平成3896日目

1999/09/08

この日のできごと(何の日)

【池袋通り魔殺人事件】

9月8日のできごと(何の日)「池袋通り魔事件」

8日午前11時40分ごろ、東京都豊島区東池袋1丁目の路上で、男が通行中の男性5人、女性3人を包丁で次々に刺すなどした。8人は病院へ運ばれたが、70歳ぐらいの女性が左わき腹を刺され、間もなく死亡した。男性(71)と女性(20)の2人が重傷。残る15歳から52歳までの男女5人も背中などを刺され、軽傷を負った。

男は通行人に取り押さえられ、警視庁池袋署は殺人未遂の現行犯で逮捕した。男は調べに「住所不定、無職、Z、23歳」と名乗り「仕事がなくイライラしてやった。刺したのは知らない人」などと供述しているという。同署は「通り魔」事件とみて、殺人容疑に切り替えて追及している。

調べでは、男は東急ハンズ池袋店から西へ約100メートルの路上で、男女8人を次々に刺すなどしたとみられる。取り押さえられた際、男はハンマーを持っていた。先の折れた包丁が近くの路上に落ちていた。

白昼の東京・池袋の繁華街で、男が次々に行き交う人たちを刺した。「一体何が起きたか分からない」。8日、都会の雑踏の中で起きた通り魔事件。通行人は悲鳴を上げて逃げ回り、凶行のあった現場周辺は騒然となった。

逮捕された男は「仕事がなくいらいらしていた」と供述した。現場近くのミシン店店員は「『助けてください』と通行人が店に駆け込んできた。外へ出ると、刃物で刺された人が血を流して倒れていた。白昼繁華街でこんな事件が起きるなんて」と驚いていた。

現場となった首都高5号池袋線近くのサンシャイン60階通りには正午前から次々と救急車が駆け付けた。

男に刺されたのは8人。男性5人、女性3人で年齢も15歳から70歳ぐらいまでばらばらだった。死亡した70歳前後の女性は左胸を刺されほぼ即死状態で、正午すぎに運ばれた病院で死亡が確認された。

東京・池袋の路上などで8日昼前に起きた通り魔事件で、現行犯逮捕された男は警視庁捜査一課と池袋署の調べで住所不定、元新聞配達員、Z容疑者(23)と確認され「約一週間前にだれでもいいから殺してやろうと決意した。池袋はゲームセンターに来ていたので知っていた」と供述した。同容疑者は販売店が借り上げたアバートに「人を殺す」といった内容の無差別殺人を予告する走り書きのメモを残していた。

背中を刺され重傷だった無職C子さん(29)=東京都練馬区=が同日午後、搬送先の病院で死亡し、死者は2人となった。他の6人は1人が重傷、5人が軽傷。また8人のほか男女2人が服を切られていたことが新たに判明、被害者は計10人となった。

捜査一課などは、4日から販売店に出勤しなくなっていることなどから、その後の行動や動機などをさらに詳しく追及している。

アパートに残されていたメモは「自分以外の人もぼけなすを殺しており、自分も殺す」といった内容という。

調べでは、Z容疑者は8日午前11時40分ごろ、豊島区東池袋1丁目の東急ハンズ池袋店正面の工スカレーター前で、死亡した無職A子さん(66)と重傷を負ったA子さんの夫で無職Bさん(71)の左わき腹などをいきなり刺した。直後に夫と一緒にいたA子さんの背中も刺した。C子さんとA子さん夫婦はともに買い物途中だった。

Z容疑者は両手にハンマーと包丁を持ったまま、JR池袋駅に向かって走りだし、東急ハンズから約100メートル西のカメラ店前で、男子高校生3人と男性会社員らを襲撃。さらに女性の背中をハンマーで殴り、駅方向へ逃走したところを追い掛けた通行人の男性2人に取り押さえられた。

凶器の包丁は刃の部分に穴の開いた家庭用で、刃渡り約16.5センチ。ハンマーと一緒に東急ハンズで2日前に購入したという。

勤務していた新聞販売店によると、Z容疑者は4月上京。就職情報誌で見つけた同販売店に就職した。

近くのアパートに住んで朝夕刊の配達を担当し「東京で働きたいので、広島から来た」と話していたが、今月4日から出勤せず、連絡が取れなくなった。

Z容疑者は、警視庁の調べに対し「仕事がなくイライラしていた。だれでもいいから殺そうと思った」と供述し、八つ当たり的犯行の側面が浮かび上がった。同僚とあまり話はせず、友人もいないようだったというZ容疑者。背景に「社会からの疎外感があるのではないか」と指摘する意見もある。「東京で働きたい」と上京し、寡黙でまじめに働いていた青年を一変させたものは何だったのか。

Z容疑者は岡山県倉敷市の県立高校を中退後、広島県などで塗装や染色などの仕事を転々とした。最後に勤めた会社を辞めたのは昨年2月だったという。「2年間在籍したが、二年の時はかなり欠菌が多かった」と県立高校の教頭は話す。

Z容疑者が新聞販売店に提出した履歴書の性格欄には「気分の高低はあまりない。音楽をよく聴きます」と書かれていた。仕事ぶりは熱心で、欠勤や配達先とのトラブルもなかったという。

販売店の同僚は「おとなしく物静かなタイプだった。仕事で言われたことには『はい、はい』と答え『不満もない』と話していた。あんな事件を起こすなんて考えてもみなかった」と信じられない様子。

「一人ぼっちという疎外感を持ち、社会にリベンジ(復しゅう)するため、無差別に殺傷するのが通り魔犯罪の特徴」と、犯罪学に詳しい福島章上智大教授(精神医学)。そして「捕まる可能性が高い繁華街で、あえて犯行に及ぶのは、自分の思いを大勢の人に見せつけるとともに、有名になってやろうという自己顕示性の表れだろう」と分析する。

犯罪社会学者の岩井弘融東洋大名誉教授は「不況が長引く中、社会全体の圧迫感なども背景にあるのではないか」と付け加えた。

Z容疑者のアパートには「女性アナウンサーに会いたい」という趣旨の走り書きが残っていたという。

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【ポルノグラフィティ】1stシングル「アポロ」発売

【ブルワーズ・野茂英雄投手】メジャー通算1000奪三振

米大リーグ、ブルワーズの野茂英雄投手は8日、ミルウォーキーで行われたダイヤモンドバックス戦に先発、一回に二番のベルをストレートで三振に仕留め、大リーグ147試合目の登板で通算1000奪三振を達成した。野茂はこの後、さらに4三振を奪って通算奪三振数を1004にまで伸ばしたが、七回途中までで被安打9、失点7で降板。ブルワーズは1−9で敗れ、野茂は7敗目(1勝)を喫して記録達成に花を添えることはできなかった。

ブルワーズの野茂が8日のダイヤモンドバックス戦で通算1000奪三振を達成した。あと一つに迫っていた一回、二番ベルのバットは5球目のストレートに空を切った。

記念の試合は七回途中まで投げて今季ワーストタイの7失点。7敗目にも、試合後はほっとしたような表情を浮かべていた。「意識していませんでした」。言葉とは裏腹な正直な気持ちが顔に現れていた。

クレメンス(ヤンキース)の143試合、グッデン(インディアンス)の145試合に次ぐ、147試合目での到達。

「ビッグな選手になりたいと思っていたけど、ここまで来られるとは予想してなかった」。

かつてのような三振の荒稼ぎはなくなったが、記録達成ペースが超一流投手たちと遜色ないことが、その剛腕を証明している。「(記録の重みは)引退してから感じればいい。これからもありますからね」。しばらくすると、淡々としたいつもの野茂の顔に戻っていた。《時事通信》

【サッカー】国際親善試合

サッカーの国際親善試合、キリンチャレンジ’99、日本代表−イラン代表は8日夜、横浜国際総合競技場に3万5860人の観衆を集めて行われ、1−1で引き分けた。

日本は前半10分、放ったシュートが相手の足に当たって入る奥(磐田)の幸運な代表初得点で先制したが、攻撃の組み立てがほとんどできず、苦しい展開。終始、主導権を握ったイランはバランスのいい攻撃を披露し、後半23分、エースのダエイ(ヘルタ・ベルリン)がゴール正面のFKを直接決めて追いついた。

両チームの通算対戦成績はこれで、イランの5勝3分け4敗となった。《共同通信》

【自民党、自由党、公明党】政策協議を開始

自民、自由、公明の3党は8日午後、政策責任者による連立政権発足に向けた政策協議を開始した。次回協議から、経済や安全保障、社会保障などの分野を中心に、具体的に検討テーマを校り込むことを確認。来年4月実施の介護保険制度について、高齢者に対する負担軽減策なども協議する方向となった。

しかし自由党は先に自民、公明両党で交わした政策合意の位置付けをめぐり異論を唱えたほか、衆院の定致削減問題を3党幹事長間の協議事項とすることには合意したものの、あくまでも連立政権発足前の決着を要求。自民党を間に挟んだ自由、公明両党の駆け引きは激化しそうだ。《共同通信》

【民主党代表選】鳩山、横路氏の選対発足

民主党代表選は8日、鳩山由紀夫、横路孝弘両陣営が都内で選対事務所開きなどを行い、選挙戦が本格化した。菅直人代表は同日午後の記者会見で、江田五月参院議員を代表世話人とする選対本部を10日に立ち上げる考えを表明した。

鳩山陣営は都内に選対事務所を設置。国会議員約30人が出席して代表選の支援組織となる「民主党を活性化する会」の初会合も開いて、会長に前田武志衆院議員を選出した。

鳩山氏は「チャレンジ精神で立ち上がる覚悟を決めた。協力いただきたい」と支持を求めた。これに先立って同氏は国会内で「ニューリベラル」(自立主義)を基本に「情報通信革命による経済再生」などを掲げた政策を発表した。

一方、横路陣営の選対事務所開きには久保亘・元蔵相、岩國哲人氏ら国会議員約15人が出席。元社会党書記長の赤松広隆氏が選対事務局長に就任した。岩國氏は同日までに、連合の鷲尾悦也会長に横路氏支持を伝えた。横路氏は「自民党との対抗軸について個性を出し、国民の不安を取り除く政策議論をしたい」と決意を表明した。《共同通信》

【民主党】「宗教と政治を考える会」発足

「心の時代と言われる21世紀に向け、政治と宗教の真の在り方を率直に問う」ことを目的に、民主党の議員有志が8日午後、都内で「宗教と政治を考える会」の設立総会を開いた。73人の国会議員が登録し、総会には27議員が出席。会長に熊谷弘、事務局長に末松義規各衆議院議員を選出、最高顧問に菅代表、羽田幹事長、鳩山幹事長代理が就任した。

会には、宗教団体などでつくる「四月会」の俵孝太郎代表幹事らや、新日本宗教団体連合会、全日本仏教会、立正佼成会平和研究所、佛所護念会教団などの代表が来賓として招かれた。

熊谷会長は、「欧米の有識者は今の日本の状態をワイマール共和国末期を連想させると危惧している」と述べた。また俵氏は「自民党経世会と池田大作氏が組んで暗黒の第一歩が始まった」と述べ、権力と結びついた宗教団体の危険性を指摘した。同会ではジャーナリストや学者を招いて勉強会や講演会を随時開いて、宗教への認識を深めていく予定だ。《民主党ニュース》

【東ティモール】国連派遣団、全面退避へ

国連東ティモール派遣団(UNAMET)は8日、騒乱状態が続く東ティモール全域からすべての職員を9日午前、オーストラリアへ空路退避させると表明した。戒厳令布告後も併合派民兵による襲撃がやまないためで、東ティモールでの国連の支援活動は重大な危機に直面している。

アラタス・インドネシア外相は8日、ジャカルタ入りした国連安全保障理事会の代表団と会談した後、11月の国民協議会(国権の最高機関)までは国際部隊を受け入れる意向がないと表明、治安の確保は当面、インドネシア国軍の対応にかかることになった。

独立派でノーベル平和賞受賞者のラモス・ホルタ氏は政府の姿勢を批判するとともに「国連撤退は住民の大虐殺への道につながる」と激しく非難した。《共同通信》

【三菱自動車】ギャラン生産、米に集約へ

三菱自動車工業は8日、看板車種「ギャラン」の生産を販売が好調な米国に集約するとともに、ギャランとスポーツタイプ車、RV(レジャー用多目的車)の3車種の基本構造部分(車台)を米国で共有化し、生産コストを削減する方向で検討に入ったことを明らかにした。

ギャランが次世代型に切り替わる平成16年ごろがめどで、看板車種の生産を海外に集約するのは日本の自動車メーカーでは初の試み。ギャランは現在、国内では愛知県岡崎市の工場で生産されている。

米国は好況が続き、新車需要が拡大している。ギャランの世界での販売台数(生産台数もほぼ同じ)は年間計約8万5000台で、うち日本国内は2割に達しないが、米国は5割以上。国内需要の低迷に苦しむ三菱自動車は、米国の生産・販売体制を抜本的に見直し、強化することで収益力向上を図る。《共同通信》



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