平成3715日目
1999/03/11
この日のできごと(何の日)
【テレビ朝日・伊藤邦男社長】ダイオキシン報道「表現に適切さ欠いた」
埼玉県所沢市産の農作物をめぐるダイオキシン報道などについて、衆院逓信委員会は11日午前、テレビ朝日の伊藤邦男社長、早河洋報道局長、酒井昭・日本民間放送連盟専務理事、清水英夫「放送と人権など権利に関する委員会」委員長の4人を参考人として招致した。伊藤社長は「報道は図表の示し方に適切さを欠き、説明も不十分だった。この場を借りて、農家の方々にあらためておわびしたい」と謝罪。しかし誤報ではないかとの指摘に対しては、「全体として虚偽の事実を放送したわけではない」と否定した。
テレビ朝日が2月1日放送の「ニュースステーション」で「所沢市産の野菜から、高濃度のダイオキシンを検出」と報道した影響で、同市産のホウレンソウの価格が暴落する騒ぎに発展。質疑は報道の具体的な内容に集中した。
浅野勝人氏(自民)が「2月1日の放送時点で、お茶だったことを知っていたのではないか」と質問、早河報道局長は「番組担当者は『ホウレンソウを含む野菜』としか認識しておらず、野菜という思い込みがあった」と釈明。「風評被害ではないのか」という指摘には、伊藤社長が「根拠のないデータを流せばそうなるが、今回は信頼性のある数値に基づいている。問題提起の意図があり、風評被害には当たらない」と答えた。
また同社長は放送法に基づく訂正放送の必要はないという見解を示す一方で、「当事者から要求されれば、真剣に検討する」と述べた。
同局は2月18日放送の同番組で久米宏キャスターが、23日には伊藤社長が会見で謝罪しているが、自民党などから「報道は行き過ぎ」との批判が出ていた。《共同通信》
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【小渕恵三首相】警視庁を視察
政府の薬物乱用対策推進本部長を務めている小渕総理は11日、薬物対策の現状を把握するため、警視庁を視察した。押収された覚せい剤、コカイン、大麻などを熱心に見て回ったあと、前田健治警視総監ら幹部に「日本は治安上安全といわれるが、国際化のなかで犯罪が相次いでいる。国民のためにがんばってほしい」と、激励した。 《首相官邸》
【小渕恵三首相】有事法制「検討の時期」
小渕恵三首相は11日夕、内閣記者会のインタビューで、日本有事の際に自衛隊の活動の法的根拠となる有事法制について、福田赳夫内当時に研究が行われたことを踏まえ「(研究が)詰まっている問題について、このままでよろしいのかということはあるのではないか」と指摘、有事法制の整備を具体的に実施する時期に来ているとの認識を示した。
首相は「現実に法制化するかは高度な政治判断」とした上で、「政府として重要な問題と認識しており、国会の審議、国民世論の動向を踏まえ、適切に対処していきたい」と述べた。
内閣改造について「一内閣一閣僚で懸案事項に取り組んでいきたいし予算を成立させ、重要法案の審議に内閣挙げて取り組んでいる。今、内閣改造、党役員人事は念頭にない」と述べ、今国会中の内閣改造に否定的な考えを示した。また衆院の解散総選挙も現時点で念頭にないことを強調した。
東京都知事選に石原慎太郎氏が出馬表明したことで、自民党が分裂選挙になったことについては「筋道の通った方針で臨むよう党執行部として適切な措置を取るべきと思っている」と、造反議員には処分を含め厳しい対応で臨む考えを強調した。《共同通信》
【小渕恵三首相】YKKトリオと会談
小渕恵三首相は11日夜、都内の料理屋で自民党の加藤紘一前幹事長、山崎拓前政調会長、小泉純一郎前厚相のいわゆるYKKトリオと会談した。
YKK三氏は、統一地方選の天王山の東京都知事選を「勝敗は時の運」と述べた上で、「9月までは現体制でやるべきだ」と強調、統一選の結果にかかわらず自民党総裁選までは党役員人事、内閣改造を行う必要はないとの考えを伝えた。首相は特に発言しなかったが、山崎氏は記者団に「首相も賛意を示したと受け止めている」と述べた。
同時に、三氏は9月まで小渕首相を支える意向を重ねて表明する一方で、「総裁選をやるべきだと主張してきた。さわやかにしこりがないようにやっていきたい」と述べ、小渕首相が再選を目指して出馬する場合でも、加藤、山崎両氏が立候補する意向をにじませた。
またYKK側が、都知事選に伴う衆院東京2区補選の出馬に意欲を示す深谷隆司総務会長について「比例代表から小選挙区にくら替えするのは国民に分かりづらい。立候補すべきではない」と述べたのに対し、首相も「党のため自重してもらえないかと考えている」と同調した。《共同通信》
【神戸連続児童殺傷事件】少年側に1億円の賠償命令
神戸の連続児童殺傷事件で犠牲になった小6男児=当時(11)=の両親が、医療少年院に送致された少年(16)と両親に損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、神戸地裁であり、森本翅充裁判長は「少年は当時14歳で自分の責任を認識する能力があり、両親には親権者として監督する義務があった」などとして、請求通り少年側に約1億円の支払いを命じた。
男児の両親は昨年8月「事件の責任や背景を明らかにしたい」と提訴。少年側が事実関係を認め和解交渉に入ったが、交渉は2回で打ち切られた。裁判は事件の背景には踏み込むことなく終結した。
男児の父親は同日、感想を発表。「公的機関で少年と両親の責任が正式に認められた」と判決を評価したが、関係資料が閲覧できなかった点は不満とした。訴訟経過は現行の司法制度では、被害者側への情報開示に限界があることをあらためて示した。
判決によると、少年は平成9年5月24日午後、神戸市須磨区の通称タンク山で男児を絞殺。遺体を区内の学校正門前などに遺棄した。
第一回口頭弁論で少年側が事実関係や責任などをすべて認め、両者の合意で昨年11月と12月の2回、賠償の支払い方法や謝罪の機会など和解案件について協議した。しかし条件面で折り合いがつかなかったほか、12月に、少年のえん罪を主張する団体が訴訟への補助参加を求め、当事者だけの交渉ができなくなったことなどから交渉を打ち切った。《共同通信》
【民主党】孜ちゃんキーホルダー登場
体長5センチ。さわやかな青のニューサマースーツ(省エネスーツ)に身を包んだ羽田孜幹事長がガッツポーズをとる「つとむちゃん人形」(キーホルダー)が登場した。「この人形を持っていれば、あなたも羽田幹事長みたいないい人になれる!」(羽田事務所談)という御利益?つき。
この人形、去る11日に開かれた羽田幹事長の「議員在職30周年パーティー」に合わせて製作されたもので、価格は1個500円。ただ今、衆議院第1議員会館地下の売店でテスト販売中。「幅広い年代の方々に愛されるように」(羽田事務所)と誕生した「つとむちゃん人形」、新しい国会みやげとして大流行となるか?! 《民主党ニュース》
【静岡第一テレビ】CM711本が未放送
静岡第一テレビ(SDT、静岡市)は11日、同社が扱ったCM計711本が未放送になっていたことが社内調査で分かったと発表した。さらに調査を進めており、未放送CMの本数は増える可能性がある。同社の岩淵康郎社長は同日、記者会見し「全く釈明の余地がなく大変申し訳ない。現在行っている調査の結果を待ち、早ければ今月末にも経営責任を取って辞表を出したい」と述べた。
同社によると、未放送だったのは東京支社が扱ったCMで、1996(平成8)年4月から97年6月にかけて放送予定だった15秒スポットCMのうち、スポンサー5社の分。原因は、放送能力を超えた数のCMを見込み受注したためという。東京支社の担当者は広告代理店に虚偽の放送通知書を送って未放送を隠し、当時の東京支社長も問題に気付いていながら本社に報告していなかった。
未放送は今年2月、5社に対し、「97年6月20日のCMに未放送がある」との匿名の手紙が送られてきたことから発覚。同社は調査委員会を設置し、データが残っている96年4月以降、取りあえず97年6月までの15カ月分について、5社のCM計7132本を調査したところ、711本が未放送だったことを確認した。《共同通信》
【ビル・ゲイツ氏】パソコン操作「10年後は声、手書きで」
米コンピューターソフト最大手、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長が11日夕、横浜市内で講演し、10年後には声や手書きでコンピューターの操作ができるようになるとの予測を披露した。
ゲイツ会長は「10年前の1989年にはソフトウエアは文書中心の世界で、画像接続さえ遅くて重いと言われた」と振り返り、「10年後には無線システムの発達もあり、音声や手書き認識で動くソフトが広まり、メモ取りもできるなどパソコンの機能はさらに向上するだろう」と語った。
さらに、急速に普及しているインターネットについて「機能はまだまだ限定的。さらに扱いやすくすべき未開発のフロンティア」と評した。《共同通信》
【イラン・ハタミ大統領】ローマ法王と会談
イランのハタミ大統領はイタリア公式訪問最終日の11日、バチカンを訪れ、ローマ法王ヨハネ・パウロ二世と約25分間会談した。バチカンとイランは国交があるが、首脳会談は1979年のイラン革命以来初めて。
欧州との関係改善を目指すイランは、イタリア政府首脳との政治対話とともに、キリスト教世界に大きな影響力を持つ法王との宗教対話を重視していた。《共同通信》