平成5897日目

2005/03/01

【小泉純一郎首相】年金改革で与野党協議へ

小泉純一郎首相は1日の衆院予算委員会で民主党が求める年金制度改革の先行協議に応じる考えを表明、これを受けて民主党も常任幹事会で年金の抜本改革に取り組むことを条件に与党との話し合いに入ることで一致した。

民主党は昨年5月の自民、公明両党との3党合意に沿って対応する構え。自民党の武部勤幹事長は2005年度予算案の衆院通過後に民主党の川端達夫幹事長に協議開始を申し入れる意向だ。《共同通信》




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【この日の民主党】

[衆院予算委]岡田代表、定率減税や政治倫理問題などで首相を質す

衆議院予算委員会は1日午前、内政問題について集中審議を行い、民主党・無所属クラブからはトップバッターとして岡田克也代表が質問に立ち、経済見通しと定率減税の縮減、年金制度抜本改革、政治倫理の問題を取り上げて、小泉首相の見解を厳しく質した。

まず岡田代表は、経済見通しと定率減税の縮減の問題について、「分かりやすく言えば、所得増税」だとして議論を展開。来年度の経済見通しに触れて、なぜ消費は確実に増加すると考えているか、首相に根拠を質した。首相は、「景気回復が家計部門に波及する動き」などを述べたが、岡田代表は、「希望的観測ではなく、きちんと言えるかどうか」が問題だとした。そして、「景気は、一部は良くなっているかもしれないが、全体としては非常に苦しい」として、「労働分配率が下げ止まり、消費が確実に良くなるとは言い切れない」と指摘し、首相に見解を求めた。首相は「全体として明るくなってきた」などの見方を示した。

岡田代表はこうした首相の認識に対して、「あまりにも楽観的な見通し」だとして、「所得税増税のために敢えてそういう言い方をしているのではないか」と指摘。「増税だけが先行することは、消費を大いに冷やすことになる」と主張した。その上で岡田代表は、橋本内閣の時の9兆円の国民負担増で景気が失速した例を取り上げ、首相の認識を質したが、首相は「当時の状況と違う」などとした。岡田代表は、「今はまだ楽観できる状況にはない。従って所得税の全体の見直しの中で定率減税の問題も議論していくべきだ」と主張。「景気が失速すれば内閣総理大臣としての責めを負うことになる」と、首相に厳しく釘を刺した。

続いて岡田代表は、先日の党首討論においても主張したように、「国民が最も不安に思っている年金の問題について、しっかりと骨格をつくるべき」だとして、まず年金制度の抜本改革を先行して議論していくことについて見解を求めた。これに対して小泉首相は、「そういうつもりで答弁していた」とし、「年金一元化から議論しましょうということに何の異論も申し上げるつもりはない」と答弁。社会保障制度全体の議論の中で、年金の抜本改革について、まず先行して議論するとの意向を示した。

岡田代表は、政治倫理の問題についても言及し、政治資金規正法に、いわゆる指名献金・迂回献金を禁止する規定を置くことに異論はないはずだ、と指摘。関係の委員会、与野党で協議して国民の不振を取り除くべきだ、として首相の認識を質した。首相は、「政治の公正な活動のために建設的な議論を」などとした。政策活動費についても取り上げた岡田代表は、政治資金規正法の趣旨から逸脱しているとして、一定の規制をかけるべきとした。これに対して、「どの程度の許容範囲を与えるかについても、よく議論する必要がある」とした首相は、「寄附する人が非常に迷惑を受けている」として、規制に逆に苦言も呈した。

岡田代表は、国民の間に「今ある不信感を取り除くために、迂回献金の問題と政策調査費の問題に優先的に取り組むべきだ」として、政治資金規正法改正の必要性を改めて強く主張。その上で、旧橋本派の1億円ヤミ献金問題に絡み、元会計責任者や日歯連関係者の法廷での証言などを取り上げて、「ますます疑惑は深まってくる」とし、「私たちが求めている証人喚問が実現しないというのはどういうことか」「党の問題でないということで切り捨てて、総理が責任を逃れることはできない」と迫った。首相は、「各党の合意をどのように具体的な形で決着させるか、協議の結果を見守りたい」などとした。

岡田代表は、小泉首相の相変わらずの後ろ向きの姿勢に対し、「合意を実現するために重要なことは、自由民主党が前向きになること」だと断じ、「小泉総裁が、疑惑を解明するとはっきりこの場で言えば話は前に進む、それを言わないから話が止まっている」と指摘。「疑惑解明のために証人喚問をはじめ必要な措置をとると、はっきり国民の前で言っていただきたい」と厳しく迫った。首相は「お互い率直に意見を交換して、この問題に対して良い結論を出してもらいたい」として、消極的な姿勢を崩さなかった。岡田代表は最後に、「他人事ではなくて自民党総裁としての責任をもってやっていただきたい」と指摘して、質問を締めくくった。

中井副代表、北方領土・拉致・郵政民営化問題等質す

衆議院予算委員会で1日、岡田克也代表に続いて質問に立った党副代表の中井洽衆院議員は、北方領土、拉致、合併特例債、郵政民営化等の問題をめぐり、小泉首相らの見解を質した。

中井議員は冒頭、北方領土問題をめぐってロシア側が歯舞諸島と色丹島の二島返還論を強めている現状への政府の対応方針を質した。小泉首相が「四島の帰属を明確にした上で平和条約締結を目指す」としたのに対して中井議員は、「四島一括返還でいくべき。中途半端な政治決断は避けるべき」と念を押し、強い姿勢で臨むよう要請した。

続いて中井議員は拉致問題を取り上げ、「対話と圧力」を掲げる政府の対北朝鮮政策について「圧力をかけるという姿勢は見えてこない」と指摘した。中井議員は小泉首相の功績を評価しつつも、「日朝平壌宣言は三家族返還でおしまい、これ以上要求しないという約束文書となっている。三家族返還に留まっている」と述べ、場合によっては日朝平壌宣言を破棄してでも、断固経済制裁に踏み込むべきとの姿勢を示した。

市町村合併後10年に亘って認めるとしている合併特例債の問題をめぐっては、「三位一体の改革のなかで交付税の削減が叫ばれ、合併する市町村は不安に思っている」として、その穴埋めとなる合併特例債の今後の扱いについて麻生総務相に確認。麻生総務相は「当然のこと」とし、谷垣財務相からも「総務大臣と協調していく」との答弁を引き出した。

郵政民営化については、日本郵政公社の生田総裁に対し、就任2年後の改革の成果を質し、合意に基づく2万人削減による人件費削減はじめ、2年連続して黒字を出すなど合理化が進んでいる現状を浮き彫りにした。それに基づき中井議員は「国の機構・公社としてうまくいっているのにどうして壊すのか」と質したのに対して竹中平蔵経済財政担当相は「民間でできることは民間で、が社会の根幹」とするに留まり、郵政民営化の実益については明言を避けた。中井議員は需要削減が見込まれる郵便事業も合理化推進によって十分カバーできるとの見方を示した上で、2007年の民営化スタートまで精密な制度設計は見込まれないとの意見が大半を占めるなか、暫定措置であくまで郵政民営化を強行する小泉首相の政治姿勢を疑問視し、「肝心なことは制度設計にかかっている。ここまで急ぐ必要はない。そこまでして国民の宝・郵政システムを壊してはならない」と強く主張した。

郵政民営化のデメリット示せ 五十嵐議員が質す

衆議院予算委員会の集中審議で中井副代表に続いて、五十嵐文彦『次の内閣』ネクスト総務大臣が質問に立ち、郵政民営化に関して小泉首相の見解を質した。

五十嵐議員は、郵政民営化の本質は金融部門の縮小であり、その目標は国と地方の借金を減らすことであって、民営化そのものは手段であり目標ではないとして、首相のやり方は拙速であると批判した。その上で「首相の特殊法人改革は成功したのか。おカネの流れは変わっていない」と質問。首相は「一日で実現できるわけではない。特殊法人改革の一番大きなものが、郵政民営化」と答え、開き直った。

五十嵐議員は、「本来なら直接民間に流れる資金が、流れていないことに問題の本質がある。今の郵政公社は金融変動リスクに耐えられないし、国債管理のセーフティーネットの役割を持たされている。このままでは金融が正常化した時(国債の金利が民間の金利より低くなること)に危機を迎える。その時に政府のとる政策は二つ考えられるが、その一つ、国債の日銀による直接引き受けは、モラルハザードを生み避けるべきだが、日銀総裁の考えは」と質した。福井日銀総裁は「財政法第5条によって禁止されている」と明確に否定した。五十嵐議員は「もう一つが、永久国債ともいうべきもので、元金は返さない国債を発行すること。赤字国債償還期限延長が、今の財政危機の原因。その責任は長く国会にいた人にある。償還期限の延長はしないのか」と質問。首相は「政治は理論どおりにはいかない。しかし、国債の発行は抑制しなければ」と、ここでも開き直った。

五十嵐議員は、郵政公社が民営となった場合に生じるリスクを挙げ、「金融も事業も持つ巨大組織が生まれ、この組織は何でもやれてしまう。周りは潰されてしまう」こと、また「民でできることは民でと言うが、民でできないから官でやっている。50円で全国に運ばれているが、利益を上げる会社でできるのか。全国15万本のポストを毎日開けることができるのか。350兆円の資産を運用できるのか、全国に金融知識をもった職員を配置できるのか」と追及した。生田郵政公社総裁は「公社の間はできる」と答え、350兆円の資産は減ることが予想されるとし、「実際の運用額は少ない」と答えた。

さらに、五十嵐議員は「始めに民営化ありきは間違い。いろいろなビジネスモデルを考えるべき」と政府の進め方を批判した。また、「国民は郵政公社を評価している。民営化のメリットと危険性がないことを証明する必要がある」と政府の説明不足を追及。首相は「官尊民卑の思想があるのではないか。民間でできるものは民間に、公共のものでもできるものは民間に、がこれからの時代」と開き直り、何ら質問には答えなかった。

国会内で常任幹事会を開催 年金問題対応、組織規則改正など議論

1日午後、国会内において第328回常任幹事会が開催され、年金問題に関する今後の取り組みについての報告や組織規則の改正についての協議などが行われた。

冒頭に岡田克也代表が挨拶し、本日午前中の予算員会集中審議における小泉首相との質疑の中で、社会保障制度改革の議論の中で年金問題を第一番に扱うとの答弁を引き出したことから、国民的課題である年金改革に取り組んでいく可能性が出てきたが、成否はあくまで与党がそれに応じるかどうかにかかっている、と述べた。更に年金問題は国民の目に見えるところで論議すべきであり、またわが党の考え方も決まっているので、それを踏まえた上で進んでいく、と述べた。

次に川端達夫幹事長が報告を行い、第一に年金問題では厚生労働委員会で決議をすることが協議の前提であり、わが党としても連合との合意を踏まえて考え方を『次の内閣』で確認をする必要があること、第二に国政統一補選に向けての党勢拡大活動を幅広く進めるため、秘書会をはじめ、各方面に協力を求めること、第三にマスコミに取り上げられた大久保参院議員の選挙運動収支報告に関する問題点については、選挙前の政治活動の対価との報告を得ていること、などについて述べた。

続いて鉢呂吉雄国会対策委員長から報告があり、衆議院における予算審議および各委員会の日程についての予定とともに、政治とカネの問題について今後とも証人喚問を中心に追及を続けていく方針が述べられた。

さらに、輿石東参議院幹事長から、参議院における予算審議の見通しについて、また平野博文幹事長代理から、スマトラ現地調査団報告書などについて報告が行われた。

次に報告・承認事項に移り、中井洽副代表から、大躍進パーティーの進め方についての提案があり、玄葉光一郎選挙対策委員長から衆院選候補者の内定、都議選・千葉県議補選・福島県議補選・名古屋市議補選の公認候補者決定についての報告があり、平野幹事長代理から、支部の代表者変更についての提案があり、それぞれ承認された。

更に協議事項に移り、ブロック協議会の常設化を定めた規約改正に伴って、ブロック協議会に国会議員団会議を設置することなどを規定する組織規則改正案が川端幹事長より提案され、承認された。

年金の先行協議異論なしとの首相答弁は一歩前進 会見で岡田代表

民主党の岡田克也代表は1日午後、党本部で定例記者会見を開き、午前中に行われた衆議院予算委員会集中審議での小泉首相とのやりとり等を踏まえてコメントした。

岡田代表はまず、政府の定率減税の縮小方針に関しては「恒久的減税としているからには抜本改革が始まるまでの間のものであり、抜本改革の形も見えない中、3月から増税に踏み込むのは間違い」と指摘。増税先行は消費を冷やすことになり、それでも断行する場合は橋本内閣時と同じく景気全体の足を引っ張る可能性があると委員会審議で首相に指摘したことを明らかにした上で、「多くの人が懸念を示す中で、増税を強行し、景気後退に繋がるのであれば、総理の責任は免れない」と岡田代表は重ねて指摘した。

また、党首討論で小泉首相がまともに答弁しなかったため、前に進めたいとの一念で取り上げた年金問題については、「これからの社会保障制度全体の議論をする中で、まず年金制度の抜本改革を先行して協議すべきだ」と岡田代表が求めたのに対し、「年金一元化から先に議論することに、異論はない」と答弁し、民主党が求める年金制度改革の先行協議に応じる考えを表明した首相の姿勢について、「一歩前進だったと思う」との印象を岡田代表は語った。常任幹事会・『次の内閣』閣議等で民主党の方針を固め、厚生労働委員会の決議の検討に向けて議論していく構えを示した。

政治とカネをめぐる議論については、予算委員会審議で「迂回献金は問題」「政策活動費についても政治資金規正法で制限していく」との首相答弁を引き出したことを明らかにした上で岡田代表は、「そうであれば国民の政治不信を取り除く努力をしていかなければならない」と語り、自民党旧橋本派の1億円ヤミ献金事件解明に向け、橋本元首相の証人喚問実現に向け、自民党総裁として小泉首相が前向きに取り組むべきと改めて語った。《民主党ニュース》



3月1日 その日のできごと(何の日)