平成5449日目

2003/12/09

この日のできごと(何の日)

【政府】自衛隊イラク派遣を閣議決定

政府は9日午後、安全保障会議と臨時閣議を開き、イラク復興支援特別措置法に基づく自衛隊派遣などの「基本計画」を正式決定した。陸海空各自衛隊の派遣可能な期間を「今月15日から1年間」と定め、人道復興支援や「安全確保支援」として米軍の後方支援も行う。陸上自衛隊のイラク南東部派遣を明記した。

戦闘が継続している「戦時」の他国領土への陸自派遣は初めてで、日本の安全保障政策は大きな転換点を迎えた。憲法との整合性や対米追随との批判のある派遣基準の明確化が問われる。

小泉純一郎首相は閣議後に記者会見し「安全とは言えない状況だが、国際社会の責任ある一員として復興支援をする必要がある」と人的貢献の必要性を強調。「自衛隊は戦争に行くのではない。武力行使はしない」と述べ、携行武器は正当防衛のためと指摘した。その上で、派遣は憲法の理念に合致するとして国民に理解を求めた。首相は、米軍などの武器・弾薬の輸送は行わないと明言。具体的な派遣時期は「実施要項」を見て判断すると述べるにとどめた。

決定に先立ち首相は公明党の神崎武法代表と会談、陸自の派遣時期について「治安状況を十分に見極め、あらためて適切な指示を行う」との覚書に署名、慎重な判断を確認した。歴代首相や野党党首らとも会談。野党は派遣反対を申し入れた。

基本計画を踏まえ、石破茂防衛庁長官は活動内容の詳細を定めた実施要項を策定、首相の承認を得た上で派遣命令を部隊に発する。今月下旬には、航空自衛隊の先遣隊が第一陣として出発する見通し。1月中旬に空自のC130輸送機、同下旬に海上自衛隊の輸送艦や護衛艦、2月上旬から陸自の派遣をそれぞれ想定している。ただ、石破氏は9日の記者会見で実施要項に活動時期を明記する必要はないとの考えを表明した。《共同通信》

小泉純一郎首相は9日午後、イラク支援特別措置法に基づく自衛隊派遣基本計画の閣議決定を受け「自衛隊は武力行使をしない。効果的な復興支援を継続的に行い得るのは自衛隊においてほかにない」との談話を出した。

談話は、イラク復興を「(日本の)国益にもかなう」と位置付け「テロを生み出すようなイラク社会の現状や生活改善のために支援を行うことが極めて重要」と指摘。派遣に際しては「治安情勢を分析し、十分な装備と細心の注意を払う」とした。《共同通信》

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【プロ野球】

11月の秋季キャンプで中日の入団テストを受けた前巨人の川相昌弘内野手(39)が9日、名古屋市内の中日球団事務所で正式に契約した。年俸は今季の9000万円から3分の1となる3000万円で、1軍在籍日数などに応じた出来高がつく。背番号は「7」。(金額は推定)《共同通信》

【ヤンキース・松井秀喜外野手】帰郷

大リーグ、ヤンキースで1年目のシーズンを終えて帰国中の松井秀喜選手が9日、今年1月以来11カ月ぶりに帰郷した。小松空港をはじめ、根上町役場、石川県庁で大勢のファンの出迎えを受けた松井選手は終始穏やかな表情で充実した1年を振り返りながら、久しぶりのふるさとの雰囲気を満喫した。

松井選手は歌手デビューを記念して金沢市内のホテルで開かれた父昌雄さん(61)を応援する会に出席するため、過密スケジュールを縫ってお国入りした。

応援する会に先立って、根上町役場で平田文雄町長、県庁で谷本正憲知事からねぎらいを受け、「自分なりにベストを尽くした」と攻守に奮闘した今シーズンを振り返った。地元ファンの声援に対し「励みになったのは確か。非常にうれしかったし、感謝している」と話した。

松井選手は10日午前に東京に戻り、午後から神宮球場で自主トレを開始する予定で、年末年始に再び帰郷する。《北國新聞》

【米中首脳会談】

ブッシュ米大統領は9日、米国を公式訪問した中国の温家宝首相とワシントンのホワイトハウスで会談し、米中関係や台湾、北朝鮮の核開発問題などについて協議した。昨年11月に中国新指導部が誕生以来、首脳の訪米は初めて。

大統領は会談後の共同記者会見で「台湾指導者の言動は(台湾の)現状を変える可能性を示唆しており、反対だ」と述べ、台湾独立につながる住民投票と憲法改正に反対する考えを表明した。

ブッシュ大統領が公の場で、台湾独立の動きに反対すると言明したのは初めて。これにより、米中枢同時テロ以降緊密化した米中関係は「戦略的協力関係」をさらに深めることになった。

米政府高官によると、首相は次回6カ国協議について「開く状況には至っていない」と年内開催は難しいとの見方を示した。

ブッシュ大統領は「中国の一方的な決定にも反対」と、武力行使など強引な中台統一に走らないよう中国にもくぎを刺したが、独立反対に重点を置き、中国寄りの姿勢を鮮明にした。《共同通信》

【この日の民主党】

「首相の論理はごまかし」自衛隊派遣計画決定で岡田幹事長

民主党の岡田克也幹事長は9日、イラクへの自衛隊派遣基本計画の閣議決定を発表した小泉首相の記者会見について「ごまかしである。復興支援、人道支援を強調したが、あえて、米英軍への後方支援に触れなかった」とコメント。派遣が憲法9条に触れる恐れがあることや、イラク特措法に明記されている後方支援に首相が触れなかったことを批判した。

また、憲法の前文を首相が持ち出したことについては、「皮肉にしか聞こえない。この戦争がアメリカの先制攻撃、単独行動で始まったことを想起すべき」と痛烈に批判した。

民主党としての貢献策ついての質問には「まず、米英が一歩引き、国際協調体制をつくることに汗をかくべき」と答え、あくまで国際協調をつくるための外交努力をすべきとの考えを強調した。

「自衛隊派遣を阻止していく」基本計画決定で菅代表

民主党の菅直人代表は9日の定例記者会見で、同日、政府がイラクへの自衛隊派遣に関する基本計画を正式決定したことを強く批判した。

菅代表は、小泉首相が官邸で菅代表はじめ野党3党の党首と会談し、基本計画の閣議決定への理解を求めたことに対し、「派遣期限が空欄になっていることなど、まったく説明責任を果たしたとは言えない。いわば、アリバイづくりの説明であった」ときびしく批判。また、平和の党を自称しながら結果的に賛成した公明党に対しては「将来にわたって残る間違った判断だ」と指弾した。

さらに菅代表は、民主党として閉会中審査や国民運動を通じて、自衛隊派遣を阻止していくと表明。同時に、テロ抑止に向けては何をすべきかといった原点に戻った議論に基づき、民主党が従来から主張してきた、先制攻撃に加われなかった国々の参加を含む、国連主導のイラク復興支援という新しい枠組みづくりに日本は全力を上げるべきだと指摘した。

菅代表はまた、「(自衛隊派遣の)大義名分、正当な理由について、今日も総理に質したが、国民に対して納得のいく説明はなかった」と述べ、非戦闘地域へ派遣するとしているイラク特措法の枠組みそのものからも逸脱した決定だと重ねて指摘した。

「自衛隊派遣はまだ止められる」閣議決定に全国で抗議の訴え

小泉内閣がイラクへの自衛隊派遣を閣議決定したことを受けて民主党は9日夕刻、全国各地で一斉に抗議の街頭演説会を開いた。東京・有楽町マリオン前では、横路孝弘、円より子両副代表らがマイクを握り、「今ならまだ間に合う。国民皆の力で自衛隊派遣を止めよう」(横路副代表)などと訴えた。

横路副代表は、「イラク戦争は、軍需産業・石油産業などのブッシュ政権ファミリー企業の復興利権のために始めた『汚い戦争』だ。なぜ小泉首相は米国にひとことも言えないのか。自衛隊派遣を決めた自民党・公明党に対して派遣反対の国民の声を上げ、みんなの力を結集してイラクへの自衛隊派遣を阻止しよう」とアピール。

円副代表は、「自衛隊の方々も、『行けと言われれば行くが、こんな無責任な政治家たちのために命を投げ出すことは悔しくてならない』と言っている。本当にイラクの国民の復興のために何をすべきか、考え直す時だ。私たち民主党も頑張るので、ぜひ皆さん方も声を上げてほしい」と訴えた。

立ち止まって演説に熱心に耳を傾けていたサラリーマンは、「頑張ってくれよー」と弁士に手を振って激励していた。演説会には小宮山洋子衆議院議員も参加した。《民主党ニュース》



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