平成6091日目

2005/09/11

【第44回衆院選】

第44回衆院選は11日投票が行われ、即日開票された。自民党は絶対安定多数(269)を大きく上回る296議席を獲得し、公明党と合わせた与党全体の議席が総定数の3分の2(320)を超す圧勝となった。

小泉首相が最大の争点に据えた「郵政民営化」は有権者に信任され、首相の政権基盤は一気に強まった。郵政民営化関連法案が衆院選後の特別国会に再提出され、成立するのは確実だ。

民主党は公示前勢力を大きく割り込む惨敗となり、岡田代表は辞任する意向を表明した。今回の自民党の歴史的勝利は、2大政党化の流れや、衆院と参院の関係などにも影響を与えそうだ。《読売新聞》

「また出ます。ふがいなくてすいません」ライブドア社長堀江貴文氏(32)が惜しくも敗れた。国民新党亀井静香氏(68)と民主党の佐藤公治氏(46)の前職2人に挑んだ三つどもえの激戦で「小泉劇場」の表舞台となった広島6区。ぎりぎりの勝利を収めた亀井氏陣営は安堵の声を挙げ、若きIT企業経営者は、らしからぬ苦もんの表情を浮かべた。《共同通信》

静岡7区では、自民党新人の片山さつき氏(46)が、無所属の前衆院議員の城内実氏(40)らを破り、初当選を決めた。 片山氏は元財務省課長。郵政民営化関連法案に反対した城内氏への対立候補として、党本部が擁立した。

選挙戦では、小泉首相や武部幹事長、竹中経済財政・郵政民営化相らも応援に駆け付けるなど、党本部が全面的にバックアップ。公明党の推薦と、地元の県議や市議の一部からの支援も受け、「日本全体が1%成長なら、この地域は5%伸びる」などと強調。市街地から山間部までくまなく回り、急速に支持を広げた。《読売新聞》

第44回衆院選は11日投開票され、小選挙区の福井1区は自民党新人の稲田朋美氏(46)、2区は自民党前職の山本拓氏(53)、3区は自民党前職の高木毅氏(49)が当選し、前々回、前回選挙に続いて自民が選挙区議席を独占した。本県の女性代議士は戦後初の総選挙(1946年)で当選した今井はつ氏以来、59年ぶり。《福井新聞》

秘書給与詐取事件で有罪判決を受けて執行猶予中の社民党元衆院議員、辻元清美氏(45)は、大阪10区では自民党元衆院議員の松浪健太氏に敗北したが、比例選近畿ブロックで復活当選を果たした。

辻元氏は1996年の衆院選で初当選。党勢回復の切り札として党政審会長に起用されたが、2002年3月、元政策秘書の給与不正疑惑の責任を取って議員辞職した。その後、詐欺容疑で逮捕され、昨年2月、懲役2年、執行猶予5年の有罪判決を受けた。昨年夏の参院選では、大阪選挙区から無所属で立候補し、約71万票を獲得したが、次点で落選した。

辻元氏は、抜群の知名度を生かした選挙戦を展開。福島党首や土井たか子・前党首がたびたび応援に駆けつけるなど、党全体でバックアップした。《読売新聞》

比例選近畿ブロックで、社民党前党首の土井たか子・元衆院議長(名簿5位)が落選した。1969年の衆院初当選から12回連続で守った議席を失った。 憲法学者から政界に転じた土井氏は1986年に旧社会党委員長に就任した。

89年の参院選では、女性候補を次々と擁立し、「マドンナ旋風」を起こして大勝。55年体制下の参院で初めて与野党が逆転し、「山が動いた」と語った。93年には女性初の衆院議長に就任した。前回の衆院選では、自ら小選挙区で敗れるなど大敗の責任を取り、社民党党首を辞任した。《読売新聞》

【国民新党、新党日本】「政党」として存続

今回の“郵政解散”で誕生した国民新党と新党日本が、11日投開票の衆院選で政党要件を満たし、いずれも「政党」として存続できることになった。

国民新党は公示前勢力の4議席を維持し、所属国会議員は、田村秀昭参院議員も含めて5人となった。新党日本の獲得議席は1で公示前から2減となったが、比例選での得票合計は約164万票で、比例全ブロックの投票総数の2%を超えた。

政党助成法が定める政党要件は、所属する国会議員が5人以上いるか、直近の国政選挙で有効投票総数の2%を超えることで満たされ、政党助成金の交付を受けることができる。今後の政治活動を続けるうえで、両党にとっては大きな利点となる。

両党とも、先の通常国会で郵政民営化関連法案に反対した前自民党議員を中心に、衆院選直前に結成されたもので、無所属での立候補の場合に直面する選挙運動での制約や、小選挙区と比例に重複立候補できない「不利」を避ける狙いがあった。

両党とも、重複立候補によって比例でそれぞれ1人が当選しており、作戦が一定の成果をあげた。《読売新聞》

【この日の民主党】

自民の小選挙区独占打ち破る=岡山県で柚木さん、津村さん当選

9月11日に投開票が行われた第44回衆議院選挙。岡山4区では、新人の柚木道義(ゆのきみちよし)さんが2回目の挑戦で初当選を果たした。同2区でも前職の津村啓介さんが当選。これまで自民党が小選挙区の議席を独占してきた岡山県で、地盤も看板もカバンもない若い二人が、草の根選挙の成果を小選挙区での勝利に見事に結びつけた。

柚木さんと自民党の対立候補のマスコミの出口調査結果はほぼ互角。倉敷市内の選挙事務所では、詰め掛けた支持者やボランティアのスタッフがテレビの前で、一進一退の開票状況を見守った。そして日付が変わった12日午前0時15分、NHKテレビが柚木さんの当選確実を告げると、「やったー」との歓声が爆発した。

まもなく柚木さんが事務所に到着し、大歓声に迎えられ野外に設けられたステージへ。万歳三唱したあと、マイクをとり、「政権選択の選挙を訴え、真正面から真っ正直に訴えを続けてきた。全国ではこの思いはあと一歩なかなか通じなかったが、『一番の改革は政権交代だ』との信念はいまだ変わらない」と言い切り、大きな拍手を浴びた。

続けて柚木さんは「岡山4区でしかできない改革があった。それは政治とカネの問題だ。1億円をもらったことを覚えていない人、あるいはその世襲候補に皆さんの血税の使い道を決める資格があったのか」と語り、「岡山4区ではそのけじめがついた。この歴史的な総選挙で全国に向かって有権者の良識を示した」と語気を強めると、集まった支援者から「そうだー」と大歓声が沸き起こった。

最後に柚木さんは「50年以上も続いてきた世襲の政治を、市民の政治に取り戻した瞬間に参画していただいた有権者の皆さんに感謝するとともに、その責任を私自身が背負って、改革の中身そのものを、国民に明らかにしていく」と決意を述べ、さらに大きな歓声と拍手を浴びた。《民主党ニュース》

【この日の小泉総理】

科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム

平成17年9月11日、小泉総理は京都市で開催された「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム」(STSフォーラム)第2回年次総会開会式に出席しました。

同フォーラムは、「科学技術の光と影」をテーマとして、皇太子殿下ご臨席の下、60を超える国と地域から政治、経済、科学など各分野のリーダーら約500人が参加し、三日間の日程で、地球温暖化やクローン、感染症問題などについて討議することとしています。

英語で基調講演を行った小泉総理は、「美しい環境を保護することにはコストがかかるため、環境保護は経済発展の足を引っ張るのではないかと考える人は多いのではないでしょうか。しかし、環境保護と経済発展は両立できるのです。これを両立させる鍵は科学技術にあるのです。」と述べました。《首相官邸》



9月11日 その日のできごと(何の日)