平成3215日目

1997/10/27

この日のできごと(何の日)

【松山ホステス殺人事件】初公判

1982年8月に松山市で起きたホステス殺害事件で、約15年間の逃走の末、時効直前に逮捕され、強盗殺人罪に問われた同市生まれの元ホステス福田和子被告(49)の初公判が松山地裁(田村秀作裁判長)で開かれ、同被告は殺害を認めた上で「当時は金に困っておらず、現金などを奪おうとする計画性はなかった」と泣きながら述べ、強盗の犯意は否定した。

この日、33の傍聴席を求め約2000人が並んだ。

起訴状によると、福田被告は57年8月19日午後3時ごろ、松山市勝山町、ホステスA子さん=当時(31)=のマンションで、A子さんの首を腰ひもで絞めて殺し、現金や整理たんすなど計約1000万円相当を奪った。

検察側は冒頭陳述で、当時の福田被告について「消費者金融から約200万円、さらに知人をだまして約100万円を借りるなどしていた」と借金があったことを指摘。A子さんの家財道具を運び出す際には「A子さんの夜逃げの手伝いをしてくれ」と言って、親類の男性らに頼んだことを明らかにした。

また福田被告は事件後、顔を整形し偽名を使いながら、石川や名古屋、大阪などを転々としていたとしたが、逃走経路などについては既に判明している以上の新事実は出なかった。福田被告は時効まで3週間となった7月29日、福井市内で逮捕された。

整形手術で顔を変え、約15年間の「変身逃亡」。犯罪捜査では日本で初めて懸賞金が懸かり、小説のモデルにもなった元ホステス福田和子被告が27日、時効直前の逮捕後、初めて法廷に姿を見せ、声を詰まらせ涙を流した。「この目で素顔を見たい」と松山地裁前には地裁始まって以来という約2000人の傍聴希望者が長蛇の列をつくった。

「お金や通帳を取ったのは認めますが…」。午前10時半すぎ、満席の松山地裁4号法廷。福田被告は罪状認否で声を詰まらせ、元同僚を殺害し家財を奪ったことを認め、うなだれた。しかし、当初から強盗目的の犯行だったとする計画性については強く否認し、検察側と対決する姿勢をみせた。

手にしたハンカチで目頭を押さえながら、か細い声で、ささやくように答える福田被告。その目元からは時折、涙が流れる。

福田被告はピンクのセーターに黒いパンツ姿。小柄で、赤っぽく染めた髪にひと筋の白髪がのぞく。取り調べに疲れたのか、表情にはやつれも見える。女性刑務官に両わきを抱えられ、ふらつくような足取りで法廷に立った。《共同通信》

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【 NY市場】大暴落

香港株の大暴落を発端とした世界同時株安は、27日のニューヨーク市場でダウ工業株30種平均が前週末比556.26ドル安と1987年10月のブラックマンデーを上回る史上最大の下げ幅を記録し、取引が中止される事態となった。これを受けた28日の東京市場では、事実上の値幅制限である臨時措置が取られたが、売り注文が殺到、95年7月以来の安値で取引を終了した。《共同通信》

【新進党・小沢一郎党首】宮城県知事選大敗を陳謝

新進党の小沢一郎党首は27日午後の五役会で、宮城県知事選で自民党などと共同推薦した市川一朗前参院議員の大敗について「県連会長として党員の皆さんに応援していただきながら大差で敗れ、申し訳ない」と陳謝した。

五役会で小沢氏の責任を直接追及する声はなかったが、これに先立つ幹事長室会議で鹿野道彦広報企画委員長が「知事選結果の総括が必要だ」と主張、反小沢色が強い「改革会議」新進党メンバーの同夜の会合では、松沢成文衆院議員が「野党再編を進めるには小沢党首では無理だ。新執行部をつくり、他の野党にも信頼される人を選ぶべきだ」と党首交代を求めた。静岡県連会長も辞任勧告書を党本部に送った。

年末の党首選を控え、小沢氏が厳しい党運営を迫られるのは必至だ。小沢氏は五役会で「候補を立てて戦わなければ、じり貧になる。それなりの成果は上げたと思う」とも述べ、愛知和男氏の離党、自民復党で弱体化した県連組織の立て直しに役立ったとの認識を強調した。中野寛成国対委員長は「選挙総括が必要だ」と指摘。西岡武夫幹事長、二階俊博選対局長が28日にも役員会や総務会で知事選結果を報告することになった。

扇千景参院議員会長は参院宮城補選で「党が率先して候補を決めるべきだ」と発言。小沢氏は「一両日中に決めるよう県連に指示している」と述べ、独自候補擁立に強い意欲を示した。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】「政党の役割見直しを」

橋本龍太郎首相は27日午前、自民、新進両党などの推薦候補が完敗した宮城知事選の結果について「宮城だけでなく、神戸、川崎(の市長選)もそうだが、やっぱり政党自身が評価される国政選挙とは違う」と述べ、直接的には国政との関連性は薄いとの見方を示した。その上で「政党の果たす役割がどの程度なのか、もう一度分析し直す必要がある」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は27日昼、サッカーのワールドカップ(W杯)フランス大会アジア最終予選で日本がアラブ首長国連邦と引き分けた結果、W杯初出場が厳しくなったことについて記者団から感想を求められ「何ともやり切れなかったなあ」と悔しそうな表情。「家内がサッカーをやっているおいっ子と試合を見に行き、プンプンして帰ってきたよ」と無念さを強調した。ところが記者団がテレビで観戦したのかと突っ込むと「見たり、見なかったりだけど…」とのらりくらり。宮城県知事選の開票時間帯と重なったことから、試合どころではなかった様子がありあり。

○・・・新進党の西岡武夫幹事長はこの日の五役会で、同党と民主、太陽両党の幹部が先ごろ開いた懇談会に神崎武法総務会長を誘わなかったことについて「設営した太陽党には総務会長がいないので、声を掛けなかった」と釈明した。神崎氏が「太陽党にも総務会長に相当するポストはあるそうだ」と嫌みを言うと、西岡氏は「こちらがセットする時は総務会長がいるというところを見せたい」と言うのが精いっぱい。神崎氏は小沢一郎党首の政治路線を批判したため懇談会から外されたと疑心暗鬼を強めているらしく、西岡氏は野党結束の前に党内結束を迫られそうだ。《共同通信》



10月27日 その日のできごと(何の日)