平成2558日目
1996/01/09
この日のできごと(何の日)
【ロシア・ダゲスタン共和国】チェチェン武装勢力が病院占拠
ロシア南部ダゲスタン共和国の北部キズリャルで9日午前、隣接のチェチェン共和国からチェチェン人武装勢力約500人が侵入し、ロシア政府軍との激しい戦闘の末、市民1000人以上を人質にとり、中央病院と産院を占拠し立てこもった。
ダゲスタン内務省によると、武装勢力はチェチェン共和国からのロシア政府軍の撤退を要求、これが受け入れられなければ人質を射殺すると脅しており、タス通信が市民の話として伝えたところによると、既に2人が射殺された。
タス通信によると、ロシア内務省は武装勢力の数を500−600人とみており、ダゲスタン共和国のイブラギモフ保健相は、人質は1000人以上と語った。戦闘で市民5人と警官2人、武装勢力側の6人が死亡した。
エリツィン大統領は同日、クレムリンでチェルノムイルジン首相や国防・治安担当閣僚を招集して緊急対策会議を開き、バルスコフ連邦保安局長官に事件解決の作戦指揮を命じた。
武装勢力は「孤独な狼」と名乗り、ロシアからの分離独立を主張するドダエフ大統領の娘婿のラドエフ部隊長が率いている。
武装勢力は9日午前に市内へ侵入、空港、鉄道駅、内務省軍の基地に攻撃を加えるとともに、市中で市民を人質にとりながら中央病院に立てこもった。戦闘は午後までにいったん収まり、武装勢力とダゲスタン共和国議会議員が人質の解放をめぐり交渉している。キズリャルには内務省の対テロ特殊部隊が到着、空港など要所に配置された。人質解放交渉が決裂すれば、特殊部隊が病院奪還の総攻撃をする可能性がある。
チェチェン武装勢力は昨年6月にもブジョンノフスクで病院を襲撃、市民100人以上が犠牲になる事件を起こした。
チェチェン紛争は昨年7月に停戦が合意されてからこう着状態が続いていたが、ロシア政府が昨年12月に共和国指導者の選挙を強行して以来、これに反発するドダエフ派が武装行動を強めていた。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【トヨタ・メガクルーザー】発売
【JAS】新鋭機羽田に到着
日本エアシステム(JAS)が導入した米マクドネル・ダグラス社の新鋭機MD90の国内1号機が9日午後、カリフォルニア州ロングビーチの同社工場から羽田空港に到着、記念のセレモニーが開かれた。同機の塗装は映画監督の黒沢明氏がデザイン。虹をモチーフに「JAS」の文字を図案化した鮮やかな色合いに、出迎えた関係者や、航空ファンらから盛んな拍手が起きた。
MD90は全長46.5メートルが、全幅32.8メートルで座席数166席の短距離用の双発中型機。日本、米国など5カ国のメーカーが共同開発したエンジンを搭載し、同クラスの機では最高レベルの燃費の良さや低騒音が特長となっている。
JASは、平成9年3月までに計10機を導入する予定で、4月から国内線に就航させることにしている。《共同通信》
【たばこ自販機】4月から深夜停止
全国たばこ販売闇組合連合会は9日、未成年者の喫煙防止のため、屋外にあるたばこ自動販売機での販売を4月1日から、午後11時から午前5時までの夜間は自主的にストップする、と正式に発表した。酒の自販機は既に昭和50年4月から同時間帯で販売停止となっており、酒、たばことも深夜は自販機で購入できなくなる。
連合会によると、たばこの自販機の深夜販売停止は平成元年5月、蔵相の諮問機関「たばこ事業等審議会」が未成年者の喫煙防止のために実施するよう答申。大蔵省の指導を受けた同連合会が業界内部で検討していた。
深夜販売停止となる。のは全国約49万4000台のうち、屋外にある約35万台。うち約21万台は既にタイマーが内蔵されているが、残る約14万台については新たにタイマーを設置する。費用は自販機を所有する販売店などが負担する。《共同通信》
【英・リフキンド外相】訪中
英国のリフキンド外相が9日、3日間の中国訪問のため香港から北京入りした。来年7月1日に迫った香港の中国返還について協議するためで、9日銭其琛外相と会談、10日から李鵬首相、江沢民国家主席との会談に臨む。変換後の「香港特別行政区」長官の人選、同区準備委員会の運営などをめぐり、中英双方が主張をぶつけ合う白熱の協議も予想される。
リフキンド外相は、北京空港での記者会見で「香港の人々の意見と見解を聞いてきた」と語り、中国側との協議で返還作業に伴う問題点を列挙して、解決に当たりたいとの意向を表明。総督助言機関であり、選挙で選ばれた香港の「立法評議会」議員の変換後の資格についても協議する姿勢を示した。《共同通信》
【大相撲初場所】3日目
大相撲初場所3日目(9日・両国国技館)大関若乃花は左上手を引いた剣晃に寄り切られ初日から3連敗。場所後の横綱昇進は絶望となった。横綱貴乃花は琴の若に粘られ長い相撲となったが、寄り切って3連勝。大関貴ノ浪も豪快な相撲で新小結土佐ノ海を下し3戦全勝。大関武蔵丸は湊富士を送り倒して1敗を等った。関脇魁皇と小結武双山の一番は肩透かしで魁皇が勝ち、初日から土つかず。武双山は2敗。関脇琴錦も旭豊に送り出され2敗となった。横綱曙は右ひざのけがのため休場した。《共同通信》
【自民党】新年会は祝賀ムード
自民党は9日午前、党本部で新年祝賀会を開いた。11日には橋本龍太郎総裁の首相就任が確実なため、さながら橋本首相誕生祝賀会の雰囲気となった。
司会が「橋本内閣誕生とともに年が明けた」と切り出したのに続いて加藤紘一幹事長が「ますます責任は重くなるが、橋本総理・総裁のもとで謙虚に国民の信頼をかち得るよう頑張っていかなければいけない」とあいさつ。加藤氏が、村山富市首相が退陣を与党幹部に明らかにした際「創価学会の政党に権力を渡すことは民主主義と相いれない」と語ったことを紹介すると、拍手が起こった。
橋本氏は「今年ほど明けましておめでとうございますという言葉を重く感じる時はない。私の責任はもとより、自民党の国民に対する責任は一層大きくなる」とあいさつした。
◇
橋本龍太郎通産相は9日、閣議後の記者会見で11日に予定されている首相指名について「ものすごく重苦しい。ずっしりと重く、感じている」と述べた。組閣方針についてはまだ決めていないと言及を避けた。自社さきがけ3党の政策合意内容に関連しては「すベての項目をフォローしている。全体をまじめに受け止めたい」と語った。《共同通信》
【与党3党】幹事長・書記長会談
与党3党は9日夜、国会内で幹事長・書記長会談を開き、加藤紘一自民党幹事長は社さ両党に対し、「橋本新内閣」では党首に代わる首脳の入閣と副総理を置くことを橋本龍太郎氏の意向として提案、女性の入閣も検討していることを明らかにした。
会談では閣僚の各党配分を自民12、社会6、さきがけ2とすることを決めた。11日の臨時国会で橋本新首相が選出された後、3党首会談を開き閣僚人事の方針を正式に決める。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・村山富市首相は9日、番記者と首相官邸で懇談し、気軽に記念撮影やサインに応じるなど、辞任を目前にしてすっかり肩の荷が軽くなった様子。原稿用紙に「和気致祥」と書き「和やかな気持ちが幸せを運んでくるという意味だ。そういう心掛けでやってきた」とにこやかに解説してみせた。記者団が「元旦に退陣を決めたのなら、当時もっと質問すればよかった…」と反省すると、首相は「聞いても分からなかっただろう。だれにも相談せず決めたんだ」と、退陣の経緯ではガードの固いところを見せていた。
○・・・野坂浩賢官房長官と新進党の羽田孜前首相はこの日朝、住まいの東京・九段の議員宿舎玄関で鉢合わせ。衆院解散・総選挙を狙った新進党の「議員辞職戦術」に対し、野坂氏が「辞職なんてせん方がいいよ。こっちは一度やったことがあるから分かっている。ええことないよ」と経験談を交えて忠告。羽田氏は「それでもいいと言っているんだ。こっちは今、野党を学んでいる」と構えたが、野坂氏は「風車は風のある方に向けておけば回る」とアドバイス。「野党は何でもありだ」となおも力む羽田氏に野坂氏は「(野党学を)教えてあげるよ」と余裕たっぷり。《共同通信》
【新進党】「辞職」戦術を撤回
新進党の米沢隆幹事長は9日夜、国会内で記者会見し「11日の臨時国会での首相指名選挙には粛々と出席し、小沢一郎党首を立てて戦いたい」と述べ、衆院の早期解散を迫るため検討していた首相指名選挙前の議員総辞職願提出を見送る方針を明らかにした。
米沢氏は「引き続き重大な決意で今後の政局に臨む」とも述べたが、党内には羽田孜氏支持グループを中心に「議員辞職は大義名分がない」との反発が強く、強行すれば首相指名選挙での足元に乱れなど党内亀裂の拡大につながりかねないとの判断から、事実上の戦術撤回に踏み切ったとみられる。
「橋本次期政権」との対決姿勢を打ち出すための強硬路線が、党首選のしこりを残す党内の亀裂をさらに露呈した形で、小沢執行部はスタートからつまずいた一形となった。
自民党は同日夜、橋本龍太郎総裁と小沢党首との臨時国会前の党首会談開催について「新首相が決まった後、判断したい」と新進党の申し入れを拒否した。米沢氏は会見で引き続き、党首会談を求めていく考えを表明した。
羽田グループなどの約50人の国会議員(代理を含む)は同日昼、憲政記念館で合同会合を開き、議員辞職への反対を再確認。執行部が善後策を協議した中では「事態打開のためには議員辞職しかない」との支持意見が出る一方「全員の理解を得る努力が必要だ」など、戦術見直しを求める慎重論があり、最終的に小沢、米沢両氏ら党首脳が同戦術見送りを決めた。《共同通信》
【サラエボ】路面電車にロケット弾
ボスニア・ヘルツェゴビナの平和履行部隊(IFOR)などによると、首都サラエボ中心部のイスラム教徒支配地域で9日午後5時半(日本時間10日午前1時半)ごろ、停車中の路面電車にロケット弾が命中して爆発し、乗客1人が死亡、子供3人を含む市民計19人が負傷した。
ロケット弾は現場から数百メートル離れたセルビア人勢力支配地域グルバビツァ地区から発射されたものとみられ、付近を警備中の平和履行部隊のフランス軍装甲車が20ミリ機関砲などで応戦した。
ボスニア和平の調印後、サラエボで多数の市民が死傷したのは今回が初めて。今後両勢力の間で緊張が高まることが懸念されている。
今回の事件は、今週末に予定されているクリントン米大統領のボスニア訪問に反対するセルビア人勢力側の「意思表示」との見方も出ている。
地元テレビ局が9日夜伝えた乗客の話によると、電車はほぼ満員で、停留所で乗客が乗降している際、ロケット弾が命中したという。
現場は、ボスニア紛争中に多数の市民が狙撃された通称「狙撃手通り」に面した博物館付近の停留所で、壊れた電車の窓ガラスが散乱し、履行部隊の装甲車などが周囲を厳重に警戒している。《共同通信》