平成3853日目
1999/07/27
この日のできごと(何の日)
【フェリーむろと座礁事故】「
27日午前4時40分ごろ、高知県東洋町甲浦の甲浦港の沖合約200メートルの浅瀬に大阪南港発甲浦、足摺岬行きの「フェリーむろと」(高知シーライン、乗客122人、乗員36人、6472トン)が座礁した。高知海上保安部などから巡視船4隻とヘリコプターが現場に向かった。乗客乗員は全員無事で、けが人などはないという。
事故当時、現場付近は台風5号の影響で風雨が強く、波も高かったという。同保安部と室戸署、室戸市消防本部などは同日午前9時半ごろからゴムボートを使い、乗客の救出作業を開始。高知海上保安部によると、正午現在で、100人以上を救出した。
同保安部などによると、フェリーは甲浦港に着岸する際に一度失敗し、やり直すために沖に出たところを風にあおられたらしい。機関室に浸水して動けない状態だが、沈没する恐れはないという。同保安部が乗組員から座礁した当時の状況などを聴いて原因を調べている。
現場付近は4メートルを超える高波が続き、比較的穏やかなフェリーの風下側から約30メートルの海岸までロープが張られ、乗客らはロープに沿って次々に運ばれ近くのホテルに収容されている。
乗客のうち、ボートに乗るのが困難な妊娠した女性や高齢者などはヘリコプターでつり上げられ、近くの海岸に降ろされた。
高知地方気象台によると、台風5号の影響で高知県内全域で雨と風が強く、室戸岬で27日午前3時45分、最大瞬間風速29.9メートルを観測。午前5時すぎには県内全域に大雨洪水警報が発令された。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【東京都調布市】TBS記者がのぞき
TBS(東京放送)報道局の記者が民家の庭に侵入し、女性の入浴場面をビデオ撮影しているところを発見され、27日、警視庁調布署に住居侵入で現行犯逮捕された。同社では今月初めにも報道製作局長(当時)が痴漢行為を働き逮捕されたばかり。同社は27日付でこの記者を無期限の休職処分とするとともに、社内に再発防止のための倫理委員会を設置した。
逮捕されたのは報道局社会部の警視庁担当記者、A容疑者(32)。同署の調べによると、同容疑者は、26日午後11時50分ごろ、東京都調布市内の民家の庭に侵入し、ふろ場で入浴中の女性を、約10分間にわたり、持っていたビデオカメラで撮影した。
たまたま戸外に出ていた女性の父親が物音に気付き、同容疑者を発見。同容疑者は庭を囲む塀を乗り越えて逃げたが、近くの路上で取り押さえられたという。
調べに対し、同容疑者は「取材の途中だった」などと供述、撮影のため侵入したことを認めているという。《読売新聞》
【TBS】男性アナ降板
TBSは27日、写真週刊誌にみだらな写真を掲載された同局の男性アナウンサー(27)に対し、アナウンスセンター長名で厳重注意し、テレビ、ラジオへの出演を無期限停止とした。
このアナウンサーは同日発売の写真週刊誌「フラッシュ」に、東京都内のマンションの一室で下着姿でいかがわしいポーズをとっているところを掲載された。TBSは「局の信頼を傷つける軽率な行動」と判断。アナウンサーも事実を認めたため、今回の措置を決めた。
このアナウンサーは、深夜の情報バラエティー番組にレギュラー出演していたが、同日付で番組を降板。ラジオの数本のレギュラー番組からもはずれる。《読売新聞》
【プロ野球オールスター第3戦】全セ2-1全パ
1999年のプロ野球、サンヨーオールスターゲーム第3戦は27日、初開催の倉敷マスカットスタジアムで行われ、全セントラルが2−1で全パシフィックを下し、全セとしては63年以来の3連戦3連勝を飾った。最優秀選手には2打点を挙げた阪神の新庄が選ばれた。阪神からのMVPは93年の第2戦のオマリー以来。
台風5号の影響による雨の中で試合は続けられ、全セは三回一死三塁で新庄の中前打で先制、六回には新庄の左本塁打でリードを広げた。全パは七回に1点を返したが届かず、97年の第2戦から1分けを挟んで5連敗となった。《共同通信》
【小渕恵三首相】司法改革に前向き
小渕恵三首相は27日午後、司法制度改革審議会の発足について「21世紀を前に国民の権利を守るよう、司法制度の在り方を抜本的に改革できるよう有識者の審議会ができたことは意義深い。答申を得られれば、改革のため必要な措置を内閣としてやらせていただきたい」と述べ、司法改革に前向きに取り組む考えを強調した。《共同通信》
【平成11年版防衛白書】北朝鮮ミサイルに懸念
野呂田芳成防衛庁長官は27日の閣議に、平成11年版の防衛白書を報告、了承された。白書は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の弾道ミサイル開発について独立した章を設け、発射準備が進むとされるテポドン2号を念頭に「長射程化の一層の進展が予想される」と、急速度での開発に強い懸念を表明している。
日本が直接武力攻撃を受けた際の有事法制では、昨年の白書にあった「法制化は高度の政治判断にかかわり、国会の議論や世論の動向を踏まえて対応すべきだ」との表現を削除、法整備に向けて一歩踏み込む姿勢をにじませた。
北朝鮮のミサイル開発では「核兵器開発疑惑と相まって、アジア太平洋だけでなく国際社会全体に不安定をもたらす」と指摘。①日本のほぼ全域を射程内にできる射程1300キロのノドンは開発を完了、配備している可能性が高い②昨年8月に発射した射程1500キロ以上のテポドン1号は、開発が急速に進展している③射程3500−6000キロのテポドン2号も開発中とされる―と分析した。
急速な開発の背景には「外部からの資材・技術の北朝鮮への流入がある」と推測。ミサイル本体や関連技術の第三国への「移転・拡散の恐れ」にも言及した。
こうした弾道ミサイルを迎撃する戦域ミサイル防衛(TMD)構想に触れて、「防衛政策上の重要な課題であり、日米安保体制の信頼性の向上に資する」と日米共同技術研究推進の重要性を強調した。
日本有事に自衛隊の活動を円滑にする有事法制については「整備されることが望ましい。政府全体で取り組むことが必要だ」などと指摘。「旧憲法下の戒厳令や徴兵制はあり得ないし、言論統制などの措置も検討の対象としていない」とも強調している。
国連平和維持軍(PKF)の本体業務の凍結解除についても「積極的に進めていきたい」と、前年白書の「慎重に検討する」との姿勢から大きく踏み込んだ。
中国については「核戦力や海・空軍力の近代化の推進、海洋での活動範囲の拡大に注目する必要がある」と指摘し、国防政策や軍事力の透明性確保を要求している。《共同通信》
【日米韓】外相会談
日米韓3国は27日午前(日本時間同)シンガポールのホテルで外相会談を行い、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のミサイル再発射について「北朝鮮に深刻な否定的結果をもたらす」との強い警告を盛り込んだ声明を共同発表した。
高村正彦外相、オルブライト米国務長官、洪淳瑛・韓国外交通商相はまた、ミサイル問題などを一括して取り上げる「包括的かつ統合されたアプローチ」を北朝鮮が受け入れるよう呼び掛けた。
さらに声明では、朝鮮半島情勢の安定と平和のカギは南北和解および、北朝鮮と日韓など関係国との緊張緩和による「前向きで建設的な関係」の構築にあるとの見解で一致したと強調、北朝鮮側の努力を強く求めた。
朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)を中心とする枠組み合意については、核開発阻止の面から重要であることを確認した。この点について高村外相は、会談後の記者会見で「ミサイル発射があれば日本の国民感情からKEDOへの協力は大変難しくなる」と強調。ミサイル再発射の場合の追加的制裁措置として「モノ、カネ、人の動きに何らかの規制をすることはあり得る」と説明した。
声明では「ミサイルの発射または人工衛星の打ち上げの可能性に懸念」を表明。人工衛星であっても、ミサイル脅威には変わりなく、許容できないとの三国の立場を明確にした。再発射は朝鮮半島ばかりでなく、広い地域の「平和と安定に悪影響」を及ぼすと指摘し、発射中止によって前向きの関係構築の選択を追っている。《共同通信》
【民主党部落解放推進委員会】人権行政の改革を首相官邸に申し入れ
民主党の羽田幹事長と党部落解放推進委員会のメンバーが27日、首相官邸に野中広務官房長官を訪ね、「人権行政の改革に関する申し入れ」を行った。政府の人権擁護推進審議会の人権教育啓発に関する答申のとりまとめに先だったもので、党部落解放推進委員会の中野寛成委員長、吉田之久顧問、仙谷由人事務局長、前川忠夫副委員長、北村哲男事務局次長・佐藤泰介事務局次長、石毛子副事務局長、福山哲郎副事務局長が同行した。
申し入れの内容は、1.内閣府に総合調整機能をもった人権政策推進部局を設置する 2.人権教育のための国連10年国内行動計画を発展させる法的措置を講じる 3.国連パリ原則にもとづく独立した国内人権救済機関の設置するの3点。羽田幹事長は、申入書を官房長官に手渡し、「人権問題は国が責任を持って解決すべき課題であり、内閣府に総合調整機能をもった担当部局を置くべき。人権教育啓発に関する法的措置は必要だ」と要請した。
野中官房長官は、「内閣府については省庁再編法が成立したばかりで内容変更できないが、教育啓発への行財政措置は必要だ」との認識を示したが、法的措置については、「みなさんの意向について伝えたい」と述べるにとどまった。
政府の人権擁護推進審議会は、この7月29日にも人権教育・人権啓発のあり方に関する答申を出す予定で、部落解放同盟をはじめ多くの人権NGOが法的措置を含む答申策定を求めて活発に活動している。《民主党ニュース》
【組織犯罪対策3法案】参議院法務委で参考人質疑
民主党が強く反対している通信傍受(盗聴)法案など組織犯罪対策3法案を審議する参議院法務委員会は27日、NTTやインターネットの接続業者など大手の通信事業者4社を参考人に招いて質疑を行った。同法案をめぐり通信事業者が参考人として国会で意見を述べるのは今回が初めてだが、いずれの参考人からも法案の実効性への疑問や技術的な課題が突き付けられた。
(株)東京デジタルホンの桑折恭一郎・専務取締役技術本部長は、PDCと呼ばれる日本規格の移動体通信システムを説明した。続いてNTT出身で通信技術に詳しい内藤正光議員は、技術的な質問を通して、一般電話と携帯電話の違いを整理した。
まず「携帯端末-基地局」間の無線部分を傍受できるか質問。桑折氏は「特定の回線を探し出すこと自体が難しいし、また見つけ出しても音声はデジタル方式で特殊な形で圧縮されており、解読は全く不可能だ」と説明した。
さらに、内藤議員が「携帯電話の場合は受信側を待ち受けての傍受は可能か」と尋ねたのに対し、桑折氏は「理論的には可能。ただ発信場所の特定が必要だ。どの基地局の、どの無線機のチャンネルか、送信方式はどうかなど、現実には使用回線の特定に非常に時間がかかる。また移動した場合は使用回線自体が変わるので、努力がムダになる」と強調した。
それを受けて内藤議員は「容疑者が携帯端末から発信した場合、通信傍受できる可能性がない」「固定電話と違って、数百本の中から一本一本回線を特定しなければならず、時間がかかって実効上傍受はムリ」とまとめ、盗聴法案が携帯端末の傍受には実効性が全くないことを指摘した。
午後の質疑で、日本インターネット協会会長も務める東京インターネットの高橋徹上級顧問(元社長)がインターネットの概念や発達の歴史からひもときながら、組織犯罪に利用される危険性、対処方法について考えを述べた。その中で、通信傍受の問題点について高橋氏は、「電気通信事業法の下での事業で、絶対的な前提である『通信の秘密』を覆す恐れがあり、また不特定多数のユーザーのプライバシーを侵す可能性が大きい」と指摘、慎重な審議を求めた。
質問に立った海野徹議員はまず、インターネット利用の企業戦略や国家安全保障機関によるネット上の諜報活動など、今アメリカで起きている事例を示した上で、プロバイダーとインターネット間の専用線が傍受される可能性について質問した。
高橋氏は「情報量が非常に大きいので全く難しい。莫大な予算をかけても全てを調査するのはムリ」とし、ニフティの本名信雄・取締役サービス企画統括部長代理も「上流(基幹回線)にいくほど情報量は増大する。それを傍受しても、ほんの断片的なものしかとれない」と指摘した。また暗号化された電子メールを解読する可能性について、高橋氏は「多くの独自なアルゴリズム(暗号解読の手順)があるので非常に難しい」と技術的な観点から説明。
さらに海野議員が「政府による暗号技術に対する規制の動き」を指摘したのに対し、高橋氏は「規制によって第三者に見られる危惧から、インターネットの発展が阻害される」とし、また本名氏は「規制してもアンダーグラウンドで暗号化されれば、法そのものに意味がない」とそれぞれ否定的な見解を示した。《民主党ニュース》
【民主党】コンピュータ西暦2000年問題対策本部を設置
民主党は27日の常任幹事会で、「コンピュータ西暦2000年問題対策本部」を設置することを決めた。これまで政策面の検討を進めてきた小委員会から格上げして、運動面を強化することが狙い。
対策本部では、まず党内の認識を高めるとともに、秋の地方議会での一斉質問や国会での質問や質問趣意書の提出など、「危機管理対策」を主眼に活動していく。役員は本部長に鳩山由紀夫幹事長代理、事務局長に樽床伸二国民運動委員長、事務局次長に福山哲郎参議院議員。《民主党ニュース》