平成3728日目
1999/03/24
この日のできごと(何の日)
【NATO】ユーゴスラビアを空爆
北大西洋条約機構(NATO)軍は24日夜、空軍機や巡航ミサイル「トマホーク」などでユーゴスラビア全域の軍事施設などに波状空爆を実施した。NATOが1949年に発足して以来、武力行使を容認する国連決議なしに主権国家を攻撃したのは初めて。
ユーゴ国営タンユグ通信によると、軍関係施設に避難していた女性や子供など、民間人が巻き添えとなり死亡、軍人にも負傷者が出ている。ユーゴ政府は同日、「戦時状態」を宣言、国家総動員態勢で徹底抗戦する姿勢を明確にした。ユーゴ連邦セルビア共和国のコソボ自治州紛争は「欧米諸国対ユーゴ」の戦争に発展した。
NATOは、ユーゴ政府にNATO軍のコソボ駐留を盛り込んだ和平案を受け入れさせるため、今後さらに大規模な空爆を行う構え。国連安全保障理事会は同日、ロシアの要請で緊急協議を行った。
米NBCテレビは、攻撃の際に数回の空中戦があり、ユーゴ軍戦闘機が少なくとも3機撃墜されたと報じた。NATO軍機1機がコソボ上空で撃墜された、との情報が流れたが、コーエン米国防長官は否定した。
コーエン長官らによると、第一波の攻撃対象は地対空ミサイルやレーダーなどの防空施設、指揮管制システムで、作戦名は「アライド・フォース(同盟の力)」。
米国、英国、フランス、ドイツなどNATO加盟の10カ国の作戦機が参加、イタリアの基地からだけで約70機が出撃した。B2ステルス爆撃機も初めて実戦投入された。米英の艦船と米B52戦略爆撃機から約100発の巡航ミサイルを発射、攻撃の口火を切った。NATO軍に死傷者が出たとの報告はないという。
タンユグ通信によると、第一波攻撃は首都ベオグラード近郊のほかコソボの州都プリシュティナ、ユーゴスラビア連邦モンテネグロ共和国の首都ポドゴリツァなど7都市を襲った。ユーゴ軍声明によると、四十数カ所が攻撃を受けたという。《共同通信》
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【マツダ・ラピュタ】発売
マツダは24日、スズキからOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受ける新型軽乗用車「ラピュタ」を発売した。昨年10月の規格変更時にスズキが新たな車種として投入した「Kei(ケイ)」の同型車。マツダブランドの新規格軽自動車がすべて出そろった。5ドアのDOHCターボ車(二輪駆動)が123万8000円。運転席と助手席にエアバッグを標準装備したためKeiより2万5000円高。《共同通信》
【大相撲春場所】11日目
大相撲春場所11日目(24日・大阪府立体育会館)8勝2敗で優勝争いのトップに並んでいた横綱貴乃花がこの日から休場し、2敗を守った貴ノ浪と武蔵丸の両大関が首位に立った。
貴ノ浪は2敗の新入幕雅山を豪快に決め出しで退け、武蔵丸は旭鷲山を押し出した。2敗だった千代天山は小結栃東に腰砕けで敗れ、賜杯レースから一歩後退。栃東、小結安芸乃島、栃乃洋が給金を直し、これに雅山と千代天山を加えた5人が星一つの差でトップを追う。新大関千代大海もこの日から休場した。十両は2敗の大善が依然、単独トップ。《共同通信》
【JOC】新会長に八木氏
日本オリンピック委員会(JOC)は24日、東京都渋谷区の岸記念体育会館で評議員会を開き、役員定年により3月末で任期の切れる古橋広之進会長(70)の後任に、八木祐四郎専務理事(69)を決めた。4月1日に就任し、任期は2年。JOC会長は堤義明・現名誉会長(64)、古橋氏に続き3代目、日本体協内の組織だった時代のJOC委員長を含むと14代目となる。
JOCは2月24日に、理事会の総意で八木氏を後任会長として評議員会に推薦することを決定。この日の評議員会では1人の反対はあったが、理事会の提案を拍手で承認した。しかし、新理事会は開かれず、専務理事ら主要ポストは4月2日の理事会で決めることになった。
八木氏は、全日本スキー連盟(SAJ)で専務理事としてジャンプや複合の強化に腕を振るい、長野冬季五輪の日本選手団長として日本の活躍を導いた。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・自民党の森喜朗幹事長は24日、衆院静岡8区補選の予定候補者応援のため浜松市入り。講演では、激戦が予想される東京都知事選で自民推薦の明石康・元国連事務次長のPRに努め「テレビ慣れしていない明石氏を他の候補と出演させるのは、ライオンやトラの中にウサギを放つようなもの」「明石氏当選に協力してほしい」など、話すほどに熱を帯びる一方。さすがに最後は「都知事選の応援に来たようなことを言ってしまったが」と照れたが、自身の責任問題が絡むだけに都知事選がひとときも頭を離れない様子。《共同通信》
【海上自衛隊】不審船に警告射撃
日本海で日本漁船を装った2隻の不審船は24日朝までに日本の防空識別圏を越え、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)方向に逃走した。政府が初めて発動した自衛隊法82条の「海上警備行動」に基づき、海上自衛隊は哨戒機から警告のための爆弾も投下したが、護衛艦による追跡は断念した。引き続き哨戒機が警戒監視を行っているが、一定の領海域に入った段階で海上警備行動は解除する方針。
政府は同日午前、首相官邸で小渕恵三首相、野呂田芳成防衛庁長官、高村正彦外相らによる関係閣僚会議を開催。不審船の国籍は最終確認されていないが、北朝鮮領海内に入った場合は、北京の大使館とニューヨークの国連代表部を通じて北朝鮮側に船と乗組員の引き渡しを求めることを決め、外務省に指示した。
閣僚会議で首相は「今回は不審船の停止、立ち入り検査はできなかったが、わが国の意思を明示するのに重要なものだった。いつ再発するか分からないので、わが国の安全確保、危機管理に万全を期してほしい」と指示。さらに参院本会議での答弁で「(法改正は)必要があれば対応したい」と述べ、自衛隊法改正など関連法令の見直しに着手することを示唆した。
閣僚会議で野呂田長官は、海上警備行動の断念について「これ以上の追跡は相手国を刺激し、事態の拡大を招く恐れがある」と報告。「十分に武器を使用できない法律上の制約があり、逃走を許した」としながらも「断固たる決意を内外に示したことは極めて大きな抑止力になると確信する」と強調。海上保安庁と防衛庁の連携も「遺漏のないようやっていく」と述べた。
政府は24日未明、持ち回りの安全保障会議と閣議で、自衛隊発足以来初の防衛庁長官による海上警備行動発動を決定し、護衛艦による追跡と停船措置を行っていた。《共同通信》
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高速で逃げる2隻の不審船を追って暗闇の日本海で24日始まった海上自衛隊護衛艦による警告発砲と爆弾投下は同日朝方まで続いた。日本中がかたずをのんで見守る中、踏み切られた自衛隊法に基づく初の海上警備行動。
野呂田芳成防衛庁長官の顔には「政治主導」を貫けた満足感がうかがえた。「捕そくできず残念」と野中広務官房長官は怒りをあらわに。小渕恵三首相は今後の自衛隊法改正に含みを残す。国会前では市民団体が「自衛隊がいよいよ日本の軍隊として動きだした」と抗議の声を上げた。《共同通信》
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23日から24日未明にかけて能登半島東方沖の日本海で、2隻の不審船に対して政府が自衛隊発足以来はじめての海上警備行動を命令したことについて、民主党は24日、「今回の政府の対応は、現行法に基づく概ね自制されたものと理解する。自衛隊法第82条の『海上における警備行動』を発動したこともやむを得ない」とする談話を、羽田幹事長名で発表した。
民主党では24日午前の参議院本会議で、主要食糧法改正案の代表質問に立った郡司彰参議院議員が、緊急質問として、小渕首相と野呂田防衛庁長官の報告を求めた他、夕方には緊急に開催された衆議院安全保障委員協議会で前原誠司衆議院議員が政府の対応をただした。《民主党ニュース》
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海上自衛隊の護衛艦の追跡を振り切って逃走した2隻の不審船のうち少なくとも1隻は24日午後、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の羅津港に入港したことが確認された。防衛庁幹部が、米軍提供の偵察衛星情報に基づき明らかにした。こうした事態を受け政府は、日本漁船を装った船名の偽装、アンテナの形状などから北朝鮮の工作船の可能性が大きいと判断。拿捕して船員などを引き渡すようニューヨークの国連代表部、北京の日本使館を通じて働き掛けを試みたが、北朝鮮側は反応を示していない。《共同通信》
【英上院】ピノチェト氏逮捕は適法
大量虐殺や拷問など「人道に反する罪」に問われたピノチェト元チリ大統領(83)の逮捕の適法性をめぐるやり直し審理で英上院上訴委員会(最高裁)は24日、元国家元首の免責特権を否定し逮捕を適法とする決定を下した。免責特権については、7人の裁判官のうち6人が否定、1人が認めた。
ブラウンウィルキンソン裁判長は「拷問は国際的犯罪であり、元首の公務にはなり得ず、免責は主張できない」との明確な判断を示した。
しかし裁判長は同時に「英国法で国外での拷問が処罰可能になった1988年9月以前の罪は問えない」と指摘。スペインへの引き渡しの理由となる訴追事実は極めて限定されるとして、ストロー内相に引き渡し審査の開始決定を再検討するよう求めた。
この日の決定は、人道に反する犯罪は国家主権の枠組みを超えて裁くべきだとする国際社会の流れに沿ったものといえるが、訴追事実を限定したことでピノチェト氏の帰国に含みを残す形となった。英内務省は「この日の上訴委決定を考慮する」としており、ストロー内相が先の決定を覆せばピノチェト氏の帰国が可能になる。《共同通信》
【EU】新委員長にプローディ氏
欧州連合(EU)は24日、ベルリンで特別首脳会議を開き、不正疑惑をめぐり16日に総辞職した欧州委員会のサンテール委員長の後任にイタリアのプローディ前首相を指名することを全会一致で決めた。早ければ4月の欧州議会に提案し承認を求める。
サンテール委員長の残り任期は2000年1月までだったが、プローディ氏は残任期間だけでなく、その後5年間も務める本格委員長となる。19人の委員を含めた新体制は7月にも発足する見通し。
前代未聞の欧州委員会総辞職の後、EUは機能停止の状態に陥り、早急に新体制を発足させる必要性に迫られていたが、新委員長の指名で混乱回避への道筋が開けた。《共同通信》
【民主党・福山哲郎議員】包括的な「消費者契約法」の早期提出を
24日の参議院本会議で、民主党・新緑風会の福山哲郎議員が「訪問販売・割賦販売法の改正案」「不正競争防止法改正案」に対する代表質問を行った。
福山議員は、訪問販売やクレジットカードやローンに関する消費者トラブルが急増している事態に関して、「業界の自主ルール、自主ガイドラインまかせが、結果としてトラブル増加をもたらした」として、法制化の遅れを批判。さらに、法改正に合わせて、「継続的役務提供」などのお役所言葉を、若年層も含めた消費者に理解しやすいものに置き換えるよう提案すると共に、あらゆる商品やサービスを包括する「消費者契約法」を早く提出するよう政府に求めた。小渕首相と堺屋経企庁長官は共に法制化の遅れを認め、早期の法案提出を約束した。
また、音楽・映画・ゲームソフトなどのデジタルコンテンツの違法コピーや不正なコピー機器を規制する「不正競争防止法」について、福山議員は「規制の導入は急ぐべきで、政府の対応は遅きに失した」とする一方で、「規制は、民間の技術開発を努力を可能な限り妨げないような最大限の配慮と、必要最小限の措置とすべき」と主張した。《民主党ニュース》
【東京都知事選】鳩山邦夫氏「池田敦子さんを副知事候補に」
鳩山邦夫さんは24日、記者会見を開き、池田敦子さんを副知事候補として共に選挙戦に臨むことを明らかにした。
池田敦子さんは、東京生活者ネットワークの草分け的リーダーとして活躍し、85年から97年まで東京都議会議員を3期つとめた。鳩山さんは出馬表明以来、鳩山都政を共同で支えるパートナーの人選を進めてきたが、鳩山さんの政策基調である「生活快適都市・東京」の実現のために実践を積み重ねてきた方として、池田さんに白羽の矢を当てた。
会見に同席した池田さんは「鳩山さんの政策的主張と私の信条・政策が共通しているので引き受けた。女性の立場から、一緒になってチャレンジしていきたい」と決意を語った。《民主党ニュース》
【この日の民主党】
民主党の菅直人代表と党環境部会の(部会長=佐藤謙一郎衆院議員)メンバーに民主党埼玉県連関係者が加わった「ダイオキシン調査団」が24日、産業廃棄物処理施設が密集する埼玉県所沢市の「くぬぎ山」地区を視察。同行した地元の市民団体や農家の代表の方々から、ダイオキシン汚染現場の状況について説明を受けた。
一行は、武蔵野の面影が残る雑木林のャ道をぬって歩きながら、点在する産廃施設を外から見学。白煙がたちこめ、産業廃棄物が山のように積まれた現場を注意深く観察した。
菅代表は同行したマスコミのインタビューに答え「土地利用のルールが必要。ただ本質的な問題解決のためには、最終的に製造者・使用者の責任にまで及ぶと思う」との見解を示した。
一行は続けて、近くの公民館で地元市民団体・農家代表との意見交換会に臨んだ。菅代表は冒頭のあいさつで、産業廃棄物に対する取り組みを厚相時の経験を交えながら語り、「目下党全体で取り組んでいるところだ」と紹介。続いて、民主党側から今国会に提出した「ダイオキシン法案」の概要説明があり、参加者からは「都市近郊の農家に対する視点がもう少しほしい」「地元議会関係者がもっと積極的に取り組むべきだ」などの要望が出された。《民主党ニュース》