平成4701日目
2001/11/21
この日のできごと(何の日)
【狂牛病問題】国内2頭目
厚生労働省は21日午前、狂牛病(牛海綿状脳症)の全頭検査で国内2頭目の狂牛病の牛が北海道で見つかったと発表した。同日午後5時から省内で研究者らによる専門家会議を開き、最終的に狂牛病と確定診断した。
厚労省は2頭目の内蔵や肉などはすべて出荷されていないことを確認しており、速やかに焼却する。
全頭検査が始まって約1カ月。感染の広がりが懸念され、消費者の不安が一層高まるのは必至。欧州で狂牛病が大きな社会問題となるな中、「日本は安全性が高い」と主張し十分な対策を怠ってきた農水、厚労両省に対する責任追及の動きも強まりそうだ。
厚労省や北海道によると、牛は雌のホルスタインで、生後67カ月。生産地は分かっていない。北極道払村の酪農家から19日、天塩町の道北食肉センターに持ち込まれ解体。北海道留萌保健所管内の一次検査で疑陽性になり、21日、帯広畜産大での精度の高い確認検査で陽性の結果が出た。神経症状は出てなかったという。《共同通信》
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【大相撲九州場所】11日目
大相撲九州場所11日目(21日・福岡国際センター)横綱武蔵丸は平幕の闘牙を寄り切って1敗をキープ。1敗で並んでいた関脇栃東、平幕の貴ノ浪がともに敗れたため武蔵丸が単独トップに立った。大関は武双山が大善を切り返しで下して8勝3敗と勝ち越しを決め、魁皇は栃東を寄り切って6勝5敗と白星を先行させた。関脇琴光喜は栃乃洋を下して6勝5敗。小結は、貴ノ浪に快勝した朝青龍が勝ち越した。1敗の武蔵丸を2敗で栃東と貴ノ浪が追う展開となった。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・21日の衆院国会等移転特別委員会は、石原慎太郎東京都知事の参考人出席で大波乱に。「『どこかにいつか首都を移す』なんて決議はばかげている」「私も25年(国会に)いたが、正当性のない決議の最たるものだ」と、首都機能移転の国会決議を徹底批判。場内には怒号が飛び交い、永井英慈委員長は「国会で『ばか』はやめて」と沈静化に努めながらも、「いいかげんな決議もあるが、されたものはされたもの」とポツリ。白熱した議論をよそに一向に盛り上がらない世論に、委員長もつい投げやりに?《共同通信》
【小泉純一郎首相】住宅金融公庫「5年以内に廃止」
今国会初の党首討論が21日午後、衆院で開かれ、小泉純一郎首相は住宅金融公庫について5年以内に廃止する考えを明らかにした。「所得が足りないため住宅の取得が困難な場合には、税の面で政策的に考える方法がある」と述べ、廃止の代替措置として住宅取得希望者に対する税制優遇措置を検討することも明らかにした。《共同通信》
高速道路整備計画は、「大転換期なんだからしなくたっていいものがある。第三者機関を設けて費用対効果を徹底的に見直す。当然今までの計画もできないところもあるだろう」と指摘、必要性の低い区間の工事は中止されるとの見通しを示した。
首相が住宅金融公庫の廃止期限と高速道路整備計画の一部中止を明言したのは初めて。
首相は、自民党内で特殊法人改革に対する異論が出ていることについて「一部の声か多数の声か見極めるのが首相の責任だ。わたしを代えてまで改革に反対する覚悟があるか見極める。(反対が)自民党の多数にならないという自信がある」と、改革への強い決意を表明。「小泉を代えなければ自民党はなくなると思っている人たちは、逆に小泉を代えると自民党はなくなることに気付いていない」と、「抵抗勢力」への対決姿勢を前面に打ち出した。民主党の鳩山由紀夫代表の質問に答えた。《共同通信》
【アフガニスタン】タリバン、カンダハル撤退を拒否
アフガニスタンのタリバン最高指導者オマル師のスポークスマンであるサイド・アガ氏は21日、同国南部カンダハル州のスピンブルダクで記者会見し、現在支配下に置いているカンダハル周辺を「死守する」と言明、撤退拒否の強硬姿勢を鮮明に打ち出した。
また米中枢同時テロの重要容疑者ウサマ・ビンラディン氏の所在について、アガ氏は「連絡を取っていない」として所在不明であることを強調し、支配地域外に潜伏していることを示唆した。
アガ氏はタリバンの支配地域をカンダハル、ヘルマンド、ザブール、ウルズガンの4州とガズニ州の一部とした。オマル師がカンダハル撤退を決めたとの一部報道について「対抗勢力のプロパガンダ」と否定。
バシル最高司令官とパシュトゥン人指導者の間で進んでいる撤退交渉も妥協の余地がないとの強硬姿勢を示した。またオマル師はカンダハルにおり、健在であることを強調した。
国連を中心とする新政権樹立の動きについてアガ氏は「外国の干渉で平和と安定をもたらすのは不可能」と非難するとともに、国連やザヒル・シャー元国王派などが新政権の基盤とするロヤ・ジルガ(国民大会議)へは、「一切参加するつもりはない」と拒絶した。《共同通信》
【この日の民主党】
抵抗に屈せず改革断行する覚悟を~党首討論で鳩山代表が迫る
今国会初の党首討論(クエスチョン・タイム)が21日、衆議院第1委員室で行われた。民主党の鳩山由紀夫代表は、日増しに自民党内で構造改革への抵抗が強まる中、小泉首相の改革への決意を改めて質した。
冒頭、鳩山代表は、「今日は総理の覚悟を伺いに来ました」と宣告。自民党内から構造改革反対の大合唱が起こっている状況の中で、どんなことがあってもやり遂げるという決意があるかを質した。
首相は、党内の改革への抵抗について、「“総論賛成、各論反対”というのはいつものこと。そろそろ出てくると思っていた」と余裕を見せ、「(抵抗勢力は)小泉がなくなれば自民党がなくなるということに気付いていない。断固初心を貫く」と決意を披瀝した。
これを受けて鳩山代表は、特殊法人改革の各論について質した。首相は、「もっとも改革が困難だと言われてきた」7つの公団・公庫について方針を説明。まず、4つの道路関連公団については「統合した上で廃止・民営化する」とし、同時に来年度から国費投入を打ち切り、既存の高速道路整備計画も見直す意向を表明した。また、住宅金融公庫については、業務をできる限り民間に委託して、5年以内に廃止する方向だとし、都市基盤整備公団と石油公団についても廃止の方向で見直すことを言明した。
鳩山代表は「よくぞ言ってくれた」と首相の方針を評価し、「7つの公団・公庫の改革はこれで国民への公約となった。どんなことがあってもやり抜いてもらわねば困る」と改めて改革の断行を要請。具体的に、道路公団の運営部門だけを民営化するという“上下分離”論に与しないことや、既存の道路整備計画をすべて一旦凍結することについて確認を求めた。
首相は、既存の道路計画について、見直しを前提に第3者機関で各事業の費用対効果などを検討する意向を明らかにしたが、「一旦全面凍結」という方針については明言を避けた。
さらに鳩山代表は、内閣と自民党との間で法案の事前審査のあり方などが議論になっていることに触れ、「内閣と与党の一体化の問題については、民主党はすでに3年前に処方箋を発表している」として党内の検討成果をまとめた冊子を首相に手渡した。そして、内閣の法案が与党の事前審査で骨抜きにされることがあってはならないとし、従来の事前審査の慣例を廃止するよう求めた。
首相は、私の考えに反対する自民党幹部の主張が本当に党全体の声なのかということが問題だ、などと述べ、事前審査の廃止には触れなかった。
鳩山代表は雇用問題にも触れ、ワークシェアリングの大胆な導入など雇用の構造改革を実現するため、政労使の協調による取り組みの陣頭指揮を執るべきだ、と迫った。首相は、労働側の意見も聞いて努力する、と述べた。
鳩山代表は最後に、「首相が今日明らかにした決意は重い」として、阻害勢力があろうと国民のために改革を断行してほしいと要請、「たじろいだり、後ろを振り向いたりせずに進む限り、民主党は応援したい」と首相にエールを送って討論を締めくくった。
国内2頭目の狂牛病の牛発見で、羽田対策本部長が談話
北海道の牧場で飼育されていた乳牛が、狂牛病であることが21日、厚生労働省の発表でわかった。
民主党狂牛病問題対策本部長の羽田孜特別代表は、同日談話を発表し、「農林水産省がこれまで予防行政にまったく取り組んでこなかったこと、日本では狂牛病が発生しないという主張に何ら根拠がなかったことが一層明らかになった」と厳しく批判。今回発生した一頭も含めて早急に感染源を特定し、更なる安全確保のための対策をとることを求めた。
平成13年11月21日
新たな狂牛病の牛が発見されたことについて(談話)民主党 狂牛病問題対策本部
本部長 羽田 孜北海道で解体された牛が、狂牛病に感染していたことが発表された。国内2頭目の確認となる。
2頭目が出たことにより、農林水産省がこれまで予防行政にまったく取り組んでこなかったこと、日本では狂牛病が発生しないという主張に何ら根拠がなかったことが一層明らかになった。
9月に発生した一頭目についても未だに感染源が明らかにされていないが、今回発生した一頭も含めて早急に感染源を特定し、更なる安全確保のための対策をとることを求める。
一方、今回の件で民主党が主張したと畜場での全頭検査体制が機能していることが確認され、狂牛病に感染した牛肉が市場に出ない体制が整ったことについては消費者に冷静な判断をお願いし、新たな風評被害につながらないことを望みたい。
消費者の信頼を取り戻すためには、現在の検査体制をさらに向上・継続するとともに、未だに処分がおこなわれていない流通末端に在庫として残っている全頭検査前の牛肉の全量回収を行うことが必要である。また、風評被害に苦しむ流通・小売業者に対して不十分な融資制度しか用意されていないことから、国の責任において更なる支援策を打ち出すことを求める。
民主党は、二頭目の狂牛病の牛が発見されたことを機に、危機意識の欠如により国民全体を食の安全に対する不安に陥れた農林水産大臣、厚生労働大臣はもちろん小泉内閣の重大な責任を厳しく追及するとともに、一刻も早く消費者の信頼を回復できるように努める。《民主党ニュース》