平成2936日目

1997/01/21

【橋本龍太郎首相】与野党党首と会談

橋本龍太郎首相は21日午前、ペルーの大使公邸人質事件や重油流出事故、東南アジア諸国連合(ASEAN)歴訪の報告のため、与野党の党首と相次いで会談した。

首相は、土井たか子社民党党首らが重油流出事故に関して「重油流出事故の初動対応が遅れたのではないか」と指摘したことに対し①船首部分をえい航できると思ったが、荒天のため容易ではなかった②ロシアの厳冬用の特殊な重油だったため、凍結せずに拡散したーなどの要因を挙げ、「判断の誤りだった」と陳謝した。また与党間で自治体に対しては特別交付税で、漁協や個人に対しては漁業災害補償法の適用を検討することを申し合わせた。

また首相はペルー人質事件に関し「偶発的な事故を危ぐしており、緊張して注目している」とした上で、「保証委員会の設置までこぎ着けたので、話し合いで解決できるよう最大限努力する」と、テロに屈することなく人質の全員解放を目指す立場を重ねて表明し、各党の協力を求めた。国会での事件に関する決議については各党とも協力を約束した。ASEAN訪問では、日本とASEANとの定期首脳協議の提案や政治・安保対話の強化などについて報告した。

会談は最初、与党党首と、次いで野党党首と2回に分けてそれぞれ約40分間ずつ行われた。土井党首、小沢一郎新進党党首らが出席した。《共同通信》




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【マラソン・有森裕子選手】語学留学のため米国へ

陸上女子マラソンで五輪2大会連続のメダルを獲得した有森裕子(リクルート)が21日、米コロラド州ボールダーでの語学留学のため日本を出発した。

出発を前に成田空港で会見した有森は「伸び伸びと、自分自身の時間ができる中で生活できるのが楽しみ。英語を一日でも早く覚えたい」と笑顔で抱負を語った。約2年間の留学中は、学校と家庭教師で英語の習得に全力を尽くす一方、地元の大会などに出場する意向。日本へは3月に一時帰国し、その後も3カ月に一度くらいの割で一時帰国する予定という。

昨年末の実質的な「プロ宣言」に対する、日本陸連の対応はまだ決まっていない。現役選手でありながらスポーツタレント活動ができるかについては「すっきりした形が一番いいが、こういうことを口にできたこと自体、やるべきことをやったかなという気がしている。答えはゆっくり待ちます」と話し、先駆者としての使命感をのぞかせた。《共同通信》

【大相撲初場所】10日目

大相撲初場所10日目(21日・両国国技館)横綱曙、大関若乃花、武蔵丸がそれぞれ勝って10戦全勝。3力士が初日から102連勝をマークしたのは平成6年秋場所以来。曙は危ない場面もあったが、貴闘力を寄りで退け、若乃花は厳しい攻めで関脇魁皇を寄り切り、武蔵丸は旭鷲山を送り出した。横綱貴乃花は朝乃若を押し倒して2敗を堅持し勝ち越し。大関貴ノ浪は関脇琴錦の突き落としに屈し4勝6敗となった。幕内の全勝は曙、若乃花、武蔵丸と変わらず、3人を追う2敗は貴乃花1人となった。十両は出島と久島海が8勝2敗で並んだ。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・東南アジア諸国連合(ASEAN)歴訪以来の風邪が治らない橋本龍太郎首相は21日、記者団に「どうして(首相)番記者には風邪がうつらないのかな。どこかの皮が厚くて熱を遮断しているんじゃないか」と八つ当たり気味の憎まれ口。ところが党首会談の冒頭では、土井たか子社民党党首らに「熱があるんです」説明、さらに「あまり近づくとうつりますから」と対照的に細やかな気遣いを見せた。政権の3月危機もささやかれる中で社民党の協力は不可欠なだけに、風邪でもうつして恨まれては大変ということか?

○・・・ここ数年の政治活動をまとめた著書「時代に挑む」を昨年出版した深谷隆司衆院予算委員長はこの日の予算委理事懇談会で、新進党の二階俊博理事から本を購入したと話しかけられると「本を差し上げることもあるが、購入してもらった方が読んでいただける」と本の内容の良さを強調。1万5000部を出版したことなどをとうとうと説明していたが、最後には二階氏ら野党の理事に「状況によっては、今度菓子折りも付けて進呈しますから」。平成9年度予算案審議に協力してもらえるのなら、本を読まずに菓子だけ食べられてもよいとの心境がありあり。《共同通信》

【石川県】猛吹雪

21日の石川県内は、上空に強い寒気が入り込んだ影響で冬型の気圧配置が強まり、午後からは平野部でも吹雪に見舞われた。午後8時までの積雪は、白峰村谷峠で195センチ、金沢で6センチ、輪島で1センチを記録。気温は午後8時までに凝で氷点下3.9度、輪島でも氷点下4.8度まで下がり、いずれもこの冬一番の冷え込みとなった。

風も強まり、最大瞬間風速は金沢で32.9メートルが、輪島では28.0メートルに達した。金沢地方気象台は、県内全域に暴風雪、波浪警報と雷、低温注意報を、加賀地方には大雪警報となだれ注意報を、能登地方には大雪注意報を加えて発表し、警戒を呼び掛けている。県内の各土木事務所では除雪車を出動させて除雪作業や薬剤散布を行い、道路の確保にあたった。《北國新聞》

【ナホトカ号重油流出事故】

藤本孝雄農水相、加賀市訪問

藤本孝雄農水相は21日、加賀市塩屋海岸の現地連絡本部と同市漁協を訪ね、重油除去作業の進ちょく状況を確認し、補償問題や漁場の回復、風評被害などへの対応についてできる限りの措置をとるとの姿勢を強調した。この日は悪天候のため、海岸の視察は中止となった。

加賀市塩屋海岸の現地連絡本部では、谷本正憲石川県知事や同市災害対策副本部長の吉岡亮治同市助役らが、作業中の様子を収めた写真や同市の海岸線の5000分の1の縮尺図を用いて被害状況などを説明した。

加賀市漁協では橋本志朗副組合長が「湾岸戦争の重油汚染とカイワレ大根の風評被害が一緒に来たようなものだ」と深刻な事情を訴えるなど、漁協役員が補償問題をはじめ、関東、関西方面での魚価への影響などへの対応を求めた。

これに対し、藤本農水相は▷海上保安庁を中心に漂着した重油や海上に残る重油の除去作業を進める▷風評被害を含む、漁業被害に一ついては水産庁を通して十分対応する▷海岸や漁場の再生、重油が環境に及ぼす影響などの調査を行う−との方針を示した。補償問題一の財政支援については「ケース・バイ・ケース。保険で対応できない分については努力したい」と述べるにとどまった。《北國新聞》

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】釈放問題も交渉議題に

日本大使公邸人質事件でペルー政府は、極左ゲリラ、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)の武装グループが要求している仲間の服役囚釈放を拒絶する姿勢を堅持しながらも、保証委員会での直接交渉を早期に再開するため、間接的な形で釈放問題も交渉議題に盛り込む柔軟な対応を検討し始めた。リマの複数の外交筋が21日、明らかにした。

日本政府高官は、表面上の動きが停止している中でシプリアニ司教とミニグ赤十字国際委員会ペルー事務所代表を通じてペルー政府がMRTAと水面下で交渉しているとの見方を表明。「服役囚の釈放はあり得ないが、保証委員会の議題とする可能性をMRTAに示唆する方向が強まっている」と述べた。

MRTAは18日、政府の17日の提案が議題を「合法的な退去と人質全員の解放」に限定し、12日の提案にあった「これまでの接触で確認した点を含め、(議題を)交渉の過程で双方が決めてゆく」としていた部分が欠落していることに強く反発。12日の内容に戻すよう政府に提案の見直しを求めた。

外交筋によると、フジモリ・ペルー大統領は、交渉が進まない「空白の時間」に偶発的事故で人質に危害が及ぶなどの不測の事態を懸念して、双方が直接顔を合わせる交渉で同グループのリーダー、ネストル・セルパ容疑者の軟化を引き出す方が得策と分析。あいまいな議題の設定でとりあえずセルパ容疑者を交渉の席に着かせよう

ペルーの日本大使公邸人質事件で、サンティスバン国民擁護官は21日、政府と極左ゲリラ、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)との直接交渉の場となる保証委員会について「(ゲリラ、政府の)当事者のほかシプリアニ司教らメンバー3人も既に決まり、開催できる状況にある」と述べ、双方ができる限り早く交渉の席に着くことへの期待を表明した。《共同通信》

交渉場所の選定開始

リマの日本大使公邸人質事件で、仲介役のミニグ赤十字国際委員会ペルー事務所代表が21日、公邸正門前の複数の民家を訪れて貸与を依頼し、ペルー政府と極左ゲリラ、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)の直接交渉の会場探しが始まった。これまでの水面下の接触を通じ、双方が保証委員会での交渉開始で基本合意に達したとの観測が強まっている。

住民などの話によると、ミニグ代表は「会合のための場所を借りたい」と家主に申し入れた。このうち、公邸正門前の事務所所有者が前向きに返事したという。 事件は直接交渉の場となる保証委員会の設置が当面の焦点となっており、ペルー政府は17日の声明でMRTAに対し、交渉会場を「公邸近くの建物にしたいと提案。MRTAは18日「会場は政府提案を考慮のうえ、内部ルート(仲介役)を通して連絡する」と発表していた。

保証委員会については、政府側とMRTA側との間で、構成メンバーのほか、MRTA側が要求している服役囚の釈放問題を議題にするかなどが未解決部分として残っている。また、この日は公邸前の道路に事件発生当時から放置されていた人質たちの車が撤去され、周辺も整備された。また公邸近くを警備する警官隊が警備専門部隊に編成替えされた。

ミニグ代表は民家を訪ねた後、21日午後3時(日本時間22日午前5時)前から約30分間にわたり公邸に入った。同日夕にはもう一人の仲介役、シプリアニ司教も公邸に入った。これより先に人質のためのマットレス30枚が現場に到着、赤十字を通じ公邸に運び込むための作業が行われた。《共同通信》



1月21日 その日のできごと(何の日)