平成4422日目

2001/02/15

この日のできごと(何の日)

【えひめ丸事故】乗組員が帰国

ハワイ沖の原潜と実習船「えひめ丸」の衝突事故で、現地にとどまっていた乗組員16人が15日午後、成田、関西空港着の航空機でそれぞれ帰国した。

午後2時25分、成田に到着したM一等航海士(58)ら15人は一列で機体から降り立ったが帰国の安ど感は見られず、事故の心労でかなり疲れた表情。到着ゲートでは前田瑞枝愛媛県副知事ら関係者の出迎えを受け、簡単なあいさつを交わしたが、報道陣からの「お体の具合はいかがですか」などの問い掛けにはうつむいて一切応じず、小走りで家族らが待つ待合室へ入り、あわただしく空港を後にした。

関西空港には午後4時半前、事故で鎖骨骨折の重傷を負った機関員Kさん(22)が愛媛県立宇和島水産高校の校長とともに到着。関係者に支えられるようにして到着ゲートに姿を見せたKさんは、右腕をつり、左足を引きずるように歩く痛々しい姿。黒のトレーニングウェアの上下にカーキ色の帽子を目深にかぶっていたが、目はうつろでぼうぜんとした表情だった。《共同通信》

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【えひめ丸事故】森首相、愛媛県議会議長らと会談

森喜朗首相は15日午後、首相官邸で愛媛県議会の谷本永年議長らと会い、米原潜と衝突し沈没した実習船「えひめ丸」の行方不明者の捜索継続と同船の早期引き揚げに全力を挙げることを求めた同議会の緊急要請について、「日本として精いっぱいのことをやっていきたい」と表明した。

事故発生時に首相がゴルフを続けていたことについて、谷本議長は「首相から事情の説明があった。県民の感情はいろいろだが、それは今後のこと。私の立場でコメントは避けたい」と述べた。

谷本議長らは、伊吹文明危機管理担当相や河野洋平外相、フォーリー駐日米大使にも同様の要請を行った。伊吹担当相は「こういうときは地元の気持ちに政治家がどう姿勢を示し、対応するかが大切。県民の気持ちを代表して要請に来たことを重く受け止める」と伝えた。《共同通信》

【森喜朗首相】無償でゴルフ会員権

森喜朗首相が、知人の会社社長が4000万円で購入した横浜市の名門ゴルフ場「戸塚カントリー倶楽部」の会員権を事実上無償で譲り受け、約16年にわたり自分の名義にしていたことが15日、分かった。首相は10日、このゴルフ場で米原潜と宇和島水産高校実習船の衝突事故の一報を受けたが、そのままプレーを続けていた。

国税当局によると、一般的にこうした無償譲渡は税法上の「贈与」に相当し、贈与税の納付義務が生じる。森喜朗事務所によると、納税手続きは取っておらず、閣僚資産公開などでも記載していなかった。衝突事故への初動対応をめぐり与党内からも交代論が強まっている中、大きな打撃になるのは必至だ。

事務所は事実関係を認め、当初「名義の貸与を受けた。問題はない」としたが、福田康夫官房長官は記者会見で「誤解を招きやすいので、貸し借りの関係を解消する」と述べた。《共同通信》

実習船衝突事故発生の連絡を受けた後もゴルフを続行して批判を浴びる森喜朗首相に15日、ゴルフ場会員権の無償譲渡を受けていた問題が発覚した。与党内で早期退陣論が強まっている矢先の新たな「醜聴」。首相は自ら記者団に経緯を説明するなど火消しに躍起になった。

だがKSD事件、外務省の機密費押領事件に加え、首相個人に起因する問題が追い打ちする異常事態に「身内」の自民党森派からも首相批判が飛び出す始末。首相は徐々に「四面楚歌」の状態に追い込まれつつある。《共同通信》

【小泉純一郎元厚相】「森降ろし」は感情論だ

自民党森派会長の小泉純一郎元厚相は15日の同派総会で、与党内で森首相の早期退陣を求める声が出ていることについて、「今は理屈ではなく、感情だ。ポストが赤くても、電柱が高くても、みんな森首相が悪いとなる」と批判した。

小泉氏としては、首相を擁護するとともに、首相にも、国民感情に配慮した慎重な言動を求める意図もあったとみられている。ただ、自民党内には「小泉氏の発言は『首相批判は、非論理的だ』と決めつけたようなもので、危機感が足りない」(若手)との反発も出ている。《読売新聞》

与党内で首相交代論が強まる中で15日夕、「森喜朗首相が弱気になっているのでは」(自民党筋)との情報が広がり、森派の小泉純一郎会長が急きょ、首相官邸に首相を訪ねて確認に走る一幕があった。

発端は同日、首相と会談した森派の伊藤公介事務総長が「何でも悪いのは首相だというのは私で最後にしてもらいたい、と首相が語った」と記者団に説明したのがきっかけ。これを聞いた小泉氏は伊藤氏から事実関係を聴取した後、官邸に駆け付けた。

首相と小泉氏の会談は20分あまり。「何を言っても悪くとられる」とこぼす首相に「そういう状況だから誤解、曲解されないように言動に注意してほしい」と忠告し、「糖分ゴルフはできない」とくぎを刺した。

会談後、小泉氏は記者団に「(首相は)元気だった」「淡々としてニコニコしていた」と火消しに躍起。ゴルフに出られない休日の過ごし方について首相が「孫がいれば退屈しない」と語ったことも紹介したが、混乱ぶりが目立った。《共同通信》

【石に泳ぐ魚訴訟】二審も出版差し止め命令

芥川賞作家の柳美里さん(32)が月刊誌に発表した小説「石に泳ぐ魚」をめぐり、登場人物のモデルとなった顔にしゅようのある三十代の在日韓国人女性が、「無断で小説化されてプライバシーを侵害され、精神的苦痛を受けた」として、柳さんと発行元の新潮社などを相手取り、1500万円の慰謝料と単行本化の差し止めなどを求めた訴訟の控訴審判決が15日、東京高裁であった。

浅生重機裁判長は「しゅようの障害がある事実を公表することは、障害それ自体の苦痛に加え、他人の差別による苦しみも与える」と述べ、柳さん側に130万円の支払いを求めた一審・東京地裁判決を支持し、柳さん側の控訴を棄却した。

また判決は「問題となった表現は公共の利害に関するものではなく、出版すれば、原告の平穏な日常生活が困難になる恐れがある」として、一審同様、単行本化や放送、映画化などの差し止めも認めた。《読売新聞》

【三菱自動車】40万台をリコール

クレーム隠ぺい事件で自動車の不具合をあらためて調査していた三菱自動車工業は15日、クレーム隠しに伴い届けが遅れていた1件を含め5件のリコール(無料の回収・修理)を国土交通省に届けた。対象台数は約40万1000台に上る。

三菱自動車は事件が表面化した後、届けが遅れたリコール計17件を昨年8月までに、さらに今年1月に2件を同省に届けた。これで、届けが遅れたリコールは20件計約76万台となった。また、米国でも約95万台のリコールを届けることを明らかにした。《共同通信》

【森喜朗首相】モンゴル首相と会談


https://www.kantei.go.jp/

2月15日、森首相は官邸でエンフバヤル・モンゴル国首相との首脳会談を行った。会談の冒頭、森首相より、2年続いたモンゴルの雪害についてお見舞いを述べるとともに、日本から追加的な緊急援助を含む可能な協力を行う旨表明した。会談において両首脳は 二国間の相互的な協力関係について意見交換を行い、21世紀に向けての総合的パートナーシップの構築に向けて一層努力することで一致した。《首相官邸》

【この日の民主党】

実習船衝突事故/4野党が捜索継続申し入れ

民主党の菅直人幹事長ら野党4党の幹事長、書記局長は15日午後、実習船「えひめ丸」の米原潜との衝突事故で、(1)米政府に対する行方不明者の海上捜索継続の要請(2)えひめ丸の引き揚げ―を国会内で福田康夫官房長官に申し入れた。

福田長官は「米側から捜索を継続するという報告を受けた。引き揚げは過去にはあきらめる例が多かったが、日本政府として強く求める」と述べ、前向きに対応する考えを示した。

衆院予算委/城島議員、首相のゴルフ場会員権問題を追及

衆議院予算委員会で15日、前日に引き続き集中質疑が行われ、民主党・無所属クラブの議員3名が、実習船衝突沈没事故、KSD事件、機密費横領事件などを中心に政府を追及した。

この日、トップで質問したのは、城島正光議員。冒頭、予算委員会の場に森首相が出席していないことに抗議の意を示した城島議員は、まず実習船衝突沈没事故に対する政府の対応の問題を取り上げた。

城島議員は、首相が、事故発生の連絡を受けた時にプレイしていた神奈川県・戸塚カントリークラブの会員権を、以前に知人から無償で譲り受けていたと報道されていることについて質問。「閣僚の資産公開分にも含まれていなかったが、どうなのか」と事実を質した。

福田官房長官は、首相に問い合わせていないので答えられない、とお茶を濁そうとしたが、城島議員は、「なぜすぐに聞かないのか」と官房長官の対応を一喝。事実関係を調査し結果を公表することを確約させた。

また、事故への官邸の対応については、事故当日の非常事態対応の当番だった安倍官房副長官は少なくともその日は官邸にいるべきだったのではないか、なぜ事故の第一報を受けてから何時間も行こうとしなかったのか、と追及。

これに対して福田官房長官は、内閣情報収集センターに4名の常駐スタッフがいるからいいんじゃないか、などと危機意識の乏しい答弁を繰り返した。

KSD事件をめぐっては、KSDの補償準備積立金が収支報告書の記載通りに積み立てられているのか、取り崩しがあったという疑いもあるが、どうチェックしているのか、と労働省を追及した。答弁に立った日比労働基準局長は、「十分調べていない」とし、調査の上、実態を明らかにする資料を提出することを確認した。

さらに、城島議員は、国やKSDからのものつくり大学設立への補助金を国際技能振興財団(KGS)という“トンネル財団”を通過させ、そこに資金をプールしていたという構造や、1999年11月の予算編成時にものつくり大学関連の補助金増額に向けてKSD、労働省、自民党の幹部が頻繁に接触していた実態などを具体的に指摘し、坂口厚生労働相ら関係閣僚を厳しく追及した。

衆院予算委/中田宏議員、政府の危機管理認識を批判

15日の衆議院予算委員会集中質疑で質問に立った民主党・無所属クラブの中田宏議員は、実習船衝突沈没事故に関連して、「在沖米軍司令官の沖縄県知事への誹謗問題や米兵の放火事件を見ても、米軍全体がたるんでいるんじゃないか。米軍のモラルにまで踏み込んでものを言うべきではないか」と河野外相を追及。また、事故当日の森首相の「危機管理じゃないでしょ、事故でしょ」という発言を問題にし、危機管理についての基本認識を質した。福田官房長官は、危機管理一般についての認識は共通するとしながらも、首相発言については「言葉の問題」と逃げた。

KSD問題については、KSDが金融機関を対象に新規会員一人当たり500円をキックバックするという会員獲得キャンペーンを展開していた事実を指摘。そうしたことが行われないよう、厚生労働省および金融当局に厳重な監督を要求した。

衆院予算委/機密費疑惑を原口一博議員が追及

15日の衆議院予算委員会で民主党・無所属クラブから原口一博議員が質問に立ち、冒頭では北方領土4島への政府の対応について追及した。

与党内に2島返還論が出てきている点を指摘したのに対し、河野外相は「日露交渉における4島の返還に対するわが国の態度・姿勢は何ら変更はない」と弁明。原口議員は「ロシアも大きく変わっている。2島返還で効をあせるのではなく、じっくりと信頼関係を構築する中で返還を達成することが大事だ」として、前向きな取組みを要請した。

続いて外務省機密費の問題について、原口議員は「これだけのお金をどうして個人が動かせたのか。差額宿泊費分を各職員に手渡したときもあれば、ホテルに一括払いもする。どうしてそんなことができるのか、聞けば聞くほど不可解だ」として、当時の上司への聞き取り調査の内容を示すようを求めた。

しかし河野外相らは、「調査の結果、チェック体制の不備・指揮系統の不明確さが明らかになった」と繰り返すだけで、原口議員が現時点でわかっていることは何かと重ねて質しても、一切明らかにしなかった。

続けて上司が官房報償費である点を認識していたかと質したのに対し、「報償費との認識はあったが支払い方法については把握していなかった」と飯村官房長は答弁。報道に基づき「会計責任者たちは官房費であることを知らなかったとしているが」と再質問すると、「把握していなかった」と答えを覆す一幕があった。

原口議員は半分あきれ顔で「これは真相を知る上で最も大事な点だ」と声を上げ、内閣・外務省は松尾個人の犯罪だとしているが、当人は何ら説明していないと分析。「松尾個人をひょっとするとこの大きな組織が追いつめているのではないか。そのことさえも疑える答弁だ」と疑惑を指摘した。

原口議員は、「このような残念な事件は早く解決しなければいけない。予算審査の妨げにもなる」と言及。会計検査院に対し「事実関係の究明について調査書を提示し、説明するのが国民に対する義務だ」と求め、取り扱いを理事会で検討するよう野呂田予算委員長に求めた。

最後に、民主党の有明海漁業被害対策・諫早湾干拓事業見直し本部の事務局長でもある原口議員は、諫早湾干拓事業による諫早湾の漁業被害に言及。「有明海は4・56月が産卵期。予断をもたずに調査し、漁業被害と漁民の再建に向けての対策を練られるべきだ」と、谷津農林水産大臣に早急な対応を求めた。《民主党ニュース》



2月15日 その日のできごと(何の日)