平成4421日目

2001/02/14

この日のできごと(何の日)

【えひめ丸事故】森喜朗首相「万全の措置」

今国会初めての党首討論が14日午後開かれ、森喜朗首相は米原潜と実習船衝突事故の発生時にゴルフ場にいたことについて「国民の批判は十分承知している。その場所にいたことが悪いというなら責任を甘受しなければならない」と釈明した。

しかし首相は同時に「情報収集と米国側に対する人命救助・捜索(の要請)については万全の遺漏のない措置を確実に取った」と述べ、自身や政府の初動対応に問題はなかったとの考えを強調し、野党側の追及に反論した。

首相は国家が管理すべき危機として(1)国の主権が侵される(2)国の秩序が揺らぐ(3)国民の生命・財産が大規模に危機にさらされる状況−との例を挙げ、今回の衝突は「海難の事故だ」として直接には危機管理の対象ではないとの認識を示した。

民主党の鳩山由紀夫代表が「危機管理の問題で、大変深刻な事態だ。政治的責任を感じるか」と追及したことに反論した。

首相は事故の一報を受けたのちも約2時間ゴルフ場にとどまった理由については「事態が進んでいるのでしばらくこの場所にいるおとが間違いないと判断した。(ゴルフ場という)場所と対応は切り離して考えるべきだ」とした。

共産党の志位和夫委員長が、米原潜が救助活動をしなかったことをめぐる政府に対応を批判したのに対し、首相は「最終的な調査結果は解明されていない」として米側の調査の推移を見守る姿勢を強調した。

社民党の土井たか子党首は、KSDから資金提供を受けた額賀福志郎前経済財政政策担当相の辞任をめぐって首相の対応を批判、早期退陣を求めた。

自由党の小沢一郎党首は首相の指導力の在り方をただしたが、首相は「今の時代に合わなくなった経済、行政、教育など一つ一つ改革していきたい」と述べるにとどまった。《共同通信》

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【公明党】幹部が森首相退陣求める

公明党幹部は14日午前、森喜朗首相の早期退陣が望ましいとの考えを明言した。同幹部は、KSD汚職事件や外務省機密費横領事件に加え、米原潜と実習船との衝突事故をめぐる首相の対応に批判が強まっていることを念頭に、「(森首相は)もう辞めた方がいい。森さんも(政権運営が)嫌にならないのか」と、都内で記者団に述べた。

与党の公明党幹部が首相交代論を公然と言明したことで、森首相は一段と厳しい立場に追い込まれた。自民党内には7月予定の参院選を控え、「森首相では参院選は戦えない」という声が強まっているだけに、政局が一気に流動化する可能性も出てきた。《共同通信》

【えひめ丸事故】福田康夫官房長官「そもそもゴルフに行くべきではなかった」

福田康夫官房長官は14日午前の記者会見で、原潜と実習船衝突事故の当日に森喜朗首相がゴルフをしていたことについて「そもそも行くべきではなかった」と述べ、首相の行動に強く疑問を呈した。

「ゴルフに行くことを止めなかったのか」との質問に対し「トゥーレイト(遅すぎた)と指摘、事前に首相の居場所を知らされていなかったことを示唆。その上で通常でも週末の首相日程を必ずしも把握していないことを明らかにした。

長官は13日の会見で「気分転換が必要」と理解を示していたが、この日の会見では批判的な姿勢に転換、首相の対応のまずさを認めた。《共同通信》

【えひめ丸事故】捜索続行

米原潜と実習船の衝突事故で、米沿岸警備隊は14日、捜索打ち切りをいったん決定したが、日本人家族の気持ちを受け入れて捜索を継続すると発表した。

ケース米太平洋軍副司令官は同日行われた桜田義孝外務政務官との会談の席上、捜索救助作業の打ち切りを伝えたが、桜田政務官は「拒否する」と米側に通告していた。

関係筋によると、今後は米海軍が事故現場付近で無人潜水機による海中での船体や行方不明者の捜索活動を行う。

原潜の操舵席などに座って「単純な操作」を行っていたとして問題となっていた招待の民間人について、CNNは「地元ハワイの戦艦ミズーリ保存会のメンバーだった」と報じた。《共同通信》

【えひめ丸事故】民間人が浮上レバーも操作

米運輸安全委員会(NTSB)のハマーシュミット調査官は14日の記者会見で、衝突事故の際、司令室にいた民間人の一人が原潜の浮上を制御する潜航コントロール席で、別の一人が操舵席で、それぞれ乗組員が手を重ねる形で緊急浮上のレバーやかじを操作していたことを確認した。

NTSBは今後、これら民間人からも事情を聴く方針。かじだけでなく、緊急浮上の操作でも民間人の関与が明らかになったことで、米軍の安全管理に対する姿勢に一層、批判が強まりそうだ。

また事故当時、司令室にいた民間人2人は15日放映の米NBCテレビの番組で、乗組員による浮上前の潜望鏡での海上の確認作業では何も確認できなかったと証言した。《共同通信》

【イスラエル】バスが突入、8人死亡

イスラエル放送によると、同国のテルアビブ郊外で14日朝、バス停近くにいたイスラエル軍兵士らの集団にバスが突っ込み、兵士7人と民間人の女性1人の計8人が死亡、民間人を含め約20人が負傷した。

運転していたのはパレスチナ自治区ガザ在住のパレスチナ人(35)で、兵士を狙ったテロとみられる。パレスチナ過激派との関係は明らかになっていない。

6日のイスラエル首相公選で強硬派の野党リクードのシャロン党首が当選したばかり。昨年9月のパレスチナ自治区での衝突発生以来、最悪のテロとなった。

バスは兵士の集団にゆっくりと近づき、兵士らをはね、スピードを上げて走り去ったという。バスはイスラエル南西部アシュドッドで警官に撃たれ、トラックに衝突して停車した。運転手は重傷。《共同通信》

【この日の民主党】

[衆院予算委]五十嵐文彦議員が財政問題など質疑

衆議院予算委員会で14日、集中審議が行われ、民主党・無所属クラブから五十嵐文彦議員が質問に立ち、財政問題に詳しい議員ならではの不良債権問題についての深い議論を展開した。

導入として、五十嵐議員は、「ザ・ワールド・コンペティティブ・イヤーブック2000」で日本の潜在競争力が、90年の3位から、2000年は17位に落ちたことをあげ、失われた10年といわれる経済低迷の要因について「一番大きな問題は不良債権。景気対策に追われ、IT化・金融国際化への認識を誤り、ニューエコノミーへの対策が遅れたのが大きい」と指摘した。

当初の見方ではとっくに償却されているはずの不良債権が株安などで思った以上に残っており、これが信用収縮を招き、銀行だけでなく一般企業でも取引の慎重化・固定化、生産性の低下をもたらしていると五十嵐議員は分析。

92年8月当時、首相在任時にこれを最初に指摘しておきながら、実際には実行せず、ソフトランディング路線を選んだ宮澤財務相に対し、「公的関与を強めて一挙に処理した方がよかった」として、政策の誤りを質した。財務相は「関係者の誰もがそういうドラスティックな外科手術を必要としないでも事態は改善するだろうと受け取っていた」と答えたが、五十嵐議員は「そのときの総理大臣は宮沢さんなのだから、体を張って反対する方々を説得するのが本来のリーダーシップだ」と批判した。

五十嵐議員は「失われた10年」の原因として、「95年の大和銀行ニューヨーク支店での巨額損失事件で日本政府がモラルハザードの問題を軽視したことが、直後のジャパン・プレミアムの原因になった」と指摘。第二の原因として、97年11月に三洋証券の会社更生法適用からコール市場のデフォルトが起きたこと、第三には、98年に大蔵省の接待スキャンダルが表に出たことをあげ、「一挙にシステミックリスクが拡大した」と分析した。柳澤金融担当大臣は「全く同意見だが、不良債権処理は銀行だけでできるものではなく、実体経済の側とシンクロナイズしないとできない」と答えた。

五十嵐議員は「不良債権の処理は他の方法もあったのではないか」として、旧長銀をリスク債権の受け皿銀行にしたり、ローンの証券化など、政府として工夫する必要があったとした。これに対して、柳澤大臣は「証券化といい債権の譲渡といい、日本の融資がコーポレートファイナンスであることが、円滑な処理の障害」と応じ、五十嵐議員も「日本の金融機関ではプロジェクト融資が行われていないが、そうした能力をつけなければいけない」とした。

さらに、五十嵐議員は「日本はIT革命のもたらす金融の国際化を見誤っていた」と指摘。また、土地価格についても、「バブル発生以前から日本においては、収益還元価値以上に資産としての価値が重視され、その分が上乗せされていた」と分析し、「この見極めを間違えたのが、不良債権処理が長引いたひとつの原因」として、デフレ傾向がしばらく続くとの見方を示した。

五十嵐議員は、森首相がダボス会議などで根拠のない楽観論をふりまいている点を、「日本の改革姿勢を疑わせ、信用性を低下させる」と批判。

また、住宅ローンの負担が相対的に重くなっていることを取り上げ、「税制上の措置など、過去の高いローン金利に国が一定の手を差し伸べることが必要でないか」と提起した。

最後に五十嵐議員は、公共事業政策を取り上げ、「全く効果を否定するものではないが、乗数効果が落ちて一時的な下支えにすぎない。むしろ呼び水効果がなければ副作用が大きい」と指摘。官僚の権益拡大とあいまって、公共事業の自己目的化が起きているとして、その例として諫早湾干拓事業をあげた。また、3本ある本四架橋が800億以上の負債を抱え、今後10年間で8000億円の無利子援助を政府から受けることを指摘。自民党閣僚や政策責任者が国債依存に楽観論を述べていることを「政治の世界のモラルハザード」だと厳しく批判した。 [党首討論]「実習船事故の首相対応に国民の怒りは沸騰している」―鳩山代表

この通常国会で最初となる党首討論が14日、参議院第1委員室で開かれた。野党側のトップバッターとして立った民主党の鳩山由紀夫代表は、主に宇和島水産高の実習船と米海軍の原子力潜水艦との衝突事故に対する森首相と首相官邸の危機管理体制や、外務省機密費横領事件について、首相のリーダーシップの欠如を厳しく追及した。

●首相に国民の生活と安全を守る自覚ない

まず鳩山代表は、「ハワイ沖で米原潜と実習船衝突事故が発生した時、事態が進展しているのに首相がゴルフ場でクラブを握って離さなかったことに国民の怒りは沸騰している。首相は危機管理をどう感じているのか。野党はもちろん与党の中にも責任論、首相交代論が起きている。一連の行動で政治的責任を感じているのか」と口火を切った。

これに対して、森首相は紙を見ながらうつむき加減に「指摘通り横浜(のゴルフ場)にいた。秘書官から第一報、第二報を受け、情報収集と米側に人命救助に最大限の協力を要請するよう指示した。事態が進んでいるのでしばらくこの場にいた方がいい、連絡をきちんと取るために、この場所にいることが間違いないと判断した。政府としては万全の遺漏ない措置を確実に取った」などと5分近くも長口上。

鳩山代表はすかさず「総理の答弁が長ければ長いほど国民はあきれかえる。首相は今回の衝突事故は危機管理ではなくて事故だと言った。そんな認識だから平然と片手でパター、片手に携帯電話で連絡を取るようなことをしたのではないか。危機管理でないのか」と切り込んだ。

しかし、首相は「今回は海難事故だ。ただ相手、場所が米国だったので、交渉できる対応・態勢はきちんと取った、その点は何ら遅れていない。問題は私のいた場所だが、対応とは切り離してほしい。国民の批判があるのは十分承知している。その場所にいたことが悪いと言うならその責任を甘受しなければならない。しかし、情報伝達の態勢をしっかり取ったということの方がより大事なことと考えている」と、あくまで落ち度がないという態度。

さらに、鳩山代表は「日本国民の命がかかわっているなら危機管理の問題という認識を持たなければいけない。首相が単なる事故だと言い、一報を聞いた後も何ホールも回った神経が全く分からない。愛媛県立宇和島水産高校の関係者、家族に謝罪すべきだ」と語気を強め、首相に迫った。

しかし森首相は、「全体の責任者は情報をしっかり取って的確に指示をすることであり、行動することではない」などと述べ、ゴルフを続けていたことについては、はぐらかし続けた。

鳩山代表が「あなたが国民の生命と財産を守る最高責任者なんですよ。その自覚がないんじゃないか。ブッシュ大統領にもあなたから電話するべきだったのではないか。電話をもらい、それで事たれりとしてはいないか。国益を担っていることを十分に肝に銘じていただかなければ困る。首相としての立場をわきまえて、これから毅然とした対応をしてもらいたい」とさらに詰め寄ったが、首相は「私は最大限の努力をお願いしている」などとするだけで、議論は平行線のままだった。

●機密費解明に首相のリーダーシップを

続いて、鳩山代表は外務省の機密費横領事件にテーマを移し、「ホテル代の差額が機密費なのか、外務省の局長の飲食費が機密費なのか。外務次官は無制限に使っていいとか、国民の税金が野放図に使われている。これらもすべて機密費なのか。あまりにもずさんだ」と指摘。さらに、「外務省の組織ぐるみの事件である疑いが強い。松尾克俊元外務省要人外国訪問支援室長の金が同省幹部に渡っている。元室長が持つ9つの銀行(と郵貯の)口座の2つしか解明されていない。(解明に向け)首相はリーダーシップを発揮すべきだ」と迫った。

これに対し、森首相は「捜査権限を持つ警察に捜査させることがより確実性がある。私どもはリーダーシップを発揮し、司司で責任を果たすよう指導している」などと、行政の長としての自らが解明の先頭に立つといった姿勢は示さなかった。

鳩山代表が、「総理の手で判明させてほしい。外務省の組織ぐるみの犯罪だから外務省はできない。総理ができないと言うのなら、残りの7つの口座の解明に、国政調査権の発動をするよう合同審査会長に取り扱いを要請したい」と提起した。堀之内久男合同審査会長は「合同幹事会で協議する」と答えた。

最後に鳩山代表は「首相は事実を隠ぺいし、逃げに逃げている。首相自身の命が永らえ民主主義が殺されたらどうするのか。首相の資質が問われている」として、疑惑解明への首相のリーダーシップの発揮を重ねて求めたが、森首相は「私は民主主義を最も大事にしている。だからこそ細川(護煕)内閣から続いてきた不祥事とすれば、私の代でしっかり解明したいと思っている」と述べるだけだった。

ゴルフ続けた首相に国民の悲痛な叫び届いているのか~鳩山代表が会見で批判

民主党の鳩山由紀夫代表は14日、定例記者会見を行った。直前に行われた党首討論について、「国民の悲痛な叫びがどこまで届いているかわからない。極めて空虚な答弁が長く続いた」と感想を述べた。また「制約時間のなか、意味のない話で時間をとるのが首相としてはベストな戦法なのだろう」と不快感を示した。

さらに、「事故の一報を受けてもゴルフを続けるとは、どう考えても危機管理意識も、総理としてリーダーシップを発揮する意識も乏しかったことは明らかだ」とし、「私にとっても納得できない答弁であったが、国民がどう受け止めたかと思うと、非常にさびしく感じる」と述べた。

また、外交機密費疑惑については、森首相の逃げの姿勢を改めて批判。党首討論で要請した国会法第104条による国政調査権の発動へ、自民党など与党側の積極的な協力を期待したいと語った。《民主党ニュース》



2月14日 その日のできごと(何の日)