平成3026日目

1997/04/21

この日のできごと(何の日)

【中国人民解放軍】先遣隊が香港入り

中国返還後の香港に駐留する中国人民解放軍の先遣隊第一陣40人が21日午後、広東省深圳から境界を越え香港に入った。中国軍部隊が香港入りするのは初めてで、7月1日の返還に向け、英国から中国への主権移行を象徴する第一歩となった。

先遣隊は、返還後の香港駐留軍副司令官となる周伯栄少将の乗用車先頭に軍用トラックなど8台に分乗、午後1時(日本時間午後2時)すぎ、香港側の落馬洲の検問所を通過。軍服姿だが武器は携行せず、通常の通関手続きを済ませ、車のナンバーも香港ナンバーに付け替えて入境した。

香港島中心部のプリンス・オブ・ウェールズ基地にある英軍総司令部で一行を出迎えた英軍のダットン司令官は「中英両軍にとって歴史的な瞬間」と述べ、周少将は「返還までの貴重な時間を大切にし、協力関係を築きたい」と応じた。

先遣隊の目的は香港にある14の英軍関連施設の引き継ぎ。40人のうち28人は英軍総司令部、残り12人はストーンカッターズ島の海軍基地に駐留、英軍と協力して引き継ぎ業務を進める。

先遣隊は今後徐々に増え、返還直前には200人前後になる見込みで、最大1万人とみられる進駐に備える。香港基本法によると、駐留軍は香港特別行政区の日常業務に介入しないが、行政区側は治安維持や災害救助で協力を要請できる。《共同通信》

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【東京湾アクアライン】貫通式

川崎市と千葉県木更津市を海底トンネルと橋で結ぶ東京湾アクアライン(東京湾横断道路、全長15.1キロ)の貫通式が21日、海底トンネルで行われた。

この日の貫通は上下2本のトンネルのうち下り線側(9.5キロ)。5月ごろには上り線側も貫通予定で、その後道路の舗装などを行い、早ければ12月中に完成が見込まれている。

貫通式は川崎市川崎区の海底トンネルの浮島口から約7キロ地点(海面下約50メートル)で行われ、事業主体の日本道路公団や東京湾横断道路会社の関係者、来賓ら約400人が出席。

式典では来賓がスイッチを押すと掘削機を模した青い幕が落とされ、貫通。くす玉が割られ、出席者から拍手がわいた。川崎側から亀井静香建設相と岡崎洋・神奈川県知事、木更津側から鈴木道雄・日本道路公団代表、沼田武・千葉県知事らが用意されたステージに進み、笑みを浮かべながら、握手を交わした。

亀井建設相は「21世紀の首都圏の均衡ある発展に大きな役割を果たす道路だ」などと祝辞を述べた。

東京湾アクアラインは、川崎側9.5キロが自動車道としては世界最長の海底トンネルで、木更津側は4.4キロの橋となっている。平成元年に着工、総事業費は1兆4823億円。開通すると、川崎−木更津間が車で約15分で結ばれる。通行料は普通車で片道5500円の予定。トンネルと橋の間にある木更津側の人工島「海ほたる」には、駐車場やレストランなども設置される。《共同通信》

【富山県富山市】「信開ホテル富山駅前」開業

信開グループ(金沢市)が富山市明輪町で建設していた「信開ホテル富山駅前」が完成し、21日開業した。客室は富山県内で最大規模の347室あり、年内に着工予定の全日空ホテルが加われば、富山市内の宿泊業界で顧客獲得競争が激化するとみられる。

信開グループ10番目のホテルで、富山市内では信開ホテル富山(客室274室)と合わせ、621室確保した。

鉄骨鉄筋14階建てで、48台収容の地下駐車場やホテル前面にポケットパークを備えた。客室構成はシングル224、ツイン120、トリプル2、スイート1。JR富山駅に近く、宿泊料金はシングル6000円、ツイン1万2000円と低料金に設定した。無料で利用できるサウナ・露天ふろ付き男女大浴場やレストラン、会議室なども設けた。

総事業費は28億4000万円、初年度は客室稼働率60%で6億7000万円の売り上げを見込んでいる。この日は約300人を招待、信開グループの元谷外志雄代表ら33人がテープカットし、開業を祝った。《北國新聞》

【動燃】全役員を減給処分

動力炉・核燃料開発事業団(動燃)は21日、新型転換炉「ふげん」で起きた放射能漏れと通報遅れ、東海事業所アスファルト固化処理施設爆発事故と相次ぐ不祥事の責任を問い、役員全員とふげん発電所長、副所長に対する処分を行った。

副理事長2人と理事7人を30%の減給1ヵ月とし、処分を行った近藤俊幸理事長も1ヶ月の給与の半分を自主的に返納。ふげんの竹下徳人所長、今津彰副所長は、日額の二分の一を1回減給する懲戒処分とした。さらにこの日、ふげんの運転担当次長、技術課長、保修課長の3人に対し、懲戒にはあたらない厳重注意を言い渡した。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】日米防衛協力指針見直し「憲法の枠守り、幅広く」

橋本龍太郎首相は21日、ワシントンで25日に行われるクリントン大統領との日米首脳会談で、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)見直しは憲法の枠内で幅広い協力を行う考えを表明するとともに、5月の中間報告や今年秋の指針見直しに向け、日米防衛協力小委員会(SDC)の協議を加速させることを確認する方針を固めた。

沖縄の米海兵隊を含む在日米軍の兵力水準については、現時点で削減を求めるのは避け、「国際的な安全保証情勢の変化に応じて緊密に協議する」との昨年4月の日米安保共同宣言の合意確認にとどめる考えだ。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は21日昼、国会内で秋田知事選の敗北を報告した秋田出身の村岡兼造国対委員長を「一生懸命やったんだから」と慰めた。記者団が「首相も応援に行ったのに…」と問い掛けると「何が言いたいのっ」と悔しさ爆発。一方、新進党の小沢一郎党首は、両院議員懇談会で「全都道府県知事選を制すれば、全国を制する」と久々のスマイル。だが地元の佐藤敬夫衆院議員から「政党は上からああだ、こうだとやりたがるが、市民の運動をサポートすることが大事」とクギを刺され、一転して苦虫。勝っても負けても「一龍らしさ」を印象づけた。

○・・・社民党の土井たか子党首はこの日午後、国会内で自民党の加藤紘一幹事長と会い、19日の党大会レセプション出席に謝意を表した。加藤氏が、党大会で地方代議員から「社民党の独自性発揮」を求める意見が相次いだことを念頭に「皆さんお元気そうで…」と皮肉ると、土井氏は「元気を取り戻してやらなければ、という気持ちでした」と、特措法改正で「自社さ」に亀裂が生じたのも気にせぬ様子。「お互い苦しい思いをしている仲だから、負けちゃいられません」と、激励とも対抗心ともつかぬ土井氏の言葉に加藤氏も苦笑い。《共同通信》

【北朝鮮・黄長燁元書紀】「心理的に安定」

韓国の国家安全企画部は21日、韓国での第一夜を過ごした朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の黄長燁元書記が、同部が提供した宿舎で規則正しい生活を始め「中国やフィリピンでの滞在中より、心理的に安定した状態を見せている」と明らかにした。安企部は黄元書記や秘書役の金徳弘氏への聴取は「急がない」としながらも、近く、黄元書記が卒業した平壌商業学校の同窓生らも同席させる「対話方式」で、心理的安定を考慮しつつ聴取を進める方針だ。

消息筋によると、韓国政府は、対北朝鮮政策での協調の方針に基づいて黄元書記が持っている情報を共有するという観点から、米国と日本の情報、公安当局にも黄元書記への聴取を認める方針という。

一方、韓国政府は黄元書記の亡命事件が一段落したと判断し、北朝鮮への融和策を検討。大韓赤十字社が提案し、北朝鮮赤十字会が5月3日に北京での開催を逆提案してきた南北赤十字会談の代表協議開催に応じる方針で、近く北朝鮮側に回答する。

黄元書記は20日夜は自分の亡命を報じるニュースなどに見入り、21日は午前8時に起床。安企部に韓国での生活に適応するため、韓国語辞書や百科事典、経済事典などを要求、毎日英語の勉強と朝の運動をしたいと希望したという。《共同通信》

【仏・シラク大統領】下院解散、総選挙へ

フランスのシラク大統領は21日テレビ演説をして、来年3月の任期満了を待たずに国民議会(下院)を解散すると発表した。総選挙の第1回投票は5月25日、決選投票は6月1日に実施される。フランスの総選挙は1993年3月以来で、大統領の解散権行使は58年の第五共和制発足以来5回目。

解散・総選挙決断の背景には①欧州通貨統合の参加基準達成のため、歳出削減など不人気な政策を取らざるを得ず、今、選挙をしないとさらに厳しい状況に追い込まれる②戦後最悪の失業率(12.8%)など低迷する経済が早期回復する見通しがない−との判断があったとみられる。

連立与党の大幅な議席減が確実の情勢の中で、大統領は過半数確保に向け背水の陣を敷いて、大きなかけに出たと言えよう。大統領は演説で欧州通貨」統合に向け国民の協力を呼び掛けた。

現在の下院(定数577)の構成は、連立与党の共和国連合258、フランス民主連合206、野党の社会党63、共産党24、諸派・無所属25、欠員1。《共同通信》



4月21日 その日のできごと(何の日)