平成4694日目
2001/11/14
この日のできごと(何の日)
【米・チェイニー副大統領】「タリバンは崩壊した」
チェイニー米副大統領は14日、米CBSテレビのインタビューで「タリバン政権は崩壊した」と語った。米政府としてタリバンが崩壊したとの認識を示したのは初めて。米統合参謀本部のスタッフルビーム作戦副部長も14日の記者会見で、アフガニスタンのタリバン軍が南部カンダハルを含む同国全土の支配都市を放棄しつつあることを明らかにし、こうした見方を裏付けた。
副大統領は「タリバンは今日、ほとんどの主要都市で排撃され、もはや権力の座にない」との見解を示した上でウサマ・ビンラディン氏の行方について「反タリバン勢力の追撃で頻繁に居場所を変えている。我々は彼をいぶり出すまで追い続ける」と語った。
また、ラムズフェルド米国防長官は同日、米特殊部隊が南部の道路で検問所を設置、地上作戦を本格化していることを明らかにした。タリバン軍とアルカイダ軍の動きを止め、孤立させる作戦とみられる。《毎日新聞》
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【野球・W杯】予選リーグ最終戦
野球のワールドカップ(W杯)第8日は14日、台北の天母球場などで予選リーグ最終戦を行い、既にB組1位を決めている日本がオランダを6−5で下し、7戦全勝で決勝トーナメントに進んだ。日本は16日の準々決勝で韓国と対戦する。
日本は三回に東出(広島)の先制二塁打などで4点を先行した。五回に先発安藤(トヨタ自動車)が3点本塁打を浴び1点差となったが、七回に2点を追加。八回から寺原(宮崎・日南学園高)が登板して九回に2点を失ったものの、辛くも逃げ切った。《共同通信》
【Jリーグ】水戸、鳥栖が経営危機
サッカー、Jリーグの川淵三郎チェアマンは14日、2部(J2)で現在11位の水戸ホーリーホックと10位のサガン鳥栖が経営危機に陥っていることを明らかにした。特に、地元の支援策が具体化していない水戸は「危機的状況にある」と述べ、最悪の場合はチーム消滅か、存続できてもJリーグを退会せざるを得ないことを示唆した。
鳥栖については、鳥栖市がスタジアム使用料の減免を打ち出すなど地元が支援策を提示しており、「心配していない」と楽観的な見通しを示した。
関係者によると、水戸の本年度予算は約2億円で、約4500万円の借入金を抱えている。さらに今季は観客動員が1試合平均1500人台と予想以上に伸び悩んだため、今秋になって経営危機が深刻化した。
鳥栖は予算が3億円。決算見通しは2000万−3000万円の赤字で、累積赤字は1億200万円に達している。鳥栖は社長人事でも混迷している。
このため、Jリーグは急きょ、初の支援措置として水戸に3000万円、鳥栖に2000万円を融資。両クラブに、今月末までに来年度の役員人事や財務計画を提出するよう求めた。《共同通信》
【大相模九州場所】4日目
大相模九州場所4日目(14日・福岡国際センター)大関昇進を目指す2関脇が、ともに白星を重ねた。栃東は小結朝青龍を押し出して全勝を守り、琴光喜は隆乃若を左すくい投げで下し、3連勝で3勝1敗とした。朝青龍は初黒星。横綱武蔵丸は若の里を落ち着いて寄り切り4連勝。かど番の大関魁皇は土佐ノ海を寄り切り、2勝2敗の五分に戻した。大関武双山は玉乃島を左すくい投げで退け、1敗をキープ。新小結海鵬は3勝目を挙げた。全勝は武蔵丸、栃東、平幕の旭鷲山、貴ノ浪、追風海の5人となった。十両は朝乃若がただ1人4連勝。《共同通信》
【マラソン・有森裕子選手】来年は休養
バルセロナ、アトラン夕両五輪の女子マラソンでメダルを獲得した有森裕子(リクルートAC)が14日、来年は競技生活を中断し、1年間は休養すると明らかにした。
18日の東京国際女子マラソン出場のため、米国から帰国した有森は「大きな区切りとなるレース。仕事として走ることを、どうするか考えたい」と話した。「プロ選手」としてイベント参加などの仕事は今後も続けるが、東京国際を最後に第一線を退く可能性もある。
近年、マラソンで思うような結果を出せずにいる34歳の有森は「去年の成績、タイム、生活のバランスが整理できず、ズルズルきていたので…。家族を増やす(子供をつくる)タイミングかもしれないし、そのなかで、どう気持ちが変わっていくか」と話した。《共同通信》
【自民党・舛添要一参院議員】国会質問に登場
自民党の舛添要一参院議員は14日午後の参院予算委員会で、7月の初当選以来初めて国会質問に登場した。自衛隊の災害出動に関し「(警察、防衛両庁が)縄張り争いをしている」と野党ばりの批判を展開するなど、民放テレビ番組で見せていた攻撃的で矢継ぎ早な質問を国会でも再現。閣僚らと激突した。
柳沢伯夫金融担当相には「不良債権問題で金融庁の政策にかなり不信感がある。金融庁が(検査で銀行に)手心を加えているのではないか」と追及。柳沢氏は見る見る顔を紅潮させ「死に物狂いで(職員は)努力している。何が根拠で『手心』なんて言うのか。必死になってやっている人たちに対する侮辱だ」と怒りをあらわにした。
これに先立つ速水優日銀総裁との質疑では、舛添氏持論のデフレ対策としてのインフレ目標設定論をめくって論争。速水氏が「極めて適当でないし難しい。グリーンスパン米連邦準備制度理事会議長も『不正確で役に立たない』と言っている」と答弁すると、「日銀は自分に都合の良い意見だけ持ってくる。ゼロ金利解除も失敗だ」と攻めたてた。
総裁が「間運っていたとは思わない」と興奮して声を震わせても「世紀の大失策だ」と決めつけた。《共同通信》
【小泉純一郎首相】景気回復は当面困難
参院予算委員会は14日、2001年度補正予算案審議に入った。小泉純一郎首相は今後の景気動向について「米中枢同時テロ後、いろいろな産業が打撃を受けている。米国の景気も落ち込んでおり、かなり厳しい状態が続くと認識している」と景気回復は当面困難との認識を表明した。
同時に「景気が回復しようが低迷しようが、やるべき構造改革は進めていかなければならない」とし、不良債権処理など各種の構造改革は予定通り実施する考えを強調した。《共同通信》
【WTO閣僚会議】閉幕
中東カタールの首都ドーハで開催されていた世界貿易機関(WTO)第4回閣僚会議は一日協議を延長し14日夕(日本時間15日未明)、農業や、反ダンピング(不当廉売)を含むルール見直しなど7分野の新たな多角的貿易交渉開始を明記し、「ドーハ発展アジェンダ」と名付けた閣僚宣言を採択、閉幕した。
多角的交渉はウルグアイ・ラウンド(1986−94年)以来で、95年のWTO発足後は初めて。中国と台湾のWTO加盟承認と併せ、多国間の自由貿易体制が強化される。
99年のシアトル閣僚会議は交渉開始に失敗したが、今回は米中枢同時テロ後の世界的な景気減速に危機感が強まり、グローバルな貿易、投資拡大を経済成長の起爆剤にしたいとの共通認識が合意につながった。《共同通信》
【この日の民主党】
基礎研究分野の重要性を強調~長谷川清議員
参議院予算委員会の補正予算案の審議が14日から始まり、全閣僚がそろった初日の総括質疑で民主党・新緑風会の長谷川清、内藤正光両参議院議員が質問に立った。
長谷川議員は、まず「3、4分間時間をいただいて」と前置きして、田中真紀子外相が10月29日に外務省人事課の任用室に鍵をかけて女性の職員を監禁し、辞令をタイプさせるよう求めたと言われていることが事実かどうか質した。ところが、田中外相や小町官房長はあいまいな言い回しで、具体的な答弁を避け続けた。続いて、長谷川議員は田中外相が指輪をなくしてイラン外相との会談に30分遅れたとされる報道についても確認を求めても、外相は関係のない事柄を延々とまくし立てるばかり。長谷川議員が再度事実かどうかを明らかにするよう迫ったが、外相は「そういうことは申し上げられない」と突っぱねた。
本題の補正予算に入り、まず長谷川議員は「これからの日本には科学の基礎研究が重要だ」と主張。「戦後の科学技術はすぐ金になる応用化学だけで経済を伸ばしてきたが、優秀な科学者はみんな米国やヨーロッパに行って、特許を取っている。わが国はモノだけではない供給をしていくべき」と述べ、政府の一層の取り組みを求めた。
また、雇用政策については、連合が全国のハローワークで行った出口調査の結果を紹介し、政労一体となった対応を主張。さらに、「都道府県の雇用政策はやりっぱなしでチェックが抜けている。第3者機関を設けてきちんとチェックすれば、バラマキを防ぎ、何倍の効果がある」と指摘した。
長谷川議員はさらに、中小企業への無担保無保証の融資制度のスピードを高めるよう要望。また、中小ベンチャー企業への優遇税制の必要性を強調した。
最後に、長谷川議員は、「構造改革は家のどこかをリフォームするのではなく、大黒柱から1回建て替えるところまできている」「これまでの50年間役に立ったシステムはもう終わりだ、新しい価値を構築しなければならない」と述べ、質問を終えた。
特別交付金の用途チェックなどを提案~内藤正光議員
民主党の内藤正光議員は14日の参議院予算委員会で、補正予算案の雇用対策をめぐる問題、および不良債権処理の現状などについて政府の見解を質した。
内藤議員は始めに、補正予算において義務的経費が異常に増大にしている問題を指摘。内容は健康保険助成や老人医療給付など予想がつくものであるにもかかわらず、平成7年以降数千億円単位で増額されている理由を質した。塩川財務大臣は、不景気の浸透や医療負担制度の変更などによって当初見積もりに誤算が生じたなどと苦しい説明を行ったが、内藤議員は、当初の査定が厳しいから補正に回すという使い方になっていると批判、「そういう使い方はやめるべきだ」と厳しく指摘した。
次に補正予算の中核をなす雇用対策について質問。まず、緊急地域雇用創出特別交付金と同様の交付金がこれまでも支出されながら効果を上げていないことを指摘、それをどう総括し改善するかを質した。坂口厚労相は、「(従来の交付金が)うまくいっていない所がある」と認め、今後、支出対象は失業者を中心に、内容は人件費を基本にするなどの考えを述べた。内藤議員は、支出の3/4以上を完全失業者向けに、8割以上を人件費に振り向けることを基準として、各自治体の実施内容をチェック・公開することを具体的に要求、坂口大臣も了承した。
また内藤議員は、失業率が高い理由の一つに“能力のミスマッチ”があるとし、職業能力開発支援への取り組みを強化すべきだと主張。その一環として、職業能力開発協会とハローワークが公・労・使の会議に参加して意見交流したらどうか、と提案した。坂口大臣も、「能力開発とハローワークの一体化は必要だ」として、提案を検討する意向を示した。
さらに不良債権処理問題について、公的資金を注入した銀行の、その後の不良債権処理の取り組みについて追及。デフレによる債権悪化を公的資本注入で立て直したと公言する日本興業銀行の頭取が10億円ともいわれる退職金を得ようとしている例などを挙げ、「こういう経営者が不良債権を処理し経営を立て直せると思うか」と詰め寄った。柳沢金融担当大臣は、個別行ではなく金融システムを守るための資本注入だったなどと述べたが、内藤議員は、経営者責任の棚上げが不良債権処理の進行を遅らせているとして厳しく政府を批判した。
鳩山代表、イラン大使、米大使と相次いで会談
民主党の鳩山由紀夫代表は14日、アリ・マジェディ駐日イランイスラム共和国大使、ベーカー駐日米国大使と相次いで会談した。
民主党本部で行われたマジェディ大使と鳩山代表の会談には、池田元久国際局長、阿久津幸彦国際局副局長も出席。アフガン情勢の見通しや難民支援での協力について意見交換した。
マジェディ大使は会談の中で、タリバン政権の事実上の崩壊という情勢を受けて、新政権はタリバンを除外して構成されるべきだという考えを示し、イランはテロと戦う米国等と同じ立場に立ちながらも独自のスタンスで行動すると表明した。鳩山代表は、パシュトゥン人を含めた各民族の協力による政権樹立が望ましいとして、その実現に向けたイランの影響力行使を求めるとともに、新政権づくりのプロセスにおいては国連が主導権を握るべきだという考えを示した。マジェディ大使も代表の考えに賛同の意を示し、アフガン再建について今後日本と密接な意見交換を続けたいと述べた。
また鳩山代表は、イラン国内にいる250万人のアフガン難民にも支援を行いたいと述べ、イラン側の協力を要請。マジェディ大使も了承した。
続いて、着任後初の表敬訪問に訪れたベーカー米大使とは、テロ対策や経済問題などをめぐって30分程度意見交換。伊藤英成ネクストキャビネット安全保障大臣、池田元久国際局長が同席した。
ベーカー大使は、冒頭、対テロ行動に対する日本および各国の支援に感謝を述べた。鳩山代表は、国際社会と連帯してテロと戦う民主党の基本的立場を説明した上で、自衛隊の派遣に関しては議会がこれを監視し、シビリアン・コントロールを保証することが重要だという考えを述べた。ベーカー大使は、米国においてもシビリアン・コントロールが機能するよう努力しているとし、民主党の考えに理解を示した。
また、日本の経済状況の展望についてベーカー大使が質問。鳩山代表は、小泉内閣が発足して半年になるものの、何も実効ある対策を行っていないことを指摘。とりわけ、不良債権処理が最重要課題であり、民主党として厳格な資産査定に基づく早急な抜本処理を強く求めていることを説明した。ベーカー大使も、銀行問題はもっとも重要だという認識を示し、「代表と同じ考えだ」と述べた。《民主党ニュース》