平成3517日目

1998/08/25

【和歌山毒物カレー事件】事件前、2男性ヒ素中毒

毒物カレー事件が起きた和歌山市園部地区で、地区内の民家を頻繁に訪れていた男性二人が、事件のかなり前からヒ素中毒の症状を訴え、うち一人の毛髪からヒ素が検出されたことが25日、和歌山東署捜査本部の調べで分かった。

捜査本部は、事件が起きる前に現場付近を訪れ、ヒ素中毒を起こしている点を重視。二人が同じ民家で飲食していた可能性があることから、近く自治会内の住民ら関係者から事情を聴くなどして、毒物カレー事件との関連を詳しく調べる。

自治会内の住民と交友関係のある男性からヒ素が検出されたことで、事件は新たな局面を迎えた。

調べによると、二人の男性はいずれも和歌山市内に住んでおり、最近まで、事件現場となった園部第14自治会内の住民の家に頻繁に出入りしていた。一人は、今年の春ごろに体調を崩し現在も入院。もう一人も昨年秋、吐き気や腹痛などの症状を訴えて入院、現在は退院しているという。

自治会内の住民の周辺捜査で、住民の知人男性が長期間入院していることが判明。捜査本部は、入院中の男性の毛髪とつめの鑑定を警察庁科学警察研究所(科警研)に依頼、髪の毛からヒ素が検出された。

捜査本部は、男性をヒ素中毒と断定。退院したもう一人についても、髪の毛とつめを採取し、科警研で詳しい鑑定を進めている。

発生から丸一カ月を迎えた和歌山市の毒物カレー事件。現場周辺は一時の騒然とした雰囲気から、元の静かな姿を取り戻しつつあったが、25日になって事件前に男性二人がヒ素中毒とみられる症状を訴えていたことが新たに判明。再び住民に驚きと戸惑いが広がった。

「信じられない。ショックです」と被害を受けた主婦の一人。事件直後は家から外に出てこなかった主婦らが立ち話をしたり、自転車で走り回る子どもたちの姿も見られるようになっていただけに驚きは隠せない。

住民の男性(47)は「訳が分からない。とにかく早く、犯人を捕まえてほしい。ジュースを買う時も、毒物が混入されていないかどうか、ふたを開ける前に確かめる癖がついた」と不安を募らせる。《共同通信》

毒物カレー事件が起きた和歌山市園部の民家に出入りし、事件前にヒ素中毒になった男性二人のうち一人(35)に対し、民家の住民が仲介した形で災害死亡時3500万円の生命保険が掛けられ、一部支払われていたことが25日、和歌山東署捜査本部などの調べで分かった。

保険の契約者・受取人は、中毒症状を起こしたもう一人の男性(45)が経営していた不動産会社になっており、捜査本部は保険加入の経緯に注目。保険金詐欺の疑いもあるとみて詳しく調べるとともに、毒物カレー事件との関連を慎重に捜査している。

調べによると、男性の保険は災害死亡時3500万円、入院時一日当たり1万円が支払われるなどの内容で、平成7年12月に大手生命保険会社と契約。契約の際、申請書の記入を民家の住民がしていた。保険の契約者と受取人は、もう一人の男性が社長だった不動産会社。被保険者の男性はこの不動産会社の従業員となっていた。

男性は昨年9月、中毒症状を起こして入院、現在は退院しており、毒物カレー事件発生後、この保険の災害給付金として一定額が会社側に支払われたという。元会社社長も今年春ごろ体調を崩し今も入院している。《共同通信》



【皇太子ご夫妻】石川県訪問

金沢市で開かれる第10回全国農業青年交換大会に出席のため、皇太子ご夫妻は25日、全日空機で小松空港に到着し、加賀路を訪ねられた。沿道で県民ら約2万3000人(県警調べ)が日の丸の小旗を振って出迎える中、ご夫妻は小松市の石川厚生年金健康福祉センター「サンピア小松」で県勢概要の説明を受けた後、加賀市の奥谷梨団地と大同工薬を視察された。

午前10時50分、小松空港に到着した皇太子ご夫妻は、ロビーで谷本正憲知事、角光雄県議会議長らの出迎えを受け、笑顔で会釈を返された。サンピア小松に向かう途中、ご夫妻は沿道を埋めた県民に何度も手を振っておこたえになった。《北國新聞》

【政界談話室】

自民党の奥田幹生広報本部長は25日の役員連絡会で、先の衆院富山2区、石川1区のダブル補欠選の後日談を披露。「お寺さんに支持をお願いに行った際『お盆の間に選挙をやるのはどうか。仏に対し、えらいすまない。延期できなかったのか』と言われた」と、「真宗王国」北陸地方らしい「苦情」があったことを報告した。その上で「阪神大震災の時には例外的に地方選挙を繰り延べしたこともある」と「超法規的措置」まで求める気の使いよう。参院選惨敗のショックが続く自民党だけに、神にも仏にもすがる思い?《共同通信》

【金融再生6法案】審議開始

ブリッジバンク(つなぎ銀行)制度の創設を柱とする金融再生6法案の審議が、25日午後の衆院本会議ではじまり、小渕恵三首相は「不良債権の抜本処理を進め、経済再活性化を図りたい」と法案の早期成立を要請、日本長期信用銀行への公的資金投入についても理解を求めた。

これに対して7月の参院選勝利を背景に対立姿勢を強める野党側は、政府の長銀への公的資金投入方針を「なぜ国民を犠牲にして長銀を救うのか」(民主党の畑英次郎氏)などと厳しく批判。審議は冒頭から波乱含みとなっており、小渕内閣が目指す法案の早期成立は厳しい情勢だ。《共同通信》



8月25日のできごと