平成3727日目
1999/03/23
この日のできごと(何の日)
【ブリヂストン】社長室に包丁男
23日午前10時25分ごろ、東京都中央区京橋のブリヂストン(海崎洋一郎社長)から「包丁を持った男が社長を人質にとった」と110番があった。警視庁捜査一課の捜査員と中央署員らが駆け付けたところ、男は9階の社長室で包丁を持ちパンツ一枚の姿となって海崎社長に「会社のリストラが厳しすぎる」などと主張。男は「割腹自殺する」と話し、約1時間後の同11時20分ごろ、自分の胸部を刺したため、捜査員が取り押さえ銃刀法違反と建造物侵入の現行犯で逮捕した。
男は近くの病院に収容されたが、東京消防庁によると重体。海崎社長にけがはなかった。
調べによると、男は埼玉県草加市、元同社横浜工場購買課長で現在ブリヂストンスポーツ管理部主査のA容疑者(58)。
A容疑者はこの日午前10時すぎ、スーツ姿で社長室を訪れたため、顔を見知っていた海崎社長が社長室内の応接区画で応対。当初は普通に話をしていたが、次第に興奮して服を脱ぎ、会社に対する不満などを口にしながら居座った。通報で駆け付けた捜査員と同社長がA容疑者への説得を続けたが、約1時間後に持っていた柳刃包丁で胸を刺した。同社長に危害を加えるような言動はなかったという。《共同通信》
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【民間国連ヤング大使】小渕首相を表敬訪問
薬物乱用防止運動の一環として国連に派遣される「民間国連ヤング大使」が23日、小渕総理を表敬訪問した。
ヤング大使たちは全国の募金活動でリーダーを務めてきた中高生たち。総理は「若い力と情熱で薬物乱用防止の輪を広げることが必要。諸君が行ってきた運動は地球的規模で貢献するでしょう」と激励した。ヤング大使たちは、24日、集めた募金を世界の麻薬対策に役立ててもらうため、国連薬物統制計画のあるオーストリアに向けて出発した。《首相官邸》
【小渕恵三首相】「景気は底を打った」
小渕恵三首相は23日午後、NHK番組の録画撮りで、景気動向について「底を打ったという状況ができつつある」との認識を表明した。1999年度は0.5%成長という目標に関しては「企業家も頑張ってほしい。できる手立てはほとんどやった。必ず政策効果は現れる」と述べ、経済界にも協力を求めた。《共同通信》
【海上保安庁】能登沖の不審船2隻に威嚇射撃
23日午前から午後にかけ、能登沖の日本海で、日本漁船を装った国籍不明の2隻が領海侵犯しているのを、警戒中の海上自衛隊の哨戒機が見つけた。海上保安庁の航空機と巡視船、海上自衛隊の護衛艦3隻が追跡したが、北方へ逃走。両船は停船命令に応じないため、同日夜、公海上で七尾海保の巡視艇など3隻が海面や上空に向け約1200発の威告射撃をした。
政府は24日未明、海上自衛隊に対し初の海上警備行動を発動、同庁によると護衛艦が5インチ砲2発を警告発砲した。停船後立ち入り検査する。両船は速度を増し、大陸との中間線に向け日本海を逃走、1隻がこれを越えた。
政府は首相官邸に外務、防衛、運輸、警察庁などの関係省庁トップを集め、同日午後6時すぎ、対策室を設置、対応を協議した。
日米防衛協力のための新指針(ガイドライン)関連法案が国会で審議されているさなかでの発令は議論を呼ぶのは必至だ。海保の威嚇射撃は1953年8月8日、北海道・宗谷岬沖で旧ソ連のスパイ船とみられる船に対し実施して以来2件目。《北國新聞》
【大相撲春場所】10日目
大相撲春場所10日目(23日・大阪府立体育会館)新大関千代大海が武蔵丸に押し出されて7敗目となったが、取組の際に鼻骨を骨折し全治2カ月以上と診断され、11日目から休場することになった。11日目の対戦相手だった寺尾は不戦勝となる。横綱貴乃花は闘牙を寄り切り、勝ち越しを決めた。武蔵丸、貴ノ浪の両大関も給金を直した。武蔵丸は51場所連続の勝ち越しで、北の湖の記録を抜く単独史上1位。貴ノ浪は小結栃東を突き落とし、かど番脱出。栃東は3敗目。新入幕の雅山、千代天山も勝ち越した。貴乃花、武蔵丸、貴ノ浪にこの2人を加えた5人が8勝2敗で首位に並んでいる。十両は8勝目を挙げた大善がトップ。横綱若乃花は左足のけがでこの日から休場した。《共同通信》
【コソボ紛争】NATO、空爆作戦を命令
ユーゴスラビア・コソボ情勢をめぐり、北大西洋条約機構(NATO)のソラナ事務総長は23日夜(日本時間24日朝)、クラーク欧州連合軍最高司令官に対し、ユーゴ空爆作戦の開始を命令した。同司令官は天候などの状況をにらみ、早ければ24日中にも空爆を実施する見通し。
ユーゴ政府は23日夜、戦争の脅威が差し迫っているとして事実上の非常事態宣言をし、NATOとの対決姿勢を鮮明にした。
1年以上にわたりユーゴ側とアルバニア系住民側が戦闘を繰り返してきたコソボ紛争は、空爆という最悪の事態を迎えた。
NATOは軍事行動の進備を完了しており、第一波攻撃は地中海の米艦船や潜水艦からのトマホーク巡航ミサイル攻撃になるとみられる。
しかし武力行使には国連安全保障理事会の明確な決議がないため、ロシアや中国が反発している。空爆に踏み切ってもユーゴ側が和平案を受諾する保証はなく、防空能力の高いユーゴ連邦軍の反撃で欧米側に一定の死傷者が出ることや、紛争の泥沼化が懸念されている。《共同通信》
◇
クリントン米大統領は23日、ワシントン市内でユーゴスラビア・コソボ情勢について演説し「ミロシェビッチ(ユーゴ)大統領が約束を守らないなら、われわれは行動を起こさなければならない」と述べ、北大西洋条約機構(NATO)による対ユーゴ武力行使が差し迫った情勢になったとの認識を示した。
専用機で米国に向かっていたプリマコフ・ロシア首相は同日、ゴア副大統領と電話会談。タス通信によると、副大統領は「攻撃は不可避」との見通しを伝え、首相は訪米を急きょ延期した。
米CNNテレビは、早ければ米国時間の23日中(日本時間24日夕)にも攻撃が始まるとの見通しを伝えており、作戦開始は秒読み段階に入ったもようだ。《共同通信》
【東京都知事選】民主党、鳩山邦夫氏の「推薦」を決定
民主党は23日の常任幹事会で、東京都知事選挙に立候補を予定している鳩山邦夫さんに対する「支持」を「推薦」に切り換えることを決めた。同日朝、鳩山候補から正式要請を受けた羽田幹事長が幹事会に提案し、全会一致で了承した。
菅代表は、「厳しい状況だが、なんとか早く2番手につけ、本番で差しきっていきたい。この連休中、地元の多摩を歩き、そのカギを握るのは女性票だと痛感した。その8割は鳩山さんに行くよう、努力しあおう」と呼びかけた。 《民主党ニュース》
【この日の民主党】
23日の参議院総務委員会で、千葉景子議員は政府の情報公開法案に対して質疑を行った。
千葉議員はまず、情報公開の不服請求について、「沖縄の地理的特殊性を考慮して、独立した1管轄地域とすべき」と繰り返し要求。しかし太田総務庁長官は「沖縄の特殊性は理解できるが、今すぐ9ヵ所目に追加することにはならない」と従来の姿勢を崩さなかった。
続けて「情報開示手数料」について、千葉議員は「義務の履行という意味で行政側が負担すべき」と主張した。太田長官は「行為そのものは個人に属するもの。若干の手数料は必要」と反論した。
また各省庁・複数年度にわたる資料請求について、滝上・総務庁行政管理局長は「関連深い文書は1回にまとめ、1決済に対して1回とカウントして開示手数料を徴収する」と述べたが、具体例については「ここで一概に言えない」と避けた。
またコピーの実費負担について、千葉議員は「公益的目的の場合は、上限を設けるべき」と強調した。
また「不服審査会」の構成については、「9名中、常勤委員が3名しかいなくて、十分な運営が可能か」と指摘し、公平性の確保についてもただした。太田長官は「予算と作業量の兼ね合いで3名が妥当。メンバーの選考は小渕総理のリーダーシップにお任せいただくしかない」と答弁した。《民主党ニュース》
◇
司法改革のあり方を議論する「審議会」設置のための「司法制度改革審議会設置法案」の審議が23日から衆議院ではじまり、本会議で枝野幸男議員が代表質問を行った。
枝野議員は、まず「司法の役割を十分にはたすため、システムの抜本改革は必要だ」との基本的認識を示しながらも、政府案は「行政(内閣)の権限が司法制度にまで及ぶとの前提で“審議会”を内閣に設置しようとしており、その内容に強い疑問を感じざるを得ない」と指摘。
そして「そもそも司法改革が求められているのは、“司法の行政に対する隷属”との疑いを持たれているから」であり、「こうした状況の中で内閣が司法改革を担当することは、司法の独立に対する信頼をますます低下させる」として、「本法案を撤回し、司法の“一使用者”という立場からの検討にとどめるべき」と主張。さらに司法制度の必要性を、総理自身の言葉で具体的に説明するように要求した。
さらに、「審議会メンバーの専任についてはまず参考人聴取などの手続きを行うこと」「委員会を完全公開で行うこと」「事務局が議論を主導しないよう配慮すること」などを要求した。
それに対して小渕首相は、「内閣として国民の要請に広く施策を立案する立場にある」とし、内閣に司法改革の主導権があることを強調した。司法の独立については「予算・人員とも従来から、最大限配慮してきた」と強弁。審議会メンバーや運営については「審議会の公開も含めて疑惑を生じないよう配慮する」と答弁した。 《民主党ニュース》