平成5570日目

2004/04/08

この日のできごと(何の日)

【イラク日本人人質事件】アルジャジーラ、人質3人の映像を放送

治安情勢が悪化しているイラクで日本人3人が武装グループによって拉致された。カタールの衛星テレビ、アルジャジーラは8日、人質3人の様子を映したビデオテープを放映、「戦士旅団」を名乗るグループからの「3日以内に自衛隊がイラクから撤退しなければ、3人を殺害する」との要求を伝えた。政府は同日夕、官邸に対策室を設置し、逢沢一郎外務副大臣をヨルダンに派遣して対応させることを決定した。《共同通信》

警察庁も国際テロ緊急展開チームを派遣する。記者会見した福田康夫官房長官は「即時解放を求める」「自衛隊は人道復興支援のため行っている。撤退する理由はない」と述べ、要求に応じない姿勢を示した。

イスラム教シーア派と占領当局の対立で治安が急激に悪化する中、サマワに陸上自衛隊を派遣している日本は、重大局面に立たされた。イラクでは6日に韓国人技師2人や英国人、8日に韓国人牧師7人が一時拘束されるなど外国民間人を狙った事件が多発。現地時間の7日深夜には、陸自宿営地を狙ったとみられる砲撃があった。

人質となったのは、フォトジャーナリスト郡山総一郎さん(32)、フリーライター今井紀明さん(18)、ボランティア活動家の高遠菜穂子さん(34)。ヨルダンのアンマンのホテルを現地時間の6日午後出発したとの証言があり、拘束は6日夜か7日とみられ、バグダッドに陸路移動中に拉致されたとみられる。

アルジャジーラのバグダッド支局関係者によると、ビデオはドーハの同テレビ本社に8日に届いた。今井さんの家族によると、今井さんは劣化ウラン弾被害を訴える活動をしており、高遠さんとはボランティア活動などを通じて以前から知り合い。郡山さんはアンマンで2人と知り合ったという。

ビデオでは、3人が目隠しをして床に座らされ、小銃などで武装したグループのメンバーも後方に映っていた。映像で見る限り三人にけがはないが、AP通信は、人質となった日本人男性の首に刃物のようなものが突き付けられ、高遠さんとみられる女性が手で顔を覆う場面を映した映像を入手、写真を配信した。

「戦士旅団」は同様の事件を起こしたり犯行声明を出したことはなく、アルカイダとのつながりなど実態は不明。公安当局によると、西側情報機関にもリストアップされていない。日本政府への直接の連絡はなく、連絡を取る方法もないという。

政府は8日夜、イラクでの日本人3人の拘束事件について、犯人グループの自衛隊撤退要求を拒否するとともに、米国など関係国と連絡を取りながら3人の早期救出に関係省庁一体で取り組むことを確認した。

小泉純一郎首相は同日夜、首相公邸で情報収集に当たり、各省庁に「事実関係を確認し、人質になった3人の無事救出に全力を挙げるように」と指示。石破茂防衛庁長官もサマワに展開する自衛隊部隊に、サマワでの邦人保護や報道関係者の安全確保に配慮することを命じた。

政府は同日夜、首相官邸に「在イラク邦人人質事件官邸対策室」を設置。9日朝に逢沢一郎外務副大臣をヨルダン・アンマンに派遣し、現地の日本大使館を拠点に対応や指揮を執らせることも決めた。

福田康夫官房長官は8日夜、官邸で野田健内閣危機管理監や外務、防衛、警察など関係省庁幹部と対応を協議後に緊急記者会見。自衛隊のイラク撤退要求について「自衛隊はイラクの人々のために人道復興支援を行っており、わが国が撤退する理由はない」と明言。同時に「無辜の民間人が人質に取られているのが事実なら許し難く、強い憤りを覚える。直ちに解放を求める」と強調した。

政府に一報があったのは8日午後6時20分ごろで、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラから外務省に「3人の拘束ビデオを放映する」と連絡があった。《共同通信》

民主党の岡田克也幹事長は8日夜、イラクの日本人人質事件に関連し「あらゆる手段を尽くして無事に解放されるようにすべきだ」と政府に万全の対応を求める一方、自衛隊撤退要求については「相手方の要求をうのみにして軽々に考えるべきでない」と慎重な考えを示した。「ここは政府も与党も野党もないから、一緒になっていい解決策が見つかるよう協力していかないといけない」とも述べた。都内で記者団の質問に答えた。

共産党の志位和夫委員長は談話を発表し「断じて許されない蛮行だ」としながらも、「自衛隊派兵によってこうした事態が引き起こされる危険があることはかねて危ぐされていた。あらためて自衛隊の速やかな撤退を求める」と強調した。

社民党の又市征治幹事長も記者団に「誤った自衛隊派遣により起こるべくして起こったことだ。取り返しのつかないことになる前に、あらゆる手を尽くして解放の努力をし、自衛隊は撤退すべきではないか」と述べた。《共同通信》

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【小泉純一郎首相】2006年退任を明言

小泉純一郎首相は8日配信の小泉内閣メールマガジンのインタビューで政権運営に関して「あと2年は歯を食いしばって頑張らなければならない。改革が実現すれば任務は終わるから、そのときはできるだけ早く首相の座から解放されたい」と述べ、自民党総裁任期が切れる2006年をもって政権から退く意向を明確に示した。

同時に「自分の責任を放り出して辞めてしまえば楽になるかもしれないが、多くの支持をいただいて首相になったのだから改革はぜひやり遂げたい」と述べた。

昨年秋の自民党総裁選で再選された首相の総裁任期は06年9月末まで。首相はこれまでも総裁任期切れに伴って退任する考えを示すとともに、政権担当の「重責」に言及している。政権にしがみつかず任期切れで潔く身を引く意向を強調することで、それまでの間に「ライフワーク」(周辺)とする郵政事業改革などに取り組む姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。

首相は郵政事業について「郵便貯金、簡易保険のお金を使って、特殊法人に融資する、そういう使い道を断たなければいけない」として、財政投融資制度の抜本改革のためにも郵政民営化を断行する必要性を強調した。

メールマガジン読者の質問に首相が応える企画の第二弾。《共同通信》

【福田康夫官房長官】日朝協議、早期再開の見通し

福田康夫官房長官は8日午後の記者会見で、拉致問題をめぐる北朝鮮との政府間協議の早期再開に向けた調整が進んでいることを明らかにした。

福田氏は、中国・大連で北朝鮮高官と会談した自民党の山崎拓前副総裁が月内の日朝協議再開の見通しを示していることに関連し「そのことは別にして、日朝政府間でもいろいろ交渉している。なるべく早い時期にと要請しており、そうでないという話は聞いていない」と述べた。

日朝協議は、今年2月中旬に田中均外務審議官らが平壌を訪問し、拉致被害者家族の即時・無条件帰国や安否不明者の真相究明などを要求。同下旬には核問題に関する北京での6カ国協議の際に、薮中三十二外務省アジア大洋州局長が北朝鮮代表団と会談したが、実質的な話し合いに入れなかったため、日本は本格交渉となる次回協議の早期開催を申し入れていた。《共同通信》

【MLB】

米大リーグは8日、各地で行われ、日本人選手はそろって不振だった。メッツの松井稼内野手はブレーブス戦で5打数無安打、2三振で初失策も。マリナーズのイチロー外野手はエンゼルス戦で4打数無安打。救援の長谷川投手もリードを守れず敗戦投手になりチームは開幕3連敗。ヤンキースの松井秀外野手、初先発したカージナルスの田口外野手はともに4打数無安打に終わった。エクスポズの大家投手は今季初先発したマーリンズ戦で3失点で黒星。パドレスの大塚投手はジャイアンツ戦で1回無失点だった。《共同通信》

【この日の民主党】

年金抜本改革推進法案を提出

民主党の枝野幸男政調会長、山井和則衆議院議員は8日午前、政府の年金制度改革関連法案の対案となる「年金抜本改革推進法案」を衆院事務総長に提出した。

同法案は、根本的な制度設計に触れていない政府案に対して、2009年度に国民年金、厚生年金、共済年金を一元化し、税を財源に高齢者等の基本的生活を保障する最低保障年金と納めた保険料に応じた所得比例年金とを組み合わせた2階建て制度を創設することなどを明確に打ち出しており、「公平・公正」「安心」の制度の構築を可能にするもの。

提出後に会見した枝野政調会長は、基礎年金の国庫負担の2分の1への引上げについては消費税でなく他の財政支出の縮減によって賄うとする従来からの方針を改めて主張。また、国庫から年金に回される金額をベースに検討した結果、消費税率を3%程度上げれば30年程度は制度を維持できるという見通しが算出できたと説明した。

政府・与党が、民主党案だと消費税の大幅アップにつながるなどと恣意的なキャンペーンを行っていることについては「数字が大きくなるような幻想を与えている」と指弾。また、突如として国会議員互助年金制度を廃止するとの意向を示した小泉首相に与党内から異論が出て混乱している現状を批判。「民主党案では議員年金も含めて一元化する」と明言し、公平性をアピールした。

なお、同法案は9日の衆院本会議で趣旨説明と質疑を行う。

[衆院本会議]鳥インフルエンザ対策で民主法案も審議入り

衆議院本会議が8日開かれ、民主党提出の高病原性鳥インフルエンザ対策特別措置法案と、政府提出の家畜伝染病予防法案および農協法等改正案の趣旨説明・質疑が行われた。民主党の特別措置法案と政府の家畜伝病予防法改正案は、鳥インフルエンザの蔓延防止と被害を受けた養鶏業者等に対する損失補償のあり方等を定めたもの。

まず、民主党案について篠原孝議員が提案理由を説明。鳥インフルエンザが発生した際にはただちに内閣府に対策本部を設立し政府が責任を持って対策にあたること、感染家きん等の焼却処分や移動制限に伴う損失については国が全額補償することなど、法案の趣旨を説明した。

質疑では、民主党から梶原康弘議員が質問に立った。梶原議員は、地元の関係者の窮状を訴えながら「鳥インフルエンザが蔓延した原因は、政府が第一義的な対応を県任せにしたこと、被害者に十分な損失補てんをしなかったこと、食鳥検査制度が機能しなかったことなどが理由である。しかし政府案ではこれら問題点が一切解決されていない」と厳しくその問題点を指摘し、その上で民主案ではこれら問題点がいかに解決されるのかと質問した。

答弁に立った山田正彦議員は「民主案では、鳥インフルエンザが発生した場合は政府が責任を持って対策にあたることとなっている。また、感染の恐れがある場合でも通報を義務付ける代わりに被害については国が責任を持って補填することにより、早期発見と蔓延防止が図られる」と述べた。続いて平岡秀夫議員が答弁し、被害に対する損失補てんの問題について「政府案では感染家きん等や移動制限による被害は全額補填されないが民主案では全額補填される。また、政府案は一般の食鳥・鶏卵とブランドのものも一律の補償しかされないが、民主案では評価に応じた補償がされる」とその違いを明確にした。

なお、農協法等改正案については楠田大蔵議員が質問に立ち、農協の抱える問題点やあり方、農協共済の予定利率引下げを認める内容となっている点について、亀井農林水産相を厳しく追及した。

「年金一元化での閣内不一致を追及する」野田国対委員長

民主党の野田佳彦国会対策委員長は8日、国会内で会見し、7日に福岡地裁で小泉首相の靖国神社参拝に対する違憲判決が下されたことや、同日に首相が議員年金の全廃を突然打ち出したことをめぐり、「いろいろな意味で、小泉純一郎という人のあいまいさが如実に表れた一日だった」と語った。

靖国神社参拝について野田国対委員長は「公人と私人の区別をあいまいにしたままの迂闊な行動がこういう結果に至った」と分析。また、議員年金の全廃発言については「年金の政府案に対する自信のなさをカムフラージュするための参議院選挙対策としか思えない」と指弾した。

さらに、年金の一元化をめぐり小泉首相と坂口厚労相とで意見の食い違いがある問題を取り上げ、年金のあるべき論での重大な閣内不一致として、9日からの委員会質疑で徹底的に追及していく考えを明らかにした。《民主党ニュース》



4月8日 その日のできごと(何の日)