトハウスまでパレードした。《共同通信》



1月20日 その日のできごと(何の日)