平成5039日目

2002/10/25

この日のできごと(何の日)

【石井紘基代議士刺殺事件】

25日午前10時35分ごろ、民主党の石井紘基衆院議員(61)(東京6区)が、東京都世田谷区の自宅前で男に刃物で刺され、目黒区内の病院に運ばれたが死亡した。男は現場から徒歩で逃走、警視庁捜査1課と公安部は殺人事件として北沢署に特捜本部を設置、捜査に乗り出した。

調べによると、男は無言で石井議員に近づき、左胸の上部1か所を柳刃包丁のような刃物で刺した。年齢50歳ぐらい、身長約1メートル70。グレーのジャンパー姿で、頭にバンダナのようなものを巻いていた。男は京王井の頭線池ノ上駅方向に逃走、現場近くでは、犯行に使われたとみられる刃渡り約30センチの包丁が見つかった。

衆院第1議員会館の石井議員事務所によると、この朝、公用車の運転手が同議員を迎えに行き、議員が自宅から出た直後に襲われた。石井議員は午前11時に世田谷区内で支持者と会った後、東京・永田町の議員会館へ向かう予定だった。病院から石井議員の事務所に入った連絡によると、石井議員は心肺停止状態で運びこまれ、午後0時5分、失血死した。同議員の左胸には横に約3センチの刺し傷、下あごにも約5センチの切り傷があったという。《読売新聞》

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【蓮池薫さん、奥土祐木子さん】婚姻届提出

北朝鮮に拉致され、新潟県柏崎市に帰郷中の蓮池薫さん(45)と奥土祐木子さん(46)は25日午前、同市役所に婚姻届を出した。北朝鮮に残してきた長女(20)、長男(17)の出生届も併せて提出した。2人は日本でも晴れて夫婦となり、一家を構える形になる。

政府が滞在延長を決めてから一夜明けた同日朝、夫妻は蓮池さんの自宅で合流し出発。蓮池さんの母ハツイさん(70)、兄透さん(47)も同行した。市役所での2人は緊張した面持ち。何も持たずに窓口に行こうとする蓮池さんの後を、ハツイさんが追い掛け書類を慌てて渡す場面も。事前に記入された婚姻届を窓口で出すと、市職員が「お預かりします」と受け取った。《時事通信》

【キム・ヘギョンさん】「私は日本に行けない」

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致された横田めぐみさんの娘キム・ヘギョンさん(15)は25日、平壌でフジテレビなどのインタビューに応じ、「おじいさん、おばあさんに本当に会いたい」としながらも「私は日本には行けない。おじいさん、おばあさんにこちらに来てほしい」と訴えた。

ヘギョンさんはまた、9月17日に初めて母が日本人だったと知らされ「驚いた」と語る一方で、めぐみさんが拉致されていたことについては「知らなかった」とし、拉致という言葉についても初めて聞いた」と述べた。

ヘギョンさんがメディアのインタビューに応じたのは初めて。赤地に黒い横線の入ったシャツの上に白い上着を羽織ったヘギョンさんはホテルの部屋で同日午後4時から約1時間、涙も交えながら、しかし、しっかりした様子でさまざまな質問に朝鮮語で答えた。

祖父母であるめぐみさんの両親の滋さん(69)、早紀江さん(66)夫妻に対しては「母方のおじいさん、おばあさんが生きているとは夢にも思わなかった。近いうちに会えると聞いて興奮した。元気か、病気ではないか心配」とし「何度でも会える、会えるといわれ、きょうも来てくれると思っていたのに。本当に会いたい」と涙ながらに訴えた。

しかし、自分が日本を訪問することについては「(祖父母の)顔も分からないのにどうして行けるのか」「お父さんは賛成しないと思う」と語り「お母さんが日本人だからといって日本には行けない」として、横田さん夫妻がまず訪朝してほしいと繰り返し訴えた。《共同通信》

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)で死亡したとされる横田めぐみさん=失跡当時(13)=の父滋さん(69)は25日、東京都港区のフジテレビで、孫のキム・ヘギョンさん(15)が出演したテレビ番組について「警察の取り調べのようでかわいそうだ。何のためのインタビューなのか、疑問だ」と話した。母の早紀江さん(66)は番組生出演を取りやめた。

滋さんは、キム・ヘギョンさんによる訪朝の呼び掛けについては「現在は(永住帰国問題で)両国の間で綱引きしていて、どうにもならない」と当面訪朝しない考えを示した。ただ日本に戻っている拉致被害者5人の家族が北朝鮮から日本に呼び寄せられた場合は、訪朝も考えるという。

横田夫妻はこの日、キム・ヘギョンさんと父でめぐみさんの夫だったとされるキム・チョルジュさんにあてた手紙を中山恭子内閣官房参与に託した。

キム・ヘギョンさんには「いますぐ日本に会いに来てほしい」と呼び掛け、チョルジュさんには「ここまで育ててくれてありがとう」と記した。

滋さんと早紀江さんは同日夕、東京・目黒区の東大駒場キャンパスで講演。早紀江さんは「孫かわいさとはいえ、北朝鮮に突進するのは危ない。向こうからこっちに来るよう呼び掛けている」と話した。

横田めぐみさんの娘キム・ヘギョンさんは25日、北朝鮮の平壌でのインタビューで、父親でめぐみさんの夫だったキム・チョルジュ氏について「会社で働いている」とだけ語り、詳細は明らかにしなかった。

ヘギョンさんは、父が働いている会社について「よく知らない。ルンラという会社の名前だけを知っている」とし「父の職場について詳しく知りたいとは思わない」と述べた。また、家族は父、母、弟で「弟は3歳」だと明かした。《共同通信》

【米中首脳会談】

中国の江沢民国家主席とブッシュ米大統領は25日、米テキサス州クロフォードの大統領私邸で会談、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発阻止に向け対話による平和解決を目指すことで一致した。大統領は核開発阻止のため米中に日本、韓国、ロシアを加えた関係国で共通戦略を構築する方針を表明した。

大統領はメキシコ・ロスカボスで26日に行う日米韓首脳会談で共通戦略づくりに取り組む意欲を示しており、北朝鮮に対する「国際包囲網」の形成が本格化し始めた。

イラク問題については大統領が国連安全保障理事会の新決議案への理解を求めたが、江主席は態度を明確にせず、隔たりが残った。

両首脳は米中両国の建設的協力関係の発展を目指すことを確認。大量破壊兵器拡散問題を主テーマとした国務次官級の新安保対話を来年初めまでに始めるほか、国防高官協議など軍事交流の本格再開で合意、チェイニー副大統領の来春訪中も決めた。《共同通信》

【この日の民主党】

佐藤(道)議員、政治倫理の風化に警鐘

参議院予算委員会の25日の質疑で質問に立った民主党の佐藤道夫議員は、北朝鮮拉致問題、政治倫理、集団的自衛権をめぐる憲法解釈などについて、首相および関係閣僚に質した。

佐藤議員はまず、政府が帰国中の拉致被害者5名について、本人たちの意向に関わりなく北朝鮮に帰国させない方針を決めたことを取り上げ、「帰国者の意思もある。北朝鮮に家族も含めた自由往来を求めるべきではないか」と質した。小泉首相は、「家族、被害者のそれぞれの事情も勘案した上で、政府として対応を決めた」と述べるにとどまった。佐藤議員は、今後の日朝交渉において、北朝鮮に千数百人が在住しているといわれる、いわゆる「日本人妻」についても対象に含める形での自由な往来の実現を目指すよう要請した。

次に佐藤議員は、今日の政治における倫理意識の風化について言及。大島農水相前秘書官の口利き疑惑を念頭に置きながら、「自民党の政権下で、次から次へと、イヤになるくらい不正・汚職問題が繰り返されてきた。しかも、今もって“政治に倫理はいらない”などと言っている人もいる」と述べ、首相に所見を求めた。首相は「不祥事は残念。倫理の前提として、法律を守らないことが問題だ」などと述べたが、佐藤議員は「議員一人ひとりの心構えの問題だ」と応じ、次期国会で政治倫理問題に関する所信を明らかにするよう首相に要求した。

さらに佐藤議員は、石破防衛庁長官が集団的自衛権の行使を合憲だと主張してきた問題をめぐって質問。「集団的自衛権は憲法上行使できないという政府を国会で合憲論の立場から追及してきた人が、入閣したら“仕方ない”と違憲論になるのか。政治家のモラルを越えて、人間性の問題ではないか」と厳しく追及した。小泉首相は「議員個人の考えはあっても、私の内閣ではそれを政治課題にのせないということで承知してもらっている。問題ない」とかわしたが、石破長官は「閣僚が政府の憲法解釈に従うのは当然。ただ、今の解釈の中でどこまでできるのか、検討は精一杯やってみたい」などとこだわりをにじませた。

峰崎議員、経済・金融政策の混乱を追及

民主党の峰崎直樹議員は、25日開かれた参議院予算委員会で小泉内閣の経済無策を厳しく追及した。

峰崎議員は質問の冒頭、大島農水相秘書官の口利き問題について「前参議院議長と同じではないか」と質した。大島農水相は「事実を明らかにすることが私の責務。身を律しながらことに当たっていきたい」と答えるにとどまった。

峰崎議員は経済・金融政策について、柳沢前金融担当相の更迭理由、デフレ対策、インフレターゲット論の是非を質した。首相は更迭理由は明確にせず、「総合的に判断した」と回答。峰崎議員がさらに、「金融担当の責任だけでなく、産業側の供給過剰もある。産業と金融の一体での立て直しが必要ではなかったか」と質すと、首相は「人事は人からとやかく言われる必要はない」などと開き直った。

デフレ対策をめぐって首相は、「実質では成長率は伸びているが、名目では下がっている。デフレは阻止しなければと思っている」と答弁。インフレターゲット論については「日銀は物価上昇率をゼロ以上にすると言っている」と答えたが、明確な対策は示さなかった。峰崎議員は日銀総裁に「ゼロ以上をいつ達成するのか」を質したが、速水日銀総裁は「期限を聞かれても困る。成長なくしてデフレの解消はない」と他人事の答弁に終始した。

さらに峰崎議員は、金融再生と不良債権処理の加速を目指した、いわゆる「竹中案」をめぐって、「本当に加速できるのか」と質したが、竹中金融担当相は「竹中案がある訳ではない。月内に報告できるよう議論をつめている」とし、ここでも小泉内閣の無策・混乱ぶりが露呈した。

石井紘基議員の死を悼む党声明を発表

民主党は25日夕刻、石井紘基議員の刺殺事件に関し、「石井議員の死を悼み、心よりご冥福をお祈りするとともに、ご家族の方々に謹んで哀悼の意を表する。動機は現時点では明らかではないが、暴力によって政治活動を封殺することは断じて許しがたい。石井議員の志を継ぎ、引き続き正義を実現するための闘いに全力を挙げる」などとする党声明を発表した。

遊説日程をキャンセルして急きょ戻った中野寛成幹事長が16時から国会内で緊急記者会見を開き、党声明を読み上げた。中野幹事長はまた、「石井議員が終始その政治生活の中で、不正を追及する闘いをわれわれの先頭に立って勇猛果敢に毅然として頑張ってこられた。それだけに、彼の死は、悼みても余りある、日本の民主政治、民主党にとっての大きな損失である。現在、世相が混沌としているなかで、なお国民の気持ちを暗くする出来事だといわなければならない。不正追及とともに、石井議員がめざした理想社会の実現に向かってわれわれはより一層結束を固めて闘っていかなければならないと思う」と緊張の面持ちで所感を述べた。

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2002年10月25日
石井紘基議員の死を悼む(党声明)
民主党

本日、わが党所属の石井紘基衆議院議員が自宅前で何者かに刺されて死去するという、極めて凄惨な事件が起こったことに、深い悲しみと強い憤りを覚える。

石井議員はこれまで、数々の疑惑追及に挑むなど毅然として政治をはじめ社会の不正と闘ってきた。それだけに、このような卑劣かつ残虐な犯罪の犠牲となったことは極めて残念である。ここに石井議員の死を悼み、心よりご冥福をお祈りするとともに、ご家族の方々に謹んで哀悼の意を表する。

この度の事件は、現職国会議員が刺殺されるという、極めて異常なものである。動機は現時点では明らかでないが、暴力によって政治活動を封殺することは断じて許し難い。司法当局に対し、一刻も早い犯人逮捕と事件の解明を求める。

これまでわが党は、このような暴力や不正を決して許さず、公平・公正な社会の実現をめざしてきた。民主党は、石井議員の志を継ぎ、引き続き正義を実現するための闘いに全力を挙げていくことを、あらためて宣言する。

「怒りを胸に正義貫く」石井議員刺殺に鳩山代表

民主党の鳩山由紀夫代表は25日、遊説先の新潟県長岡市で、同日午前に民主党所属の石井紘基衆議院議員が暴漢に襲われ刺殺された事件に言及し、「(石井議員は)正義感の強い人で、いろいろな不正を追及してきた。民主党として大変惜しい人を亡くした。この怒りを胸にわれわれは、今後も正義を貫くために奮闘する」と述べた。

亡くなった石井議員は、1940年、東京都世田谷区生まれ。93年に日本新党から衆院選に出馬し、初当選。自由連合、さきがけを経て、96年に民主党に参画した。当選3回。民主党東京都総支部連合会副会長の他、今臨時国会では、衆議院の災害対策特別委員長を務めていた。

「石井議員の正義への志を受け継ぐ」鳩山代表会見

民主党の鳩山由紀夫代表は25日夜、石井紘基衆議院議員が暴漢に襲われ刺殺された事件について緊急記者会見を行い、「石井君の遺志を受け継ぎ、明るい、国民に信頼される政治をつくるために闘うことを誓う」と決意を込めて語った。

鳩山代表は、会見の冒頭、「こうした凶行によって政治家の命が奪われるという事態に、強い憤りを覚える」と怒りを込めて事件を糾弾。石井議員が非常に正義感の強い政治家であったこと、とりわけ汚職を追放し、不正を暴くために党内に「国会Gメン」をつくり、その中心となって活躍したことなどを紹介し、「本当に残念でならない」と無念をかみしめた。

さらに鳩山代表は、石井議員が近著の中で、「ほんとうの日本」を覆い隠している「ベルリンの壁」を取り払い、再び明るい日本を取り戻すべきだと主張していたことに触れ、「そうした作業を引き継ぎ、精一杯やり遂げることが、遺されたわれわれにとっての、せめてもの義務だ」と語った。

鳩山代表はまた、事件の犯人や背景についてはまだ判っていないことから、捜査当局に調査を急ぐよう要請するとともに、党としても必要な調査を進める考えを示した。《民主党ニュース》



10月25日 その日のできごと(何の日)