平成4464日目
2001/03/29
この日のできごと(何の日)
【関釜裁判】元慰安婦が逆転敗訴
第二次大戦中に従軍慰安婦や女子勤労挺身隊員として強制的に働かされ、精神的、肉体的苦痛を受けたとして、韓国人10人(うち1人死亡)が国に総額3億9600万円の損害賠償などを求めた「関釜裁判」の控訴審判決が29日、広島高裁であった。
川波利明裁判長は「戦争損害に対する補償の在り方は立法府の裁量的判断にゆだねられている」として、同種の訴訟で唯一、国に総額90万円の支払いを命じた一審・山口地裁下関支部判決を取り消し、請求を棄却した。
一審判決は、元慰安婦に対する賠償立法を怠った「立法不作為」による国の過失を認定していた。女性側は上告する方針。
川波裁判長は判決理由で、立法に関する国会の広い裁量を認めた最高裁判決を踏襲。「憲法上、元慰安婦らへの謝罪・補償について、立法義務が明白に存在するとは言えない」と述べ、「戦後補償問題であるとの理由で、立法不作為を違法とすることはできない」と一審判決の判断を否定した。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【第73回選抜高等学校野球大会】第5日
第73回選抜高等学校野球大会第5日は29日、甲子園球場で2回戦を行い、水戸商(茨城)小松島(徳島)桐光学園(神奈川)が勝ち、3回戦に進んだ。水戸商は、1点を追う五回二死後、連続四球で一、二塁とし照沼の右前打で同点。さらに田中の二塁打などで、この回計4点を奪い東海大四(北海道)を逆転、6−4で逃げ切った。小松島−神埼(佐賀)は春夏を通じて初出場校同士の対戦。小松島は八回二死二塁から、松根の中前打で勝ち越し、全員安打の計11本を放った神埼に5−4で競り勝った。桐光学園は七回に5点を挙げ、5−2で智弁学園(奈良)に勝った。《共同通信》
【豊浜トンネル崩落事故】国に4億5000万円賠償命令
北海道古平町の豊浜トンネルで1996年2月、路線バスと乗用車が崩れた岩盤の下敷きとなり、20人が死亡した崩落事故で、被害者7人の遺族が国を相手取り、総額6億4000万円の損害賠償を求めた「豊浜トンネル国家賠償請求訴訟」の判決が29日午後、札幌地裁であった。
持本健司裁判長は「(救助作業で)長期間待機させられるとともに、発破による岩体の除去の失敗から何度も落胆させられるという状況にあった」として、被害者の逸失利益や遺族らの精神的苦痛などを認め、総額約4億5000万円の賠償金を支払うように命じた。予見可能性については、「民事訴訟の実益を欠く。予見可能性及びそれを前提とする責任原因を明らかにすることは相当ではない」として判断しなかった。《読売新聞》
【韓国・仁川国際空港】開港
21世紀東北アジアのハブ(拠点)空港をめざす「仁川国際空港」が29日早朝、開港した。午前4時46分バンコク発アシアナ航空OZ3423便が第滑走路に着陸、同8時30分にはマニラに向けて大韓航空のKE621便が滑走路を飛び立った。
7兆8000億ウオンを投入、韓国最大の国策事業として92年に着工、8年4カ月ぶりに開港した同空港は、日本の成田・関西空港の2倍の大きさを誇る。年間2700万人も輸送でき、最終的には年間1億人の旅客処理能力をもつ世界有数の空の玄関口になる。《東洋経済日報》
【新潟地裁】TBSの名誉毀損認定
事実と異なる報道をされ、名誉を傷つけられたとして、新潟県上越市のY元市議(47)が東京放送(TBS)などを相手取って損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、新潟地裁高田支部であり、加藤就一裁判官は、名誉毀損を認め、TBSなどに慰謝料30万円の支払いを命じた。
判決によると、Y元市議は、1997年3月議会の本会議中にくも膜下出血で倒れた。TBSは同市のゴミ処理施設解体工事費の支出などをめぐる疑惑を取り上げた同年9月の「報道特集」で、その場面をあたかも同年6月議会で、工事をめぐる審議の最中に興奮のあまり倒れたかのように編集し、放映した。
判決で加藤裁判官は、Y元市議が疑惑の当事者ではないと認定、「(番組によって)一般視聴者はY元市議が疑惑に関係あるとの印象を持つ」として名誉毀損を認めた。
TBS広報部は「議員が議会で倒れた事実を伝えたことには公共性があった」としながらも、「映像の編集などに工夫の余地があった」とコメントしている。《読売新聞》
【イトマン事件】「闇のフィクサー」に懲役7年6月
戦後最大級の経済事件と言われたイトマン事件で、不正な絵画取引などで大阪の中堅商社イトマン(住友物産が吸収合併)に巨額の損害を与えたとして、商法の特別背任罪などに問われた不動産管理会社代表、許永中被告(54)に対し、大阪地裁の氷室真裁判長は29日、「イトマンを合併消滅に至らせ、自己の欲望を満たした刑事責任は共犯者に勝るとも劣らない。保釈中の逃亡も到底許容できない」として、求刑通り懲役7年6月、罰金5億円を言い渡した。《共同通信》
【自民党橋本派】総裁選へ派内聴取
自民党の最大派閥・橋本派は29日、森喜朗首相の後継を決める総裁選に向けて、当選1、2回の衆院議員の会合を個別に開き、意見集約に乗り出した。野中広務前幹事長と橋本龍太郎行革担当相という2人の有力候補を抱えながら、対応が定まらない橋本派。若手議員からは「派閥次元」の一本化調整の動きを批判する動きが相次いだ。《共同通信》
【森喜朗首相】IT戦略本部第3回会合に出席
3月29日、官邸において高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)第3回会合が開催され、森首相の出席のもと「e-Japan重点計画」が決定された。これは本年1月に決定された「e-Japan戦略」の中で掲げた「5年以内に世界最先端のIT国家となる」という目標を実現していくための具体的な道筋を示すもの。
森首相は会合の最後に「本日決定された『e-Japan重点計画』に基づいて、政府として迅速かつ重点的に施策を講じていく所存であります」と述べ、「このように我が国は世界最先端のIT国家実現に向けての歩みを力強く踏み出したわけであります。この歩みをひとときも停滞させることなく、さらに一層加速させることにより、21世紀が、我が国にとって、国民一人ひとりが夢と希望を持って生きられる『希望の世紀』としていく使命があります」とあいさつした。《首相官邸》
【この日の民主党】
アメリカの京都議定書からの離脱に強く抗議~鳩山代表が談話
民主党は29日、アメリカが地球温暖化防止のための京都議定書からの離脱を表明した事に対し、鳩山代表名で談話を発表し、「世界最大の地球温暖化物質排出国が、削減を放棄する発言であり、きわめて無責任である」と強い抗議の姿勢を明らかにした。
アメリカ政府の地球温暖化防止京都議定書不支持表明に強く抗議する(談話)
2001年3月29日
民主党代表鳩山由紀夫報道によれば、3月28日に、フライシャーアメリカ大統領報道官は、会見で、「大統領は京都議定書を支持しない」と述べたとされている。これが事実であれば、世界最大(全世界の36.1%)の地球温暖化物質排出国であるアメリカ政府が、京都議定書に定められた温暖化物質削減を放棄する発言であり、極めて無責任である。地球温暖化防止条約に基づいて、1997年に京都で各国が合意した温暖化物質の削減目標は、地球温暖化防止の第一歩にすぎず、これが実現しなければ、将来的に地球環境に大きな影響が及ぶことになりかねない。
地球温暖化がこのまま進行すれば、海面上昇による島嶼国の水没などの問題や、自然環境への影響は計り知れない。最近のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第三次報告書でも、極めて悲観的な予測がなされており、地球温暖化問題に対する責任放棄を行うアメリカ政府の見識を疑わざるを得ない。
日本政府は、直ちにアメリカ政府に対して、発言撤回を求め、地球全体での温暖化対策の枠組みである京都議定書の批准を求めるべきである。また、日本政府は、このようなアメリカ政府の動向に同調することなく、COP3の議長国として、京都議定書の早期発効に向け、速やかに批准を行うべきである。民主党としても、持続可能な社会の構築のためには、地球温暖化問題の解決が不可欠であるとの観点から、アメリカ政府の発言撤回と日本政府の京都議定書早期批准に向け、全力をあげていく決意である。 以上
ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会を超党派で呼びかけ
民主党の江田五月参議院議員と川内博史衆議院議員が3月29日、国会内で記者会見し、「ハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会」の設立を呼びかけることを発表した。
非科学的で非人道的な「らい予防法」(1953年制定・1996年廃止)による強制隔離政策により、筆舌に尽くしがたい人権侵害を受けてきたハンセン病患者の方々による国家賠償訴訟が現在、東京・岡山・熊本の3地方裁判所で審理されており、今年5月には熊本地裁で判決が出される。しかし、患者や元患者の方々の平均年齢は70歳を超えており、訴訟による解決では時間がかかりすぎることから、政治主導で問題を最終解決するために懇談会の設立を呼びかけた。
代表世話人に江田議員が就いたほか、世話人には与野党各党の幹事長や前幹事長が名前を連ねている。4月5日に設立総会が開催される予定。《民主党ニュース》