平成3625日目
1998/12/11
この日のできごと(何の日)
【自民党・森派】誕生
自民党三塚派の三塚博会長は11日朝の同派緊急総会で、会長職を同森喜朗幹事長(同派会長代行)に譲ることを表明した。森氏は新会長就任を受諾。衆参合わせて総勢61人の三塚派を引き継ぐ形で「森派」が誕生した。三塚氏は名誉会長に就任した。
自民党内では来年秋の総裁選をにらんで、山崎拓前政調会長が山崎派を旗揚げ、宮澤派も年内に加藤紘一前幹事長に代替わりする見通しなど、派閥領袖の新旧交代が活発化している。森派誕生により、党内の世代交代が一気に進むこととなった。
総会で三塚氏は「会長を辞する決心をした。心機を新たにすることで、政治経済の解決にエネルギーを与えることになる」と退任の意向を表明、新会長に森氏を指名した。
森氏は「突然で驚いているが、三塚会長の決断に対し、ありがたく受けるのが政治の道だと思う」と、派閥を継承する決意を示した。これを受け、森氏を来年秋の総裁選候補としてもり立てていくことを確認した。《共同通信》
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【日銀・速水優総裁】景気先行きに明るさ
速水優日銀総裁は11日午前、衆院の大蔵委員会で景気の現状について、「引き続き極めて厳しい。設備投資や個人消費も弱い」としながらも、先行きについては「4月の総合対策の効果が出てきており、金融システムでも(再生の)道具だてがある程度できた」と指摘。「企業や家計の(景気に対する)コンフィデンス(信頼感)がかなり明るくなりつつある感じがする」と述べた。
日銀は、これまで景気の先行きについて「速やかな回復を展望しがたい状況」としていた。速水総裁の発言は、景気の現状については、政府の認識より厳しいこれまでの判断を堅持しつつも、先行きについては初めて明るさをにじませた。景気認識では、経済企画庁が12月の月例経済報告で、景気の現状について「変化の胎動も感じられる」との総括判断を示している。
総裁は、ヘッジファンドなど短期資金の規制には、「波打ち際で規制しないで、各国が経済政策の一環として調整していくことがまっとう」として、規制に反対の意向を示した。《共同通信》
【自民党】危機突破議連が発足
梶山静六元官房長官、亀井静香元建設相ら自民党内の非主流4グループを中心とする「危機突破・改革議員連盟」の設立総会が11日午前、国会内で開かれ、三塚派(森派)を除く各派から衆参両院議員計78人、代理25人が参加した。梶山氏を代表に選出した。
梶山氏はあいさつで「日本の危機を突破する先兵となって自自連立を、そして政局の安定、政策遂行能力を十分に発揮し得る政治体制を築くため、努力しなければならない」と表明。自由党との連立を推進、小渕政権に協力する姿勢を鮮明にするとともに自自連立政権樹立に伴って党執行部の一新と、全面的な内閣改造を要求した。今後、内閣改造をめぐる党執行部ら主流派との駆け引きが激化するのは必至だ。
梶山氏の指名で、幹事長に亀井氏、事務総長に佐藤信二元通産相、事務局長に衛藤征士郎元防衛庁長官の就任が決まった。《共同通信》
【タイ航空261便墜落事故】
タイ運輸・通信省などによると、乗客132人、乗員14人の計146人を乗せてバンコクから同国南部のスラタニに向かっていたタイ航空261便の旅客機エアバスA310-200型が11日午後午後6時40分ごろ、スラタニ空港に着陸直前に墜落、一部が炎上した。地元テレビなどによると、40人が病院に搬送され、14人の死亡が確認された。
空港当局などによると、墜落地点は空港の西約1キロ。激しい雨で視界が悪く、3回目の着陸を試みた際、湿地帯に墜落。救助作業は難航しているという。《共同通信》
【プロ野球・スパイ疑惑】ダイエー「事実が確認できず」
相手バッテリー間のサインを盗んだとされるスパイ行為疑惑に揺れるプロ野球、ダイエーの調査委員会「(委員長・村上弘球団社長)は11日、パ・リーグに「疑念を抱かれたような事実は確認できなかった」とする最終調査結果報告書を提出した。疑惑のカギを握るサイン伝達役とされた学生についての調査が不分なことなどから、潔白とは言い切れない「灰色」の結果報告となった。
連盟への報告後、福岡市内のホテルで中内正オーナー代行、村上社長らが会見し、報告内容を発表したが、ダイエー側の主張は「クロでない限りシロ」という歯切れの悪いものだった。
報告によると、スパイ行為にかかわったとされる吉永幸一郎内野手、大道典良外野手、柳田聖人内野手の3選手と元コーチは事情聴取で関与を完全に否定。十数人の球団職員からの事情聴取でもスパイ行為を立証できず、施設を使った実地検証や当該試合のビデオでも問題の学生を確認できなかった。これらの理由から「選手たちの潔白であるという主張を覆す確証を得ることはできなかった」との結論を出した。
しかし学生からは「会って話をするのは避けたい」と事情聴取を拒否されるなど、調査の不備もさらした。
報告を受けたパ・リーグの原野和夫会長は「もう少し話を聞いてみたい」と14日に開くパ・リーグ臨時理事会で検討することを明らかにした。《共同通信》
