平成6097日目

2005/09/17

【民主党】新代表に前原誠司氏

民主党は17日、東京都内のホテルで両院議員総会による代表選挙を行い、辞任した岡田克也氏の後任として前原誠司氏(43)を新代表に選出した。


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党内グループの大半が自主投票で臨み、党所属国会議員(194人)のうち192人が無記名で投票。前原氏が半数の96票を獲得し、菅直人氏(58)を2票差で破る接戦だった。代表選後、前原氏は「無駄は削る。既得権益にはメスを入れる」と述べ、総選挙で60以上の議席を減らした党の再生に全力を挙げる決意を強調した。《朝日新聞》

AP通信は17日、日本の民主党の新代表に前原誠司「次の内閣」防衛庁長官(43)が選出されたことを「若手保守派を選出」として至急電で報じた。前原新代表については、日本のより確固たる軍事的な国際貢献を志向する安全保障の専門家と紹介している。菅直人氏を破ったことは予想外としたが、民主党は衆院選の惨敗からの党勢立て直しのため若いリーダーに期待をかけているとした。《共同通信》




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【前原誠司氏】「改憲、自民と協議」

民主党の新代表に選ばれた前原誠司氏(43)は17日、都内のホテルで就任の記者会見に臨み、憲法改正について「民主党は改正が必要だという立場だ。改正を必要としている政党としっかり議論する中でまとめていく」と述べ、自民党とも協議する考えを示した。憲法に自衛権を明記することを持論とする前原氏の代表就任とあって、会見では憲法改正に関する質問が相次いだ。

前原氏は「私の従来の意見は(侵略戦争を放棄した)一項はいいが、(戦力不保持や交戦権否定を定めた)二項は削除し、自衛権を明記するということだ」と言い切った。

ただ、党の憲法改正案の下敷きとなる「憲法提言」の取りまとめなど具体的なスケジュールについては言及せず、「民主党として国のあり方について議論を積み重ねる中でまとめる」と述べるにとどめた。九条改正に慎重な旧社会党系グループなどに配慮したものとみられる。

前原氏は会見では終始、言葉を選びながら話した。菅直人元代表とわずか2票差だったことについて「それだけ多くの方々が菅氏を応援されたことはしっかり受け止めなくてはならない」と述べ、挙党態勢づくりに配慮していく考えを強調した。一方で党人事について「党内グループのバランスをとる考えはない。適材適所だ」と述べ、中堅・若手の登用に含みを持たせた。

日本経団連からの献金について「自民党を支持し、われわれから見れば偏った評価をしている団体から献金をもらうべきではない。再検討したい」と述べ、献金を辞退する考えを表明した。ただ、企業献金については透明性が確保され、利益誘導にならないという基準を満たせば従来通り政治献金を受けるとの考えを示した。

前原氏の代表就任について、現行憲法に新たな条文を加える「加憲」を唱えながらも、憲法改正の動きが加速することを警戒する公明党からは「大連立になるのではないか」と懸念する声が早くも漏れている。《産経新聞》

【公明党・神崎武法代表】自民暴走なら毅然と対応

公明党の神崎武法代表は17日、党本部で開いた全国県代表協議会で、衆院選での与党圧勝について「構造改革を進める自公政権が圧倒的な信任を得た」と分析する一方で、「自民党が圧倒的多数を背景に暴走したり、政策をごり押しすることがあれば、公明党はブレーキ役として言うべきことは言い、毅然(きぜん)と対応する」と強調した。

また年金改革をめぐり「今後は被用者年金の一元化に取り組みたい。国民年金を含めた一元化も前向きに検討する。民主党の積極的な対応を望む」と述べ、与野党協議会に引き続き参加するよう民主党に呼び掛けた。

衆院選での公明党の3議席減については、比例代表で過去最高の898万票を獲得したことを指摘し「突然の解散と短期決戦で大幅議席減の予測もあったが、予測をはね返す大善戦、大健闘だった」と総括した。《共同通信》

【長崎県佐世保市】陸自が商店街を武装行進

長崎県佐世保市の陸上自衛隊相浦駐屯地の隊員約240人が17日午前、小銃を抱え腰に銃剣を着けた迷彩服姿で初めて同市の商店街をパレードした。市街地の中心部約1キロの行進となり、平和団体は「市民を威圧し軍事行動を誇示する暴挙」として抗議集会を開催した。

駐屯地創設記念日の行事で、パレードは2002年から始まった。同年は佐世保市制100周年行事の一環だったため「刺激的過ぎる」との市側の意見を受け入れ武器は持たずに行進した。

しかし、翌03年からは「真の姿を見てほしい」と武器を持つ代わりにコースから商店街を外し、隣接した国道を歩いていた。《共同通信》

【この日の民主党】

党新代表選挙に向け、菅直人、前原誠司両候補が立候補届出

民主党の新代表を選ぶ代表選が17日告示され、午前9時から都内で立候補の受け付けが行われた。立候補届出順に菅直人候補、前原誠司候補の推薦人がそれぞれ20人の推薦人名簿を添えて、民主党中央代表選挙管理委員会の細川律夫委員長、長浜博行委員、小林元委員に対し、届出を行った。

届出を行ったのは菅候補側は、寺田学、津村啓介、西村智奈美、柚木道義各衆議院議員。前原候補側は泉健太、近藤洋介、田村謙治、笠浩史各衆議院議員。

新代表は同日午後の両院議員総会で、党所属国会議員の投票によって選出される。

党再生に向け、両院議員・総支部長懇談会で意見交換

民主党は17日午前、立候補受付に続いて、両院議員・総支部長懇談会を開いた。午前11時時点の出席者数は約200名。

懇談会の冒頭、進行役を務める田名部匡省両院議員会長は、15日の両院議員総会の議論を受けてこの場が設定されたとして、新代表の選出に先立ち、国会議員・総支部長によって、総選挙を総括し、党再生に向けた有意義な議論を行いたいと述べた。

続いて岡田克也代表が挨拶に立ち、「それぞれの選挙区においてご奮闘いただいた皆さまに心から感謝する」としたうえで、大きく民主党が議席を減らした結果は「ひとえにリーダーたる私の責任」と表明。本格的な総選挙の総括は、新執行部のもとでなされるべきだとの認識を示しつつも、「今日の懇談会をスタートとして、お集まりの皆さま方の率直な意見、次回必ず政権を交代させるための具体的な提言をいただければありがたい」と語った。

また、2480万人を超える方が、小選挙区で民主党の候補者に投票したというきわめて重い国民の信託を糧として、「次回、この国の政治を変えるために政権交代をするという大きな目標に向かって、新しい体制のもとで臨んでいただきたい」と語った。

代表選挙立会演説会で、菅、前原両候補めざす党のあり方を表明

民主党は17日、都内の両院議員総会会場にて午後1時30分から、中央代表選挙管理委員会主催の代表選挙立会演説会を開催した。

長浜博行代表選管委員の司会の下、細川律夫代表選管委員長が冒頭、15日に行われた両院議員総会における代表候補者の主張を聞く機会を作るべきであるとの意見を踏まえて、本日の立会演説会が開催されることになったこと、および立会演説会のルールについて説明した。立会演説は、立候補届出順に菅直人候補、前原誠司候補の順に行われ、補足演説も同様の順序で行われた。

菅候補は、「今回の総選挙は政権交代のためのものだったはずだが、厳しい結果となり、二大政党制の危機である」と述べ、これまでの衆参選挙で議席を伸ばしてきていたのに今回大敗したのは、小泉首相のワンフレーズに対して民主党としての主張が打ち出せなかったからだと語った。

そして「民主党丸を修理し、1年以内に再出発させるのが使命である」と述べ、落選者対策を強調した。政策としては、小泉自民党の強者の自由主義ではなく、弱い人が不幸になるのを防ぐのが私の立場だとした。

さらに、特別国会の課題として、郵貯限度額引き下げ法案、疑惑続きの道路公団民営化の延期、アスベスト問題の調査と対策、年金問題を挙げた。

前原候補は、「二大政党の一翼を担う民主党の代表選に出て意見を述べることを誇りとする」と語り、立会演説会では主に党改革について述べ、両院総会において政策・理念について述べるとした。

衆院選の敗因については、「最大の問題は全ての重要法案について闘う姿勢が取れなかったことだ」と語り、民主党が示した郵貯限度額縮小を国民は自民党の郵政民営化法案の対案として受け取ったか疑問であり、そうした郵政問題への対応に問題があったとする認識を示した。

新代表に前原誠司候補を選出 両院議員総会の選挙で

党の両院議員総会が17日午後3時より、都内で開かれ、新代表選出のための衆参両院の国会議員192人による無記名投票の結果、前原誠司候補が新代表に選出された。

投票結果は、有効投票は190票、無効投票は2票、菅直人候補94票、前原候補96票だった。この投票結果は満場の拍手で確認された。

前原新代表は当選直後の挨拶で、「皆さん方の投票の結果、新代表に選出されました。その職責の重さと、国民の生活向上のためにわが党が担わなければならない責任は極めて大きなものだと思っております。全身全霊を懸けて、政治生命を懸けてこの職責全うさせていただきます。僅差でございました。菅候補に投票された方のお気持ちを汲み取って、挙党一致で新体制をスタートさせ、国民の負託の応えるよう、身を粉にして頑張る所存でございます。どうぞよろしくお願いします」と述べ、国民の期待に応えるため、全力を挙げることを誓った。

その後、菅候補、岡田克也前代表とともに、前原新代表は壇上で固い握手を交わし、大きく会場の拍手に応え、党は総選挙敗北から再生のスタートを切った。
菅候補は「心からお礼を申し上げる。うれしい気持ちも少しある。前原さんを全力で支える」と御礼挨拶した。

両院議員総会では、投票に先立ち、菅、前原両候補がそれぞれ、総選挙での党の敗北からいかに立ち直り、国民の期待に応える党を築くかに関して政見を発表した。

菅候補は、「党の再生には二つの理念が必要」として、一つは「ホリエモンかホームレスか」の自由主義ではなく、「最小不幸社会」を築くこと、もう一つは「霞が関の解体と再生」、この二つを「強者の立場に立つ自由主義に純化されている」小泉自民党の対抗軸として掲げることを提唱した。

さらに、反転攻勢を21日に召集される特別国会から始めることが必要だとして、「具体的に国民の皆さんに理解してもらえるように」、郵政の対案、官製談合の追及、アスベスト対策などで党の存在感を示すようにしていきたいと語った。

前原候補は、「わが党が再生しないと民主主義がなくなる。与党だけでは民主主義は機能しなくなる」として、党の解党的出直しが必要と訴え、既得権益に囚われない党、対案を必ず示す、闘う政党として党を再生することを訴えた。

その上で「税金の無駄遣いをなくすこと。ここに切り込むことが改革の本丸」だとして「行政改革なくして増税なし。これが我らに与えられた使命ではないか」と訴え、「今の自民党ではできない、人に温かみのある政治を」築くために、「打ちひしがれている暇はない。もう一度闘う姿勢を示そうではないか。一緒に闘い、国民を豊かにしようではないか」と呼びかけた。

新代表への選出を受けて、岡田克也前代表は記者団の質問に答えた。

岡田前代表はまず、代表選挙の結果について、「突破力・若さに(代表選の)有権者は賭けた。非常に期待が持てる」と率直な感想を語った。所属議員や関係者には「民主党のためではなく、国民や日本の民主主義のために政権交代を目指すという原点を忘れず、新しいリーダーを盛り立てて協力する姿勢が必要だ」と語った。

岡田前代表はまた、新たに代表の重責を担う前原さんへのアドバイスを尋ねられ、「自分のやるべきことは何かを見失わず、集中してやり遂げること」と回答。その上で、この1年確実にやるべきことは「党の再生と、政権を取るための基礎固め」に他ならないとの見解を示した。

「人事は能力主義、適材適所。党内バランスは考慮しない」初会見で前原新代表

両院議員総会での投票で選ばれた前原誠司新代表は、17日午後4時40分から、総会の行われた東京都内のホテルで、就任後初めての記者会見に臨んだ。

前原代表は「私は43歳だが、今回の選挙は年齢、世代対立の選挙とは思っていなかった。この党をどう立て直すのか、民主党の本気さを国民の皆さんに示したいとの一心で立候補した」と代表選を振り返り、「この初心を貫いて、頑張っていきたい」と抱負を述べた。

記者からの質問で、代表選で繰り返し強調した「闘う政党」についての具体像を求められた前原代表は、「党内でなあなあにしない。意見の合わないものも先送りにしない。そしてまとまったことは国会の中で徹底的に(与党と)対峙する」と説明。そして「多くの国民から本気で政権を取ろうとしているのか、本気なのかを問われている。まずは党内の意見集約、それを国会で闘わせていくこと、これが私たちの闘う姿勢だ」と強調した。

憲法改正についての取り組みを聞かれた前原代表は「党の憲法調査会の議論をスピードアップして、受け身にならないよう、しっかりとした我々の案を持って対応できるよう、今後との党内議論を進める」と答えた。

また、それに関連して国会での合意形成については、「闘う姿勢は持ち続けるが、すべて反対、何でも反対という野党にはならない。大事なことには賛成し、足らざる部分には建設的な提案をし、おかしなことにはおかしいと意思を示し、われわれの対案を示す」との方針を明らかにした。

自民党との違いについての質問では、「自民党は大きな政府、無駄が多い政府、既得権益にはメスを入れない政府。民主党は無駄を削り、既得権益にメスを入れ、効率の良い政府を作り、本当に必要で足りないところにお金を回し、セーフティネットをはる」と述べ、全く違う政府像をもっていることを強調した。

人事については、記者会見では具体的な人選は明らかにしなかったが、「熟・壮・青のバランスをとるが、能力主義、適材適所を貫いて、挙党態勢を築く」との方針を示した。《民主党ニュース》



9月17日 その日のできごと(何の日)