平成4994日目

2002/09/10

この日のできごと(何の日)

【よど号ハイジャック事件】リーダーの妻逮捕

北朝鮮在住のよど号グループのリーダー小西隆裕容疑者(58)=よど号事件で国際手配=の妻(旧姓・福井)タカ子容疑者(56)=旅券法違反容疑で国際手配=が10日夜、北京経由で二女(22)らメンバーの子供計5人とともに帰国。警視庁公安部は成田空港で、夕カ子容疑者を逮捕した。

公安部は、1983年に欧州で行方不明になった元神戸外大生の有本恵子さん=当時(23)=や、80年に欧州で失跡し、有本さんと平壌で暮らしているとの手紙を家族に寄せた札幌市出身の男性らの消息も知っているとみて追及する。

タカ子容疑者は75年に日本を出国して北朝鮮に渡り、小西容疑者と結婚。その後、85年までの間に少なくとも計3回、日本に入国していたとされる。小西容疑者との間に2人の子供がおり、長女は昨年5月に帰国している。

タカ子容疑者は北京から成田に向かう機内で記者会見し「有本さんに会ったこともないし、海外で支援者を増やそうとしたこともない」と拉致疑惑への関与を否定した。

調べなどによると、よど号メンバーの元妻(46)と、タカ子容疑者は83年1月に平壌で、当時リーダーの故田宮高麿・元赤軍派幹部から「ロンドンで若い女性を獲得しろ」と指示を受け、ロンドンで一時行動を共にした。

その後、元妻が有本さんをコペンハーゲンに連れ出し、安部(本名・魚本)公博容疑者(54)=よど号事件で国際手配=らに引き渡し、北朝鮮に拉致したとされる。《共同通信》

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【大相撲秋場所】

大相撲秋場所3日目(10日・両国国技館)今場所初めて横綱、大関陣が安泰。横綱貴乃花は霜鳥を豪快な左上手投げで退けて2勝1敗とした。横綱武蔵丸も旭天鵬を危なげなく寄り切って2勝目を挙げた。大関陣は横綱昇進を目指す千代大海が琴龍を押し出し2勝1敗。新大関の朝青龍は小結貴ノ浪に逆転の伝え反りで勝って3連勝とした。武双山は小結高見盛を寄り倒し、かど番の魁皇は闘牙を寄り切って、ともに白星を先行させた。関脇は土佐ノ海が全勝を守ったが、若の里は初黒星を喫した。《共同通信》

【H2Aロケット3号機】打ち上げ成功

宇宙開発事業団のH2Aロケット3号機が10日午後5時20分、種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げられ、データ中継技術衛星(DRTS)など2基の衛星を予定の軌道に放出、打ち上げは成功した。

試験機だった2号機までと異なり、3号機は「実用1号機」の位置付け。H2Aは3機連続の成功となり、先代のH2ロケットの連続失敗で失巨われた日本の宇宙技術への信頼を回復。衛星打ち上げ市場参入を目指す主カロケットとしての本格運用に道を開いた。

同事業団の山之内秀一郎理事長は「ほぼ完ぺきな成功」と話した。

DRTSは静止軌道に移行可能な、だ円軌道に放出された。国産ロケットが静止軌道に衛星を乗せるのは、1995年3月の気象衛星ひまわり5号以来、7年半ぶりとなる。同事業団はDRTSを「こだま」と命名した。

3号機は全長57メートルの2段式。ごう音と共に一直線に上昇した。打ち上げ約14分後、東京の南東約3000キロの太平洋上空で次世代型無人宇宙実験システム衛星(USERS)を高度約450キロの円軌道に放出した。打ち上げ約30分後には太平洋中央の赤道上空付近で、DRTSをだ円軌道に乗せた。

この日は準備中、DRTSからの信号に異常が発生、一時は打ち上げ延期も懸念されたが、復旧した。《共同通信》

【ジー・オー巨額詐欺事件】元会長ら逮捕

高配当をうたった投資名目で会員から多額の金をだまし取ったとして、警視庁生活経済課は10日午後、詐欺容疑で「ジー・オーグループ」(東京)の元会長、O容疑者(39)と元社長のA容疑者(54)ら計7人を逮捕した。同グループは1996年ごろから通信販売の広告代やフィリピンの銀行の買収資金など収益見込みのない事業への投資と称して金を集めていた。

同課は、O容疑者らが96年8月ごろから今年2月末までの間に、全国の主婦や高齢者ら会員約3万3000人から約302億円をだまし取ったとみており、巨額詐欺事件の全容解明を進める。

調べでは、O容疑者らは、99年5月から2001年7月ごろにかけ、東京都江戸川区の無職男性(60)ら5人に、同グループに投資すれば高配当が得られるかのように持ち掛けて、計1億363万円をだまし取った疑い。O容疑者らは5人に約950万円を返却しただけだった。《産経新聞》

【沖縄県知事選】稲嶺知事が出馬表明

沖縄県の稲嶺恵一知事(68)は10日、那覇市内のホテルで会見し、11月の知事選に2期目を目指して立候補する意向を正式に表明した。稲嶺知事は米軍普天間飛行場の移設で「15年(使用期限)問題を解決するために再出馬する」と強い調子で述べ、2期目在任中の15年問題解決を公約に戦う考えを示した。《共同通信》

【政府】拉致被害者帰国を最優先

政府は10日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との国交正常化交渉再開に向け最大課題となっている日本人拉致疑惑について、被害者の帰国を最優先し、実行犯の事情聴取や逮捕など真相究明は帰国が実現して国家的関与などが明確になる段階まで待つ方針を固めた。複数の政府関係者が明らかにした。

日本側は過去の北朝鮮との交渉では真相究明が必要と主張したこともあったが、正常化交渉の過程で実行犯逮捕などにこだわれば被害者の安否確認や日本帰国に支障が出かねない、と判断した。

小泉純一郎首相はこうした方針を踏まえ、17日の日朝首脳会談では「国民の生命にかかわる重要問題だ」と主張し、被害者の安全を最優先する考えを伝える見通しだ。

警察庁は将来にわたり、従来通りの捜査を継続する構えだが、被害者の帰国を最優先するとの日本政府の方針を受け、北朝鮮側が「一部の人間の行動」とし国家関与を否定することもあり得るため、日朝両政府が政治決着を図る可能性もある。

警察庁が拉致疑惑と認定しているのは1983年に欧州で失跡した元神戸外大生の有本恵子さんら8件11人。うち2件は関与した人物が判明しており「事件」と定義している。外務省は有本さんと同時期に行方不明になった男性2人についても拉致された可能性がある、として北朝鮮に調査要請している。《共同通信》

【小泉純一郎首相】グラウンド・ゼロで献花

小泉純一郎首相は10日夕、ニューヨーク市の世界貿易センタービル崩壊現場「グラウンド・ゼロ(爆心地)」を訪れ、市当局者の説明を受けながら、犠牲者の家族用に設けられたプレハブ小屋から視察、同時テロの犠牲者に献花した。

この後、救出作業で犠牲になった警察官や消防士の慰霊所でも黙とう。首相が現場を訪れたのは昨年9月24日以来で、感想を求めた記者団に対し「傷の深さ、ダメージの大きさ…」と言葉少なに語った。《共同通信》

【MLB】

米大リーグ、カージナルスの田口外野手は10日、ブルワーズ戦に「8番・中堅」でフル出場し、3打数2安打だった。先発出場は6月10日のマリナーズ戦以来2度目。1試合2安打は初。試合はカージナルスが8−3で勝った。

マリナーズのイチロー外野手はレンジャーズ戦で4打数1安打。打率は、3割2分7厘で首位に1分4厘差の4位。マリナーズは2−3で敗れ、ア・リーグのワイルドカード(最高勝率の2位)争いで首位エンゼルスに5ゲーム差をつけられた。

ジャイアンツの新庄外野手はドジャース戦を欠場。試合は5−2でジャイアンツが勝ち、ナ・リーグのワイルドカード争いでは、ジャイアンツがトップに立ち、ドジャースに1ゲーム差をつけた。《共同通信》

【この日の民主党】

旧日本軍遺棄毒ガス問題で申し入れ

民主党人権・消費者調査会の石毛えい子会長と今野東事務局長は10日、旧日本軍による中国遺棄毒ガス被害問題について首相官邸に申し入れを行った。官邸では福田官房長官が応対した。

石毛、今野両議員は、日本軍が終戦時、中国で遺棄した毒ガスによって、多くの中国人が犠牲となったこと、被害者は死亡したり、今も深刻な後遺症を抱えるなど困難な状況にあることを報告。遺棄毒ガスの被害者個人に対する救済措置が何も採られていない現状に対して、(1)日本軍の残した遺棄毒ガスによる被害状況の調査の開始、(2)被害実態が明らかになった時点での、医療ケアを含めた被害補償のための制度検討、を行うよう申し入れた。

これに対し福田官房長官は、裁判の経過を見守りつつ対応を検討すること、また補償を行えば財政負担が戦争と関係ない世代へ回されることなどを述べ、慎重な姿勢を示した。《民主党ニュース》



9月10日 その日のできごと(何の日)