平成5038日目
2002/10/24
この日のできごと(何の日)
【北朝鮮による日本人拉致事件】
キム・ヘギョンさん、横田めぐみさんの娘と断定
北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=失跡当時(13)=の父滋さん(69)は24日、横田さんの娘とされる少女のDNA鑑定結果を内閣府から受け取った。滋さん夫妻が少女と祖父母の血縁関係で矛盾はなく、横田さんの娘であるとの結論だった。これを受け、滋さんは写真を公開した。中山恭子内閣官房参与は滋さん夫妻に対し、「日本国籍とみなし、日本に帰らせることを強く求める」と明言した。
滋さんは記者会見で、「めぐみの子であり、われわれの孫と確認された。めぐみに似ている」と述べた。母早紀江さん(66)は「不思議な気持ちで、何とも言えない感動を覚える」と話した。滋さんは「引き取ることは難しいが、訪日は可能と思う」とした上で、留学などの希望があればかなえてあげたい意向だ。北朝鮮の説明によると、娘の名前はキム・ヘギョンさんで、15歳。横田さんが結婚した朝鮮人の男性との間に生まれたとされる。《時事通信》
拉致被害者5人、永住帰国へ
政府は24日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から一時帰国している拉致被害者5人を戻さず、その家族全員を含めた永住帰国を前提に、5人の滞在延長と、北朝鮮に残された子どもらを早期に呼び寄せるよう求める対処方針を決定した。福田康夫官房長官が緊急記者会見で発表、外交ルートで北朝鮮側に伝達し家族らにも連絡した。
政府方針は(1)5人は引き続き日本に滞在、北朝鮮にいる家族の安全を確保し、帰国日程を早期に確定する(2)29日の日朝国交正常化交渉再開までに帰国日程が確定できない場合は、交渉の最優先事項とする(3)生存が確認されていない拉致被害者の事実解明を求める―の3点。
一方、拉致された横田めぐみさん=失跡当時(13)=と、娘とされたキム・ヘギョンさん(15)の親子関係がDNA鑑定で確認され、政府はヘギョンさんの早期帰国を要求する方針だ。政府は「5人の拉致被害者が家族を含めて自由な意思決定を行うための環境設定、特に家族全員の日本への帰国が不可欠かつ急務」(福田長官)と判断した。《共同通信》
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【衆院予算委員会】
小泉純一郎首相は24日午前、衆院予算委員会で朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から一時帰国した拉致被害者5人の家族の帰国問題に関連し、「『帰国した被害者を二度と帰したくない。家族、子どもたちと一緒に過ごしたい』と思うのは当然だ。家族、被害者の要望に応えられるよう働き掛けていきたい」と述べ、被害者の滞在期間を延長して北朝鮮にいる家族を呼び寄せることに努力する意向を表明した。
本年度補正予算案編成について首相は「12月の税収動向、総合デフレ対策や今後の経済状況を見ながら必要なことは大胆かつ柔軟に考えればよい」と述べ、雇用対策などのセーフティーネット(安全網)の財源などとして来年の通常国会冒頭での補正予算案提出に前向きな姿勢を示した。
川口順子外相は拉致事件をめぐる捜査協力や犯人の身柄引き渡しについて「北朝鮮を国家として承認していなくても適当と判断すれば請求、要請することは可能」と述べ、北朝鮮側への請求は問題ないとの考えを示した。
竹中平蔵金融・経財相は、米週刊誌での「大きすぎてつぶせない銀行はない」との発言について「英語のインタビューの意訳が行われた。そうした発言はしておらず、出版社に正式に抗議し、訂正を求めている」と否定した。《共同通信》
【モスクワ劇場占拠事件】人質1人を射殺
モスクワの劇場占拠事件発生から一夜明けた24日午後、チェチェン独立派のイスラム武装勢力とみられる犯人グループは、赤十字国際委員会(ICRC)代表らとの人質解放などの交渉を始めた。一方、ロシア連邦保安当局者は、武装勢力が占拠直後に人質の若い女性1人を射殺したことを確認。事件で初の死者となった。射殺の状況は不明だが、女性は20歳ぐらいで遺体は劇場から搬出された。
交渉で犯人グループはこれ以上の人質解放を拒否する一方、ロシア政府に事態打開に向けた提案をした。プーチン大統領は同日、「人質の安全を最大限配慮して解放を目指す」と述べたが、死者発生で解放交渉をめぐる状況が急速に悪化する可能性もある。
犯人グループは占拠の目的はあくまでロシア軍のチェチェンからの撤退であることを強調。1週間以内に撤退が実現しなければ、人質ともに劇場を爆破すると警告している。また要求が受け入れられなければ、1時間ごとに10人の人質を射殺すると述べるなど状況が緊迫している。《共同通信》
【この日の民主党】
海江田議員、政府の「加速」路線のずさんさ批判
民主党の海江田万里政調会長は、24日の衆議院予算委員会で質問に立ち、政府の経済対策などについて厳しく質した。
海江田議員は、質問の冒頭、大島農水相の前秘書官をめぐる口利き疑惑について農水相に重大な監督責任があることを指摘し、「もし(口利きした企業との間で)現金の授受があった場合、辞任するべきではないか」と追及した。しかし農水相は、「しっかり調査し、説明することが監督責任者としての義務」などと繰り返し、最終的な責任の取り方については語らなかった。
続いて海江田議員は、政府の中小企業対策について質問。まず、現在の中小企業の深刻な状況に対して首相がどのような危機意識を持っているかを質した。しかし首相は、「2、3年は低成長はやむを得ないと就任当時から言ってきた」「停滞しているからこそ“改革なくして成長なし”路線を進めていく」などと発言。海江田議員は「低成長とか停滞という状況ではない。底なし沼のようにどんどん落下しているという事態だ。危機意識がまったく欠けている」と厳しく批判した。
また、「金融機関の不良債権は増え、仲介機能も低下して中小企業が潰れている。1年半で金融改革はまったく進んでいない」とし、柳沢金融担当相を更迭したのはその証拠だ、と指摘。首相は「改革は進んでいる。さらに加速させる」などと強弁したが、進んでいる証拠を1つでも示せと迫られて、答えに窮する始末だった。
その上で海江田議員は、「中小企業の方々に話を聞くと、一番心配しているのは融資の問題と外形標準課税のことだ」として、中小企業に対する課税強化になる恐れがある外形標準課税を来年4月に一斉導入するという従来の政府方針に疑問を呈した。片山総務相は、大企業と中小企業を分離し、段階的に導入することを考えているとし、来年4月の一斉導入は行わないことを明言した。
海江田議員はまた、失業者の増大などに比して政府の雇用対策が遅れていることを指摘。とりわけ、給付を支えるための雇用保険制度改革を急ぐよう要求したが、坂口厚労相は、全体の雇用政策の中でやるべきだと述べるにとどまった。
海江田議員は日朝首脳会談についても取り上げ、金正日国防委員長が核査察の全面受け入れを確約したという首相の発言の根拠について質した。首相は日朝平壌宣言の文言をもって「確約」だとしたが、海江田議員は「関連するすべての国際的合意を遵守することを確認」という文言だけでは不十分だとし、今後の交渉の中で査察が実現されるようしっかり取り組むよう求めた。
さらに海江田議員は、イラク攻撃問題に関連して、湾岸戦争当時に米軍が使用した劣化ウラン弾によって同国の子どもたちが直接・間接に被曝し、深刻な被害が出ていることを指摘。政府としても支援を検討すべきだと要請した。川口外相も「そうしたい」と答えた。
4野党共同で竹中大臣問責決議案を提出
民主党、自由党、共産党、社民党の野党4党は衆議院予算委員会で24日夕、日本経済が危機的な状況にある中、竹中平蔵金融・経済財政担当相が自らの重大な責任を自覚せず、軽率・無責任な言動を繰り返し国民経済を混乱させたとして、同相に対する問責決議案を緊急動議として提出した。
動議提出者を代表して、民主党の枝野幸男予算委筆頭理事が動議の趣旨を説明。竹中金融・経済財政担当相について、「軽率かつブレの激しい言動を繰り返し、国民と国際市場の信頼を著しく失っている。特に、今国会における最大の政策課題のひとつである不良債権処理の加速策について、今月22日中に中間報告を公表するとしながら、当日になって突如これをとりやめた。こうした行動のブレの激しさと、具体策を決められない指導力の欠如は、結果的に株価の乱高下を招き、わが国経済と国民生活をさらに悪化させている。この責任は大変重く、竹中君はこのことを十分に認識すべきだ」と述べた。
動議の取り扱いは、予算委員会理事会で協議することとなった。
原口議員、口利き疑惑の調査結果を批判
衆議院予算委員会の24日の質疑で民主党の原口一博議員が質問に立ち、同委員会で大島理森農水相が示した前秘書官の口利き疑惑に関する調査結果をめぐって質した。
原口議員はまず、「宮内前秘書官の兄、建設業者と前秘書官を引き合わせたとされるコンサルタント会社のA氏の調査を行ったか」と質問。「前秘書官と彼の奥さんを中心に、私のできるだけの調査をした」などとしてうやむやな答弁ですり抜けようとした農水相を重ねて追及し、疑惑の鍵を握る人物への調査を一切行っていない実態を明らかにした。
原口議員は「私たちの調査では、八戸市の市民病院建設にからむ公共工事で、宮内氏が“この業者を使え”とリストを示し、業者から口利き料としてコンサルタント会社のA氏を通じて金が渡された」と指摘。また、前秘書官が父親の遺産と母親の生前贈与とを合わせて3500万円があったと回答しているものの、贈与税を支払っていない実態も質疑を通じて明らかにした。さらに、A氏や八戸市民病院建設にかかわったとされるS空調会社のコメントと、前秘書官の証言の食い違いを重ねて指摘。農水相に再調査を求めた。
日朝問題をめぐっては、北朝鮮から一時帰国している拉致被害者5人の子どもたちの早期帰国に向け、日本政府として前向きに取組むよう要請。死亡したとされる8人に対する再調査の必要性も示した上で、小泉首相に「私たち自身の力不足の責任もあるが、ここまで放置してきた日本政府として不作為を詫びるべきだ」と求めた。これに対して小泉首相は「拉致の存在を認めていなかったのが(会談を通じて)明らかになった。不十分な点もあったが、今後の交渉のなかで、ご家族および被害者の方々の意向の実現に向けて全力を尽くしたい」などと答弁するにとどまった。
また原口議員は、拉致問題が北朝鮮による国家としての主権侵害である点を安倍官房副長官に確認した上で、「交渉しなければ前には進まないというのも事実だが、他の道もあったはず。国連安保理を通じて刑事裁判所などをつくり裁くやり方もある」として、交渉の推進はあくまで慎重に行うべきだと指摘した。
さらに、9月17日の日朝首脳会談以前に米国政府から北朝鮮の核開発について伝えられていたとされる問題の事実関係を原口議員が質したのに対して、小泉首相は「核開発の疑惑があると聞いただけ」「アメリカとはいつも情報交換している」「核開発の事実があると聞いたのはいつか憶えていない」などあいまいな答弁に終始した。
最後に原口議員は、朝銀問題に言及。これまで1兆円の公的資金が使われ、さらに4300億円が朝銀東京の受け皿のハナ信組に注入されようとしている点を取り上げて、「拉致に加担し、北朝鮮への不正送金にかかわってきたとされる朝鮮総連との関係が指摘されてもいる朝銀への、これ以上の公的資金注入は中止するべきではないか」との考えを示した。
中小向け金融をしっかり守れ」五十嵐議員
民主党の五十嵐文彦議員は24日、衆議院予算委員会で民主党の2番手として質問に立ち、大島農水相前秘書官の口利き疑惑、中小企業を苦しめているヤミ金融問題、不良債権処理の加速策などについて1時間にわたって小泉首相、竹中金融担当相、大島農水相らの見解を質した。
口利き疑惑問題については、宮内前秘書官の金銭収受疑惑の発端となった世田谷区の自宅購入をめぐって、その支出額と資金の出所に関する調査結果の報告を大島農水相に求めた。農水相は、支出額が前秘書官の自宅購入費1億1000万円、売却したマンションの繰り上げ返済1160万円など計1億2946万円である一方、その出所として判明しているのは銀行預金や実母の贈与などから頭金に充てた5150万円、ローン7100万円の計1億2250万円で、690万円の出所が不明であるが、口利きでの金銭授受は否定していると報告。農水相はまた、前秘書官が業者の紹介を行ったこと、「前秘書官に口利き料として現金を渡した」と証言しているコンサルタント会社役員と証言通りの日に料亭で会ったことは認めた。
五十嵐議員は、「なお辻褄が合わない部分が多々ある。サラリーマンに過ぎない秘書に3000万円の預貯金、7000万円のローンというのも疑問。恒常的に口利き収入でもなければ、とても組めないローンだ」とし、宮内前秘書官側から提出された預金通帳などの資料一式を予算委員会に提出するよう求め、大島農水相もこれを受け入れた。
不良債権処理問題について五十嵐議員は、民主党ネクストキャビネットの金融担当相として独自に金融再生ファイナルプランや中小企業金融円滑化のための金融アセスメント法制定などを提案してきた立場から、これまでの地価上昇頼みの「牛のヨダレ方式」の不良債権処理策が不良企業への債権放棄と中小企業からの貸し剥がしを引き起こしてきたと指摘。竹中金融担当相に対しても、「『中小企業に対しては、ダブルスタンダードで守ります』と表明し、きちんとセーフティーネットを準備して不良債権処理の加速策に取り組めば、決してパニックにならない。皆つぶれるんだという騒ぎになっているが、あなたがきちんと説明せずにパニックに陥れているのだ」と強く批判した。
五十嵐議員はさらに、主要銀行がいまだに約束した中小企業向け貸し出し額を大幅に下回る貸し出し実績であること、平均7500万円の役員退職慰労金を支払っていることなどの資料を示し、「人に犠牲を強いて、自分たちはリストラをサボっている」と批判、「思い切って公的資金を注入しながらリストラをさせ、製造業や外資で学んだ若手など、土地担保に頼らない融資システムを身につけた新しい経営者を入れなければ、日本の金融はよみがえらない」と力説した。竹中金融担当相もこれにうなずき、「重要な指摘をいただいた」などと答えた。
チュニジア政府系新聞幹部が党本部を訪問
チュニジアの政府系日刊紙「アッサハーファ」国際政治部副編集長のジャマール・アルファーウィ氏が24日、民主党本部を訪れ、党男女共同参画委員会の鎌田さゆり委員長、榛葉賀津也副委員長と会談した。
アッサハーファ紙は1984年にチュニジアで創刊された政府系日刊紙で、発行部数は約2万5000部。内政から国際情勢に及ぶ広範な記事を掲載している。今回の来党はアルファーウィ氏からの要請で実現したもの。
鎌田委員長は冒頭、「家事分担をし、女性が社会に進出していくことを肯定する男性は日本では増えつつあるが、女性が議員に立候補し、選挙に立候補するのは実質的には大変。そこで民主党は女性支援基金を設けて、選挙の供託金を提供するバックアップ体制を整えたり、政治スクールを開催し、女性の政治参加を高める活動を展開している」と説明した。
アルファーウィ氏は、チュニジア社会での女性の地位について、1956年の独立当時から法律に女性の権利を保護する内容が盛り込まれ、イスラム社会では唯一女性の自由な結婚を認めていること、一夫一婦制であること、避妊・中絶も認められていること、女性差別につながる後進的なアラブ連盟の取決めへの不参加を決めていることなどを説明。「ドイツやイタリアの女性がチュニジアの男性と結婚するケースがよくあるが、チュニジアの方が本国より女性の権利が守られているとの指摘があるぐらいだ」と語った。チュニジアでは5名の女性閣僚がおり、議会の委員会には必ず女性が1人以上加わらなければならないとされている。
榛葉副委員長は「日本では自民党政治が長く続き、政治家・政権を選択する姿勢が国民から奪われてきた。民主党が政権政党となり、女性の政治参加や女性政策拡充に力を注がなければならない理由はそこにもある」とした。また会談では、女性の政治参加を拡大していくためには、教育を通じた意識向上が重要であることなどが話し合われた。《民主党ニュース》