平成3490日目

1998/07/29

この日のできごと(何の日)

【本島等前長崎市長】「(原爆は)落とされるべきだった」

昭和天皇の戦争責任について発言したことで1990年1月、右翼の銃撃を受けた本島等前長崎市長(76)は29日、共同通信社の単独インタビューに応じ、第二次世界大戦末期に米国が広島と長崎に原爆を投下したことについて「落とされるべきだった。(満州事変から終戦までの)15年間にわたるあまりに非人道的な行為の大きさを知るに従い、原爆が日本に対する報復としては仕方なかったと考えるようになった」と語った。

本島氏は95年4月の市長選に落選後、各地の講演会などで原爆について「投下を許し、日本はアジア諸国に謝罪することが必要」と説いて回っていた。しかし「落とされるべきだった」という表現で、原爆投下の「容認」にまで踏み込んだ発言は今回が初めて。広島、長崎の被爆者団体などは猛反発している。

本島氏は第二次世界大戦について「南京大虐殺、三光作戦、七三一部隊などは残虐の極地。日本人の非人間性、野蛮さが出ている」と強調。「中国などにとって原爆は救世主だった。(日本は)一度戦争に引きずりこんだのだから、最初から覚悟していたのではないか」と述べた。《共同通信》

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【Jリーグ第1ステージ】第14節

Jリーグ第1ステージ第14節(29日=9試合)金沢市の石川県陸上競技場で行われたガンバ大阪−ヴェルディ川崎は川崎が4−2で逆転勝ちを収めた。川崎は3位。ジュビロ磐田−横浜マリノスの首位攻防戦は、磐田がアジウソンのPKによる1点を守り切り、首位をキープした。第1ステージは3試合を残し、磐田を含めて4チームが勝ち点30で並び、優勝争いは混とんとしている。

4−1でジェフ市原に大勝した鹿島アントラーズが得失点差で2位。横浜フリューゲルスに快勝した清水エスパルスが4位に続いている。横浜Mは勝ち点27で5位に後退。1994年ワールドカップ(W杯)米国大会得点王、柏レイソルのストイチコフが、デビュー戦となったヴィッセル神戸戦で、来日初得点をマークした。《北國新聞》

【インド、パキスタン】次官級協議再開へ向け合意

南アジア地域協力連合(SAARC)首脳会議出席のためコロンボを訪問しているインドのバジパイ、パキスタンのシャリフ両首相は29日、両国が5月に相次いで地下核実験を実施して以来、初めての二国間会談を行った。

会議後、別々に会見した両首相は、昨年12月以来中断している外務次官級協議の再開の方式を探るため、29、30の両日、両国次官に協議をするよう命じたことを明らかにした。

両首相の発言は、次官級協議再開について、首脳会談の場で直ちに明確な合意に達することができなかったことを強く示唆しており、交渉促進に向けた国際圧力が強まる可能性もある。

約1時間半にわたった会談で両首脳は、核問題やカシミール問題を含む諸問題を話し合い、信頼醸成の重要性などで一致したことを明らかにした。

しかしシャリフ首相は、「カシミール問題が解決されない限り、二国間の他のいかなる問題の解決もあり得ない」と明言し、この問題の協議には第三者の仲介が不可欠との考えを重ねて示した。

同日開幕したSAARC首脳会議は、議長国であるスリランカやバングラデシュが、核問題に対する懸念を相次いで表明。インドが強く反対する「二国間問盟の国際化」への風当たりが強まった。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・自民党の小渕恵三総裁はこの日朝、私邸前で記者団に、宮澤喜一元首相への蔵相就任要情について「昔は高橋是清という首相経験者があえて当時の金融の大危機に対して、自ら大蔵大臣としてらつ腕を振るった経緯もある」。昭和恐慌を今日の金融危機と重ね合わせ、「火吹きだるま」と称された高橋元蔵相を宮澤氏になぞらえて持ち上げた。とはいえ大先輩に再登板を求めることには後ろめたさもあるようで、「歴史は繰り返すということになって大変申し訳ない」。

○・・・橋本龍太郎首相は29日、退陣を前にあいさつに訪れた来客の対応に追われた。この日は首相の誕生日でもあったため、来客は約30組と、まさに分刻みのスケジュール。川田善朗慶龍会会長は「水玉模様にしようと思ったが、玉は泡となって消えるから」とストライプ柄のネクタイをプレゼント。小此木八郎衆院議員も「まだ61歳。いくらでもチャンスはあると、元気づけの肉を贈った」と気遣いをのせた。「引っ越し前に荷物が増えたが」との記者団の意地悪質問にも、首相は「それは大変うれしいことだ」と上機嫌。《共同通信》

【宮澤喜一元首相】蔵相就任が内定

自民党の小渕恵三新総裁は29日夕、宮澤喜一元首相を都内の事務所に訪ねて会談し、景気対策を最重要課題に掲げる新内閣でかなめとなる蔵相への就任を正式に要請し、宮澤氏も受諾した。

小渕氏は蔵相人事の決着を受けて、他の閣僚の人選を進めた結果、民間から作家の堺屋太一氏を経企庁長官に起用することが確定。蔵相と並ぶ重要ポストである外相には高村正彦外務政務次官(旧河本派)の昇格が決まった。《共同通信》

【中国・陳駐日大使】民主党本部を表敬

このほど着任した中国の陳健駐日大使が29日、民主党本部を表敬訪問し、菅代表、鳩山幹事長代理らと懇談した。海江田万里・党国際交流本部長、細川律夫・同中国担当小委員長が同席した。

陳大使は小渕新政権や自民党と民主党との関係について質問し、「中国は民主党の役割に期待している。今後もより一層の協力関係を築いていきたい」と述べ、菅代表も「早いうちに中国を訪問したい」と応じた。《民主党ニュース》

【和歌山毒物カレー事件】青酸熟知、発覚遅らせる

青酸カレー事件で、和歌山市園部の夏祭りに参加した住民がカレーライスを食べる際に、犯人はカレーの香辛料で青酸化合物特有の刺激臭が弱まることを狙った可能性が高いことが29日、和歌山東署捜査本部の調べで分かった。

祭り会場ではほかの飲食物も振る舞われていたが、青酸化合物はカレーだけに混入されていた。このため、捜査本部は犯人が青酸化合物の特徴を熟知、住民が異常に気付くのを少しでも遅らせようとカレーに混入したとみている。

青酸化合物は以前、農薬などにも使用されていたが、混入されたカレーからはほかの農薬成分は検出されず、捜査本部は青酸化合物のうち、工業用や研究用として市場に流通している青酸ソーダ(ナトリウム)か青酸カリの可能性が高いとみて特定を急いでいる。

調べによると、青酸化合物は結晶などの固体時にはアーモンド臭がし、青酸ソーダ、青酸カリとも致死量は一人当たり0.2グラム程度。水に溶けやすく、溶けた場合には刺激臭が発生するが、カレーに混入した場合には香辛料などの味とにおいに紛れるという。

新潟県上越市で平成2年1月に起きた殺人未遂事件では、お茶やコーヒーに青酸カリが混入されたが、職員らがすぐに異臭や味の異常に気付いて吐き出し、死者は出なかった。《共同通信》

青酸カレー事件で、和歌山東署捜査本部は29日、青酸化合物が混入されたカレーを調理したなべが会場に運び込まれた時間は、事件当日の25日午後2時すぎから4時ごろまでの間だったことを明らかにした。これまでは、問題のなベは25日午後5時ごろまでガレージで保管したときれていたが、夏祭り開始の2時間以上前に会場に搬入されていたことが判明した。

捜査本部によると、カレーは同日正午ごろまでに出来上がり、なべにアルミホイルをかぶせた上に、段ボールでふたをした。午後2時から4時にかけて会場に運び、午後5時ごろから再び加熱、約1時間後に住民に配り始めた。

出来上がりから配り始めるまでは、当初の予定では6つの班が2、3人で、1時間交代で見張ることになっていたが、実際は2−3時間いる人もいれば、すぐに家に帰った人もいたという。《共同通信》



7月29日 その日のできごと(何の日)