平成2316日目

平成7年5月12日(金)

1995/05/12

【阪神大震災】被災地大雨、ビル倒壊

11日夜から大雨に見舞われた阪神大震災(兵庫県南部地震)の被災地神戸市で12日朝、被災した繁華街のビルが倒壊したのをはじめ、街路樹が倒れたり、地滑りが起きるなどの被害が相次いだ。けが人はなかった。兵庫県南部には大雨洪水警報が発令された。

ビル倒壊は、震災で破損した部分から流れ込んだ大量の雨水がたまり、重さに耐えきれなくなったためとみられる。同市内で全半壊したビルや家屋は約7万4000棟に上るとされ、市などは警戒を強めている。

同日午前8時ごろ、神戸市中央区磯上通、鉄筋コンクリート八階建てのテナントビル「サンビル」の3階以上の部分が倒壊、同時に隣接する4階建て雑居ビルの3、4階部分も崩れ、北側の市道をふさいだ。付近の道路は既に通行禁止となっており、けが人はなかった。

葺合署の調べでは、「サンビル」は震災で全壊して使用禁止となり、近く取り壊される予定だった。同市北区の山の斜面では地滑りが起き、そばの国道に土砂が流出、灘区内でも、街路樹が根元から折れて市道をふさぎ、通行止めとなった。また北区有馬町では地滑りの恐れで民間保養所4棟に避難勧告が出されたほか、市内各所でがけ崩れや床下浸水などの被害が出た。《共同通信》



【大相撲夏場所】6日目

大相撲夏場所6日目(12日・両国国技館)大関武蔵丸、平幕の武双山が敗れて、全勝を守った横綱貴乃花が単独トップに立った。貴乃花は危なげなく大翔鳳を寄り切って、6連勝をマークした。武蔵丸は関脇魁皇の右外掛けに不覚を取り初黒星、武双山は横綱曙の突き、押しにあっさり土俵を割った。大関貴ノ浪は1敗を堅持。大関若乃花は琴錦の寄りに屈し2敗となった。貴乃花を追う1敗は曙、武蔵丸、貴ノ浪、琴錦、武双山、春日富士の6人となった。《共同通信》

【社会党】5議員が離党届

社会党の後藤茂、土肥隆一、吉岡賢治各衆院議員、本岡昭次参院議員の兵庫県選出4氏と堀込征雄衆院議員(旧長野2区)は12日午後、参院議員会館で久保書記長に離党届を提出した。

この後、5人は国会内でそろって記者会見し、離党した山花貞夫前委員長とともに衆院新会派を結成する考えを表明。村山政権に対しては「是々非々」の野党として臨むことを強調した。今後、旧山花グループを中心に政策研究集団をつくり、「リベラル近畿」など地域政党の連合体による新党結成を目指す。また新進党との選挙協力について、後藤氏らは会見で「視野に入っている」と前向きの姿勢を示した。

北村哲男参院議員、山花氏に続き、旧山花グループからの離党者は計7人。前畑幸子参院議員も既に離党表明しているほか、27日の臨時党大会後に赤松広隆前書記長、嶋崎譲元副委員長らが離党の構えを見せている。

5人が会見で発表した離党声明は、社会党の新党構想が「看板の塗り替え」に終わる可能性を指摘し、「社会党は歴史的役割を完全に終え、復権した自民党に抱かれながら安楽死しようとしている」と厳しく批判。本岡氏は「社会党議員としてはできなかったことを目指して(党内残留議員と)合体する時期を待つ」と述べ、旧山花グループの再結集に期待を表明した。《共同通信》

村山首相は社会党内に山花貞夫新民主連合会長に同調した離党の動きがあることについて「残念だ。これまで一緒にやってきて、これから新しい党をつくろうという時だから、ぜひ思いとどまってほしい」と述べた。《共同通信》

【橋本龍太郎通産相】「我慢」では行き詰まる

橋本通産相は12日の閣議に平成7年版中小企業白書(中小企業の動向に関する年次報告)を提出、了承された。急激な円高による価格破壊の進行など日本経済のかつてない構造変化に強い懸念を示して「我慢すればそのうち業況が好転するといった一時避難的な発想は危険で早晩行き詰まる」と警告。中小企業が、その特性であるしなやかさを生かして新分野進出、情報化や海外展開に取り組んで乗り切れと提言している。

白書は、5年10月を底とする今回の景気回復局面で、中小企業の景気転換点が景気全体より数カ月遅れた可能性が大きく、回復の速度もこれまでになく緩やかであると分析。その理由として在庫調整の長期化のほか、急激な円高とアジアの企業との競合による生産、設備投資の回復の遅れや阪神大震災の影響も挙げた。

円高の影響については、新製品の開発、海外からの部品調達、生産拠点の海外展開といった新たな前向きの動きが出てきている半面、有効策がないとする企業も多いと指摘。東アジア地域の急速な経済成長を背景とした安い輸入品との競合もあって価格破壊が進む中で、オープン価格制の導入など商慣行に変化が起きているほか、中小流通業者の粗利益が減少するなど経営環境が大きく変わっていると分析している。

製造業の海外生産展開による産業の空洞化についても、現地生産に必要な設備や部品の国内生産誘発効果が小さくなっているなど、各方面にマイナスの影響が出ていることを指摘した。《共同通信》

【政界談話室】

○…村山首相は12日、日本産トキの卵の人工ふ化に失敗して絶滅が確実になったことについて記者団に「そりゃ残念だ」とコメント。記者団が話題をすかさず政界の話に切り替え「政界再編の中で絶滅する政党も出るのではないか」と水を向けると、首相は「転換期だから離合集散はいろいろある。でも根は残るのではないか」と社会党のことを強く意識してか、力を込めて答えた。新党への脱皮で生き残りを図りたい社会党だが“政界のトキ”にはしたくないとの党委員長としての本音がありあり。

○…自民党の村上正邦元労相はこの日の党総務会で、青島幸男都知事の「自衛隊違憲」発言にかみついた。村上氏は「首長発言として見逃すわけにはいかない。危機管理が問われている最中に自衛隊を除外して国民の生命、財産を守れない。その自衛隊を認めないというのはどういうことか」とボルテージを上げた。さらに「災害が起きれば自衛隊を派遣しろと言うだろうが、違憲と言われて生命、財産を守るのではあんまりだ」と党執行部の対応を求めた。森幹事長は「考えてみます」と答えたが、「村山首相限界発言」で与党内の混乱を招いただけに村上氏とは対照的に神妙な口調だった。《共同通信》

【地下鉄サリン事件】捜査は最終局面に

オウム真理教に対する強制捜査を続けている警視庁は12日までに、サリン製造工場と判明した山梨県上九一色村の教団施設「第7サティアン」などの検証・鑑定作業をほぼ終え、来週中にも50日以上に及んだ異例の長期間捜索を終える。捜索が終わり次第「第7」を差し押さえる方針で、サリン製造をめぐる捜査は検証面でも最終局面を迎えた。

これまでの捜査で警視庁は、教団が「第7」わきにある「研究棟」でサリン生成実験を行い、「第7」で大規模なサリン製造を図ったと断定した。

刺殺された教団最高幹部の「科学技術省大臣」村井秀夫氏をトップに、サリン製造を認めた「化学班」責任者土谷正実容疑者(30)=犯人隠匿容疑で逮捕=を中心とする「化学班」メンバーがサリン製造にかかわったとされる。

検証結果によると、「研究棟」にはサリン生成に不可欠の化学装置ドラフトチャンバーが設置されていた。

「第7」はコンピューター制御装置を駆使。サリン生成過程でできる中間物質の成分計測機、ナイロンポリ袋を圧着する機械など多数の機器類が設置されているのが分かり、捜査当局はサリン製造を裏付ける物証は十分と判断した。

一方、静岡県富士宮市のオウム真理教総本部など静岡、山梨両県の施設に対する捜索は今後も必要に応じて続け、サリンの現物の発見に全力を挙げる。《共同通信》

東京の地下鉄サリン事件で、警視庁など捜査当局は12日、オウム真理教(本部静岡県富士宮市)が組織的にサリンを製造、地下鉄で使用したと断定、近く殺人容疑で麻原彰晃教祖(40)と教団幹部ら約20人の逮捕状を請求する方針を固めた。来週前半にも強制捜査に乗り出す。犯罪史上例のない無差別殺人事件は最終局面を迎えた。

捜査当局は、一連の拉致監禁など教団絡みの事件の全容解明を急ぐとともに長野県松本市のサリン事件についても関連を追及する。

教団内で絶対的な権力を持つ麻原教祖の指示で教団組織が動いていることや、逮捕した幹部信者らの供述などから捜査当局は、サリン製造、使用のすべての局面で麻原教祖が関与したと断定した。

捜査当局は3月22日、目黒公証役場事務長拉致事件の逮捕監禁容疑で教団に対する強制捜査に着手、山梨県上九一色村の教団施設の家宅捜索でサリンの原材料を発見。「第7サティアン」の化学プラントからサリンの生成を示す残留物を検出、教団のサリン製造が判明した。

また、地下鉄事件で使われた「ナイロンポリ」と呼ばれる特殊な三層構造の袋の鑑定や、事件前日発生した教団の東京総本部(東京・南青山)に対する自作自演、の火炎瓶襲撃事件で逮捕した元自衛官の供述などから、地下鉄事件への教団の関与を突き止めた。

その結果、捜査本部は①サリン製造工場の建設②サリン原材料の購入③サリンの製造④地下鉄サリン事件の実行行為―の各段階について関与した疑いの強い信者を絞り込み、麻原教祖と約20人の逮捕状請求に踏み切ることを決めた。

地下鉄サリン事件は3月22日、都内の地下鉄3路線5車両でサリンが仕掛けられ、乗客、駅員ら約5500人が病院に運ばれ、うち12人が死亡した。《共同通信》

5月12日のできごと