平成5998日目
2005/06/10
この日のできごと(何の日)
【山口・光高校爆発事件】
10日午前10時ごろ、山口県光市光井、県立光高(弘中幸雄校長、580人)で、授業中に同校3年の男子生徒(18)が校舎2階の廊下から、同階の3年1組の教室内に、火薬が入ったガラス瓶を投げ込んだ。ガラス瓶は爆発し、正午現在で生徒57人が市内の病院に搬送され、手当てを受けた。男子生徒1人が重傷。投げ込んだ男子生徒は別のクラスの生徒で、隣の教室で授業をしていた男性教諭が取り押さえ、県警が同10時10分、傷害の現行犯で逮捕した。
県警の調べに対し、逮捕された男子生徒は落ち着いた状態で、「(爆発物は)自分で作った」と供述。県警は動機を追及している。
同校などによると、当時、3年1組では37人が2時間目の数学の授業を受けていた。ガラス瓶は教壇付近で爆発。十数人が出血するなどし、教室内の生徒と、他のクラスの生徒16人も市立光総合病院と市立大和総合病院に運ばれた。耳をつんざくような爆音で、事件当時、教室内はパニック状態になったという。
市病院局管理部によると、生徒たちは「耳鳴りがする」「目が痛い」などと訴えており、「爆発音による聴覚障害が多いようだ」としている。
3年1組の男子生徒によると、ガラス瓶は長さ約20センチで、瓶は紙の筒に包まれていたという。
県教委によると、事件直後、学校側は授業を中止し、生徒を体育館に集めて、動揺しないように指導し、午後から下校させた。
学校側は同日午後7時から同校で保護者への説明会を開く。県教委は片山哲男・教育次長らを同校に派遣し、情報収集を急いでいる。
現場は国道188号線の北側。光市中心部近くで、住宅地に隣接。周辺には光署のほか、消防署、中学校、小学校がある。
◇
爆発物が投げ込まれたのは午前10時ごろ。生徒たちは何が起きたか把握できず、教室内は「キャー」という悲鳴で騒然となった。間もなく、救急車数台が到着。負傷した生徒たちは市内の病院に搬送された。
男子9人、女子20人が運ばれた市立光総合病院では、生徒たちが救急処置室前のソファに横たわり、口元に紙袋やビニール袋をあて、呼吸を落ち着かせるための処置を受けていた。体を震わせ、うめくように声を出す生徒もいた。
肩と手に負傷した男子生徒は「黒板を見ていたら突然、火花のようなものが見え、その瞬間耳が聞こえなくなるような大きな音がした。何があったのか全く分からない」と話していた。別の男子生徒のTシャツの脇腹には血が付いていた。
市立大和総合病院では、運ばれてくる生徒のため、入り口前で医師や教諭ら約10人が待機。数人の生徒が車いすに乗り、腕に包帯を巻いている生徒もいた。
3年3組の女子生徒は「バンという音が聞こえて、ガラス窓がふるえた。今までに聞いたことがないくらい大きな音で、クラス中がパニック状態になった。泣き声や悲鳴が聞こえた。そのほかは、よく覚えていない」と話した。
同病院に駆け付けた保護者の1人は「学校から『病院に行ってください』と連絡があり、あわてて来た。子どもの元気な姿を見て安心したが、腰が抜けるかと思った」と語った。
学校にはテレビの速報を見た保護者らが続々と詰めかけた。しかし、校内で何が起きたか状況がはっきりせず、「様子が分からないので心配」「ニュースを見てびっくりした」と不安そうに事態を見守った。
事件当時、別の教室にいた1年の女子生徒は「突然、女子の悲鳴が聞こえた。何が起こったのでしょうか」と青ざめた表情で話した。生徒たちの動揺が激しいため、県警は校内にテープを張って、報道陣を立ち入り禁止にしている。
けがをしていない生徒らは午後0時55分ごろから、教師の指示を受けながら下校を始めた。心配して駆けつけた保護者の手をしっかり握って下校する女子生徒の姿も見られた。
弘中幸雄校長は出張先から同校に戻り、記者会見。「生徒を体育館に集め、動揺しないように指導しているが、ショックを受けた生徒もいるようだ。生徒は午後から下校させる。病院に運ばれた生徒の状態は治療中で詳しく分からない」と話した。《読売新聞》
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【この日の小泉総理】
知的財産戦略本部(第11回)
平成17年6月10日、総理大臣官邸で知的財産戦略本部の第11回会合が開催されました。
この日の会議では、「知的財産推進計画2005」を決定しました。知的財産基本法では、知的財産を取り巻く状況の変化を勘案し、推進計画を不断に見直すこととされています。今回決定した「推進計画2005」では、模倣品・海賊版対策の抜本的強化、世界をリードする知財制度の構築、中小ベンチャー企業を支援、官民による戦略的な国際標準化活動などを柱とし、450項目に及ぶ施策を盛り込んでいます。
会議の席上小泉総理は、「本日、『模倣品・海賊版防止条約を提唱する』など450の項目を盛り込んだ『知的財産推進計画2005』を決定することができました。日本は今後、経済力と文化力を併せ持つ国になることが必要です。」と述べ、知的財産の充実や保護が重要との考えを強調しました。《首相官邸》
【ナショナルズ・大家友和投手】ブルワーズに移籍
米大リーグ、ブルワーズは10日、ナショナルズから大家友和投手(29)を獲得し、ジュニア・スパイビー内野手を出すトレードが成立したと発表した。大家は同日、マリナーズ戦で先発する予定だった。
ブルワーズのメルビン・ゼネラルマネージャーは「大家の加入は非常に心強い。ローテーションの一角を担ってくれることを期待している。制球がいい投球は、われわれのスタイルに合っている」とコメントを発表した。《共同通信》
【この日の民主党】
「住基台帳大量閲覧制限法案」を衆議院に提出
五十嵐文彦『次の内閣』ネクスト総務大臣と山花郁夫ネクスト総務総括副大臣は10日午後、衆議院事務総長に、「住基台帳大量閲覧制限法案」(正式には「住民基本台帳法の一部を改正する法律案」:民主党議員立法)を提出した。
本法律案は、住民基本台帳の閲覧制度を見直すもので、現行ではいわゆる4情報(氏名、生年月日、性別、住所)は公開が原則とされ、誰でも閲覧が可能となっているが、これを原則非公開とする。
住民基本台帳の閲覧制度によって、事実上、個人情報が流失している現状や、台帳の閲覧で母子家庭を探し出し、犯罪行為に及ぶ事例もあったことから、民主党としては、広くパブリックコメントも求めた上で本法律案を作成し、本日提出に至った。
提出後の記者会見で五十嵐ネクスト総務大臣と山花ネクスト総務総括副大臣は、こうした経過や法律案の内容を詳しく説明した上で、今後、各党の協力を得て成立に向けて努力していく意向を明らかにした。
国会会期延長せず郵政法案廃案に 川端幹事長が会見で
川端達夫幹事長は10日の定例記者会見で、焦点の郵政法案に触れ、「会期内の衆議院での議了はあり得ない。会期を延長せず、廃案にすべき」と述べるとともに、小泉首相が会期延長を自民党幹事長に指示したことに関し、「都合が悪いときは、国会のことは国会でとおっしゃるが、自分の都合で国会に運営に関与する。総理は国会を軽視、冒涜している」と厳しく批判した。
また法案審議について川端幹事長は、「国民の財産を危険にさらすだけでなく無に帰するものであること、大臣答弁のお粗末さ、杜撰な法案であることが、審議をすればするほど明らかになった」として、廃案にしなければならないとの民主党の訴えが、「国民の皆さんに分かってもらえたのでは」とし、廃案への理解が深まったとの見解を示した。
更に川端幹事長は、議員年金の問題に関して、議院運営委員会での議論には、昨年のマニフェストで示した見解、即ち廃止を主張することを明らかにし、現在、党所属の議員から書面で、廃止までの経過措置に関する意見を集約中であることも明らかにした。また、衆議院での採決における押しボタン方式の採用に関しても、「議会制度の大本である採決は、その正確性・記録性からも、押しボタン制にすべき」と、他の衆議院の設備関係の予算執行よりも最優先で取り組むべきとした。
川端幹事長は年金両院合同会議の議論にも触れ、与党の側の議論を批判した上で、「閉会中も開くべき。もっと頻度を多くするべき」との考えを示し、「議論の中身も前向きであるべきだ」などとした。
会期延長阻止のため緊迫状況続く見通し 鉢呂委員長が会見で示す
鉢呂吉雄国会対策委員長は10日、国会内で記者会見し、郵政民営化関連法案は今国会で廃案にし、19日で閉会とすべきとの考えを改めて示した。
鉢呂国対委員長は、郵政民営化関連法案が与党内でも様々の議論を抱えていると指摘し、「内閣はしっかり与党と論議して再提出を考えるべき」と述べた。鉢呂国対委員長はまた、会期延長阻止のために議員個人個人へ働きかけをし、法案を否決に追い込む環境を作り上げたいと考えており、来週も緊迫した状況が続くとの見通しを示した。
衆院郵政民営化に関する委員会について、鉢呂国対委員長は、民主党が審議の前提とした4項目が、まさに審議の場で問題点として表出し、内閣が説得力ある説明を行えないでいるとの見解を述べるとともに、中央省庁等改革基本法33条の問題に関し、橋本元首相も含め、歴代郵政大臣の参考人質疑が特に必要だと語った。
鉢呂国対委員長はまた、特別委員会で毎日のように委員長の注意を受けたり発言を訂正したりなどして、そのつど審議の停止を招いている竹中郵政民営化担当大臣の答弁振りについて「大臣の資質を著しく欠く」と評し、「不信任に値する状況がますます広がっている」と指摘した。《民主党ニュース》