平成4812日目
2002/03/12
この日のできごと(何の日)
【有本恵子さん拉致事件】元赤軍派幹部が計画
欧州で1983年に失踪した元神戸外大生の有本恵子さん=当時(23)=の拉致への関与を供述したよど号事件メンバーの元妻、八尾恵さん(46)が12日、メンバー赤木志郎容疑者(54)の妻で旅券法違反罪に問われたA子被告(46)の東京地裁での公判に検察側証人として出廷。拉致の経緯を詳細に証言した。
それによると、よど号グループリーダーだった故田宮高麿・元赤軍派幹部が日本人女性の拉致を計画し、八尾さんのほか朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の工作員とみられる「キム・ユーチョル」と名乗る外交員や、メンバー安部(本名・魚本)公博容疑者(53)が関与。
八尾さんは「ほかのメンバーの妻が獲得した2人の日本人男性と結婚させる目的で有本さんをだまし、北朝鮮に連れていった」などと述べ「有本さんの人生をめちゃめちゃにし、人としてやってはいけないことをした」と謝罪した。「メンバーの妻がッ獲得した2人」は80年にスペインで相次いで行方不明になった札幌市と熊本市の男性2人とみられる。
証言によると、83年1月ごろ平壌で、他のメンバーの妻とともに田宮幹部から「ロンドンで、25歳ぐらいまでの日本人女性を獲得してほしい」と言われた。「特定の思想に染まっておらず、義理堅く親とのしがらみもない人」というのが条件だったという。
八尾さんはロンドンで同年5月ごろ、偽名を使って語学留学中の有本さんに接近。7月中旬、「市場調査のアルバイトがある」と言ってコペンハーゲンに連れ出し、安部容疑者や北朝鮮外交官に引き合わせた。
安部容疑者らは、その翌日にコペンハーゲンの空港からこの外交官がモスクワ経由で北朝鮮につれていったという。外交官は朝鮮労働党の対日工作担当部署に所属していたとされる。
また、よど号グループでは、有本さんのような対象者を探すことを「発掘」、北朝鮮に連れていくことを「獲得」、革命思想教育をすることを「育成」と呼んでいたことも明かした。
八尾さんは、有本さんのその後の消息について「83年以降会っていない」とし、田宮幹部から「元気で勉強している
ほかのメンバーが獲得した2人と一緒に3人で暮らしている」と聞いたと証言した。《共同通信》
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【大相撲春場所】3日目
大相撲春場所3日目(12日・大阪府立体育会館)横綱武蔵丸、大関栃東、魁皇は全勝をキープしたが、大関千代大海は平幕土佐ノ海に屈し、初黒星を喫した。武蔵丸は琴ノ若を寄り切った。栃東は旭天鵬を押し出し、魁皇は小結貴ノ浪を右上手投げで下した。大関武双山は栃乃洋を突き落として2勝1敗とした。関脇琴光喜は休場の武雄山に不戦勝で2勝1敗。関脇朝青龍は小結若の里に寄り切られて1勝2敗となった。《共同通信》
【北九州監禁殺人事件】少女「父は殺された」
北九州市の少女監禁・虐待事件で、保護された無職少女(17)が、福岡県警小倉北署の捜査本部の事情聴取に対し、行方不明になっているとされる自分の父親について「(逮捕された)男女に殺された」と話していることが12日、分かった。
しかし、少女は長期間の虐待で心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状がみられ、詳しい事情聴取ができない上、これまでの関係先マンションの捜索や鑑識活動では、少女の話を裏付ける物証などが出てきていないため、捜査本部は慎重に捜査を進めている。
逮捕された男女は、依然として黙秘を続けている。
捜査本部によると、男女は、逃げ出した少女を連れ戻そうとした際などに北九州市門司区内の少女の祖父(69)に対し、それぞれ「ミヤザキ」「モリ」と名乗り、少女も2人を「ミヤザキのおいちゃん」「モリのおばちゃん」と呼んでいた。別に保護された男児4人が2人をどう呼んでいたかは確認できていない。捜査本部はこれらの名前が2人の身元の特定につながるかどうか調べている。《共同通信》
【宮崎県延岡市】旭化成工場火災
12日午後5時半ごろ、宮崎県延岡市長浜町四丁目、旭化成レオナ工場のナイロンを製造する繊維棟1階から出火、ナイロン製品や油が燃え、黒煙が激しく上がった。有毒ガス発生の恐れがあるため、同市は災害対策本部を設置、午後7時15分に半径1キロ以内の住民に避難勧告を出した。避難勧告の対象は3698世帯、9407人に広がり、一部は小学校などに避難、従業員も避難したが、けが人の情報は入っていない。
文部科学省放射線規制室によると、燃えた建物には、放射性物質コバルト60を使った液面レベル計が11台ある。しかし、800度の耐熱容器に入っており、旭化成は現場で放射線は確認されていないとしている。
同県消防防災課によると、消火活動は難航しており、13日午前0時ごろには、東側建物で小規模な爆発が数回起きた。避難した住民は12日午後10時半現在で約600人。
液面レベル計は化学薬品のタンクの液面を測定する装置。放射能の強さは約90ギガベクレルで、がんの治療に使う放射線源よりはるかに弱いが、文科省は13日朝にも放射線検査官を派遣し、安全を確認する。
現場は、ナイロンの原科などを生産する機能樹脂コンパウンドカンパニーレオナ事業部の工場。《共同通信》
【野党】鈴木宗男衆院議員に対する辞職勧告案提出
民主、自由、共産、社民の野党4党は12日タ、北方四島支援事業などに絡む疑惑が指摘された自民党の鈴木宗男衆院議員に対する議員辞職勧告決議案を衆院に提出した。
与党3党は当面、決議案採決には持ち込ませない方針で一致。自民党は13日に党の政治倫理審査会を開き、鈴木氏の疑惑に関する審査を開始、鈴木氏に自発的な離党を求める動きを一段と強め、鈴木氏が決断しない場合には「離党勧告」も辞さない構えで、早期に決着を図る意向だ。
鈴木氏をめぐっては新たにコンゴ人私設秘書ムルアカ氏の偽造旅券所持も判明。鈴木氏は「事実なら誠に遺憾だ」とのコメントを発表したものの、進退問題で瀬戸際に追い込まれつつある。
外務省の内部文書で鈴木氏が北方領土返還不要論に言及していたことが分かり、自民党内の批判はより拡大した。山崎拓幹事長ら執行部は鈴木氏の離党は避けられないと判断。離党を促す水面下の調整を続けているが、難航している。
これに関連して、自民党執行部の一人は「結論は一つしかない。(政倫審で)時間をかけても仕方ない」と鈴木氏の離党は動かないとの認識を示し、「決議案に(否決の)党議拘束をかけることはできない」と鈴木氏をけん制し、早期決断を求めた。《共同通信》
【竹中平蔵経済財政担当相】景気、下げ止まり気配
竹中平蔵経済財政担当相は12日の閣議後会見で、景気の現状について「いくつかの指標に下げ止まりの気配がみられる」と述べ、14日公表の3月の月例経済報告で、政府として景気に関する総合判断を示す考えを明らかにした。政府は景気判断を上方修正する方向で調整している。
ただ経財相は、景気の柱である民間設備投資や雇用情勢はなお厳しいとの見方を併せて示した。
一方、最近の株価上昇は企業の期待収益が見直されたためと指摘した上で、「金融緩和の効果は十分に(市場で)評価されていないとの見方もできる」と述べ、日銀に追加的な緩和策を求めた。株価上昇とともに円が上昇している点については「変化の速度が急すぎる」と警戒感を示した。《共同通信》
【小泉純一郎首相】拉致問題「きちんと対処」
小泉純一郎首相は12日午後、参院予算委員会の外務省問題に関する集中質疑で、元神戸外大生が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致された疑いがあると警察庁が認定したことを受け「北朝鮮との国交正常化交渉は拉致問題が前進しないと非常に難しい。きちんと対応すべきだ。交渉が進んでいないのは事実だが、おろそはにしないよう対処したい」と拉致問題解決に取り組む決意を強調した。《共同通信》
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小泉純一郎首相は12日夕、元神戸外大生が北朝鮮に拉致された疑いがあると認定したことを踏まえ、首相官邸に警察庁の漆間巌警備局長を呼び、拉致事件についてき然として対応するよう指示した。
政府は拉致問題解決に向けた取り組みを一層、強める考えだが、北朝鮮が今回の認定に反発する公算も大きく、中断している国交正常化交渉の再開のめどは立っていない。
福田康夫官房長官は「いろいろな交渉のルートがある。北朝鮮側の真剣な対応を粘り強く求める」と強調するが、拉致問題解決の道筋は不透明だ。
首相は夜「家族の気持ちを思うと実にひどい事件だ。拉致問題を棚上げにして(日朝)国交回復交渉はあり得ない」と記者団に言明した。同時に今後の日朝交渉について「日本が窓口を閉ざしているわけではない」と強調した。《共同通信》
【国連安保理】パレスチナ国家樹立支持
国連安全保障理事会は12日、流血の事態の続くパレスチナ情勢を打開するため、「イスラエルとパレスチナナの二つの国家が共存する構想に賛同する」との米国提出の決議案を賛成14、反対0で採択した。安保理決議がパレスチナ国家の樹立に具体的に触れたのは初めて。アラブ強硬派のシリアは「決議はイスラエルの不法占領を批判しておらず、不十分」として棄権に回った。
決議は「イスラエルの占領地撤退と引き換えにアラブ諸国がイスラエルを承認する」とのサウジアラビアのアブドラ皇太子の提案を歓迎。安保理がアブドラ提案に沿った中東和平への道を模索することが明確になった。
パレスチナ自治政府のキドワ国連代表は「将来につながる重要な決議だ」と高く評価しており、パレスチナ停戦と中東和平への動きは大きな節目を迎えた。一昨年秋にイスラエルとパレスチナ側との武力衝突が始まって以来、米国が決議採択で主導的役割を果たしたのは初めて。
12日朝の安保理で、アナン事務総長はイスラエルによるヨルダン川西岸とガザ地区の支配を「不法占領」と強く非難。これを受け、アラブがイスラエルを非難する決議を提案したのに対し、米国はパレスチナ国家を認める決議案を提出。深夜に及ぶ協議で妥協が成立した。
決議は、すべてのテロを含む暴力、挑発、破壊を直ちに停止するように要求。さらにアナン事務総長の和平努力を支持すると明言し、和平への国連の関与を一段と前進させる内容となった。《共同通信》
【この日の民主党】
峰崎議員、北方四島返還への戦略を質す
民主党の峰崎直樹議員は12日、参議院予算委員会での外務省問題集中審議で、政府の北方領土についての認識、四島返還への戦略などを小泉首相や川口外相らに質した。
峰崎議員はまず、日本に不法上陸した北方領土居住ロシア船員等への出入国管理法の適用状況、北方四島向け船舶内での酒・たばこへの課税関係、200カイリ専管経済水域設定における北方四島周辺の取扱い、北方四島からの輸入物資等についての食物検疫の実施状況などについて、それぞれ担当大臣らに確認。それらの答弁を受け、「政府は北方領土を『わが国固有の領土』『不法に占拠されている』と言っているが、今の答弁でも明らかなように、実際には外国領土として取り扱っている省もあるなど取扱いはバラバラだ」と指摘した。
また、鈴木宗男議員の不正な関与が問題となっている支援事業について、北方領土を「不法占拠」しているロシア側の地区行政府に供与施設の管理を実態上任せているというのでは「さっぱりわからない」と述べ、「そもそも『固有の領土』とは国際法上の用語なのか」と外務省に質した。「今まで一度も外国に属したことのない領土という意味」との答弁に峰崎議員は、「今まで一度もと言っても、たかだか100年くらいの話。もともとはアイヌモシリの土地だったかもしれない。日本だけが『固有の領土』と主張して、現実には50年以上にわたってソ連やロシアの実効支配が続いている」「このようにタテマエと本音がバラバラであるというところに、北方領土問題についての政策の最大の問題がありはしないか」と提起した。
小泉首相は、「法的問題と実態面、国際法上の問題、さらにどう解決していくかという取り組みの面もあるので、よく整理する必要がある」「四島の帰属を明確にした上で平和条約を締結するという基本線に沿って整理すべき」などと答弁。これに対して峰崎議員は、「昨年のイルクーツクでの日露首脳会談で、プーチン大統領は1956年の日ソ共同宣言を認めると述べているが、(平和条約締結後ソ連は歯舞群島と色丹島を日本に引き渡すとの)日ソ共同宣言に沿っての平和条約締結では、歯舞・色丹の返還だけで終わってしまうのではないか。(4島の帰属を明確にするという)93年の東京宣言との間に矛盾があるのではないか」「政府として大きな戦略を持っているのか、よく見えない」などと政府の姿勢を批判した。
若林議員、外務省の海外支援のあり方を質す
12日、参議院予算委員会において外務省問題に関する集中審議が行われ、民主党の若林秀樹議員が質問を行った。若林議員は、北方四島「支援委員会」の事業、外務省改革の内容、ODA改革のあり方などをめぐって政府の見解を質した。
若林議員は冒頭、前日の鈴木議員に対する衆議院での証人喚問について首相、外相の感想を聞いた上で、「なぜ鈴木議員だけが突出した力を持ったのか、なぜブレーキがかけられなかったのか」と質した。小泉首相は「私も不思議で仕方がない。外務省は何をしていたんだという気持ち」などと答弁。若林議員は「背景にお金の問題がある。3年間で2億円以上の資金を集め、50人以上の議員に配るというのは異常だと思わないか」と質したが、首相は「少なくとも私より資金調達能力がある」などと軽口をたたき、他人ごとのような対応に終始した。
支援委員会をめぐっては、2000年にイスラエルで開かれたロシア経済に関する国際会議への参加費用支出について、その内容を質した。外務省の齋藤欧州局長は、外務省員6名を含む17名分の旅費として、2152万円余を次官決裁で支出したことを報告。若林議員は「目的外の支出だったことを認めるか」と追及し、齋藤局長は「適当だったとは思われない」と認めた。
また若林議員は、「北方領土返還要求をうち切れ」などと主張している人間(鈴木議員)に影響されて支援事業を行うのは国益を損なうことになるのではないか、と川口外相を追及。外相は、外務省の文書に記録された鈴木議員の発言について「正直なところびっくりしている。全体の脈絡があるのでは」などとしたが、若林議員は、当事者である西田経済協力局長に文書の記録が真実であることを確認した上で、いまだに鈴木議員の嘘の答弁に惑わされている外務省自身に問題がある、と厳しく指摘した。
外務省改革については、報償費40%削減の内訳について質問。単なる項目の置き換えを除いた純粋の減額分はいくらか、と質した。北島官房長は、8億円と回答。若林議員は、各国大使館の便宜供与にかなりの報償費が支出されていると見られることなどを指摘した上で、さらに支出内容の厳正な検討を要求した。
ODA改革をめぐっては、インドネシアにおけるODA医薬品の横流し問題、およびケニアの国情不安などを質し、執行状況をしっかり把握し責任ある支援を行うよう要請。特に日米ODAを比較し、供与対象の「集中と選択」が必要だ、と指摘した。
「政と官のあり方を考えるPT」を設置
12日に開かれた民主党ネクストキャビネット(NC)会議で、「政と官のあり方を考えるプロジェクトチーム(PT)」設置に関する検討が行われ、了承された。
自民党の鈴木宗男議員に関わる外務省問題に見られるように、政治による行政への不当な介入を排し、健全な政官の関係のあり方を検討するのが趣旨。NC官房長官(政策調査会長)の所管で、座長は広中和歌子参議院議員、事務局長は小川敏夫参議院議員、事務局長代理は中川正春衆議院議員。
会議終了後に行われた会見で岡田克也政調会長は、「鈴木議員による外務省への関与はショックをもって受け止めた」と述べ、政と官のあり方を危機感をもって議論していく姿勢を示した。
4野党、鈴木宗男衆院議員の辞職勧告決議案を共同で提出
民主党を中心とする野党4党は、12日夕、鈴木宗男衆議院議員の辞職勧告決議案を綿貫衆院議長に共同で提出した。
提出後、民主党の熊谷弘国会対策委員長は、決議案を提出した理由について「昨日の証人喚問に引き続き、今日の参議院の予算委員会での質疑を見て、疑惑はさらに深まった。鈴木議員に国会議員としての適格性はない」とし、さらに「本人自ら身を引いて出処を明らかにしなければならないのに、今だにその姿勢が見られないので提出した」と述べた。
韓国ハンナラ党総裁と鳩山代表ら党幹部が懇談
来日中の、韓国第一党で野党のハンナラ党・李會昌総裁一行は、12日、東京都内のホテルで民主党の鳩山由紀夫代表ら幹部と懇談した。
元国務総理の李総裁は97年の韓国大統領選挙で金大中現大統領に得票率1.6%差で惜敗、今年12月に行われる大統領選挙にハンナラ党の候補者として再び挑戦する予定。
他の8人のハンナラ党国会議員とともに民主党との昼食懇談会に出席した李総裁は、「今回が初の訪日だが、鳩山代表とは何度もお会いしている。改革はこの人から始まる」と述べるとともに、大統領選には「国民優先政治」「正しい国づくり」をスローガンにして臨む、と語った。
また、この日の報道で明らかになった北朝鮮の日本人拉致問題について「韓国も拉致された人は多い。拉致は人権侵害であり、テロ行為だ。(日本は)拉致問題の解決を北朝鮮に強く主張すべきだ。私たちハンナラ党も強く主張していく」との考えを明らかにした。
この日、民主党からは鳩山代表のほか、羽田孜特別代表、菅直人幹事長、中野寛成副代表、岡田克也政調会長、伊藤英成NC外務兼安全保障大臣ら13議員が出席した。《民主党ニュース》