平成4918日目
2002/06/26
この日のできごと(何の日)
【オウム裁判】新実智光被告に死刑判決
坂本堤弁護士一家殺害や地下鉄、松本両サリンなど計11事件に関与したとして、殺人罪などに間れた元オウム真理教幹部新実智光被告(38)に対し、東京地域の中谷雄二郎裁判長は26日「殺人すらも救済になるとの極めて危険な教義を背景に、手段を選ばず無軌道に敢行された凶悪かつ重大な犯罪」として求刑通り死刑判決を言い渡した。
一連の事件で死刑判決は8人目となった。新実被告は控訴した。
判決理由で中谷裁判長は、坂本事件や両サリン、信者殺害など9事件で、松本智津夫被告(47)=教祖名麻原彰晃=による犯行指示を認定。坂本事件について「批判の対象になった教団の問題点を省みることなく一家3人を殺害し、人命軽視も甚だしく冷酷無比」と指摘した。
また松本事件はサリンの殺傷能力の検証と教団が絡んだ民事訴訟の妨害のために起こし、地下鉄事件は強制捜査を阻止するのが目的だったと動機を認定。「市民を場当たり的に、手段を選ばず殺害した」と厳しく非難した。
さらに「教団は武装革命を計画し、無差別大量殺人を指示したサリン事件の動機は、松本被告の国家権力に対する敵がい心もあったが、空想的な企てだった」とし「首謀者だけに死刑が適用される内乱罪に当たる」などと死刑回避を求めた弁護側主張を退けた。
量刑で中谷裁判長は「松本被告の欲望や利益のために利用され、ほんろうされた面もある」としたが「最高幹部の一人として、教団犯罪の最も凶悪な部分に終始積極的に関与し、死刑をもって臨むしかない」と述べた。
教団で武闘派とされ、松本被告の警護役として「自治省大臣」を務めた新実被告は公判で、自らを「麻原尊師の直弟子」と言い「帰依する気持ちは変わらない」と明言。松本被告の指示を受け事件に関与したことを認めた上で、最終意見陳述で「死刑の必要のない社会をつくりあげてください」と述べていた。
新実被告は坂本事件や両サリン、3件の信者殺害、会社員VX殺害での殺人罪、2件のVX殺人未遂などの罪で起訴された。
教団関係者が起こしたとされる7件の殺人事件すべてで起訴されたのは、松本被告と新実被告だけ。一連の事件に関与した被告のうち既に7人が一審で死刑判決を受け控訴。二審も死刑とされた元幹部岡崎一明被告(41)が上告している。《共同通信》
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【沖縄・下地島空港】訓練機がオーバーラン
26日午後0時54分ごろ、伊良部町の下地島空港で訓練飛行を行っていた全日空のボーイング767-200型(菅田伸行機長)が着陸時に滑走路から外れ、滑走路東側の草地に停止し、機体尾部や両主翼先端などが破損した。同機には教官の菅田機長と訓練生2人が乗っており、訓練生1人が頭部打撲、首をねんざする軽傷を負った。下地島空港は午後0時57分に滑走路を閉鎖した。
同機は大掛かりな修理を要するため、国土交通省は航空事故に該当すると判断。27日、原因究明のため航空・鉄道事故調査委員会の調査官2人を派遣し、機長ら関係者から事情聴取する。《琉球新報》
【サッカー・W杯】
サッカーの第17回ワールドカップ(W杯)は26日、埼玉スタジアムで準決勝1試合を行い、ブラジルが1−0でトルコに勝ち、3大会連続の決勝進出を決めた。30日に横浜国際総合競技場で行われる決勝はドイツ−ブラジルの伝統チーム同士の「夢のカード」となった。4度優勝のブラジルは最多優勝回数の更新を狙い、ドイツはブラジルと並ぶ4度目の優勝を目指す。
ブラジルは、現行制度と異なる決勝リーグで準優勝した第4回ブラジル大会(1950年)を除き、6度目の決勝進出。W杯では第10回西ドイツ大会(74年)で東ドイツと対戦したことがあるが、過去3度優勝の旧西ドイツ、統一ドイツと対戦するのは初めて。決勝は5大会連続して欧州−南米対決となった。《共同通信》
【民主党・鳩山由紀夫代表】中国・江沢民国家主席と会談
中国を訪問している民主党の鳩山由紀夫代表は26日午後、北京の人民大会堂で江沢民国家主席と会談した。鳩山氏は瀋陽の亡命者連行事件について「中国の対応に同意できない部分があり遺憾だ」と批判。これに対し江主席は「日本は侵略戦争で中国人民に重い罪を犯したが、われわれは歴史を鑑として、未来を考えるとの結論に達した」と主張し、「そういう結論に達すれは、(東シナ海の)不審船問題や瀋陽事件のような問題は、冷静に対処すれば解決できる」と述べた。
5月の事件発生以来、江主席が日本の要人との会談で同事件に言及したのは初めて。日中両国は先のタイでの外相会談で、再発防上のための領事条約や協定締結などで合意しており、江主席の発言は事件の幕引きを明確にする意向を強調したといえる。
小泉純一郎首相の4月の靖国神社の参拝に関し、江主席は「昨年の参拝の反省をみて中国人民は小泉首相を受け入れたのに、また参拝した。そのような誤った行動に、小泉首相が(中国側に)こたえる動きは見られない」と重ねて批判。鳩山氏は「私ども(民主党)の考え方と全く異なっている」とし、「侵略戦争を反省しながら未来に進まねばならない」と指摘した。
また江主席は「世界の中でも中国を脅威に思う人たちがいる」と日本国内の一部にもある中国脅威論に言及。鳩山氏は、「中国の経済発展が(日本にも)プラスになるような環境を作るのは可能だ」と応じた。《共同通信》
【マリナーズ・佐々木主浩投手】メジャー通算100セーブ
米大リーグ、マリナーズの佐々木投手は26日、シアトルでのアスレチックス戦で1−0の9回に登板。1回を無安打無失点で、今季18セーブ目(2勝1敗)を挙げ、大リーグ最速で通算100セーブを達成した。イチロー外野手は4打数無安打。《共同通信》
【日英首脳会談】
小泉純一郎首相は26日朝、カナナスキスで英国のブレア首相と会談。ブレア首相は小泉改革について「一部で不人気かもしれないが、改革は前に進んでおり、引き続き力強く頑張ってほしい」とエールを送り、小泉首相は「内閣支持率は変わっても改革姿勢は変わらない」と強調した。
ブレア首相はアフリカ問題について「重債務貧困国の債務免除問題が重要で、一次産品の価格も下落しており協力が必要だ」と指摘。小泉首相は後発発展途上国産品への関税撤廃措置を表明したことを説明し「支援が効率的に生かされる方法を模索し、(アフリカ諸国の)自助努力を引き出すことも重要だ」と述べた。《共同通信》
【カナナスキス・サミット】
主要国首脳会議(カナナスキス・サミット)は26日の昼食会で、2006年にロシアでサミットを開催することを決定した。G8首脳は「歴史的な決定に達した」と強調。これによりロシアは経済協議にも参加し、名実ともにG8の対等な一員となる。
来年建都300周年を迎える、プーチン大統領の出身地サンクトペテルブルクで来年5月に特別サミットを開催することでも合意した。
G8首脳はロシアの核、生物、化学兵器解体に伴って生じる関連物質のテロリストへの流出を協調して阻止する「G8グローバルパートナーシップ」で合意。小泉純一郎首相は支援の円滑実施に向けたロシアの態勢整備を前提に2億ドルの資金拠出を表明。うち1億ドルを余剰プルトニウム処理のため設置される国際機関に拠出する考えを示した。
各国首脳は世界経済について、日本を含め回復基調にあることを確認。小泉首相は5月に景気が底入れしたとの認識を示した上で「世界経済を導く改革を進めたい。支持率は落ちたが、改革路線を歩む」との決意を表明した。
重債務貧困国問題で、世界銀行などが設立した信託基金の資金不足を踏まえ、追加的措置を講じることで一致。G8首脳は南アフリカで開催される「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(環境・開発サミット)の成功に尽力することも確認した。《共同通信》
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カナダで開催されている主要国首脳会議(カナナスキス・サミット)は26日夜の夕食会で、地域情勢をめぐって意見交換した。
ブッシュ米大統領の中東和平提案についてG8首脳が初めて一堂に会して協議し、和平に積極的に関与しようとする大統領の姿勢を評価したが、パレスチナ自治政府のアラファト議長外しを求める米国と各国の溝は埋まらなかった。
小泉純一郎首相は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との関係に関連し「日本は北朝鮮との間に拉致問題を抱えており、日本人が巻き込まれている」と述べ、サミットの場で初めて直接的表現で拉致疑惑に言及、各国の理解を求めた。
G8首脳はロシアの核・生物・化学兵器廃棄に対する支援として、今後10年間で総額200億ドルを拠出することで合意した。うち100億ドルは米国が負担する。
サミットは27日、アフリカ問題について集中討議。議長国カナダのクレティエン首相が成果を議長声明にまとめ、閉幕する。《共同通信》
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小泉純一郎首相は26日、主要国(G8)首脳会議の夕食会で、パレスチナ自治政府のアラファト議長の退陣を求める米国の中東和平新提案について具体的な意見表明を回避し、立場を鮮明にできない日本政府の苦悩を浮き彫りにした。
一方で、首相は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)情勢に触れ「日本は北朝鮮との間に(日本人)拉致問題を抱えている」と指摘、問題解決と北朝鮮の国際社会への関与に同調を要請した。しかし、各国首脳からの北朝鮮に関する言及は皆無で、関心の溝をうかがわせた。《共同通信》
【この日の民主党】
仙谷議員、防衛庁リストを「官尊民卑」と批判
民主党の仙谷由人議員は26日の衆議院内閣委員会で、防衛庁リスト問題で質問に立ち、今の政府の姿勢は「官尊民卑」で、近代民主主義と相容れないと厳しく批判した。
仙谷議員は「丸山真男さんの名著『現代政治の思想と行動』に『であることとすること』の章がある。往々にして日本人はその人をすることではなく、その属性で評価する。なかなかこれから抜け出せない。一般大衆を不逞の輩と見なす、危険な人と見る。防衛庁の文化として、当たり前のこととしてリストを作ったのか」と質した。片山総務相は「興味深い。同感するところもある。個人権利侵害になるのか、検討が必要。罰則を考えていないことはない。今後の検討課題」と答えた。
さらに、仙谷議員は福田官房長官の「官・行政は悪いことをしないことになっている」との発言について、「近代民主主義国家はルール・オブ・ロー、権力にペナルティをかけるのは難しいので、法で縛る。権力と法の関係が近代以前の考え方ではないか。アメリカ独立のジェファーソンは“法律は権力への猜疑の体系”とも言っている。山県有朋が『民は依らしむべし、知らしむベからず』と言った官尊民卑の時代から、今日では行政情報の公開はむしろ当然だということになっている」と政府の考えを根本にさかのぼって批判した。福田官房長官は「誠にごもっとも。ご高説ありがとうございます」と答えた。
仙谷議員は、防衛庁が調査報告書を発表する前に与党の幹事長、総理・官邸のほかに、自民党の一部の議員にも説明に赴いていることを取り上げ、「誰のところに行ったのか」と質した。中谷防衛庁長官は「一方的に計画をつくり、会館を訪ねた。相手の対応にも差があり、名前は言えない」と答弁。仙谷議員は納得せず、防衛庁が訪ねた自民党議員の名前の公表について理事会で協議することになった。
枝野議員、個人情報保護めぐる政府の法解釈を批判
個人情報保護法案を審議中の衆議院内閣委員会で26日、防衛庁情報開示請求者リスト問題の集中審議が行われ、民主党からは枝野幸男、仙谷由人両議員が1時間ずつ質問に立った。
枝野議員は、防衛庁の調査報告書の中で、開示請求者の実名を含まないイニシャルと属性などのリストが防衛庁内のLANに掲示されていた事案を違法性なしと判断していることについて、イニシャルと「反戦自衛官」「受験生の母」などの属性だけでも防衛庁職員には事実上個人を特定できる場合があり、現行法(*)の「個人情報」の定義に該当するのではないかと質した。
これに対して中谷防衛庁長官、片山総務相は「イニシャルでは個人は特定できないので現行法で保護対象となる個人情報ファイルにはあたらない」として違法性をあくまで否定。片山総務相は、この点は現在審議中の法案でも同一であるとした。中谷長官は「違法ではないが、イニシャルを載せることは適当ではないので、載せることをやめた」と付け加えた。
枝野議員はまた、陸幕情報公開室員が職務上知り得た防衛庁受験者の病歴を海自三佐に漏らしたことについて、自衛隊法上の守秘義務違反にあたるのではないかと質した。中谷長官は、「(受験者の病歴は)刑罰を科してまで守るべき秘密にはあたらないと判断した。ただし、取り扱いには慎重であるべきで、室員に不注意があったため注意処分とした」と答弁。枝野議員は、「役所の中で個人情報を漏らしても『実質秘でないからいい』などという解釈でいいとは到底思えない」「全然めちゃくちゃだ」と厳しく批判した。
民主党訪問団、アフガン外相と会談 日本人ビザ即日発給が実現
記事を印刷するカブールを訪問中の民主党調査ミッション(藤田幸久代表政策顧問、木俣佳丈参議院議員)は、アフガニスタン移行政権のアブドラ外相と約1時間にわたり会談した。会談で訪問団は、日本人に対するアフガニスタン入国ビザの発給に少なくとも数日かかっている現状の改善を要請。外相は、隣接国のパキスタン、イラン、アラブ首長国連邦の同国大使館で申請した日本人に対しては即日発給すると表明した。
これまで、日本に大使館のないアフガニスタンへの入国ビザ発給申請は隣接国にある同国大使館等で行うしかなく、約1週間の待機を余儀なくされていた。訪問団は、こうしたビザ発給の遅延がアフガニスタン復興支援への障害にもなっている現状を、アフガニスタンで活動する日本のNGOの代表者らから聴取したことを踏まえ、その改善を外相に要請したもの。外相は、従来必要としていた大使館からの本国照会を省くことによって、ビザの即日発給を可能にする措置を決め、27日から実施するよう直ちに指示した。
また、訪問団は同日、ファヒーム副大統領兼国防相、アシュラフガニ財務相、ブラヒミ国連事務総長特別代表とも個別に会談を行なった。
鳩山代表、江沢民・中国主席と会談
民主党訪中団を率いて中国を訪れている鳩山由紀夫代表は26日、江沢民・中華人民共和国主席と会談した。会談後、鳩山代表は記者会見し「民主党は自民党とは過去の歴史認識が違う。小泉総理の靖国神社参拝に見られるような認識ではなく、中国に対し侵略したという認識に立つ、と説明した。江主席は『小泉首相の昨年に続き今年も靖国参拝したが何の説明もない』として、日本政府への不信の念を述べた」と明らかにした。
会談で鳩山代表は、国立墓苑構想やアジア地域に「不戦共同体」を作る考えを表明した。江主席は、「正しい歴史認識のもとで不審船問題や瀋陽総領事館問題に冷静に対処すれば、必ず解決できる」と述べるとともに、不戦共同体についても「決して夢ではなく、どの国も平和を望んでいる」と鳩山代表に賛意を示した。鳩山代表は「中国脅威論を展開する人もいるが、中国の発展が日本にもプラスになるような関係は可能だ。そうした状況をどうつくるかが問題だ」と述べ、今後とも民主党と中国共産党との交流を深めていくことを相互に確認した。
同時にその日は、戴秉国・中国共産党中央対外連絡部長および賈慶林・中国共産党政治局委員との会見も行われた。また、民主党訪中議員団と中国有識者との間で3つの分科会(通商・経済、安全保障、情報・環境保全)が開催され、忌憚のない意見交換が行われた。通商・経済分科会では両国の貿易や経済協力のあり方、安保分科会では中台関係や日中米関係、アジア地域の安保体制の構築、情報・環境保全分科会では発展と環境保全との調和などについて議論し、両国の相互理解を深めた。《民主党ニュース》