平成4297日目
2000/10/13
この日のできごと(何の日)
【森喜朗首相】中国・朱鎔基首相と会談
森喜朗首相は13日、中国の朱鎔基首相と首相官邸で約2時間半にわたって会談し、日本の排他的経済水域(EEZ)内での中国海洋調査船の活動や、中国の軍事費増大などでぎくしゃくした日中関係を立て直していく未来志向の関係を構築していくことで一致した。
朱首相は両国間の歴史について「日本の軍国主義で大きな災難を被ったが、日本人民も被害者で人民が責任を負うことはない。歴史をかがみに未来に進んでいこう」と述べ、森首相も「相互理解をはぐくむよう努力したい」と強調した。《共同通信》
公賓として来日中の朱鎔基中国首相を歓迎する森喜朗首相の夕食会が13日夜、首相官邸で開かれた。朱首相はあいさつで「両国が友好協力パートナーとなることは地域と世界の安定と繁栄にとっても有利だ」と日中関係の重要性を強調し、「健全、安定、友好、相互信頼の関係を新しい世紀に持ち込むよう、共に努力しよう」と呼び掛けた。歴史認識については「近代に不幸な一時期を経験し、深い教訓と啓示を残した」と触れるにとどめた。
森首相は「隣国であるがゆえに時に波風が立つことがあるのも事実だが、友好協力という大局を見失うことなく、真のパートナーシップ構築に向け努力を積み重ねていく必要がある」と強調した。《共同通信》
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【若田光一宇宙飛行士】森首相と交信
米スペースシャトル「ディスカバリー」に搭乗している日本人宇宙飛行士の若田光一さんは13日朝、日本の首相官邸と結んだ回線で、森喜朗首相、大島理森科学技術庁長官らと対談。「国際宇宙ステーションの建設は、国境や民族を超えた地球人として、新たな価値観を生み出すための大切なステップだ」と今回の飛行の意義を語った。
現在、避難生活をしている都立三宅高校野球部の津村秀紀主将も対談に出席。若田さんは「心からお見舞いします。避難生活をしながらの素晴らしいプレーに多くの人が感動した」とメッセージを送った。
午前6時50分すぎから始まった対談は、ディスカバリーと地上とをつなぐ通信システムにトラブルが発生して動画が見られず、声中心の交信となった。森道相は「個人でも団体でも宇宙活動で金メダルが取れますか」と質問。若田さんは「私たちのチームは金メダルを取れると思う」と応じた。《共同通信》
◇
日本人宇宙飛行士若田光一さん(37)ら7人を乗せ、11日に打ち上げられた米スペースシャトル「ディスカバリー」が米中部夏時間13日午後0時45分(日本時間14日午前2時45分)、ウクライナ上空高度約380キロの軌道上で、国際宇宙ステーションとのドッキングに成功した。
日本人宇宙飛行士がステーションを訪れるのは初めて。これで、若田さんがロボットアームを使って部品を取り付けるなど、今回の飛行の目的である本格的な建設作業が可能となり、同僚宇宙飛行士が13日夕、さっそくステーションに入り作業を進めた。《共同通信》
【オリックス・イチロー外野手】神戸のファンに別れ
これが日本で見る最後の背番号「51」になるのか。米大リーグ挑戦を明らかにしているプロ野球オリックスのイチロー外野手(26)が13日、地元グリーンスタジアム神戸では今季最後の試合となった西武戦の最終回に右翼の守備で出場。総立ちのファンから大声援を受けた。
最終戦後に行われたセレモニーが終わっても、鳴りやまない大声援に、いったんはベンチ裏に下がっていたイチローが、再び姿を現した。立すいの余地もなく埋め尽くされた右翼スタンドに小走りに向かう。イチローの思いが背番号「51」からにじみ出た。「この声援が僕をここまで育ててくれた。幸せです」。
別れに涙はなかった。右わき腹を痛めて以来、久々にナインとともにした試合前の練習。笑顔で記念撮影に収まる。キャッチボールには、自分から同期入団の田口を誘った。回転のいいボールに、「これなら(守りが)できるよ」と声を掛けられると、笑みがこぼれた。
九回。最後の「イチロー・スズキ」のアナウンスを背に、守り慣れた右翼の守備に就いた。いきなり先頭打者の一塁ゴロを五十嵐が後逸し、ボールが右翼に転がる。イチローの最後のプレーを見たいというみんなの思いが、まるで通じたかのようだった。
出番を待つ間は、ベンチで仰木監督の真横に座った。「いつもは顔の見えないところに座るんだけど」といたずらっぽく笑った。史上初の200安打達成。自らのサヨナラ二塁打で決めたリーグ連覇。「きょうは、一瞬一瞬を目に(試合を)焼き付けるように見ていた」。数々の思い出が詰まった場所で、時間の限り楽しんだ。《共同通信》
【プロ野球・西武】選手が免停中に駐車違反
プロ野球西武ライオンズの松坂大輔投手(20)が9月、東京都内で無免許運転した上、駐車違反をして同球団の黒岩彰広報課長(39)が警視庁に身代わり出頭したことが分かり、同庁交通捜査課は13日、道路交通法違反容疑で松坂投手を、犯人隠匿容疑で黒岩課長をそれぞれ書類送検した。
調べでは、松坂投手は免許停止中だった9月13日未明、港区内で球団所有の乗用車を無免許運転した上、同日午前10時ごろ、文京区音羽の駐車禁止区域の路上に球団所有の乗用車を約1時間半にわたって違法に駐車した疑い。車は大塚署にレッカー移動され、黒岩課長が同署に出向いて松坂投手に代わり反則切符を切られた疑い。
松坂投手は「(黒岩課長の身代わり出頭は)後で知った」と、黒岩課長は「自主的な判断でやった」としれぞれ供述したという。《共同通信》
【プロ野球・横浜】森祇晶監督誕生
来季から横浜の指揮を執る森祇晶新監督(63)の就任会見が13日、横浜市内のホテルで行われた。背番号は西武監督時代と同じ81。
森監督は「横浜はファームの分離とか、常に新しいことに挑戦されている。その中で自分も働いてみようと思った。チームは2年前に優勝してひと呼吸したところ。勝負に対する執着を若者に伝えていきたい」と抱負を語った。チームへの合流は11月初めの沖縄秋キャンプからの見込み。
同席した大堀隆球団社長(57)は「勝負ごとはやってみなければ分からないが、シーズン終盤まで優勝争いできるチームをつくっていただきたい」と話した。
森監督は1955年に巨人に入り、日本シリーズ9連覇に貢献。ヤクルト、西武のコーチとしても日本一を経験。86年から西武の監督に就任し、9年間で8度のリーグ優勝と、6度の日本一に輝いた。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・自民党加藤派の加藤紘一会長は13日、民放テレビの番組収録で、野中広務幹事長が内閣改造を機に辞任するとの観測について聞かれ「分かりません。今、内閣人事を話すよりも、国会を早く正常化したり(衆参両院の)補選に勝ったり、国政をしっかりやることが重要だ」とはぐらかした。入閣要請された場合の自らの対応も明確にしていないためで、そこを突っ込まれると「政治は一寸先は闇と言うが、何も考えてない」と苦しい答え。収録終了後は記者団に「皆さん、人事のことが好きですね」と皮肉たっぷり。《共同通信》
【天皇、皇后両陛下】富山県入り
第55回国民体育大会(2000年とやま国体)秋季大会にご臨席になる天皇、皇后両陛下は13日午前、特別機で富山空港に到着し、富山県入りされた。15日まで3日間の滞在中、開会式でお言葉を述べるほか、県内の福祉施設などを視察する。
両陛下は、予定通り午前11時に到着した特別機から降りられた。中沖豊富山県知事、大上紀美雄同県議会議長、深草雅利同県警本部長、正橋正一富山市長、力示健蔵同市議会議長の出迎えを受けた後、沿道に詰め掛けた県民の歓迎を受けながら富山県庁に入られた。《北國新聞》
【ノーベル平和賞】韓国・金大中大統領
ノルウェーのノーベル賞委員会は13日、2000年のノーベル平和賞を韓国の金大中大統領(74)に授与すると発表した。「韓国と東アジアで民主主義と人権発展、特に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との和平と和解に努力した」ことなどが理由で、朝鮮民族(韓民族)のノーベル賞受賞は初めて。
同委員会はまた「隣国、特に日本との和解にも努力した」とする一方「北朝鮮の指導者らの南北和解への貢献」にも言及、金大統領とともに朝鮮半島和解の流れをつくった北朝鮮の金正日総書記にも配慮を示した。《共同通信》
【ダイエー・藤井将雄投手】死去
プロ野球パ・リーグ、ダイエーの藤井将雄投手が13日、福岡市内の病院で死去した。31歳。佐賀県出身。
同投手は昨年のホールド王になるなど活躍したが、オフになった体を悪くし、ことしの春季キャンプには参加しなかった。一時は二軍の試合に登板したが、間質性肺炎のため、入院していた。《共同通信》
【この日の民主党】
参議院選挙制度委員会で与党が採決を強行
参議院比例代表選挙に非拘束名簿方式を導入する公職選挙法改正案を野党が欠席のまま審議していた参議院選挙制度特別委員会は、13日午後2時30分過ぎ、突然動議を出して審議をうち切り、一方的に採決を強行し、法案を可決した。
その動きを事前に察知した野党側の参議院議員は、委員席後部の傍聴席に陣取り、採決の動議が出されると一斉に立ち上がり、「採決無効」などと書いた垂れ幕を掲げ、強く抗議した。
この日は、午前中に民主党の直嶋正行参議院国対委員長と片山自民党参院国対委員長が混乱する国会の事態収拾に向け協議したが、各派協議会の再開をめぐり双方の主張が折り合わず、物別れに終わった。
また、久保亘民主党参議院議員会長など5会派の代表者が午後から斎藤参院議長に会い、委員会の強行採決を避けるよう申し入れたが、そのわずか20分後には強行採決が行われた。
委員会後、久保会長など5会派の代表が再度斎藤議長を訪れ、委員会での事態に強硬に抗議。斎藤議長は、「(野党側が)本会議に出席できるように努力したい」と述べた。
午後3時からは民主党の国会控室に野党5会派の議員が集まり、緊急の決起集会が行われた。
直嶋国対委員長から経過が報告され、久保亘議員会長は、「議長は『職を賭して、乾坤一擲の努力をする』といわれたそうだ。言葉通りにやっていただけるよう私たちはこれからも戦い続けたい。今日の日が日本における民主主義が死に至る病に冒された日として記録され、記憶されることのないよう、皆さんと共に最後まで全力を挙げて戦い抜く決意だ」と声を強め、檄を飛ばした。
また、鳩山代表も激励のあいさつにたち、「私たちは良識ある国会議員として常に国民と連帯して戦っていこう。こんな党利党略、自分たちのために土俵を変えるなんて言うことを国民が許すはずがない。選挙制度こそ国民が決めなければならない」と述べ、野党の連携と衆参の協力で、戦い抜くことを誓った。
自民党が審議急ぐのは「幽霊党員ねつ造構造」隠し~菅幹事長が指摘
民主党の菅直人幹事長は13日の定例記者会見で、参議院の選挙制度特別委で自民党の片山虎之助参院国対委員長自らが答弁に立っていることに対し、「国会が異常な状態のとき、一番忙しく動かなくてはいけないのが本来の国対委員長だ。その委員長が答弁をしている。常識はずれも甚だしい」と批判した。
また、この問題と、財団法人「ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団」(KSD)をめぐる疑惑を関連づけ、「極めて異常な速さで、審議を終わらせようとしているのは、幽霊党員を作り出す構造が露見するのを押さえ込みたいという意図があるのではないか」と指摘。さらに「自民党は参議院選挙の年になると、党員数が100万人ほど増える。民主党は、久世・村上両議員の推薦名簿が、本当に登録者本人の意志で払われた党費に基づくものなのかどうか、きちんと追及する」と述べた。
それに加え、菅幹事長は、他の委員会審議が野党欠席のまま強行されているのに、あっせん利得処罰法案に関する委員会だけは開かれていないことを指し、「自民党にとって、あっせん利得処罰法は通したくない法案。野党が審議に出ないから議論ができないと、野党に責任を押し付ける形で、逃げようとしているのが見える」と批判した。
さらに、ノーベル化学賞を受賞した白川英樹博士の「日本はある意味で才能を伸ばすような研究環境にない」との発言に触れ、「現在の大学の在り方が管理型になっていないか。才能を積極的に伸ばす形になるよう、根本から見なおすべきでは」と問題提起した。
「党利党略・私利私欲で政治を独占」鳩山代表が街頭演説で与党を断罪
民主党の鳩山代表、共産党の不破委員長、社民党の土井党首、自由党の藤井幹事長は、参院での委員会強行採決を受けて、午後5時30分から東京・新宿駅南口で共同の街頭演説を行った。
立ち止まる多くの人たちを前に、マイクを握った鳩山代表は、「国会は死んだ。まさに問答無用、切り捨てごめんの政治が行われている。審議拒否を望んでやっているわけではない。普通の法案であれば大いに議論し、最後は多数で決められても仕方がない。ただ選挙制度は違う。皆さんの民主主義を決める選挙制度は、いうまでもなく選ぶ側が決めるのが民主主義だ。それをあなたたちが参加する機会もなく、選ばれる側の論理で、しかも野党の声は一切無視をして、『このままでは来年の参院選で自公保政権は危うくなる』と、選挙制度を変えるという党利党略、私利私欲で政治を我が物顔で独占している。ユーゴのミロシェビッチ前大統領がしていたことと全く同じだ。民主主義を冒涜し、自分たちが勝てばよいと言う論理で選挙制度を曲げてしまえば、独裁政治そのものだ」と述べた。
多くの参議院議員が街頭宣伝に参加し、自ら道行く人にチラシを配って、野党の主張に理解を求めた。《民主党ニュース》