平成3834日目
1999/07/08
この日のできごと(何の日)
【オウム真理教】拠点退去へ
オウム真理教広報部、法務部などが入居している東京都足立区谷中の建設会社ビル(3階建て)をめぐり、東京地裁は8日、ビルを所有する家族3人による自己破産申立てを認める決定をした。破産管財人には教団の破産管財人も務めている元日弁連会長阿部三郎弁護士を選任。同弁護士は今後、訴訟などを通じ教団側に明け渡しを求めていく方針。
これに対し、教団の広報部は同日夜、「管財人の法的手続きには従うつもりだ。ただ、移転には準備が必要で、そのための猶予はいただきたい」とのコメントを発表、退去に応じる考えを明らかにした。
阿部弁護士は選任後、ビルが第三者に転売されないよう占有移転禁止の仮処分を申し立て、東京地裁は正午すぎ、現地に執行官を派遣、執行した。同弁護士は足立区の鈴木恒年区長と会談し「オウムと裁判になる可能性がある。地元の行政や住民と連携し、いい結果を出したい」と協力を要請。鈴木区長も「できることはすべてやっていく」と応じた。
足立区などによると、ビル所在地に住民登録している教団関係者は20人。鈴木区長は今後の住民登録について「法的には許されないかもしれないが、断る気持ちだ」との考えを示した。
ビルの登記などによると、教団関係者は平成10年6月、3年契約で所有者からビルを借りていた人物から「また貸し」の形で入居した。周辺住民は教団立ち退きなどを求める署名活動を展開、足立区も7月中にオウム対策本部を設置する見通し。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【大相撲名古屋場所】5日目
大相撲名古屋場所5日目(8日・愛知県体育館)前日に続いて横綱、大関がそろって勝った。横綱曙は琴錦を危なげなく寄り切って5連勝。横綱貴乃花は初顔の雅山を、新横綱の武蔵丸は小結土佐ノ海を、ともに寄り切りで下して4勝1敗とした。大関貴ノ浪は小結千代天山、かど番大関千代大海も若の里をそれぞれ退けて、4勝目を挙げた。魁皇は栃東との関脇対決に敗れて3敗目を喫し、今場所の大関とりが厳しくなった。関脇出島は安芸乃島に勝って4勝1敗にした。全勝は曙と再入幕の和歌乃山の2人。《共同通信》
【自民党・森喜朗幹事長】豪・ハワード首相と会談
自民党の森喜朗幹事長は8日午後、東京・元赤坂の迎賓館でオーストラリアのハワード首相と会談した。ハワード首相は9月に予定される党総裁選について、森幹事長が不出馬を決めた理由をたずねたのに対し、森幹事長は「自分は小渕首相が投げるボールを受け止めるキャッチャーだ」と語り、当面は与党幹事長として小渕首相を支える意向を強調した。
党総裁選について、森幹事長は小渕恵三首相(党総裁)の再選が濃厚との見方を示した上で「相手次第だろう」と語り、出馬に意欲を見せる加藤紘一党前幹事長らの動向を注視する姿勢を示した。
約45分の会談はもっぱら、ハワード首相が日本の政局の行方を質問する流れで進んだ。一方で森氏が、8年前に同首相が加藤氏と会談したことに触れ、党総裁選に関する加藤氏の発言をたずねたのに対し、同首相が「自分が党総裁選の候補者の一人だと言っていた」とこたえる場面もあった。《共同通信》
【青森県、岩手県】整備新幹線の並行在来線対策で一致
青森県の木村守男知事と岩手県の増田寛也知事は8日、盛岡以北の整備新幹線の建設促進と、開業に伴い経営分離される並行在来線対策などについて岩手県庁で会談し、並行在来線の経営区間を県境で分離し、経営主体は両県がそれぞれ第三セクターなどを設立、運営することで合意した。両県とも今秋までに具体的な基本方針を策定する予定である。
両知事は、並行在来線の経営安定のため、鉄道資産の譲渡や分離後の財政支援を国などに要望するとともに、JR貨物にも貨物輸送での適正な線路使用料などを求めていくことで一致した。《北國新聞》
【中央省庁改革法・地方分権整備法】成立
2001年1月からの1府12省庁体制への再編と内閣機能強化を柱とする中央省庁改革関連法と、機関委任事務を廃止して中央から地方へ権限を移し「対等・協力」関係への転換を目指す地方分権整備法が8日午後、参院本会議でそれぞれ賛成多数で可決、成立した。
行革と地方分権の推進によって、明治以来の中央集権を打破し21世紀に向けた行政システムが本格化する。省庁改革法には自民、自由、公明、社民各党などが賛成、分権法には民主党・新緑風会も賛成に回り、共産党は両法に反対した。《共同通信》
◇
中央省庁等改革関連17法案と地方分権一括法案の質疑が8日午前の参院・行革税制等特別委員会で終わり、討論・採決の結果、政府案がいずれも可決された。引き続いて午後から行われた参議院本会議でも両法案共に賛成多数で可決、成立した。民主党・新緑風会は、中央省庁等改革法案には反対、地方分権一括法案には賛成した。
午前中の委員会では、締め括り総括質疑に続き討論が行われ、まず中央省庁等改革法案に対して、民主党・新緑風会から川橋幸子議員が討論に立った。
川橋議員は「政府案は、巨大官庁を生み出すだけの数合わせ、形式づくりにすぎない」と、行政改革が官僚依存で行われ、国民の大きな失望を招いたことを痛烈に批判し、政府案に反対を表明した。
続く地方分権一括法案の討論では、藤井俊男議員が「自治事務に対する是正要求については、国は限定的・抑制的に発動すべきものと明確になった。また法定受託事務についての行政不服審査のあり方については、私人の権利救済を優先するあまり、地方分権の基本的趣旨が没却されかねない危惧は残るものの、今後の課題として明確になった」と審議経過を総括し、賛成の意を示した。採決の結果、両法案はいずれも賛成多数で可決された。
可決後、朝日俊弘議員が地方分権一括法案に対して、是正措置要求に対する関与の限定、紛争処理に対する中立性確保、地方税財源の抜本的見直しなど20項目の附帯決議を共同提案し、議決された。
午後からの参議院本会議では、福山哲郎議員が中央省庁改革法案に反対討論を行った。
福山議員は「『簡素・効率・透明』な行政実現の公約から政府案はあまりにもかけ離れている。太田総務庁長官みずから、本法案で直接スリム化が実現できるということでないと認めている」と既得権益が温存され、官僚依存が残る政府案を批判した。
具体的問題点として、(1)21世紀の日本の方向性・基本理念の欠如(2)数合わせが至上命題となり実質的行革が行われなかった(3)巨大官庁・国土交通省は地方分権に逆行(4)財政・金融分離問題が未決着(5)公務員の25%削減はごまかし(6)総理大臣の指導性が発揮できず、官僚支配の制度が温存される―――と指摘。最後に「欠陥だらけの政府案に反対。私たちは国民主権にかなった行政体制の実現に邁進する」と民主党の立場を強調した。
両法案の成立について、民主党は同日「地方分権一括法案の成立は歓迎するが、行革関連法案については強い怒りを持って抗議する」との談話を中野寛成政調会長が発表した。談話では、行革関連17法案について「全く行政改革の体をなしていない」と痛烈に批判。「現政権では真の行政改革を実現することが不可能」と述べ、さらに「我々が新しい行政制度、新しい『この国のかたち』を示し、政権獲得を通じてこれを実現していくことが国民に対する政治の責任」と決意を示した。《民主党ニュース》
【小渕恵三首相】「未来への架け橋」
小渕恵三首相は8日午後、中央省庁等改革関連法案と地方分権整備法案が参院行財政改革・税制特別委員会で可決されたことを受けて「橋本前内閣から引き継いだものだが、この国をどうするかという重要な法案だ。明治維新以来の大改革で、21世紀に向けた未来への懸け橋になると思う」と述べた。《共同通信》
【民主党・男女共同参画委員会】「一日所長はミス○○女性ばかり」
民主党の男女共同参画委員会の笹野貞子委員長ら6名の議員が8日、首相官邸に野中官房長官を訪ね、総務庁が行政相談所の活動をPRするため、毎年秋に地方自治体と協力して全国各地で実施している「一日所長」の選出方法を改善するよう申し入れた。
同委員会の調査では、半数以上がミスコンテストの入賞者。笹野議員は「性別による固定的な役割分担は、男女共同参画基本法の理念違反する」と指摘した。これに対し、野中長官は「地方行政に国がタッチすべきではないが、ちゃんとすべき問題だ」と述べた。《民主党ニュース》
【衆院内閣委員会】国旗国歌法案で公聴会
日の丸と君が代を法制化する国旗国歌法案を審議している衆議院内閣委員会は8日、中央公聴会を開催し、民主党推薦の上杉聡氏(関西大学文学部講師)など6氏から意見をきいた。
上杉氏は、アジア各国の新聞や教科書など記述を紹介しながら「現在でもアジアの人々は日の丸に対して不快感を持っている。若い世代は負のイメージを持っている日の丸を掲げる負担を背負うことになる。このようなことを国会が簡単に決めて「いのか」と述べた。
また君が代については「政府見解の『代=国』とは漢和辞典にもない。代が国なら、千代に八千代には意味不明。百歩譲って仮にそうだとしても、天皇を象徴とした国がいつまでも続くようにという意味は、憲法改正を保障している日本国憲法に違反することにならないか」と指摘した。
質問に立った北村哲男議員が「成文法にすることで政争の具となり、かえって国旗国歌の安定性を損ねないか」と尋ねたのに対し、小林節・慶大教授(自民党推薦)は、「事実として裏付けのある慣習法を成文化するので、ますます揺るがぬものとなると思う」と述べた。
午後の質疑で、佐々木秀典議員が「法律化されれば改正したり廃止することもできるが、それは法制化推進の立場には本意ではないのでは」と質問したのに対し、百地章・日大教授(自由党推薦)は「私も最初は成文法至上主義には反対したが、教師の中に明文の法的根拠がないとの理由で日の丸・君が代に反対し、批判教育がされている以上、これらの人たちを説得するには法制化しかない」と答えた。しかし、元中学校教員の北村小夜さん(社民党推薦)は「教師は機械的に教えるだけになり、教育内容はますます空洞化するだけ」と反論。教育現場に与える影響についての見解は二つに分かれた。
民主党では13日に所属参議院議員からの意見をきいた上で、菅代表と羽田幹事長が対応を決める方針。《民主党ニュース》
【ユーゴスラビア】反政府集会
ユーゴスラビア南東部のプロクプリエで8日、約4000人の市民が参加し、ミロシェビッチ大統領の退陣を求める野党連合「変革のための同盟」主催の反政府集会が開かれた。近くで同時に予定されていた与党セルビア社会党主催の政府支持派集会は、直前に中止となったが、発砲騒ぎなどで付近は一時騒然となった。
与党の集会は最近勢いを増している野党の集会に対抗する狙いで計画され、双方の大規模な衝突が懸念されていた。中止の理由は不明だが、会場には年金生活者ら数十人が集まっただけだった。反政府集会では、指導者の一人、ジンジッチ民主党党首が「(政府支持者を)われわれの側につけなければならない」と演説。参加者からは「(ミロシェビッチ)辞めろ」の連呼が響いた。《共同通信》