平成3895日目
1999/09/07
この日のできごと(何の日)
【金嬉老受刑者】仮釈放
昭和43年に静岡県内で暴力団員2人を射殺、同県・寸又峡温泉の旅館に人質を取って立てこもった「金嬉老事件」で、無期懲役が確定し服役していた金嬉老受刑者(70)が7日、千葉刑務所(千葉市)から仮釈放された。逮捕から31年半ぶり。金さんは同日午前、身元引受人の韓国人僧りょらとともに成田空港発の日航機で韓国・釜山に向けて出発した。午後釜山に到着。日韓報道陣との記者会見に臨む予定。
法務当局は、金さんの服役が既に24年になり高齢に達していることや、改しゅんの情があり再犯の恐れがないこと、韓国内での身元引き受け態勢が整ったことなどから、8月16日に関東地方更生保護委員会に仮釈放を申請。同委員会が面会の結果「支障なし」と判断した。
金さんはこの日、午前3時50分に千葉刑務所を出てただちに成田空港入り。同11時前、昨年11月に亡くなった母の遺骨を胸に抱き、元気な足取りで祖国へ向かう飛行機に乗り込んだ。
金さんは43年2月、借金をめぐるトラブルから静岡県清水市のキャバレーで2人を射殺した後、寸又峡の温泉旅館に泊まり客や経営者ら計13人を人質に取って立てこもった。「静岡県警の刑事が(事件前に)朝鮮人を侮辱する発言をした」として、テレビを通じ静岡県警本部長らに謝罪をさせるなど、ろう城中に在日韓国・朝鮮人への民族差別を訴えた。
逮捕後は、学者・文化人らが裁判を支援したが50年、最高裁で無期懲役が確定。平成2年ごろから再び日韓で支援運動が続けられていた。身元引受人の朴三中氏(57)によると、3年ほど前までは支援者にも心を開かず、刑務所内でも荒れた状態が続いていたが、母の死が決定的な心境の変化をもたらし、現在では「恵まれない人たちのために尽くす余生を送りたい」と話しているという。
受刑者が仮釈放後、日本国内での保護観察を経ずに出国することは異例だが、法務省は「外国人の場合で帰国した方が更生保護に資する場合は認められる措置」としている。
ことし8月に仮釈放が決まってから、韓国では「日本で民族差別を告発し戦った人物」として、歓迎ムードが高まり、渡韓後は少年院慰問や国会訪問など多数の行事が予定されている。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【インドネシア・ハビビ大統領】東ティモールに戒厳令
インドネシアのハビビ大統領(国軍最高司令官)は7日午前0時、東ティモールに戒厳令を布告した。しかし、独立に反対する併合派民兵はこれを無視、略奪行為や放火をさらに激化させた。
国軍や警察による取り締まりは見られず治安は悪化する一方で、国連平和維持軍(PKF)派遣への国際的圧力が高まりそうだ。
独立派が勝利した住民投票結果の実現を目指す国連活動は当面中断を余儀なくされるとみられ、独立へ向かって動きだした東ティモール情勢は重大局面を迎えた。《共同通信》
◇
東ティモールに戒厳令が布告された7日、中心都市ディリではインドネシア併合派民兵による放火、略奪が戒厳令を無視する形で激化、錯乱状態が続いた。
インドネシア国軍筋は「軍中央が一両日中にも直接指揮に乗り出す」と述べたが、戒厳令によっても治安が回復できない場合、国連平和維持軍(PKF)派遣を求める国際的圧力が一層強まりそうだ。
日本、米国、オーストラリアなど主要国は7日、緊急外相協議をニュージーランドで開き、対応を協議する方針を固めた。夕イなど東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国も出席の見通し。
東ティモールを管轄するインドネシアの軍管区司令官は7日「断固とした措置をとる」との声明を発表したが、国軍・警察による取り締まり強化の動きはみられない。
ディリの国連東ティモール派遣団(UNAMET)本部は武装民兵に包囲され、出入りが不可能になった。国軍病院以外の病院は閉鎖され、電話回線も7日夜に途絶。都市機能は完全にまひした。
警察本部などに避難していた住民は騒乱を逃れるためトラックやバスを連ねて続々とインドネシア領西ティモールへ脱出した。
国軍スポークスマンは、住民投票の結果が発表された4日以降の死者は50人以上に達したと述べた。アナン国連事務総長は、戒厳令後48時間は事態を見守る姿勢を示した。《共同通信》
【自民党総裁選】加藤、山崎派「3候補の討論が少ない」
自民党の7日の役員連絡会で、総裁選に出馬を表明している加藤紘一前幹事長、山崎拓前政調会長両陣営の幹部らから総裁選の進め方や自自公連立に向けた党内手続きについて批判が相次いだ。
白川勝彦団体総局長(加藤派)や亀井善之組織本部長(山崎派)は「3候補がそろう場があまりにも少ない」と、3人で討論する場をもっと設けるべきだと主張。さらに「小渕恵三首相がアジア太平洋経済協力会議(APEC)出席のためニュージーランドにいるのであれば、テレビ中継も検討すべきだ」と詰め寄ったが、森喜朗幹事長は「選挙管理委員会で決まったことだ」と述べるにとどまった。《共同通信》
◇
自民党総裁選で立候補を予定している小渕恵三首相、加藤紘一前幹事長、山崎拓前政調会長の3氏は7日、告示を前に各地で遊説し、291万人の党員・党友票の獲得へ支持を訴えた。選挙載は21日の投・開票に向けて事実上、終盤に入る。
首相は同日午後から夜にかけ、横浜市、埼玉県川口市、千葉市を相次いで訪れて支持者との会合に出席。8日も熊本市で支持を訴える。
一方、加藤氏は7日午後、福岡市で開かれた「九州・山口総決起大会」であいさつし、「自ら戦い取っていく姿勢がないといけない」と改めて小渕首相に挑戦する決意を表明した。山崎氏は北海道北見市で記者会見し、「党員の手ごたえは十分。20票は取れる」と国会議員票と合わせ、目標とする50票獲得に自信を示した。加藤、山崎両氏はこの日で、告示前の全国遊説を終えた。《共同通信》
【全国都道府県知事会議】
政府主催の全国都道府県知事会議は7日午後、首相官邸で閣僚との懇談会を行った。各知事からは、地方の均衡ある発展のための社会資本の整備や急進する少子高齢化への対処、ごみ問題などに対し、政府の一層の支援を求める声が相次いだ。
澄田信義島根県知事は、大都市と地方との格差是正を訴え「公共事業の地方への重点配分を」と強調。「福島譲二熊本県知事らも整備新幹線や高規格道路の建設促進などを要望した。
これに対し、関谷勝嗣建設相は「現在は地元の協力態勢がなければ公共事業はできない。いろいろな条件がそろったところから重点配分したい」などと述べ、宮澤喜一蔵相も「(知事の話は)十分共感している」と、地方の公共事業の必要性に一定の理解を示した。
少子化対策では、宮下創平厚相が「少子化対策推進閣僚会議で年末までに方向性を出したい。仕事と子育ての両立、多様な保育サービス、教育や住環境まで含めた基本方針を策定し、対策を充実させたい」とした。《共同通信》
【サッカー】五輪アジア地区最終予選
22歳以下によるサッカーのシドニー五輪アジア地区最終予選の壮行試合、日本五輪代表−韓国五輪代表は7日、東京・国立競技場に約4万4506人の観衆を集めて行われ、日本が4−1で快勝した。
全員がプロの日本は前半22分に福田(名古屋)が先制し、6分後には平瀬(鹿島)が加点。後半には平瀬、遠藤(京都)がゴールした。今回の予選で初めてチームに加わった中田英寿(ペルージャ)は攻撃的MFとして幅広く動いた。
一人を除き大学生で構成した韓国は、長身選手をそろえての速攻が単発で技術的にも日本と差があった。27日はソウルで韓国五輪代表−日本五輪代表が行われる。《共同通信》
【警視庁】警部補らが痴漢
警視庁暴力団対策課の警部補(42)と捜査二課の巡査部長(31)が今年、電車内や路上で、それぞれ女性の体を触るなどして、東京都迷惑防止条例違反(痴漢行為)の疑いで取り調べを受け、諭旨免職処分になっていたことが7日、分かった。
巡査部長が触った相手は女子中学生で、調べに対し「ほかにも十数回やった」と供述していたという。
しかし、警視庁は被害者が刑事処分を求めなかったとして、2人とも逮捕などはしなかった。処分についても「被害者から表ざたにならないようにしてほしいと要望された」として、公表しなかった。
警視庁警務部によると、警部補は出勤途中の6月9日午前8時ごろ、世田谷区内を走行中の京王線の電車内で、女性会社員(23)のしりを触るなどしたところを女性に取り押さえられ、明大前駅で駅員に引き渡された。処分は同月11日付。
巡査部長は帰宅途中の3月31日午後11時ごろ、自宅近くの都内の路上で、歩いていた女子中学生を自転車で追い越す際、手で胸を触った。
付近で同様の被害が相次いだため、警戒中の警察官が4月、犯人と人相の似た巡査部長を発見。職務質問したところ、痴漢行為を認めたという。処分は4月28日付。警務部は「警部補も巡査部長も勤務はまじめだった」と話している。《共同通信》
【神奈川県警】集団暴行時に写真撮影
神奈川県警厚木署集団警ら隊の暴行事件で、分隊長の巡査部長らが新入隊員の体毛をライターで焼く暴行を加えた際、写真が撮影されていたことが7日、分かった。
事件発覚後の同県警監察官室による関係者からの聴取で撮影が判明したが、写真そのものは確認されておらず、調査に備えて処分された疑いがあるという。
同県警は一連の不祥事のうち、この集団暴行と相模原南署の元巡査長の女子大生脅迫の2事件は、既に再捜査に着手、全容解明を急いでいる。
神奈川県警の調べでは、警ら隊の巡査部長ら4人が群馬県に派遣されていた今年3月6日、宿舎で飲酒中に、新入隊員4人の下着を下げさせて、体毛にライターの火を近づけた。この際、写真が撮影されていた。《共同通信》