平成6145日目

2005/11/04

【日朝対話】“拉致”進展なし

日朝両国の審議官級による政府間対話は4日、北京市内のホテルなどで2日目の協議を行い、全日程を終了した。

北朝鮮による日本人拉致問題や、植民地時代の「過去の清算」の問題について意見交換したが、具体的な進展はなかった。ただ、今後も政府間対話を継続することでは一致した。日本側は拉致問題、安全保障、過去の清算について並行して協議していく場を設けるよう提案した。これについて、北朝鮮側は、持ち帰って検討すると答えるにとどめた。

対話には、日本側は斎木昭隆・外務省アジア大洋州局審議官らが、北朝鮮側は宋日昊(ソン・イルホ)外務省副局長らが出席した。

斎木審議官は協議終了後、記者団に対し、「近いうちにまた実施することで、日程調整を進める」と述べ、次回会合の準備に入る考えを示した。宋副局長も協議後、記者団に対し、「懸案事項については意見の差はあるが、協議する」と述べた。

日本側は、拉致問題について、〈1〉北朝鮮にいる生存者の帰国〈2〉拉致事件の真相究明〈3〉拉致容疑者の引き渡し――の3点を改めて要求し、回答を迫った。「拉致問題の解決なくして国交正常化はあり得ない」との基本的立場も伝えた。

また、横田めぐみさんのものとして北朝鮮が提供した遺骨が別人のものだった問題で、日本側の鑑定結果について詳細に説明した。

これに対して、北朝鮮側は「拉致問題は解決済み」との従来の立場を変えず、安否不明の拉致被害者に関する新しい情報提供などはなかった。《読売新聞》




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【麻生太郎外相】「いつの間にか中道、穏健派になった」

「最近は激しいのが出てきた。(私は)いつの間にか穏健派だ」。麻生太郎外相は4日、外務省の外相交代式で自らの外交スタンスをこう表現し、中国、韓国が警戒感を示していることにやんわり反論した。

麻生氏は、同席した町村信孝前外相も引き合いに出し、「町村、麻生と続けて、世の中からみれば右翼かなと思うだろうが、最近はもっと激しいのが出てきて、いつの間にかわれわれは中道、穏健派になった。格上げか格下げかは別にして、そう感じる」と「相対論」を展開した。

ただ、麻生氏は「真の国益を考えて行動していかなければならない。その一点だけはぶれずに頑張ってほしい」と職員に注文を付けた。《毎日新聞》

【麻生太郎外相】「拉致解決済み」北の態度は不変

麻生太郎外相は4日の記者会見で、北京で3日から再開した日朝政府間協議について「向こうは拉致問題は解決済みという態度であり、急に真剣に、前向きに解決しようという雰囲気になったとは聞いていない」と述べ、北朝鮮の姿勢は従来と変わっていないとの認識を示した。

拉致問題をめぐる協議に関しては「双方が互いの意見を述べ合ったというのが昨日のところで、特に目新しい提案があったとは聞いていない」と述べた。《共同通信》

【小泉純一郎首相】皇室のエッセー「憲法違反ではない」

小泉純一郎首相は4日、寛仁親王殿下が「私的な立場」で女性・女系天皇の容認論を疑問視するエッセーを寄稿したことについて、首相官邸で記者団から憲法との兼ね合いを尋ねられ、「憲法違反じゃないでしょう。どんな方の意見だって自由ですからね、個人が発言するのは」と語った。皇位継承資格の在り方を巡って、首相の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」が皇室典範の改正を検討しているが、座長の吉川弘之元東大学長は皇族からの意見聴取について「象徴天皇制の今の制度では憲法上できない」としている。

【この日の民主党】

党本部で全国幹事長・選挙責任者会議を開催

民主党の全国幹事長・選挙責任者会議が4日午後党本部で開かれ、総選挙総括案(「深い反省と再生への決意」―改革の旗を取り戻す―)を中心に活発な議論が行われた。総括案は加筆すべき点は加筆するとしておおむね了解された。

冒頭、前原誠司代表は、9月11日の総選挙で候補者必勝のために尽力した各都道府県連に謝意を表した上で、「政権交代と言いながらも、体制として全ての面で、準備・心構えができていなかった」との自戒も含めた反省に立って、特別国会では「対案路線」で臨んだと報告。「しっかりと党内で議論しながら、しかし国民が関心を持っている重要なテーマについては常に対案を示す路線をこれからも貫いていきたい」と表明した。

また「税金の無駄遣いについては、まだまだ政府与党の取り組みが甘い」と述べ、特別会計や公共事業の見直しなど、5つの柱に関して徹底的に改革競争を行うとした。その上で、「チャンスが誰にでも与えられ、ハンディキャップをもった方々もしっかり社会参加ができ、社会保障制度がセーフティネットとして張られている社会を目指す。勝ち組と負け組、地域の格差を生む新自由主義、市場を絶対と考える小泉政権との対立軸にしていかなければならない。具体像を年金や医療、教育の問題などで今後しっかりと打ち出したい」と語った。

さらに労働組合との関係に言及し「働く方の視点に立った政治をしっかり行うことは民主党のレゾンデートル(存在意義)」と言明した上、緊密な連携・話し合いをする中で、政党の独自性を担保するために是々非々の対応を取ることもあり得るとの認識を示した。

党内の意見集約の方向性については「何も全てトップダウンで決めるという思いを持っている訳ではない。党内の徹底した議論の中で党としての考え方をまとめることに重きを置きたい」と述べた。

続いて、鳩山由紀夫幹事長が党務報告と選挙総括のポイントについて説明した。鳩山幹事長はこの中で、「前原執行部になって最初の国会だったが、それなりのことはできたのではないか。しかし、郵政改革案など3日間で済んでしまったことについては、忸怩たるものがある。障害者自立支援法も提出した。国会は終了したが、イラクへの自衛隊派遣延長、BSEに係る米国産牛肉の輸入再開など問題は山積している。臨時国会の開催を要求していく」とこの間の国会での取り組みを報告。選挙総括に関しては「ここでの意見を参考に8日の常任幹事会で取りまとめたい。真剣に受け止める」として建設的な意見を求めた。

次に玄葉光一郎幹事長代理が、総括案について説明し、討議に移り、13の都道府県から意見が出された。玄葉幹事長代理は、「我々以外に真に『生活者』『納税者』『消費者』重視の政権をつくり、『大きな改革』を成し得る勢力はないのだから、その使命は重い。臥薪嘗胆。今改めて深い反省と再生への強い決意を持って、第44回総選挙を総括する」との文面を読み上げるとともに、総選挙時期の設定、選挙宣伝・メディア戦略などの敗北の要因を説明した。

県連からは、地方組織の強化、地方議員の拡大、政策についてもっと分かりやすくすべき、農村部で健闘したことの意味を掘り下げるべき、候補者について学歴よりも社会経験のある人を、比例単独候補を有効活用してはどうか、現場と直結した対応を、などさまざまな意見が出された。

これらに意見・要望に対して鳩山幹事長が「貴重な意見をいただいた。情報伝達・本部と現場の直結などは党内広報の体制改革などで応えていきたい」などと答弁し、玄葉幹事長代理は「総括案に加筆すべきところは加筆する。特に比例単独候補、地方組織の強化。メディア対策については戦略・企画部門の強化を図る」と答弁した。

最後に安住淳選挙対策委員長が公認内定基準について、「次回の常任幹事会で基準を決めていただき、今月中に第1次公認内定を決めたい。党大会で追加もする」と今後のスケジュールを説明した。

全国幹事長会議、大変有意義な時間だった 鳩山幹事長が会見で

鳩山由紀夫幹事長は4日夜、党本部において定例の記者会見を開き、この日の午後に行われた全国幹事長・選挙責任者会議について改めてコメントするとともに、前原代表らの北方領土視察や連合幹部との意見交換会に臨むにあたっての意欲も改めて明らかにした。

鳩山幹事長はまず、全国幹事長・選挙責任者会議について、「大変有意義な時間であった」と述べるとともに、「皆さんそれぞれ、大変前向きで建設的な意見を述べていただいた」と謝意を表し、前原代表をはじめとする新執行部を、「それぞれの地域で、精一杯支えていこうという意欲が見えたことは、大変有り難いことであった」などとした。総選挙総括案については、来週の常任幹事会に最終的な案を諮って取りまとめる意向も併せて示した。

7日に前原代表が9名の議員とともに根室などを訪れ、北方領土を視察することについても鳩山幹事長は触れ、元島民の方々や漁業者の皆さんなどと「率直な意見交換を行ってまいりたい」などとして、現場主義を貫いていく意欲を改めて示した。

また、高木会長、古賀事務局長をはじめとする連合の幹部と、前原代表ら民主党幹部との意見交換会が来週にも行われることも鳩山幹事長は明らかにし、「真摯に語り合う機会を、できるだけつくっていきたい」と述べ、「意見交換をできるだけ密に行っていく」意向を改めて強調した。《民主党ニュース》



11月4日 その日のできごと(何の日)