平成3825日目

1999/06/29

この日のできごと(何の日)

【中国・九州地方豪雨災害】

活発な梅雨前線の影響で29日、九州北部や中国地方を中心に西日本で局地的な豪雨となった。広島県内で土砂崩れが相次ぎ、福岡市ではビルの地下に雨水が流れ込んで女性が水死するなど被害は拡大した。30日午前1時現在の共同通信のまとめでは、岡山、広島、山口、福岡、長崎の5県で計12人が死亡、岡山、広島、島根で計24人が行方不明となった。

また、大しけの三重県鳥羽市沖の伊良湖水道付近で同日夕、貨物船と自動車運搬船が衝突、貨物船が沈没し4人が行方不明。

警察庁によると、24日以降の雨による被害は九州、中国を中心に24府県に及び、床上浸水317棟、がけ崩れ376カ所など。

広島県警によると、29日午後4時すぎ、広島市安佐北区亀山で土砂崩れが発生、民家が押しつぶされ、一家4人のうち乳児1人が死亡、3人が行方不明となった。さらに、広島市佐伯区内でも障害者施設の職員4人が生き埋めとなり、救出されたが、うち女性1人が死亡した。同県警によると、同県内で計19人が行方不明になっている。

岡山県高梁市の国道180号で通行中の乗用車が土砂に埋まり、車内の男性(26)が死亡、同県美甘村でも男性が川に転落、行方不明になった。島根県日原町でも87歳の男性が外出したまま帰宅せず、山口県下関市内でも男性(52)が川に転落、死亡した。福岡市博多区のビルでは、地下に雨水が流れ込み、飲食店従業員A子さん(53)が水死体で見つかった。《共同通信》

(画像は http://www.sabo.pref.hiroshima.lg.jp/より)

大量の雨水が濁流と化し、西日本を襲った。29日、九州北部や中国地方を中心に起きた豪雨による災害。大都会、福岡市ではビルの地下にいた女性が「もう逃げられない」との電話を最後に、流れ込んだ雨水で水死。

長崎県で土砂崩れで生き埋めになった中学1年の若い命が失われたほか、広島県では多くの人が泥と泥水にのみ込まれた。

新幹線など交通機関も軒並みマヒ状態に。被災地では、行方不明者の救出作業が続き、梅雨前線は西日本各地に深いつめ跡を残した。《共同通信》

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【小渕恵三首相】コートジボワール・ベディエ大統領と会談

小渕総理は29日、コートジボワール・ベディエ大統領と会談した。大統領は日本の常任理事国入りを支持する考えを伝えた。《首相官邸》

【自民党】自自公に温度差

自民党の森喜朗幹事長は29日、各派会長や総裁経験者と会い、自自公連立政権樹立を目指すことについて理解を求め、おおむね了解を得たが、党内の温度差が浮き彫りになった。

森派の小泉純一郎会長代行は「公明党が連立に入るのは結構だ」としながらも、自民、自由両党提出の衆院比例定数50削減法案について「今国会で成立を期す方針で(公明党に)協力を求めるのが筋だ。自由党との信義を守るのか破るのか、なあなあにすべきではない」とくぎを刺した。比例定数削減に公明党が反対することを見越した上での発言で、森氏は後ろから鉄砲を撃たれた格好だ。

加藤派の加藤紘一会長は「基本政策の一致を見ることが肝要。自自の政策合意を無視してはいけない」と、小沢一郎自由党党首ばりのせりふで注文を付けた。山崎派の山崎拓会長も「本来なら総選挙で民意を問うべきではないか」と指摘。同派幹部会では「連立は命取りになる」との声まで上がった。

一方、村上派の村上正邦会長は「私は小渕内閣が発足した時から、首相には『自自はもちろん、自自公をやることがあなたの天命だ』と申し上げてきた。全面協力する」と熱烈歓迎。さらに「自自なのだから、まず小沢党首と話し合って小沢氏がいいだろうと合意することが必要で、それを国民に見える形でやるべきだ」と、自自公成功のためのポイントは小沢氏にあると森氏に指南した。《共同通信》

【JR東海・葛西敬之社長】北陸新幹線「東海道乗り入れは不可能」

JR東海の葛西敬之社長は29日の記者会見で、整備新幹線の北陸新幹線・米原ルート案に対し「(東海道新幹線米原−新大阪への乗り入れは)難しいのではないか」と述べ、フル規格で米原ルートの整備が進んだ場合は北陸新幹線が新大阪まで直通運転にならず、米原止まりになる可能性を示唆した。

JR西日本も米原ルート案が採用された場合は「米原止まりにならざるを得ないだろう」との見解を示している。

葛西社長は「あまり具体的な内容について関知していない」とした上で「(フル規格で建設する場合)米原の方に結ぶと工事費が安くなるようなので、一つの案だと思う」と話した。

JR東海は現在、東海道新幹線で1時間に11本を一運行。さらに平成15年には「新幹線品川駅」(仮称)の開業に伴い最大15本の運行を目指しており、同社は「ダイヤ編成などを考えると北陸新幹線の乗り入れは不可能」と説明している。《共同通信》

【国旗・国歌法案】衆院で審議入り

日の丸・君が代を法制化する国旗国歌法案の趣旨説明と質疑が29日午後、衆院本会議で行われ、同法案の審議が始まった。小渕恵三首相は、論議を呼んでいる君が代の歌詞の解釈について「君」は「象徴天皇」とした法案提出時の政府見解を示した上で、「『君が代』とは日本国民の総意に基づき、天皇を日本国および日本国民統合の象徴とするわが国のことだ」との新見解を提示。日本国憲法第一条の「天皇の地位・国民主権」を重ねて引用することで憲法の趣旨を踏まえ法案化したことを強調した。

自民、自由、公明3党の賛成方針に加え、民主党も賛成の方向で党内調整を進めていることから、同法案は首相が訪中に出発する来月8日前にも衆院を通過、今国会中に成立する見通し。

首相は、法制化の目的を「21世紀を迎えることを一つの契機とし、慣習として国民に定着している国旗国歌を成文法で明確に規定することが必要と考えた」と強調。その上で「国権の最高機関である国会で慎重に審議した上で、賛同を得たい」として成立に強い意欲を表明した。

日の丸・君が代が戦前の軍国主義やアジアの植民地支配を想起させるとの指摘に対し、首相は「政府として従来と同様、日本国憲法の下で、世界の平和と繁栄のため努力することは変わりなく、国旗国歌の法制化は軍国主義の再現などとは全く無縁のものだ」との認識を示した。また「アジア諸国の政府から何ら懸念の表明があったとは聞いていない」と述べた。《共同通信》

日の丸を国旗、君が代を国歌と定める「国旗及び国歌に関する法律案」の審議が29日、衆議院本会議で始まった。民主党から伊藤英成副代表が代表質問に立ち、「国会での論議を通じ、多様な歴史観・価値観のある中で、国民的合意形成に最大限努力すべき」と呼びかけた。

伊藤議員は、質問の冒頭で、日の丸と君が代の長い歴史に触れ、「古来より親しまれ、幾多の歴史を経て今日まで脈々と引き継がれてきたもの」と評価しつつ、「国旗とは、国の単なる識別標識を超えた、国の主権を象徴する崇高な性質を付与されているもの」「国歌とは、国家的祭典や国際的行事その他で、国民及び国家を代表するものとして歌われる歌」と、その重要さを指摘。その上で、二転三転した政府の法案の提出経過を「非常に重要な問題をあたかも政争の具としている印象さえ国民に与えた」「政府・自民党はわが国の伝統・慣習に基づいた価値観の共有の意味を、あまりにも安易に受け止めているのではないか」と厳しく批判した。

この批判に対し、小渕首相からは「今年2月には法制化しないと答弁したが、よくよく考えてみて、21世紀を迎えることを契機としてこれまで慣習として定着してきた国旗と国歌を成文法で明確に規定することが必要と考えた」との理由のよく分からない答弁しか聞かれず、野党席から失笑がもれた。

伊藤議員はさらに、「伝統や慣習の意味の重さや、日の丸・君が代の歴史を鑑みれば、イギリスのように慣習によることも極めて有効な選択肢」と述べ、国旗・国歌規定を慣習・憲法・法律で行ったときの効果の違いを野中官房長官にただしたが、明確な答えはなかった。

君が代の解釈について、伊藤議員は、政府が示した「『君』は、日本国憲法下の象徴天皇」との解釈に理解を示した上で、この歌が歴史的に貴人などの長寿を祝う「賀歌」から祝い歌として普及、定着してきたことを示して、「君が代の君はもっと歴史的な広がりを持ち、世代間の理解を得ることができるように解釈してもよいのでは」と提案した。

これに対し、小渕首相は「君が代とは日本の国民の総意に基づき天皇を日本国及び日本国民の統合の象徴とするわが国のことであり、君が代の歌詞もそうしたわが国の末長い繁栄と平和を祈念したものと解することが適当である」との従来の政府見解からさらに踏み込んだ見解を示した。

国旗・国歌を法律で定める立法効果について、伊藤議員が「教育現場での混乱を避けるためにどのように考えているのか。法制化の前後で何が違うのか」とただしたのに対し、小渕首相や有馬文相は「法律による国旗国歌の明文化で、学校現場での正しい理解が進むと考えている。法制化に伴い、指導に関する取り扱いを変えるものではなく、今後とも各学校における適切な指導を期待する」と答えた。

最後に、伊藤議員は「十分な論議を通じ、日本と他の国々の文化や歴史・伝統を敬愛する態度が日本国民の共有する普遍的価値観として定着することを心から期待する」と質問を締めくくった。《民主党ニュース》

【トルコ】PKK・オジャラン党首に死刑判決

トルコ西部のイムラル島に設置された国家治安裁判所特別法廷は29日、トルコからの分離・独立運動を指導したとされ国家反逆罪などに問われたクルド労働者党(PKK)のオジャラン党首に対し、求刑通り、絞首刑による死刑判決を言い渡した。

アナトヤ裁判長は判決理由で「乳児、女性、老人の区別なく、多くの殺害をした被告の行為は国歌に対する深刻な脅威だった」とした。しかし、党首は意見陳述で「私は国家の団結のため闘っている。国歌の将来は戦争でなく和平の上にある」などと、これまで通りクルド問題の平和解決を訴えた。

減刑を要求してきたPKKは死刑判決に強く反発しており、今後、国内でのテロや、欧州などでクルド人によるトルコ在外公館への抗議行動や占拠事件など緊張が高まる恐れが強い。《共同通信》

【ユーゴスラビア】野党連合が反政府集会

ユーゴスラビアの野党連合「変革のための同盟」は29日、中部チャチャクで、北大西洋条約機構(NATO)軍の空爆終了後初めての大規模な反政府集会を開催、ミロシェビッチ・ユーゴ大統領の退陣などを要求した。

ユーゴでは、事実上の敗戦に国を追い込んだとして、野党やセルビア正教会などから政権批判が相次いでいたが、集会には1万人以上の市民が参加し、民衆の政権に対する不満の高まりを裏付けた。

一方、ユーゴ当局は集会開催の許可を出さず、チャチャクに向かう道路に検問所を設置して、バスで集会に参加しようとした野党支持者や報道陣の一部を追い返した。また、集会中に近くで爆発物が爆発したが、参加者らにけがはなかった。

集会には同盟を構成する29の野党のほか、ユーゴ唯一の非政府系労組「自主独立労組連合」関係者らも参加。当局の弾圧を恐れ、しばらく公衆の前に姿を現さなかった野党出身のイリッチ・チャチャク市長が現れると、参加者から大きな拍手が起きた。

また、同盟のバティッチ幹事が「ミロシェビッチは辞めるべきだ」と演説すると、参加者から「辞めろ、辞めろ」の連呼が続いた。

集会ではこのほか、あらゆるレベルでの早期の公正な選挙の実施や検閲廃止のほか、大統領退陣を求める署名集めの呼び掛けも行われた。《共同通信》

【サッカー・南米選手権】開幕

サッカーの南米選手権(コパ・アメリカ)は29日、ウルグアイのアスンシオンで開幕。第1日は予選リーグA組の2試合を行い、ペルーと対戦した初出場の日本代表は先制点を奪って善戦したが、2−3で敗れた。

日本は前半7分、FKから呂比須(名古屋)のヘディングで先制点を奪い、GK楢崎(名古屋)の好セーブなどでペルーの攻撃をしのいだ。しかし後半中盤すぎに立て続けに2失点、33分に途中出場の三浦(横浜)のFKで同点とする粘りを見せたが、37分にオルセンに頭で押し込まれて力尽きた。

日本代表は昨年10月の工ジプト戦の中山(磐田)のゴール(PK)以来、4試合ぶりに挙げた得点を勝利に結び付けられなかった。

引き続いて行われた第2試合のパラグアイとボリビアは0−0で引き分けた。南米選手権は南米10カ国に日本、メキシコを加えた12チームが参加。3組に分かれた予選リーグを行った後、8チームが決勝トーナメントに進む。日本は7月2日(日本時間3日午前)にパラグアイと第2戦を戦う。《共同通信》



6月29日 その日のできごと(何の日)