平成2314日目

平成7年5月10日(水)

1995/05/10

【米ロ首脳会談】イラン原発問題先送り

エリツィン・ロシア大統領とクリントン米大統領は10日、クレムリンで首脳会談を行い、双方が対立する外交懸案をめぐり3時間以上にわたって協議したが、ロシアのイラン向け原発建設支援問題では、ロシア側が軍事的側面の合意は破棄するとし、決裂を回避。もう一つの重要懸案の北大西洋条約機構(NATO)拡大問題では局面打開には至らなかった。

しかし、双方ともこれらの問題は先送りの形をとることで、決定的な対立局面に発展することを極力回避し、両国関係の基軸は損なわないよう努めていくことを確認した。これにより、両国は大きな対立案件を抱えながらも、対話と協調は維持していく必要性を認め合ったと言える。

会談後、両首脳は共同記者会見に臨み、エリツィン大統領は米国が全面撤回を迫るロシアのイラン向け原発建設支援について、ウラン濃縮装置の輸出など軍事的側面の合意は「破棄」すると明言した。

一方で、両首脳は今回の会談を踏まえ①核拡散防止条約(NPT)問題②欧州安保協力問題③米ロ経済協力の原発で生じる使用済み核燃料の管理・軍事転用防止④弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約―の5種類の共同声明を発表した。

これまで売却計画に盛り込んでいたウラン濃縮装置については、ロシア側が、米国の指摘を受けてその危一険性をはっきりと認めた。しかし、同時に建設計画をのものでは全く譲らず、米国の要求を突っぱねた。この問題は米ロ科学技術委員会に継続協議をゆだねることになった。

一方、問題の原発計画断念を果たせなかったクリントン大統領は、両国間に対立はあっても、従来のロシア支援に「変更はない」との立場を確認した。

今回の会談では、NATOの拡大問題でも声明をつくらないことになり、話し合いは平行線に終わった。その一方で、クリントン大統領は、エリツィン大統領がNATOの「平和のためのパートナーシップ」(PFP)に参加することで合意した、と語った。

米ロ関係に暗雲を投げ掛けていたチェチェン問題では、米側が「停戦の恒久化」を訴えたのに対し、ロシア側は「軍事行動は行っていない」と突っぱねた。《共同通信》



【岡本真夜さん】デビューシングル「TOMORROW」発売

【Jリーグ・サントリーシリーズ】第15節

Jリーグ・サントリーシリーズ第15節(10日・三ツ沢球技場ほか=7試合)鹿島アントラーズが0−3でサンフレッチェ広島に完敗し、4敗(11勝=勝ち点33)。横浜ダービーでマリノスもフリューゲルスにPK戦の末敗れ、4敗(11勝)目を喫したが、勝ち点を34として首位を奪回した。横浜M、鹿島の2強を追うベルマーレ平塚は延長でジェフ市原に3-4で敗れて6敗目。ジュビロ磐田は1-0で名古屋グランパスを下し、浦和レッズは4-2でガンバ大阪に快勝。清水エスパルスはPK戦でセレッソ大阪を破り、ヴェルディ川崎は1-0で柏レイソルに勝った。《共同通信》

【大相撲夏場所】4日目

大相撲夏場所4日目(10日・両国国技館)横綱曙に土がつく波乱があった。曙はもろ手突きから突き放しにいったところを平幕肥後ノ海に思い切って引かれ一瞬早く土俵に落ちた。肥後ノ海は初金星。横綱貴乃花は厳しい攻めで寺尾を寄り切り、大関武蔵丸も落ち着いて新小結剣晃を寄り切ってともに全勝をキープ。大関昇進を目指す関脇安芸乃島は休場明けの武双山の下手投げに屈して2敗目、今場所での昇進が厳しくなった。大関若乃花はうまい相撲で大翔鳳を寄り切り、貴ノ浪は湊富士を下し、ともに1敗を守った。この結果、全勝は貴乃花、武蔵丸、武双山の3人となった。《共同通信》

【日経連・永野健会長】「何もしない村山内閣がどうしてつぶれない?」

「何もしない村山内閣がどうしてつぶれないのか分からない」日経連の永野健会長は10日の記者会見で、規制緩和や円高対策に実効の挙がらない村山内閣を厳しく批判した。会長は17日の日経連定時総会で2期4年の任期を終え退任するが、歯に衣着せぬ「永野節」は依然として健在だ。《共同通信》

【政界談話室】

○…自民党の森幹事長は10日、東京都内で講演。最近強まっている財界の自社連立政権批判に「日本の政治は連立、連合の時代に入っている。そういう時代をつくったのは国民だ」と真っ向から反論。それでも腹が納まらなかったか、「あれだけの薬品をオウム(真理教)に売ったのはだれか。売った人も考えてほしい。経済繁栄を優先する考えが先導し、倫理感がなくなってる気がしないでもない」と、産業界の倫理的責任にも矛先を向けて逆襲した。村山政権の足取りが一層、おぼつかなくなっているだけに、批判には過敏気味な反応。

○…山花前社会党委員長はこの日、党本部で久保書記長に離党届を提出。帰り際、記者団に対し「まずは自らの責任にけじめをつけた」と参院選前の新党づくりに失敗したことに対する引責離党を強調したが、一方で「離党表明から一晩明けたが、寂しさは口で表現できない。親子二代、どっぷり社会党の中にあり、そのことを誇りに思ってきた。未練はいっぱいある」と本音。「南極でも北極でもない第三極を目指す」というのが新党づくりのモットーだったが、コンパスもなく、行き着く先も分からない“単独航海”になってしまい、複雑な心境は隠せない。《共同通信》

【サッカーくじ】一口100円で発売

共産党を除く各党派の国会議員でつくるスポーツ議員連盟(桜内義雄会長)が議員立法で導入を目指している「スポーツ振興投票実施法案」(サッカーくじ法案)の要綱が10日明らかになった。サッカーのJリーグを対象に、一口100円の投票券(くじ)を発売、指定された一複数の試合の勝ち負けを当てる。すべて当てた場合に払い戻される賞金最高限度額は1億円程度になる。

同連盟は11日午前に役員会を開き、この要綱を了承、今月下旬に法案を国会に提出する方針。大半の政党がスポーツ振興が目的のくじに理解を示していることから、成立の可能性が高いと判断した。成立すれば平成9年にもくじが導入される見通し。

要綱は昨年6月にまとめた法案大綱を基にした。くじの実施主体は文部省所管の特殊法人「日本体育・学一校健康センター」で、実際の発売、払い戻しなどの業務は別途設置する公益法人に委託する。

発売に当たっては、選手、監督、コーチ、審判員など関係者は購入も譲り受けも一してはいけないとしており、違反した場合の罰則も設ける。

払戻金(一等、二等)は売上金額の2分の1を超えない範囲とし、的中数に応じて金額が変わる。当たりくじがなかった場合は次回に加算される仕組み。払戻金は非課税にする。

払戻金と事務経費などを除いた収益の2分の1が、長野冬季五輪施設も含めた全国のスポーツ施設整備をはじめスポーツ教室や競技会などのスポーツ行事、指導者の育成に充てられる。残り半分の国庫納付分も、教育文化の振興やスポーツの国際交流事業などに使うとしている。《共同通信》

【オウム真理教・麻原彰晃教祖】立件大詰め

オウム真理教(麻原彰晃教祖)に対する強制捜査を進めている警視庁など捜査当局は10日までに、教団が施設内で製造したサリンを東京の地下鉄サリン事件で使用したとみて、サリンの「製造」から「使用」までの各局面で事件に関与したとみられる幹部ら4グループ計約20人の絞り込みを終えた。

捜査当局は「法皇」として絶対的な権力を持つ麻原教祖が、それぞれの局面に深く関与したのはほぼ確実として、殺人容疑で教祖を含む幹部らの刑事責任を追及する方針で、立件に向け検察当局との最終的な協議に入るとともに、裏付け捜査を急いでいる。一連の教団に対する捜査で、サリン事件は全容解明へ大詰めを迎えた。

捜査当局はこれまで、サリン製造工場と断定した山梨県上九一色村「第7サティアン」の検証や、サリン製造の中心人物とみられる。「厚生省」化学担当幹部、土谷正実容疑者(30) ら逮捕した約200人のオウム教信者の取り調べを進めた。調べに対し、一部の幹部らが教団のサリン製造や地下鉄事件へのかかわりについて供述を始め、教団の地下鉄事件への関与の疑いが濃厚になった。

このため捜査当局は①「第7サティアン」の建設②サリン原材料の購入③サリンの製造④地下鉄サリン事件の実行行為の四つの局面について捜査。その結果「製造犯」について「第7」に出入りしていた土谷容疑者らを中心にした「化学班」のメンバーを絞り込んだ。

また「自治省」幹部で薬品購入のダミー会社役員H容疑者(26)=道交法違反容疑で逮捕=が、他のダミー会社役員の教団幹部らとともにサリンの原材料を購入していた実態をほぼ解明した。

さらに約2年前の「第7」建設時、「建設省大臣」早川紀代秀容疑者(45)=建造物侵入容疑で逮捕=が総責任者を、「建設省」幹部のI容疑者(36)=軽犯罪法違反で逮捕=が現場責任者をそれぞれ務めていたことが判明。他の幹部の供述などから、当初からサリン製造の目的で「第7」を建設した疑いを強めている。

一方、地下鉄サリン事件前日に発生した教団総本部に対する自作自演の火炎瓶襲撃事件のメンバーが、火炎瓶事件後、東京都渋谷区内のアジトに集結、次の犯行準備をしていたことが分かった。この結果、火炎瓶事件で逮捕した信者の供述などから、事実上の「諜報省大臣」井上嘉浩容疑者(25)=特別手配=を中心とした火炎瓶事件の実行グループと、教団の非公然活動に従事する信者らで構成するグループが地下鉄事件の実行犯グループとして浮かんだ。

さらに「自治省大臣」新実智光容疑者(31)=犯人隠匿容疑などで逮捕=らが関与した疑いも出ている。《共同通信》

【米・カンター通商代表】対日強硬策を発表

カンター米通商代表は10日午前(日本時間11日未明)、世界貿易機関(WTO)に日本自動車市場の商慣行が外国製品の参入を阻んでいるとして提訴するほか、米通商法301条(不公正貿易慣行に対する報復措置)に基づき、日本製品に制裁関税を適用することを柱とする対日制裁の方針を発表した。

具体的な制裁関税の候補リストは今後数日のうちに発表される。 米国は同日、WTOのルジェロ事務局長に対し、提訴の方針を予告した。 カンター代表は、日米包括経済協議の自動車・同部品分野をめぐる先週の閣僚交渉決裂を受け、クリントン大統領が対日強硬策をとることを承認したと述べた。

ジュネーブからの報道によると、米国のガードナーWTO大使は10日、日本の自動車市場の閉鎖性について「約45日以内にWTOに提訴する」と語った。大使はこの日、日米自動車協議決裂を受けた米国の方針をルジェロWTO事務局長に説明し、カンター米通商代表の書簡を手渡した。《共同通信》

5月10日のできごと