平成2922日目
1997/01/07
この日のできごと(何の日)
【ナホトカ号重油流出事故】福井県三国町に重油漂着
島根県沖の日本海で沈没したロシア船籍タンカー「ナホトカ」(13,157トン)から流出した重油は7日、福井県三国町雄島一帯に漂着し、約2800キロリットルの重油が残る船首部分は午後2時半、雄島の東沖約300メートルで座礁した状態となった。石川県内の海岸で重油の漂着は確認されていないが、第九管区海上保安本部などは小松市安宅沖など県内11カ所の海域で浮遊油を確認した。石川県は海岸漂着に備え、関係機関と連携しながら引き続き厳重な警戒態勢を敷いている。
九管本部や石川、福井県警によると、最も近い海岸から約100メートル沖で座礁状態にある船首部から陸に向かって重油が扇状に流出しており、濃い油は雄島橋下から長さ約500メートル、幅約200メートルにわたって南に流れ、九頭竜川河口付近で沖へ広がっている。
船首以外から流出したとみられる重油の一部は三国町の浜地−雄島間の約5キロにわたって漂着、今後、東尋坊付近から能登半島外浦にかけた沿岸約150キロに漂着する可能性があるとしている。
航空自衛隊の対潜哨戒機や九管本部の航空機、巡視船などの観測で、加賀市沖から羽咋市沖にかけての計11カ所で重油が点在しているのを確認したが、浮遊油は対馬海流に乗って北へ流されており、7日午後4時現在、福井県越前岬から小松沖の間に油の浮遊は認められなかった。
これまでに流出した3700キロリットルは島根県から石川県沖の日本海で東西約300キロにわたって広がっている。船首部分にはこれに加え約2800キロリットルの重油が積まれており、タンク破損による流出があれば今後、重油汚染による沿岸漁業や生態系への影響が広がる恐れも出てきた。
しかし、悪天候に阻まれ、オイルフェンスの設置や処理剤の散布や油の回収は難航しており、八管本部は座礁前に船首をいかりにつないで引き留めようとしたが、ワイヤが切れたため作業を中断した。《共同通信》
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【フジ系連続ドラマ・踊る大捜査線】放送開始
【第76回全国高校ラグビー】西陵商(愛知)初V
第76回全国高校ラグビー大会最終日は7日、東大阪市の花園ラグビー場で決勝を行い、西陵商(愛知)がノーサイド寸前の劇的な逆転劇で啓光学園(大阪第一)を26−25で破り、愛知県勢初の優勝を遂げた。
FW戦で互角の戦いを繰り広げ、一進一退の好ゲームとなった。西陵商は、前半1分に啓光学園に1トライを先行されたが、2PGで逆転。さらにPGの取り合いで、前半9−8とわずかにリードした。後半は、啓光学園がモールから4分、13分とトライを奪って優位に進めた。だが、粘る西陵商は19−25の終了間際、相手ゴール前へ迫り、激しい攻防の末に交代出場のWTB小川がゴールポスト左にトライ。SH後藤もゴールを決め勝利を収めた。《共同通信》
【横山ゆかりちゃん失踪事件】発生から半年
群馬県太田市のパチンコ店で、同県大泉町、電気工事士横山保雄さん(30)の長女ゆかりちゃん(5つ)が行方不明になってから7日で半年を迎える。略取誘拐事件として捜査本部を設置している同県警は、店内の防犯ビデオに映っていた不審な男性の特定を中心に捜査を進めているものの、依然、有力な手掛かりは得られていない。
ゆかりちゃんは、昨年7月7日、両親に連れられて同市高林東町のパチンコ店「パチトピア」に出かけ、店内から姿が消えた。店内の長いすで防犯ビデオにゆかりちゃんが防止をかぶった男性と並んで座り、男性の後を追うように店外に出ていくような光景が撮影されていたことなどから、県警では“ビデオの男”が何らかの事情を知っている可能性が強いと見て、似顔絵などを公開し、捜査している。《読売新聞》
【在ペルー日本大使公邸占拠事件】
ゲリラの指揮系統判明
人質74人を盾にペルーの日本大使公邸を占拠しているトゥパク・アマル革命運動(MRTA)の武装グループの指揮命令系統や主要担務、メンバーの名前などの詳細が7日、新たに明らかになった。
複数の政府、警察当局に近い筋が語ったところによると、グループの人数もこれまで推定された十数人ではなく、25人前後であることが判明した。これは武力行使を含めたフジモリ政権の今後の対応策決定に必要な情報の収集が、細部にわたって進んでいること示している。メンバーらの特定に当たって当局は、地元テレビなどが放映した邸内映像を詳細に分析したという。
同筋によると、過去の戦闘で死亡した「同志」の名前にちなんで「オスカル・トレス・コンデソ作戦」と名付けられた公邸襲撃はネストル・セルパMRTA最高幹部(軍事部門)が立案。ナンバー2のロリ・フェルナンデス幹部(通称「アラベ」)も立案段階から関与した。
フェルナンデス幹部は、公共施設襲撃事件で8年の禁固刑を受けたが、1990年に刑務所をビクトル・ポライ最高幹部らと脱走。今回の事件では政治工作面で参謀役を務め、人質の名簿を作った際、政府、軍高官の顔と氏名をあらかじめ把握していた。
軍事面の責任者はエドゥアルド・クルス幹部(通称「ティト」)。12月17日の襲撃の夜、銃撃戦で右足を負傷。このため、武器が積み上げられた2階の一室にこもって外部の仲間と無線交信したり、情報収集に当たっているという。《共同通信》
ペルー警察、テレビ朝日記者を拘束
日本大使公邸人質事件は7日、公邸を占拠しているトゥパク・アマル革命運動(MRTA)とペルー政府の交渉が停滞、新たな人質解放がない中で、同日午後2時45分ごろ、テレビ朝日系列の記者ら2人が邸内に入り取材を行った。2人は約2時間15分後の午後5時に公邸を出たが、国家警察のテロ対策本部の捜査員に身柄を拘束され、リマ市内の同本部に連行された。
テレビ朝日の現地取材事務所によると、連行されたのは広島ホームテレビ(UHT)から出向の形でテレビ朝日ニューヨーク支局に勤務する人見剛史記者(26)とペルー人通訳。事件発生後、報道陣が邸内取材したのは、昨年12月31日に入った共同通信などの十数人の記者に続いて2回目。
地元ラジオは、本部内で邸内取材のビデオテープを検閲された上、テープ、カメラ、ノートなどが押収されたもようだと報じた。人見記者らは公邸の日本企業関連の人質から会社あてのメッセージを持っていたとの未確認情報もある。
警察当局によると、人見記者らは公邸周辺の警察の規制がない道路に面する民家の敷地を通り、民家の裏側にある公邸前の道路にいったん出た後、警察の制止を無視して門から公邸に入った。地元テレビによると、敷地に2人を入れた民家の主人も、当局に連行された。
テレビ朝日の現地事務所によると、人見記者はMRTA側との事前の接触なしに直接、邸内取材を試みたという。同事務所は今回の取材は同記者の独自の判断で、指示していないとしている。《共同通信》
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ペルーのパンドルフィ首相は7日発表した日本大使公邸人質事件に関する閣議声明の中で、テレビ朝日系列局記者ら2人による公邸入りに触れ、「交渉の真剣さと円滑さを阻害することとなるのみならず、人質および記者の生命を危険にさらした」と述べ、強い遺憾の意を表明した。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】「6改革が内閣最重要課題」
橋本龍太郎首相は7日の初閣議で「行政、経済構造、金融システム、社会保障構造、財政構造、教育の6つの改革を一体的に時限を切って推進していかなければならない。6つの課題は内閣の最重要課題。摩擦を伴うが、乗り越えて、よりよい社会を次の時代に引き継ぎたい」と延べ、橋本内閣として6つの改革に取り組む決意を重ねて表明した。
首相は外交政策について「日米関係が基軸。アジア太平洋地域の平和のかなめだ」と述べ、日米関係を最重要視する姿勢を強調。また「昨年は行政の信頼を失墜させる事件が続き、慚愧に堪えない」と述べ、公務員の綱紀粛正の徹底を図る考えを示した。
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橋本龍太郎首相は7日昼、東南アジア諸国連合(ASEAN)歴訪のため、羽田発の政府専用機で最初の訪問国ブルネイに向け出発した。マレーシア、インドネシア、ベトナム、シンガポールの順に訪問し、14日夜に帰国する。 出発に先立ち、首相は官邸で「経済(の側面)だけでないASEANとの関係をつくり上げていきたい」と、歴訪の狙いを表明した。さらに「(各国首脳と)ひざを突き合わせながら、新世紀を迎えるための努力をしたい」と述べ、ASEAN首脳との定期協議を提案する考えをあらためて示した。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】ブルネイ・ボルキア国王と会談
橋本龍太郎首相は7日夜(日本時間同)、東南アジア諸国連合(ASEAN)歴訪の最初の訪問国ブルネイのバンダルスリブガワンで、ボルキア国王と会談し、日本とASEAN首脳の定期協議を行うことで一致、経済のみならず両国間で幅広い対話を進めるため次官級協議を開催することで合意した。
首相はペルーの大使公邸人質事件に関連し、事件の全容が解明された後、日本から事件の全体像などの情報を提供し、意見交換を行う用意があることを伝えた。アジア太平洋地域にテ口対策ネットワークを創設するという首相の構想に沿ったもので、国王は歓迎の意向を表明した。
首相は日本とASEANの定期首脳協議について「経済ばかりでなく政治、文化面にも関係を広げたい」と強調、高齢者福祉問題や行政改革などを中心に意見交換したいとの考えを表明した。二国間関係では、首相が投資先としてのブルネイの潜在能力を高く評価して投資環境の整備を要請したのに対し、国王は「担当閣僚に研究を指示する」と述べた。
首相はアジア太平洋情勢に関連して「この地域の平和と安定の確保には米国の存在を確保することが必要だ」と指摘。国王は「日米安保体制はアジア太平洋地域の平和と安定にとって死活的に重要な枠組みだ。日本の立場を全面的に支持する」と表明した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・橋本龍太郎首相は7日、新年の初閣議で東南アジア諸国連合(ASEAN)歴訪中の首相臨時代理に三塚博蔵相を指名。この後、記者団に理由を聞かれ「これから主要閣僚にやってもらおうと思っている」との方針を披露。今後予定されている先進国首脳会議(デンバー・サミット)などの外遊を念頭に、首相は「最初は武藤嘉文総務庁長官で、今回が三塚さん。これからは藤本孝雄農相、梶山静六官房長官にも順番にやってもらおうと考えている」と用意周到ぶり。ペルーの大使公邸人質事件を抱えての外遊だけに、首相の重責を閣僚にも味わってもらいたいのが本音?
○・・・新進党の神崎武法総務会長はこの日、公明本部で開かれた新春幹部会でのあいさつの冒頭、「羽田新党の問題などで心配を掛けて申し訳ない」と昨年末の羽田孜元首相らの離党をわびた。しかしすぐに矛先を自民党に向け「報復予算と言って選挙での仕返しを考えている。自民党に代わる政権を担える政党は新進党しかない」とボルテージを上げた。さらに「通常国会に日本再建法案を提出したい」と強調したが、「18兆円以上の大減税の財源をどうするか。行革では経費削減にどう切り込むか」と具体策はやや自信なさげで、政権党への道のりは険しそう。《共同通信》
【韓国・金泳三大統領】年頭記者会見
韓国の金泳三大統領は7日、青瓦台(大統領官邸)で年頭記者会見し「今年は四者会談を実現し、韓半島(朝鮮半島)に恒久的平和が定着する土台を築かねばならない」と述べ、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に四者会談に応じるようあらためて呼び掛けた。
大統領はまた、今年12月の大統領選挙での与党候補決定について「党大会で決めるが、私が総裁としての立場を党員と国民に伝える」と、後継者決定に自ら影響力を行使する考えを初めて明らかにした。時期は「遅くもなく早くもない適当な時期」とした。
金大統領は1997年の政策課題として「国家経済の体質改善」「不正腐敗追放の継続」とともに、「安全保障を確固とさせ平和統一の基盤構築」を指摘。「今後の北の態度にかかっている」としながらも、昨年8月15日の光復節の演説で示した南北協力協議の用意もあらためて表明した。
昨年末の北朝鮮の潜水艦侵入事件への遺憾表明と四者会談説明会への出席表明を受け、北朝鮮の出方を慎重に見極めつつ南北対話に応じるとの柔軟姿勢を示したと言える。大統領は四者会談を「北が受け入れる可能性が最も高い方法だ」とし、今月中に米韓合同説明会が開かれる約束になっていると述べた。《共同通信》