平成5900日目
2005/03/04
【この日の小泉総理】
国際スローフード協会会長の総理表敬
平成17年3月4日、小泉総理は総理大臣官邸で、国際スローフード協会のカルロ・ペトリーニ会長の表敬訪問を受けました。
「スローフード」とは、注文してすぐに手軽に食べられる「ファーストフード」とは反対に、各国各地の地元ならではの特色ある食べ物をゆっくりと食べることを守ろうという運動です。ペトリーニ会長は、日本で国民の食に対する関心・知識を高めるため、食育の取組を推進することを目的としてまとめられた食育基本法案について、「スローフード(の考え方)を取り入れていただくといい。」と提案しました。
これに対して小泉総理は、「食事ほど楽しく、大事なことはない。」と述べ、食文化や食生活について互いの意見を交換しました。
日・ボスニア・ヘルツェゴビナ首脳会談
平成17年3月4日、小泉総理は総理大臣官邸で、アドナン・テルジッチボスニア・ヘルツェゴビナ閣僚会議議長と首脳会談を行いました。
会談では、ボスニア・ヘルツェゴビナの和平を達成した「デイトン合意」10周年を迎え、日本は和平履行評議会のメンバーとして引き続き支援を継続すること、ボスニア国内の安定化が達成され、EU加盟に向けて一層の改革を進めていくこと、ボスニアに対する復興支援の段階が終了したことに伴い、第二のドナー国である日本に対して投資促進を要請すること、などの話し合いが行われました。
冒頭、小泉総理は「ボスニア・ヘルツェゴビナと日本との友好関係を発展させていきたい。過去の民族紛争を乗り越えて民主的に発展していくことを祈念しています。」と述べたのに対してテルジッチ議長は、「日本はボスニアの復興における最大の援助国のひとつであり、和平履行に対する貢献に感謝している。国内では、EU、NATO加盟が目標である。同時に日本との協力を維持し、日本と欧州との架け橋になりたい。」と述べました。
さらに小泉総理から、「紛争後なので国づくりの苦労が多いと思うが、日本としてもできるだけの支援をしていきたい。ボスニアの国内が安定したから支援は終わりではない。日米も戦争をしていたが、今では最大の友好国である。ボスニアが早く安定した平和国家となることを期待している。日本としてもどのような支援ができるか考えながら二国間の友好関係を進めていきたい。」と述べました。《首相官邸》
小泉純一郎首相は4日、ボスニア・ヘルツェゴビナのテルジッチ首相と首相官邸で会談し、安定した国家の建設に向け、経済分野を中心に支援を継続する方針を伝えた。
テルジッチ首相は、民族紛争による荒廃から復興が一段落したとして「これまでの経済協力、和平履行への貢献に感謝するが、支援が終わりにならないことを期待する」と要請。小泉首相は「国づくりに苦労が多いと思うが、できるだけ支援したい。安定すれば協力はさらに発展する」と応じた。
政府は5億ドル(約525億円)の無償資金協力を表明し、すでに3億5000万ドルを供与している。《共同通信》
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【 N700系】JR東海、新型新幹線試作車を公開
2007年の運転開始を目指す東海道・山陽新幹線の次世代車両「N700系」の試作車が完成し、JR東海が4日、報道陣に公開した。
次世代車両はカーブで車体を傾け、乗り心地を保ちながら減速せずに曲がる新技術が最大の特徴で、東京-新大阪間を現在の約2時間半から約5分短縮する。先頭車の形状は空気抵抗と騒音に配慮し、のぞみ、ひかりの「700系」より鼻先が1・5メートル長い。
JR東海はこの日、浜松工場(静岡県浜松市)で試作車を16両で連結編成し、客室や運転席を初めて公開した。客室の座席幅は最大で1センチ広くなった。グリーン車ではシートに読書灯を内蔵し、足元には温風器を新設した。
車両間の連結部をウレタン素材の「ほろ」で全面的に覆い、デッキ内の低騒音化を実現した。《共同通信》
【この日の民主党】
川端幹事長が定例記者会見 島村農水相発言は看過できない
川端達夫幹事長は4日午後、党本部で定例の記者会見を行った。
冒頭、川端幹事長は、3日から参議院予算委員会で開始された、平成17年度政府予算案質疑に言及。「構造改革には手をつけずに国民に負担増を強いる」「ビジョンも希望もない」政府案に対して、政権への意気込みと、政権を獲得した際の政治の姿をしっかりと提示し、議論に努めたいと川端幹事長は語った。
続いて川端幹事長は、島村宜伸農水相がBSE(牛海綿状脳症)対策の見直しに関連して「全頭検査は世界の非常識」などと述べ、3日の参院予算委員会で福山哲郎議員に追及されて発言を事実上撤回した問題を取り上げた。川端幹事長は「農水相の立場にあるとの認識が欠けており、看過できない」とし、食品安全委員会などで国民の食と安全を守るための議論と施策が行われている中、圧力をかけたと受け止められかねない発言だと指摘。鮫島宗明『次の内閣』ネクスト農林水産大臣を中心に、引き続き民主党はこの問題について活動する、と語った。
また、記者から政治とカネの問題について問われた川端幹事長は、「真剣に国民の政治不信を解こうという真剣な思いが、政府には欠如している」と述べ、証人喚問の実現とあわせ、迂回献金や政策活動費などの見直しを含めた法改正を推し進めたいとの認識を示した。
若者が夢の持てる政治の実現目指す 岡田代表が小田原での講演で
岡田克也代表は4日、神奈川県小田原市で行われた「民主党タウンミーティング」で「民主党政権になれば日本はこう変わる」と題して講演し、参加者と活発な意見交換も行った。
今回のタウンミーティングの司会を務めた阪口直人神奈川県第17区総支部長は冒頭の挨拶で、「政治の基本は、皆さまの声に耳を傾けること。そして、その声を政策に活かしていくことだ」と述べ、活発な意見交換を呼びかけた。齋藤勁参議院議員(党神奈川県連代表代行)、首藤信彦衆議院議員、ツルネンマルテイ参院議員もそれぞれ激励の挨拶を行った。
続いて、岡田代表が講演。かつてカンボジアPKOの視察で阪口総支部長に会った時の思い出を披露し、「国民のために、世界のために、がんばってもらいたい」と激励した。そして岡田代表は、「次の総選挙で政権を交代させるとはっきり約束している。その自信もある」と政権交代にかける自らの思いを述べ、「政権を変えて、国民の手に政治を取り戻す」ことの必要性を説いた。
次に岡田代表は、「どういう政策を実施し、どういう日本にしていくか」として幾つかの政策を例に、民主党の考える方向性を説明した。第一に岡田代表は外交を取り上げ、日米関係の重要性は指摘しつつ、米国の後に従う形の小泉政権の外交姿勢には苦言を呈し、「米国には、力が強いだけに、もう少し謙虚であってもらいたい」とも述べた。そして岡田代表は、アジアを「世界で最も豊かで、最も平和になる可能性を秘めた地域」だとして、アジア外交の重要性を指摘。「(日本は)現時点で最も豊かな国として、しっかりと役割を果たしていかなければならない」と述べた。
第二に岡田代表は、「若者が夢が持てる、そういう政治にしていかなければならない」と述べ、「将来に対してこの国が持続可能でなければ、夢は持てない」として、社会保障制度の改革の重要性を改めて指摘。与野党協議については、スウェーデンでの取り組みを例に挙げた一方、「小泉首相をはじめ、自民党には本当にやる気があるのか」懸念も表明した。また、昨年の参院選のマニフェストにも明記されている民主党の年金制度改革案を説明。高齢者医療の問題も取り上げながら、「負担は重くならざるを得ない」として、「いかにして無駄のない効率的な制度をつくり上げるか」が重要だと改めて指摘した。
財政の問題についても、現状に強い危機感を示した岡田代表は、「増税の話の前に、いかにして、使うお金を減らしていくか」を真剣に議論すべき時だとして、「これからの新たな公共投資については、相当厳選してやっていかなければならない」と指摘。教育の問題に関しても、公立の小中学校の立て直しが急務だとして、「文科省が上から号令をかけてやるのではなく」、教師・子ども・父兄らによる「現場からの改革」こそ必要だとした。
岡田代表は、第三に地域の再生の重要性も指摘。自らが全国を周っている感想として、「どこに行っても地域はがたがたになっている」とし、「地域を信じる、国民の皆さんの英知を信じる」ことが重要で、「それを信じないのが中央集権」だと指摘。「それぞれの創意工夫で街づくりや地域づくりをする」ことこそが、真の地域再生であることを説いた。
また民主党が、自らを「野党」でなく「政権準備党」と呼ぶことにしようとしていることを岡田代表は紹介し、返す刀で「批判ばかりで余裕のない自民党は、野党準備党だ」と切って捨てた。その上で岡田代表は、政権準備政党として、「政権を監視し、時には批判することも重要な役割だが、それ以上に次の選挙で政権を獲る、そのために準備していくことが、より重要だ」と指摘して、講演を締めくくった。
今回のタウンミーティングでは、質疑応答を重視。参加者の皆さんからは、移民の受け入れ、ゆとり教育など教育のあり方、北朝鮮による拉致問題など、政策に関して多岐にわたる質問が相次いだほか、岡田代表自身の家庭での教育方針や、政治家を目指した理由・きっかけ、影響を受けた政治家・尊敬する政治家、ストレス解消法などを尋ねる質問も飛び交い、岡田代表は上着を脱いで一つひとつの質問に丁寧に答え、タウンミーティングは盛況のうちに幕を閉じた。
岡田代表、ドイツ連邦議会議長と憲法改正等めぐり意見交換
民主党の岡田克也代表は4日、ヴォルフガング・ティールゼ ドイツ連邦議会議長を党本部に迎え、憲法改正への対応、対北朝鮮・対中国政策等について意見交換した。
憲法改正に関して問われたのに対して岡田代表は、現憲法が米国からの押し付けとの見方があるが、自らは認識を異にすると前置きした上で、「ただ、時代に合わせて改正する必要がある」と語った。憲法9条の取り扱いをめぐっては「戦争放棄」を盛り込んだ第一項は堅持すべきと主張し、国連安保理決議がある中での自衛隊の国際協力の可能性を拡大する改正は必要としつつも、集団的自衛権の行使に関しては明記する必要はないと強調した。
対北朝鮮政策をめぐって岡田代表は「経済制裁を具体的に考えなければならない段階に入っている」と語り、ただ最悪の事態も考えられる状況にあっては、米国のサポートが不可欠との認識を示した。また政府の姿勢として、経済制裁によるマイナス面について国民に十分な説明責任を果たすべき点にも言及した。
中国との関係について問われたのに対して岡田代表は中国の軍事費が増大している状況に不安感を示し、「軍事増強はお互いにおろかな選択と認識したい」と述べるとともに、EU諸国に対して中国に対する武器輸出を慎むよう求めたいと主張した。
会談には鳩山由紀夫『次の内閣』ネクスト外務大臣、藤田幸久国際局長、島聡役員室長代理、大島敦役員室次長が同席した。《民主党ニュース》