平成4579日目

2001/07/22

この日のできごと(何の日)

【ジェノバ・サミット】閉幕

第27回主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)は22日午前、主要国(G8)首脳討議を終え、議長国イタリアのベルルスコーニ首相がG8共同宣言を発表し、閉幕した。


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共同宣言で焦点の地球温暖化防止のための京都議定書発効については、各国間の「意見の不一致」を指摘、「共通の目標を達成するため、集中的に協力することにコミット(約束)する」との表明にとどまり、G8首脳として打開策を見いだすことはできず、米欧間の溝は埋められなかった。

またアフリカなど発展途上国の「貧困削減」に取り組む決意を表明。G8が進めてきたグローバール化の「負の側面」に光を当て、主要国の責務を強調するメッセージとなった。《共同通信》

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【小泉純一郎首相】「京都議定書は前進」

7月22日のできごと(何の日)
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小泉純一郎首相は22日午後、ジェノバ・サミットを終えて国際プレスセンターで内外記者会見を行い、今後の経済運営について「景気が先といって景気が回復したら、改革の意欲がなくなる。ある程度の低成長を覚悟してやりたい」と述べ、構造改革実行に強い決意を表明した。

米国が離脱表明している地球温暖化防止のための京都議定書問題では、今後も米国の参加を求めて説得を続ける考えを強調。サミットでは「『共通の目標』に向かうとのメッセージを発出したと評価。問題解決に向け「一歩前進した」との認識を示した。《共同通信》

【米国、ロシア】首脳会談

ブッシュ米大統領とロシアのプーチン大統領は22日、主要国首脳会議(ジェノバ・サミット)終了後ジェノバ市内で会談、ミサイル防衛と米ロ戦略核の削減を一体化した包括協議を進めていくことで合意した。

戦略核削減を優先したいロシアとミサイル防衛配備を推進する米国が新たな安保対話の枠組みで一致した。戦略核削減の規模や方法などで協議の難航も予想されるが、冷戦時代の核安全保障体制を根本的に変えるミサイル防衛の配備構想は新たな局面に入った。

両首脳は会談後発表した共同声明で「世界情勢の大きな変化に伴い、攻撃と防衛のシステムの双方について具体的な協議が必要となった」と述べ、今後「集中的な協議」を行う方針を示した。

プーチン大統領は記者会見で「会談結果は予想外だった」と述べ成果を評価。戦略核の削減は「双方の一致した意思」と強調した。ブッシュ大統領も包括協議の行方を「楽観している」と述べた。《共同通信》

【COP6】再開会合

地球温暖化防止のための京都議定書の運用規則を決めるドイツ・ボンでの気候変動枠組み条約第6回締約国会議(COP6)再開会合は22日夜、プロンク議長(オランダ環境相)が示した最終合意案の採択をめぐる大詰めの協議が続いた。欧州連合(EU)やスイスなどが受諾の意向なのに対し、日本などが原子力発電所の扱いなどに難色を示して調整は難航した。

合意案が採択されれば議定書発効に向け前進するが、合意に失敗すれば、運用規則作りが10月末のCOP7以降に持ち越され、日本は早期発効を阻んだとして批判にさらされそうだ。

発展途上国支援基金の拠出額が明示されていないことなどに途上国が不満を示し、先進国側の資金拠出の意思などを示した「政治宣言」をまとめることで、EUと途上国が調整を進めた。

プロンク議長は同日午後、本会議を開き、途上国のほか、先進国の中で、日本、カナダ、ロシアなど5カ国が合意案に反対していることを言明。各国に妥協を求めた。

政府筋によると、日本が問題にしているのは、原発輸出先で減らした排出量を自国の削減分として計上することを「控える」とした条項と、削減目標が達成できなかった時の罰則を伴う厳しい規定を盛り込んだ条項など。交渉筋によると、日本は、罰則規定を議定書発効後の締約国会議で決めるとの提案や、表現の修正を模索している。《共同通信》

【大相撲名古屋場所】千秋楽

大相撲名古屋場所千秋楽(22日・愛知県体育館)前日に2場所ぶり3度目の優勝を決めていた魁皇は武双山との大関対決で力なく押し出され、13勝2敗に終わった。武双山は10勝5敗。横綱武蔵丸は大関千代大海を難なく押し出し12勝3敗で場所を終えた。千代大海は11勝4敗。大関雅山は関脇栃東に引き落としで敗れて7勝8敗と負け越し。来場所は3度目のかど番となる。技能賞に輝いた栃東は10勝目。殊勲賞の小結若の里は玉乃島に敗れて9勝止まり。玉乃島は12勝3敗で敢闘賞を受賞した。11勝を挙げた。時津海が初の三賞となる技能賞を受賞した。十両は9勝6敗で並んだ8人による優勝決定戦の末、武雄山が初優勝した。《共同通信》

【プロ野球オールスターゲーム】第2戦

2001年のプロ野球サンヨー・オールスターゲーム第2戦、全セントラルー全パシフィックは22日、横浜スタジアムで行われ、全セが12−6で勝った。最優秀選手には球宴1試合最多安打の新記録となる5安打を放ったペタジーニ(ヤクルト)が選ばれた。

全セは3回に松井(巨人)が球宴300号となる2試合連続本塁打を放つなど7安打で5点を先制。その後も安打を重ね、球宴チーム最多安打新記録の23安打で12点を奪った。《共同通信》

【水泳・世界選手権】第7日

水泳の世界選手権第7日は22日、福岡市のマリンメッセ福岡などで行われ、この日から始まった競泳は3種目の決勝などがあり、注目のイアン・ソープ(オーストラリア)が男子400メートル自由形で自己の世界記録を0秒42更新する3分40秒17で連覇を果たした。ソープは400メートルリレーでも最終泳者としてオーストラリアの優勝に貢献し、2個の金メダルを手にした。

400メートル自由形予選で3分50秒36の日本記録を出した藤田駿一(JSS宝塚)はこの種目で日本選手最高の8位となった。女子400メートル個人メドレーの萩原智子(山梨学院大)は7位。男子400メートルリレー予選で日本(奥村、細川、伊藤、原)は3分22秒01の日本新記録を出したが、決勝進出を逃した。

女子シンクロ高飛び込みは、宮崎多紀理(ミキハウス)大槻枝美(早大)組が3位に入り、五輪を含めて飛び込み史上初のメダルを日本にもたらした。《共同通信》

【明石花火大会歩道橋事故】甘い警備計画、規制なし

兵庫県明石市の朝霧駅・朝霧歩道橋で、花火大会の見物客が将棋倒しになり、10人が死亡、100人以上が重軽傷を負った事故(21日)で、主催者の明石市の警備計画は、同歩道橋での見物客の滞留を間題点として挙げながら、通行規制などを盛り込まず、警備員による広報活動に頼った甘い内容だったことが、22日分かった。

事故当時、幅約6メートル、全長約100メートルの歩道橋上にいた見物客は約3000人で、警備計画のピーク予測(約1800人)を大幅に上回っていたことも判明。明石署は事前に、市、警備会社と打ち合わせを重ねて警備計画を了承した形になっており、兵庫県警も含めた警備の在り方が問われそうだ。

一方、市対策本部の22日の調べで、重軽傷者は123人に上ることが分かった。死者の死因は圧迫死。県警は同日、事故状況の特定のため、現場の実況見分を実施した。

計画では、昨年末のイベントで朝霧歩道橋が混雑した経験を踏まえ、「雑踏警備対策」の項で、朝霧駅とその周辺の問題点として「雑踏事故が予想される」と明記。

しかし、対策として警備員の配置と、警備員らによる「足元注意広報」などしか挙げていなかった。警備専門家によると、事故の危険性がある場所では、一方通行の実施や、対面する通行の分離が有効だが、こうした方法は盛り込んでいなかった。

この警備計画は市の依頼で警備会社が原案を作成し、今年4月から、明石署幹部と市幹部、警備社関係者が計8回の打ち合わせを重ねてガードマンの配置などを検討。出来上がった警備計画を同署は県警本部にも報告していたという。

県警は事故当日の21日、朝霧駅周辺に機動隊員ら約150人を配置。市も警備員、職員計約40人を配置した。

関係者によると、人出の変化に応じて、現場で明石署幹部と警備会社幹部が対応を協議。歩道橋が混雑してきた午後8時20分ごろには、警察側も歩道橋北側に機動隊員ら25人、南側の階段下に制服警官8人を置き、駅から海岸への一方通行を促した。

警備会社幹部が強い規制を提案したが、明石署幹部は「ちょっと待って」などとあいまいな返事をし、直後に約200人が将棋倒しになったという。県警は「署の対応に問題があったか調査中」としている。《共同通信》

【参院選】最後の日曜日

参院選最後の日曜日の22日、党首や候補者が各地で支持を訴えた。「小泉改革」を問う選挙戦は残り1週間を切り、終盤に突入。争点は「痛み」や改革と自民党支持基盤の「ねじれ」が中心だが、株価や靖国公式参拝、京都議定書への対応も浮上している。参院議員2人が逮捕されたKSD事件や外務省の詐欺事件は改革論議に隠れ、ほとんど言及されなかった。

小泉純一郎首相はジェノバ・サミットに出席中。自民党は山崎拓幹事長が静岡県沼津市などで「サミットで改革を国際公約した。改革なくして景気回復なし、日本の将来ない」と強調。「小泉改革が地方切り捨てのように宜伝する向きもあるが、決してそんなことはない」と野党の主張を否定。公明党の神崎武法代表」は大阪市などで、保守党の扇千景党首は東京都世田谷区などで、ともに連立政権への信任を呼び掛けた。

一方民主党の鳩山由紀夫代表は福岡県のJR博多駅前などを遊説。「サミットで大みえ切っても、具体的政策を伴わない改革は意味がない。小泉首相は救世主ではない」と力説した。京都議定書の批准が難しいことに触れ「地球には厳しい方向に進むだけ。何でも米国任せはやめよう」と批判した。

共産党の位和夫委員長は大阪市などで、社民党の土井たか子党首は奈良市などで、倒産や失業の「痛み」を指摘。「株価下落は小泉不況」(志位委員長)、「靖国や教科書で(アジアとの)信頼関係を平気でけっ飛ばすのが小泉流」(土井党首)と述べた。

自由党の小沢一郎党首は北九州市を自転車で回り、選挙区の候補を応援した。自由連合や無所属の会の代表も各地で遊説。二院クラブの代表はこれまで同様、街頭には立たなかった。《共同通信》

【与党3幹事長】首相の靖国参拝「熟慮を」

自民、公明、保守の与党3党幹事長は22日のテレビ朝日の番組で終戦記念日の靖国神社公式参拝を明言している小泉純一郎首相に対し、中国韓国など近隣諸国の反発などを考慮して、熟慮するよう重ねて求めた。

自民党の山崎拓幹事長は「首相の慰霊の気持ちは尊重するが、公式参拝をすることで(その気持ちを)表さないといけないのか。別の方法でできないのか、ぎりぎりまで知恵を絞りたい」と述べ、公式参拝回避の方向で首相を説得する考えを示した。

公明党の冬柴鉄三幹事長は「(首相の)靖国への歴史認識が対外的にどう受け取られるか。(国の宗教活動を禁じた)憲法20条に反してもならない」と懸念を示したが、一方で「私的に参拝するのはいい。信教の自由は保障されている」とも述べた。

保守党の野田毅幹事長は「(合祀されている)A級戦犯を顕彰されては立つ瀬がないというのが、中国の言い分だ」と指摘、慎重な対応を求めた。国が戦没者らを慰霊する国立墓苑構想には3幹事長とも賛意を示した。

民主党特別代表の羽田孜元首相は22日、参院選の応援演説で訪れた金沢市内で記者会見し、小泉純一郎首相による靖国神社の公式参拝問題で「A級戦犯が合祀されているのが問題という指摘が世界の人からある」と述べ、首相に慎重な対応を求めた。《共同通信》

【この日の民主党】

渋谷道玄坂でのトークセッションで若者たちに熱弁ふるう=菅幹事長

民主党の菅直人幹事長が22日、東京・渋谷道玄坂の歩行者天国で行われた参院選東京選挙区候補者のSさんが開いたトークセッション「ストリート・ファイト!人づくりから始めよう」に参加。炎天下の中、集まった約200人の若者たちからのさまざまな質問に答えた。

「この格好で来たら誰もわからなかったよ」とブルーのシャツにサングラス姿で笑いながら登場した菅幹事長。

「民主党に入れても数の論議で押し切られてしまうんじゃないか。民主党に投票したら、どうやって国会で暴れてくれるのか」(21歳男性)「きのうのニュースで政権をとったら沖縄の米軍海兵隊の即時撤退要求するときいたが、安全保障についてどう考えているのか」(22歳女性)など、難問がビシバシとぶつけられたが、そこは論戦では百戦錬磨の菅幹事長。

「野党でも議員立法や政策提案はできるけれど、政権をとったら直接何でもできる。いくら強打者でも、バッターボックスに立たなければ打てないのと同じ。この選挙で勝って、この次は本当の政権交代だ。みんなごまかされているんだよ。この森さんから小泉さんになったから政権交代なんていうのは大嘘」

「米軍の海兵隊は3つあるが、外国にいるのは沖縄の第3海兵隊だけ。そこでは主に18歳から20歳の新兵のトレーニングをしている。海兵隊が全部いなくなれば、沖縄の基地は面積でも人員でも6~7割少なくなる。かつては海兵隊が最前線にいて、いざというときには上陸作戦をやったが、今の時代の戦争は違う。必ずしも沖縄にいなければ日本が守れないわけではない」とわかりやすく答えた。

また、「IT分野で韓国やアメリカに圧倒的に遅れている日本が勝つにはどうすればいいのか」との20歳の男子学生の質問には、S候補は「これからはブロードバンドの時代。日本が2車線道路だとしたら、韓国は片側8車線くらいの違いがある。使いやすい機器と教育と回線の三身一体でやらなければならないのに、日本ではいろんな役所が足の引っ張り合い、なわばり争いをしている。きちんと中身のわかった政治家による政治のリーダーシップが必要」と応じた。

また、後半では慶應義塾幼稚舎舎長(校長)の金子郁容さんが飛び入りで参加。話題は教育論議に移った。まず金子さんは「イギリスのブレア首相は『イギリスの3大課題は何か、教育・教育・教育』と言った。アメリカのブッシュ大統領でさえ、就任後最初に通した政策は教育改革法案だった。今聖域なき構造改革といわれているが、どういうわけは教育のことについては全然語られない。経済政策も大事だが、もし日本の経済が立ち直っても、教育が今のままだったら、しょうがない」と発言した。

菅幹事長は、「みんなが参加できる社会を作るためにどういう教育のあり方があるかという議論がイギリスでは進んでいるが、日本でも同じような発想ができれば新しい展開ができるんじゃないか」、Sさんは「富士山から八ヶ岳型に変えたい。それぞれの人の才能を社会が支えて育てられるようにできれば、社会が元気になる。すべての世代の人づくりに政治は焦点を当てるべき」と主張した。

さらに、金子さんが「行政改革や規制改革の中で見落とされているのが公立学校。10兆円の予算がかかり、60万人が働いている。ただだからサービスが悪くてもしょうがないと思っている人が多いのかも知れないが、この50年間見直されていない官僚機構の改革が不可欠だ」と述べたのに対し、Sさんは「今の公立学校は公立でなく、官立だ。文部行政については規制緩和も地方分権も何もできていない。聖域なき教育改革をやっていきたい」と述べた。

菅幹事長は「森首相のときに、義務教育の義務とは誰のどんな義務か、と質問したら、親が子どもを学校にやる義務だと答えた。皆さんの中にもそう思っている人が多いでしょう。でも憲法の義務教育の中に、学校という言葉は入っていない。教育を受けさせる義務があると書いているだけ。今の学校では、来ないほうが悪いと言われてしまう。お客が来ないのは客が悪いからだという店に誰が行くのか。民主党の中でもいろんな学校のスタイルを議論しているところ。子ども一人ひとりに教育を受けるクーポン券=バウチャーを渡して、子供や親が自由に学校を選べるシステムの議論もしている」と語った。

トークセッションを終えて、ステージから降りた菅幹事長のまわりには若者が集まり、「菅さんが厚生大臣の時にやったようなことが、どうして田中真紀子外相にはできないのか。菅さんはどういう方法でやったのか」などと、さらに質問責めにあっていた。

「主語なき日本外交に終始したジェノバ・サミット」鳩山代表が談話

民主党の鳩山由紀夫代表は22日夜、ジェノバサミットが終了したことについて談話を発表し、「それぞれの分野で日本が鍵を握ると期待されたが、小泉首相は日本として主体性を発揮するチャンスを逃し、主語なき日本外交に終始した」と失望感を表した。 談話の中で、特に京都議定書問題について「米国を参加させるという名目のもと、議定書発効に向けた地球的な努力に水を差した」として、玉虫色のコミュニケ(共同声明)となった責任は日本政府にある、と批判。また、コミュニケから軍縮・軍備管理に関する記述が削除されたことは「平和創造に向けた流れを大きく後退させるもの」と指摘している。

2001年7月22日
ジェノバ・サミットについて
民主党代表 鳩山由紀夫

今回ジェノバで開かれたG8は、世界経済・地球環境・安全保障などの分野で重要な議論が行われ、しかも、それぞれの分野で日本が重要な鍵を握ると期待されたサミットであった。にもかかわらず、小泉総理が日本として主体性を発揮するチャンスを逃し、「主語なき日本外交」に終始したことは大変残念である。

京都議定書問題では、米国を参加させるという名目のもと、議定書発効に向けた地球的な努力に日本政府は水を差した。玉虫色のコミュニケとなった責任は、米国政府と並んで、曖昧な姿勢を続けた日本政府にある。

米欧間の仲介役を果たすという小泉総理の掛け声も、米国と産業界の顔色をうかがう姿勢を見透かされ、国際会議では空しく響くのみであった。

我々は、米国の態度如何にかかわらず日本が京都議定書を批准し、同議定書を発効させた上で米国の参加を呼びかけるべきことを、改めて要求する。

G8コミュニケから軍縮・軍備管理に関する記述が削除されたことは、広島・長崎以来の平和創造に向けた流れを大きく後退させるものである。米国の一国主義的傾向に対して、国際社会の責任ある関与を強く求めていくべきである。

なお、今回のサミットにおいて日本は事前にアジア諸国の声を聞くこともなかった。総理のアジア軽視姿勢によって近隣諸国との信頼関係が傷つけられているためであり、日本はアジアを代表してサミットに参加するという意義を自ら失わせてしまった。

経済問題では、小泉総理が構造改革の推進を国際公約したとされている。しかし、抵抗勢力の渦巻く自民党政権に改革はできない。総理が国民に対して改革の具体的な中身を説明できないことからもそれは明らかである。

経済にせよ、外交にせよ、政権交代なくして改革はない。民主党はこの主張をますます強く訴えていく。以上

新宿西口で参院選候補合同演説会を開催

参議院選挙投票日に向けた最後の日曜日となった22日、新宿駅西口で民主党参院選候補の合同演説会が行われた。この日、都心は気温が35度を越える猛暑。にもかかわらず、候補者たちの熱のこもった訴えに、700人にもおよぶ人々が足を止めて聴き入った。

■第1部東京都選挙区候補が力強くアピール

演説会の第1部は、東京都選挙区への訴え。初めに、民主党東京都連会長の海江田万里議員が挨拶に立った。海江田議員は「改革を通じてどういう社会をつくるのかが問われている。小泉首相は米国のような弱肉強食の競争万能社会をイメージしているようだが、われわれは違う。セーフティネットを備えた、もっと落ち着きのある欧州型の競争社会こそ日本にふさわしい」とし、民主党の政策への支持を訴えた。

続いて菅直人幹事長が登壇した。菅幹事長はまず、ジェノバ・サミットに出席中の小泉首相について「京都議定書の発効を進める世界の国々に対して“イエス”と言えずに帰ってきたら、これは最大の失政になる」と警告。そして「自民党は裏ではみんな改革に反対しているのに、表では小泉首相と握手して見せる。国民をだましている。民主党はそういう二枚舌は使わない。一度決めたらみんながチームで一丸となって実行していく」と述べ、民主党こそ真の改革勢力であることをアピールした。

最後にマイクを握った37歳のS・K候補は、開口一番、「言っていることとやっていることが全然違う」と小泉首相を痛烈に批判。「東京選挙区は、正直者とゴマカシ勢力との一騎打ち」とし、「まじめに頑張った人が報われる社会を取り戻そう」と有権者に呼びかけた。

■第2部比例区4候補が揃い踏み

第2部では、比例区の候補者4名が、それぞれの専門分野を中心に主張を訴えた。トップは、安全保障問題のエキスパートであるO・N候補。防衛庁審議官などを歴任したO・N候補は、「防衛庁や自衛隊が立ち行かなくなっているのは、日本の政治家や役人が米国におんぶにだっこで、外交や防衛という国の基本問題にまともに取り組んでこなかったからだ」と喝破し、これを改めるには自民党ではできない、と力説した。

次に、税問題の専門家である女性候補のK・Mさんがマイクを握った。税理士として23年のキャリアを持つK・M候補は、「国による税金のムダ使いはもうこれ以上許せない」とし、コスト把握の不可能な会計制度の改革や、中小企業の活性化、女性の就労促進につながる公平な税制の実現などを具体的に訴えた。

3番手は、テレビレポーターとして長く活躍し、目黒区議会議員もつとめたS・J候補。「今はやっているのは、100円ショップに牛丼や、ユニクロ。みんな自分で自分の生活を防衛しなくてはならない。こんな日本に誰がした」と訴え、国民に「痛み」だけを押しつける小泉改革に騙されてはいけない、と呼びかけた。

比例区候補の最後は、ハンセン病回復者とともに歩む会代表のM・Mさん。国によるハンセン病患者の強制隔離政策が誤りだったことを認めた熊本地裁の判決以降、実際に故郷に帰れた元患者はたったの4人にすぎず、いまだ4千名が療養所暮らしを続けているという。ハンセン病患者として40年にもわたり不当に隔離収容されてきた自身の体験をもとに、「病んだ者が社会に復帰できる日本をつくりたい」とM・M候補が訴えると、「頑張れ!」とひときわ大きな声援が飛んだ。

締めくくりに再度登壇した菅幹事長は、「民主党をつくったのは、自民党に代わって政権を担当できるもう一つの政党が必要だったから。3年間を通じて、若手を中心に力をつけてきた。もう一歩だ。ここで、改革を潰そうとしているニセ改革派を台頭させてはいけない。ぜひ本物の政権交代を実現しよう」と力強く呼びかけた。《民主党ニュース》



7月22日 その日のできごと(何の日)