平成3716日目

1999/03/12

この日のできごと(何の日)

【NATO】19カ国体制に

ポーランドとハンガリー、チェコの東欧3カ国が北大西洋条約機構(NATO)に正式加盟する式典が12日、米ミズーリ州インディペンデンスでオルプライト米国務長官らが出席して開かれた。3カ国外相は加盟文書を長官に寄託、NATOは計19カ国の集団安保機構として新たな一歩を踏み出した。

米ソ冷戦時代、NATOと対立関係にあった旧ワルシャワ条約機構参加国の加盟は、冷戦後の欧州安保が大きく変質したことを象徴する出来事といえる。しかし、NATOの拡大にはロシアが反発しているほか、米国内でも懐疑論が根強く、拡大の是非をめぐる議論は今後も続きそうだ。

チェコ生まれのオルブライト長官は式典演説で「あなたたちの運命が、ポーカーのチップのように軽く扱われることはなくなった」と述べ、3カ国が米国や英国、フランスなどにとって「真の同盟国」になったことを歓迎した。

悲願のNATO加盟を達成した各国は、ゲレメク・ポーランド外相らが「かつて東西を分断した『鉄のカーテン』に象徴される(米ソ)二極時代は終わった。きょうはポーランドだけでなく、世界にとっても偉大な日だ」と語り、「米欧の重荷としてではなく、貢献者として」NATOに参加する意思を表明した。

NATOは現在、ユーゴスラビア・コソボ紛争への対応をはじめ、行動指針となる「新戦略概念」の採択や3カ国に続く新規加盟の検討、ロシアとの協調関係確立など、多くの重要課題を抱えており、4月末にワシントンで開かれる首脳会議に向けて実務レベル協議が続いている。

この日の式典は、NATO創設を提唱した故トルーマン米大統領の故郷インディペンデンスにある「トルーマン大統領図書館」で開かれた。《共同通信》

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【愛を乞うひと】日本アカデミー賞8冠

【都立三田高校爆弾事件】

12日午前10時ごろ、東京都港区の都立三田高校から「校内に男が侵入し、職員にスプレーを吹きかけた」と110番通報があった。警視庁三田署は建造物侵入容疑で、校内にいた都立広尾高校教諭、M容疑者を逮捕。

M容疑者が「校長室に爆弾を置いた」と話したため捜索、校長室の机の上から爆発物が見つかった。爆発物処理班が凍結処理中に爆発したが、けが人はなかった。《共同通信》

【堺屋太一経済企画庁長官】景気に下げ止まり感

堺屋太一経済企画庁長官は12日の閣議後の記者会見で、3月の月例経済報告で示す景気の総括判断について「心持ち上方修正という感じになると思う」と述べ、昨年12月以来、3カ月ぶりに上方修正する方針を明らかにした。宮沢喜一蔵相も同日の閣議後の会見で、景気は「潮目に来たかもしれない」と発言、景気に底打ち感が出ているとの認識を示した。

堺屋長官は「景気は依然として極めて厳しい状況にあるが、下げ止まり感が広がっているのではないか」として、3カ月続いた「変化の胎動」から、下げ止まり感に言及した表現に変える方針だ。

景気の現状について「底ばいかもしれない」とした上、公共事業の大幅増や住宅減税拡充など「今、かなり政策に支えられている面がある。政策的に支えられている以外の面で自律的に(民間需要が)はっきり見えてこないといけない」と指摘し、底入れ宣言は「ちょっと早い」と述べた。《共同通信》

【小渕恵三首相】「新指針法案」早期成立に決意

日本周辺で起こる紛争などの際の米軍支援を目的とする日米防衛協力のための新指針(ガイドライン)関連法案の趣旨説明と質疑が12日、衆院本会議で行われ、審議入りした。

小渕恵三首相は今国会中の法案成立に向けて「早期成立」の決意を表明。政府は同法案を中央省庁改革関連法案とともに後半国会での最重要法案と位置付けている。《共同通信》

【この日の民主党】

日米安保ガイドライン関連法案の審議が12日から衆議院ではじまった。本会議での代表質問では、民主党の畑英次郎副代表が「政府提出法案は重大な欠陥を持っている。広範にわたり、徹底的かつ慎重な審議を」と強く求めた。

畑副代表は、まず「憲法および日米安保条約の枠内でガイドラインを主体的に運用することはわが国の安全保障上大変有意義であり、そのための法整備が必要だ」とする民主党の基本認識を提示。

その上で、政府の法案では、日本が何を、どこまで米軍に協力できるかが非常に曖昧」として、 1.冷戦後の日本の外交安保戦略は日米安保堅持プラス・アルファのものを持っているのかどうか? 2.わが国領土への大規模直接侵攻の脅威が大幅に低下した中で、なぜ、今ガイドラインなのか? 3.ガイドラインと1960年に締結された日米安保条約との関係はどうなっているのか?—-の3点について、まず小渕首相の見解を求めた。

首相は、1には「ASEAN地域フォーラム等の域内の枠組みや域内の2国間の対話に取り組んでいる」、2「依然とした不安定不確実な要因が存在している」、3については「より円滑かつ効果的な運用を確保するため策定されたもの。安保条約の基本的枠組みは変更されない」などと従来の説明を繰り返すだけだった。

また基本計画に対する国会の関与のあり方について、畑副代表は、法案の前提である「前方」と「後方」の区分が不明確なことや、日米間の合意文書の英文が「周辺事態が日本に対する武力攻撃に発展することがあり得ることを日米両国政府が認識している」としていることを指摘。「周辺事態が国民の権利義務に重大な影響を与えることは明白」だとして、政府へ「国民へ周辺事態の重大さを十分説明すべき」と迫った。そして、民主党が主張する「基本計画を国会承認事項とする」「事後承認は緊急を要する場合に限定し、あくまでも事前承認を原則とする」ことを取り入れるよう求めた。しかし、小渕首相は「必ずしも国会の承認を得なければならないものではなく、遅滞なく国会報告するのが妥当」と述べ、政府案どおりの姿勢を示した。

●国民理解ない日米協力は砂上の楼閣

次に、後方地域支援と武力行使の関係については、「いくら日本側が戦闘行為の行われない地域だと主張したところで、ミサイルが一発飛んでくれば戦闘区域になる」として、政府の説明の無意味さを指摘。また、武器使用に関しても、従来の政府が統一見解で「自己保存のための、いわば自然権的権利というべき最小限の武器使用は、武力行使にあたらない」としている点を、「周辺事態や邦人救出の際に想定される重火器の使用を説明することには無理がある」と突いた。

さらに、自治体や民間の協力については、政府が協力依頼しうる項目を例示し、米軍への便宜供与が住民の利害と相反する場合の対処や損失への補償に関する原則を、具体的にするよう求めた。

最後に畑副代表は、「国民の十分な理解のないままの日米協力はガラスのようにもろく、砂上の楼閣だ」として、慎重な審議を求め質問を締めくくった。《民主党ニュース》



3月12日 その日のできごと(何の日)