平成3835日目

1999/07/09

この日のできごと(何の日)

【坂本弁護士一家殺害事件】坂本さちよさん「国民全体で考えて」

オウム真理教に殺害された坂本堤弁護士一家の遺族が、教団と元幹部6人に約4億9000万円の損害賠償を求めた訴訟で、原告側の最終意見陳述が9日、横浜地裁(中野哲弘裁判長)で行われた。

この日は、被告のうち唯一、事実関係を争っていた新実智光被告(35)が、請求を受け入れる「認諾」の手続きに入ったことを確認、3年半にわたった訴訟は、判決なしに原告側の全面勝訴で終了した。

1996年3月の第1回弁論以来、公の場でほとんど発言してこなかった坂本弁護士の母・さちよさん(67)は、「裁判の中で、オウムの人たちにも、人間の心を見ることができるかも知れないと思ってきたが、それが全く無かった」と無念の思いを語った。

約3年3か月ぶりに法廷に立ったさちよさんは、第一回弁論のときとは対照的に、落ち着いた様子で淡々と話し始めた。しかし、約5分間の陳述では「信者は本当に人間の心を持っているのか」と声を高める場面もあり、最後は「オウムが膨れ上がっていく状態を見ると、どうしてこうなるのか疑問が残る。私は何もできないので、国民全体で考えてほしい」と訴えた。《読売新聞》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

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【京大病院】世界初「生体ドミノ分割肝移植」

京都大病院(京都市左京区)は9日午前、アミロイド・ポリニューロパシー(FAP)の熊本県の男性に兄の肝臓の一部を移植、男性の肝臓を摘出の際に分割し、2人の重い肝臓病の女性に移植する生体ドミノ分割肝移植を行った。

手術は順調に経過し、兄弟間の生体肝移植は同日中に終了、2人の女性への移植手術も始まった。10日朝にはすべての手術が終了する見込み。《共同通信》

【大相撲名古屋場所】6日目

大相撲名古屋場所6日目(9日・愛知県体育館)この日も横綱、大関陣はそろって白星。横綱曙は闘牙を押し出し、平幕の和歌乃山とともに初日から6連勝。横綱貴乃花は小結千代天山を引き落とし、横綱武蔵丸は貴闘力を押し出してともに5勝目を挙げた。両大関も1敗をキープ。かど番の千代大海は関脇栃東を押し出した。関脇出島は5勝目をマークしたが、関脇魁皇は琴錦に負けて4敗となり、今場所後の大関昇進はほぼ消えた。《共同通信》

【杉良太郎さん、伍代夏子さん】交際宣言

俳優の杉良太郎さん(54)と、演歌歌手の伍代夏子さん(37)が9日夜、東京都港区の杉さんの所属事務所で、そろって記者会見し「いい付き合いを続けている。来年春には結婚できればいい、と考えている」と語った。2人によると、芝居好きの伍代さんが杉さんの舞台を見るようになったことから、付き合いが始まった。昨年末、杉さんが離婚、その後交際が親密になったという。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・自民党の森喜朗幹事長は9日の記者会見で、自自公連立に絡んで一時浮上した総選挙での自民、自由、公明の「比例代表統一名簿」構想について「そういう事も一つの考え方だがデメリットもたくさんある」。選挙協力についても「政党が違うととても難しい」と弱気な発言で、「どうしたらできるだろうかという探り合いみたいな話し合いを(各党で)している。何か良い方法があれば、むしろ皆さんから教えてもらいたい」と記者団に妙案を募集するほど。選挙協力協議の迷走は確実?《共同通信》

【小渕恵三首相】中国首脳と会談


https://www.kantei.go.jp/

小渕恵三首相は9日、北京市内で中国の朱鎔基首相、江沢民国家主席、李鵬全人代常務委員長と相次いで会談した。朱首相との会談で小渕首相は、日米防衛協力のための新指針(ガイドライン)関連法に関連して「中国との友好関係は重要な国益として重視していく」と強調。同関連法の運用にあたり中国に配慮する考えを伝えた。

朱首相は「日米安保協力の問題は当面中国として懸念している。協力の範囲から台湾は外されるべきだ」と指摘し、「日本は今後行動で(小渕首相の)発言の趣旨を実証してほしい」と日本の対応を注視する姿勢を示した。《共同通信》

【東京都】「側近の副知事」否決

東京都の石原慎太郎知事が提案し、継続審議となっていた浜渦武生特別秘書(51)の副知事案について、9日午後開かれた都議会総務委員会は採決の結果、否決した。14日の都議会本会議で報告され、あらためて採決するが否決の見通し。石原知事にとって側近の登用を妨げられた上、副知事2人体制を強いられるなど都政運営上手痛い失点となった。

同知事は9日の定例会見で「主戦投手のひとりとして使おうという考えは変わらない。何度でも出しますよ」と9月に予定される次の議会に浜渦氏の副知事案を再提案する意向を示した。《共同通信》

【関西空港】2期工事で埋め立て認可

関西空港に2本目の滑走路を建設する2期工事について、運輸、建設両省は9日、埋め立てを認める環境庁の意見書提出を受けて、大阪府が申請していた公有水面埋め立てを認可した。大阪府は即日、事業主体の関西国際空港用地造成会社に埋め立て免許を交付、14日に造成工事に着手する。

総事業費1兆5600億円の巨大プロジェクトが本格始動するが、首都圏と比べて少ない関西圏の航空需要で滑走路増設による発着枠拡大に見合うだけの乗り入れ便数を確保できるかが最大の課題だ。

2期工事は、現在3500メートル滑走路1本の関空(約510ヘクタール)の沖合約545ヘクタールを埋め立て、4000メートル平行滑走路を新設する計画。新滑走路は平成19年10月の供用開始を目指す。

現在16万回の同空港の年間発着能力は、新滑走路の供用で18万回に、工事がすべて完了する23年には23万回に増える。

総事業費の内訳は用地造成が1兆1400億円、施設整備が4200億円。出資金は約3割で、約7割は国や地元自治体からの借入金や政府保証債などで賄う。《共同通信》

【大蔵省・榊原英資前財務官】退任会見

為替市場に対する積極的な口先介入で平成7年の「超円高」を是正し、「ミスター円」の名で世界に知られた大蔵省の榊原英資前財務官が9日、大蔵省で退任会見した。榊原氏は「日本やアジアに危機が訪れ、やりがいがあった。私は舞台から降りる」と述べ、国際金融局(現国際局)の局長時代から4年間にわたる国際金融政策のトッブとしての日々を振り返った。

「ロシアの危機が南米や米国にも波及した10年9−10月ごろは、世界にとって大変な危機だった」と在任中に訪れた最大の危機を回顧し「当面の危機は収まった。こういう時期に辞めることができるのは幸せだ」と述べた。

たびたびの外国為替市場への介入については「市場と対話しただけで、操作を行ったことは一度もない。最終的には市場が決めることだ」と持論を展開。先に日本の円売りドル買い介入に批判的な発言をしたサマーズ米財務長官に関しても「われわれが市場を操作していない、と思っているはず」と、日米の協調関係に揺るぎなしと強調した。

後任の黒田東彦新財務官を「しんが強い人。私よりタフな財務官だ」と紹介。アジアの経済安定に向けた新宮澤構想の実行などが今後の課題とした。

榊原氏は9日、大蔵省顧問に就任。今後の進路について「当面は黒田氏を後ろから支える。その後はいろいろな話が来ているので、真剣に考えたい」と語った。《共同通信》

【第三セクター鉄道】8割赤字

運輸省が9日発表した全国の第三セクター鉄道38社の平成10年度決算(速報値)によると、経常収支が赤字の会社は前年度より1社減り、全体の約8割に当たる30社となった。赤字総額は過去最高の33億6400万円(前年度30億7200万円)に拡大した。

少子化による通学利用者の減少や、昨年7月から10月にかけての台風、長雨による旅客収入の伸び悩みが主な原因。

黒字会社は阿武隈急行(宮城・福島)、北越急行(新潟)、愛知環状鉄道(愛知)、伊勢鉄道(三重)、智頭急行(兵庫・岡山・鳥取)、甘木鉄道(福岡・佐賀)、平成筑豊鉄道(福岡)、松浦鉄道(長崎・佐賀)の8社。智頭急行と平成筑豊鉄道が黒字に転換した。

黒字の最高額は、ビジネス客の利用が好調だった智頭急行の3億8600万円。赤字の最高額は、車両購入費などが響いた北近畿タンゴ鉄道(京都・兵庫)の4億8300万円だった。《共同通信》

【狭山事件】第2次再審請求棄却

埼玉県狭山市で昭和38年5月、女子高生=当時(16)=が殺害された「狭山事件」で、無期懲役刑が確定した石川一雄元被告(60)=平成6年仮釈放=の第2次再審請求審で、東京高裁(高木俊夫裁判長)は9日までに、「新証拠によっても、確定判決の事実認定に合理的な疑いを抱かせ、その認定を覆すに足るとは認められない」として請求を棄却する決定を下し、関係者に通知した。石川元被側は決定を不服として、12日に同高裁に異議申し立てする。

昭和61年8月に第2次再審請求をしてから13年ぶり。特別抗告審の決定まで7年9カ月を費やした第1次請求に続き、今回も再審の扉は開かなかった。

再審理由として弁護団は、①「身代金要求の脅迫状は逮捕後に石川元被告が書いた上申書に比べ文章能カの高い別人が書いた」とする新たな鑑定書②「自白を基に石川元被告の自宅のかもいから見つかったとされる女子高生の万年筆は最初の捜索時になかった」とする元警察官の供述調書―などを新証拠として提出。自白は信用できず、証拠のでっちあげが行われたと主張していた。

これに対し、決定は「捜査官の目を強く意識しながら書いたものが、事件当時の元被告の通常の文章能力を現しているとみるのは疑問」と判断。元警察官の調書については「捜索から20年余りを経た後の供述で、確かな記憶に基づくものかは疑わしい」とした。

「私は無実であります。許せない気持ちでいっぱいです」。9日夜、狭山事件で第2次再審請求棄却の決定に、石川さんは東京都内で記者会見し、時々声を震わせながら用意したメモを読み上げた。

会見には弁護団事務局の中山武敏弁護士らが同席。薄緑色のスーツ姿の石川さんは顔を紅潮させ、ノート用紙2枚に書き上げたメモを報道陣に示した。

石川さんは「裁判長を信じていたが、このような判断を出され、驚くとともに何に頼っていいか戸惑う」と語り「無実の証拠、あるいは証言が得られているにもかかわらず不当な棄却決定を出した」と裁判所を厳しく批判した。《共同通信》



7月9日 その日のできごと(何の日)