平成5487日目
2004/01/16
この日のできごと(何の日)
【自衛隊イラク派遣】陸自先遣隊が出発
イラク復興支援特別措置法に基づく自衛隊派遣の中核となる陸上自衛隊部隊のうち、先遣隊約30人が16日夜、成田空港から民間機で経由地のクウェートに向け出発した。今月下旬には派遣先のイラク南部サマワに入り、本隊派遣の準備を始める。
米軍などへの攻撃が続き、国内世論も賛否両論に割れる中、給水やインフラ整備、医療援助を目的にした自衛隊派遣は本格段階へ一歩を踏み出した。今後は、派遣隊員の安全確保が最大の課題となる。
同日午後、記者会見した石破茂防衛庁長官は「国際社会の多くの国々がイラクの復興に努力している。その目的のため(日本が)一緒になって活動することを期待されている」と述べ、派遣の意義を強調した。
北海道・新千歳空港からは同日午後、ロシアからチャーターしたアントノフ輸送機が、先遣隊が現地で移動に使う軽装甲機動車を載せ、クウェートに向け離陸。車体は左右のドアと後部に日の丸を付け、英語の「JAPAN」の下にアラビア語でも国名が記された。
先遣隊員らは17日にクウェートに到着。同国西部の砂漠地帯にある米陸軍のキャンプで、準備訓練や軽装甲機動車の点検を行い、下旬に陸路でサマワに入る。
日本とは一変する気候など環境条件の調査や、隊員は本隊の派遣に備え帰国し、政府与党に報告する。
復興支援活動が可能と判断されれば、月内にも本隊第一陣の施設部隊が出発する。
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小泉純一郎首相は16日夜、イラクに向けて出発した陸上自衛隊先遣隊について「無事に任務を果たしていただきたい」と強調した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
これに先立ち首相は官邸で石破茂防衛庁長官と会い、イラクへの陸上自衛隊先遣隊出発を受け、隊員の安全確保などに万全を期すことを確認した。
石破長官は英国やオランダなどの訪問結果を報告。首相は「英国やオランダが自衛隊を支援してくれるのはありがたい。しっかりやろう」と述べた。《共同通信》
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自民党の安倍晋三幹事長は16日、イラク復興支援特別措置法に基づく、陸上自衛隊先遣隊の派遣について「世界がイラク人の手による民主的な政府の実現に努力しようという中で、わが国もしっかりと責任を果たしていく決意を示している」と評価した。党本部で記者団の質問に答えた。
安倍氏は「陸自先遣隊は(本隊の派遣に向け)しっかり調査して任務を果たしてくれると思う。自衛隊員は日ごろから危険な中で作業したり、危険を回避する過酷な訓練を積んでおり、その成果を生かしてほしい」と指摘。「自衛隊員の家族の方々は心配だろうと思うが、同時に、歴史的な任務を果たすために現地に赴く隊員を本当に誇りに思っているだろう」と述べた。
公明党の神崎武法代表は都内のホテルで記者団に対し治安調査が目的との認識を強調。その上で「治安状況を見極め、いろいろな角度から報告してほしい」と要望した。
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野党各党は16日午後、イラクへの陸上自衛隊先遣隊の出発について「派遣は憲法上の問題がある」(岡田克也民主党幹事長)などと反対姿勢を鮮明にした。
岡田氏は記者団に「国連を中心とした復興支援ができるようしっかり役割を果たしていくべきだが、それは自衛隊を出すことではない」と強調。その上で「(本隊への命令の際に)もう一度事後承認が必要だ」と述べ、政府、与党が通常国会冒頭でイラク派遣を一括して承認する方針を示していることに異論を唱え、本隊派遣に関しても国会承認を求めた。
共産党の志位和夫委員長は静岡県熱海市内での記者会見で「歴史に重大な汚点を残す決定だと抗議したい。今からでも自衛隊派兵計画を見直して中止することをあらためて強く求めたい」と中止を要求。
社民党は又市征治幹事長名のコメントで「テロが頻発するイラク情勢の下では米英軍と一体化して軍事行動する可能性すら否定できない」との懸念を示し、「憲法と平和国家としての歩みを踏みにじる言語道断の暴挙だ」と批判した。《共同通信》
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【大相撲】
大相撲初場所6日目(16日・両国国技館)横綱朝青龍が全勝を守り、単独トップに立った。朝青龍は旭天鵬を左下手ひねりで退けた。大関陣も安泰。栃東は北勝力を一方的に寄り切って1敗をキープし、千代大海も岩木山を押し出して、1敗を守った。魁皇と武双山はともに4勝目を挙げた。関脇は土佐ノ海が4敗目、玉乃島が5敗目を喫し、小結は若の里が4勝目を挙げたが、栃乃洋は4敗目。平幕の琴光喜は初黒星。全勝の朝青龍を1敗で追うのは、栃東ら4人。《共同通信》
【卓球】
卓球の全日本選手権最終日は16日、東京体育館で行われ、女子ダブルス決勝で小西杏(ミキハウス)福原愛(ミキハウスJSC)組が松富心、高橋美喜江組(十六銀行)に3−0でストレート勝ちし、2連覇を飾った。
アテネ五輪アジア予選代表で15歳の福原はジュニアの部女子シングルスでは初の3連覇を達成。小西は混合ダブルスと合わせて2種目に優勝。
男子シングルス決勝は中国出身選手同士の対戦となり、41歳の偉関晴光(健勝苑)が新井周(グランプリ)を4−3で下し、史上最年長優勝を果たした。偉関は3大会ぶり4度目の優勝。3連覇を目指した松下浩二(ミキハウス)は準決勝で敗退した。ジュニア男子は14歳の水谷隼(青森・青森山田中)が同種目で最年少優勝した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・安倍晋三自民党幹事長は16日午後、都内でのパーティーであいさつし「しっかりものをかんで正しく食べて」「健康な肉体をつくることが大切」と自らに言い聞かせるかのように力説。その上で「90、100歳になってゴルフ場で『安倍さん、ナイスショット』と言われた瞬間に天国に行く」と将来の“夢”を披露し、会場は大爆笑。幹事長の激務が続く安倍氏は今年、50歳の大台を迎えるが、寄る年波が気になり始めた証拠?《共同通信》
【政府】「竹島切手」韓国に抗議へ
福田康夫官房長官は16日午前の記者会見で、韓国の郵政事業本部が「竹島切手」を発行したことについて「何回も取りやめるよう申し入れてきた。発行したのは極めて遺憾だ」と述べ、外交ルートを通じて韓国政府に厳重に抗議する考えを明らかにした。また「(竹島切手発行は)万国郵便連合(UPU)憲章の前文、諸精神に反する。連合の事務局を通じて加盟国に訴える」と強調した。
麻生太郎総務相は、韓国郵政事業本部の姿勢について「良識ある対応を期待していたが、そういうことではなかった。UPU憲章違反ははっきりしている」と批判。川口順子外相も「竹島は、歴史的にも国際法上もわが国固有の領土。そういう意味で遺憾だ」と反発した。《共同通信》
【自民党】党大会
自民党は16日、都内のホテルで、党大会を開いた。小泉純一郎首相は、自衛隊のイラク派遣について「正しい選択だったと多くの国民から理解を得られると確信している」と述べ、国民の支持に強い自信を表明した。
首相は「一国だけで日本の安全と平和を確保できない。日米同盟と国際協調の両立を図るのが日本の方針だ」と指摘した上で「血を流す必要はない。汗を流し、資金的な協力、人的貢献をすることが国際社会での日本の責任だ」として自衛隊派遣の意義を強調。「参院選を契機に多くの国民に正しい選択であることを理解していただきたい」と述べた。
大会では、今夏の参院選での出馬を表明している全国の候補が紹介され、首相は「衆院選で示した政権公約を着実に実行することが参院選に向けて大事であり、参院選の勝利につながる」とカ説。「国民からいただいた安定した連立基盤に立ち、改革の芽を大きな木に育てるのが政権政党の責務だ」として、自公連立政権の運営に自信を示した。
大会では運動方針を採択。参院選について「改選51議席を何としても確保するとともに、過半数を得るためには少なくと6議席以上を上乗せする必要がある」として、単独過半数の回復も視野に選挙態勢の強化を求めた。
運動方針には、新憲法草案を結党50周年の2005年までにまとめて党主催の公聴会を全国で開催、国民的な議論を展開することも盛り込んだ。構造改革では、郵政事業を07年4月から民営化するとの政府方針を踏まえ「今年秋ごろまでに結論を得る」と明記。道路公団民営化のための法案を19日召集の通常国会に提出、05年度に実現させる方針も明示した。《共同通信》
【経済財政諮問会議】
平成16年1月16日、総理大臣官邸で、本年第1回目となる経済財政諮問会議が開催されました。
この日の会議では、平成14年1月に閣議決定された「構造改革と経済財政の中期展望」を改定する「構造改革と経済財政の中期展望−2003年度改定」を答申しました。
今回の改定では、世界経済の回復や民間企業の改革努力による収益構造の改善等を背景に、我が国経済に明るい兆しが見られる、との認識を示すとともに、こうした明るい兆しが企業から家計、都市から地方へと日本経済の隅々にまで浸透するように、構造改革の加速・拡大などの一層の政策努力を行い、民間需要主導の持続的な経済成長の実現を目指す、としています。
答申を受けて小泉総理は、「今後、この答申を早急に閣議決定し、中期的な経済財政運営に関する政府の基本方針としたい。この諮問会議も早いもので4年目を迎えました。内外に課題が山積していますが、引き続き皆様のご協力を得て、改革を軌道にのせ、経済再生を図っていきたい。」と述べました。《首相官邸》
【この日の民主党】
「首相の国際協調はアメリカ追随の言い換え」岡田幹事長
民主党の岡田克也幹事長は、16日の定例記者会見で通常国会に臨む民主党の姿勢について「対案を示し、比例第1党の2200万票、その背後にある国民の声を受け止め、議論していきたい」との基本姿勢を明らかにした。また、この国会の争点としてイラクへの自衛隊派遣、経済、改革などを挙げた。
イラクへの自衛隊派遣問題、イラク復興支援策について自民党大会で小泉首相が「一国平和主義に陥ってはいけない。国際協調が大切」と述べたことに関し、岡田幹事長は「何を言っているのかと聞きたい。そもそもイラク戦争は国際協調主義を破って、単独主義で始まったのではないか。小泉さんには、国際といえばアメリカしかないのではないか」と、厳しく批判した。
菅代表、牛丼店でサラリーマンたちと昼食
民主党の菅直人代表は16日昼、東京都内の牛丼専門店「吉野家」虎ノ門店を訪れ、居合わせたサラリーマンたちと牛丼を食べながらしばし意見交換した。
満員のカウンター席に座って「食べるのは2、3年ぶり」という牛丼(280円)を注文した菅代表は、昼食にきた会社員らに「よく来られるんですか」などと話しかけた。会社員らは「安くておいしいから来ている」「BSEでなくなるのではないかと心配している」などと話していた。
昼食を終えた菅代表は、「リストラや賃下げでサラリーマンのふところはますます厳しくなっている。昼食も高いものは食べにくくなっている。そういう一般の勤労者の生活実態を国会審議でも取り上げていきたい」と語った。《民主党ニュース》