平成3025日目

平成9年4月20日(日)

1997/04/20

【北朝鮮・黄長燁元書記】韓国入り

韓国への亡命を求め、フィリピンに滞在していた朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の黄長燁元書記が20日午前、エア・フィリピン特別機でソウル近郊の軍用飛行場、ソウル空港に到着した。

元書記は2月12日に北京の韓国大使館領事部に亡命を申請して以来、中国、フィリピンを経て68日目に念願の韓国亡命を実現。空港で記者会見して声明を発表し「北朝鮮当局は人民を飢えて死ぬ状況に置き、改革・開放を拒否し、戦争準備に没頭している」と非難した。亡命動機については「余生を戦争の防止と南北の平和統一にささげ、民族の前にしょく罪したい」と述べた。

黄元書記は同日、公表した自筆の声明書(2月12日付)で「北朝鮮のすべての禍根は個人独裁にある」とし「国家と軍隊、党と人民を個人の所有物に転換、多くの人々が飢えているのに責任を取らない」と金正日書記の独裁体制を正面から批判。昨年5月から亡命を決意、毒薬をずっと所持してきたことも明らかにした。

北朝鮮は黄元書記を「変節者」として切り捨て、黄元書記亡命問題を基本的には韓国との南北関係や四者会談協議などとは分離する姿勢を見せている。しかし、元書記がこれまでベールに包まれてきた北朝鮮権力内部の情報を暴露すれば、南北関係にも重大な影響を与える可能性がある。

黄元書記は秘書役の金徳弘氏とともにソウル空港に到着。飛行機を降りる前、タラップ上に並んで万歳を三唱した。2カ月以上の不安定な生活だったが比較的元気な様子だった。元書記は記者会見で「北朝鮮は多くの矛盾、問題点を抱えている。南北朝鮮の対立は社会主義と資本主義の対立ではなく、封建独裁と自由民主主義の対立であり、封建的軍国主義と資本主義的経済主義の対立だ」と指摘した。

韓国外務省スポークスマーンは「本人の自由意思が実現し無事ソウルへ到着したことを心から歓迎する」と声明を発表。元書記の亡命に協力した中国政府とフィリピン政府へ感謝の意を表明した。

橋本龍太郎首相は20日午後、北朝鮮の黄長燁元書記のソウル到着が南北朝鮮関係に及ぼす影響について「北朝鮮も割合、冷静だし、中国が間に入って、韓国もそれを宣伝しようとしていない。極端な影響は出ないだろう。ただ(南北朝鮮関係に)プラスにはならないな」と述べた。《共同通信》



【テニス・杉山愛選手】ツアー初制覇

テニスのジャパン・オープン最終日は20日、東京・有明テニスの森公園で男女シングルス決勝などを行い、女子シングルスで第4シードの杉山愛(フリー)が、第3シードのエミー・フレージャー(米国)を4−6、6-4、6-4で破ってツアー初優勝し、賞金2万7000ドル(約340万円)を獲得した。

世界ランキング30位の杉山はツアー4度目の決勝進出。第1セットを失ったが、武器のバックハンドを軸にストロークで攻め、第2、3セットの競り合いをものにして2度目の優勝を目指した同29位のフレージャーを逆転した。

男子シングルス決勝は、昨年のウィンブルドン選手権優勝者、リカルト・クライチェク(オランダ)が6-2、3-6、6-1でリーオネル・ルー(フランス)を下して初優勝。今季2勝、通算12勝目を挙げ賞金15万4000ソル(約1900万円)を手にした。《共同通信》

【秋田県知事選】寺田典城氏が初当選

9億円に上る公費不正支出問題で佐々木喜久治前知事が辞職したのに伴う秋田県知事選は20日投票、即日開票の結果、無所属新人で新進、社民、太陽、公明推薦の前横手市長寺田典城氏(56)が29万1000票を獲得、対立候補の自民推薦で前県総務部次長佐竹敬久氏(49)に約2万8000票差をつけて初当選を果たした。

民主推薦の元朝日新聞記者中島達郎氏(56)、共産推薦の前県高教組委員長斎藤重一氏(65)は票を伸ばせなかった。投票率は県議選との同日選でなかったこともあり、69.52%と秋田県知事選では過去最低となった。非自民で新進推薦の知事は青森、岩手に次いで東北では3人目。

寺田氏の勝利で、自民党は40年以上にわたって独占してきた秋田県知事の座を、新進を軸とした非自民に明け渡すことになった。橋本政権が誕生して以来、自民党の推薦候補が知事選で敗北したのは初めてで、同党にとっては痛手となった。一方、新進党にとってはオレンジ共済組合事件などが響いて下落していた党勢を回復させる手掛かりを得たことになる。

選挙戦は事実上、自民の佐竹氏と、新進を軸とした寺田氏の激しい争いとなった。寺田氏は県幹部だった佐竹氏を意識し、不正支出の実態解明や再発防止策について「外からの刷新」を強調。徹底した情報公開の必要性を訴えて不正支出問題の批判票を取り込み、大票田の秋田市で佐竹氏に2万票差の大差をつけたほか、地元横手市などの都市部、一部を除く県南部でも終始有利な戦いを展開した。

「不正支出の中枢にあった候補」と他陣営から批判を浴びた佐竹氏は自民党が党本部を挙げて応援。選挙戦前から大物幹部を次々投入し、橋本龍太郎首相も秋田入りするなど国政選挙並みの態勢を取った。《共同通信》

【社民党】リベラル結集呼びかけ

党再生を目指した社民党大会は20日、民主党など「リベラル勢力の新たな結集の実現」などを盛り込んだ運動方針を採択し、二日間の日程を終えた。

討議では米軍用地特別措置法改正への反対に支持が相次ぐとともに、これを契機とした保保連合勢力の台頭への懸念が示された。党の再生のために独自性を重視する意見が続出したが、党再建の具体的な方向性は今後の課題とされた。

大会は最後に「『大政翼賛』的な政治の流れが強まる中、民主主義を尊重する多くの心ある政治家、国民と連携の輪を広げながら、新たな結集に取り組む」との宣言を採択した。

土井たか子党首は大会後の記者会見で、「新たな結集」の軸となる民主党との連携について「積み重ねが大事だが、自らに自信、気力がないと埋没してしまう」と述べ、社民党の体制固めを優先させた上で取り組みたいとの考えを示した。また今後の政権の枠組みについて「政策を与党3党の中で生きたものにしてほしいというのが大勢だった」と述べ、自民、社民、さきがけの3党体制を維持していく考えを示した。《共同通信》

【ナホトカ号重油流出事故】船首103日ぶり撤去

ロシアタンカー「ナホトカ」の重油流出事故で、福井県三国町沖に座礁したままとなっていた同船の船首部は20日、103日ぶりに海中から引き上げられ、福井港に移された。船首部を載せた台船は21日にも同港を出航し、運輸省事故調査委員会のメンバーが待つ広島県江田島町の船体解体工場へ向かう。撤去作業終了に伴い、福井県は今月末にも重油禍に関する終息宣言をする予定。

船首部の撤去作業は、約20隻の作業船と約100人の作業員によって20日未明に始まった。万一の油漏れに備え、船首部周辺をオイルフェンスで囲むなど警戒体制が敷かれる中、午前9時すぎに、国内最大級で約2000トンのつり上げ能力のあるクレーン船「金剛」が、船首部を座礁個所から台船が侵入可能な深さのある場所まで移動。十数本のチェーンでゆっくりと船首部をつり上げ、約1時間かけて台船上に載せた。

海底に残った残がいの回収作業は、この後数日間は続けられる。しかし、船首部の重油抜き取りのために建設された約200メートルの仮設道路の撤去の見通しは立っていない。《北國新聞》

重油流出事故で、三国町安島沖に座礁していたロシアタンカー「ナホトカ」の船首部分は20日、台船に引き揚げられて福井港にえい航。座礁から103日ぶりに撤去された。1月7日の座礁以来、重油禍に苦しむ地元住民へ威圧感を与え続けた鉄塊は姿を消した。

また同日は、地元大湊神社の例大祭「雄島まつり」が営まれるなど、美しさを取り戻しつつある海辺は活気に包まれた。船首撤去を区切りに、県と三国町は今月末に災害対策本部を解散するが、仮設道撤去や補償問題、風評被害対策など、まだ多くの難題が残されており、全面解決への道のりは遠い。《福井新聞》

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】人質の健康診断を制限

リマの日本大使公邸を占拠しているトゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループのリーダー、セルパ容疑者は20日、ロイター通信との無線交信で、人質の健康診断を今後は週一回に制限すると述べた。意図は不明だが、ペルー政府との事件の解決交渉で態度を再び硬化させた可能性がある。

公邸では毎日のように赤十字国際委員会の医師らが人質の健康を診断してきたが、セルパ容疑者は「人質に深刻な健康問題はなく、週一回にすると決めた」と語った。地元CPNラジオは、同容疑者が同日公邸入りしたビンセント駐ペルー・カナダ大使らに健康診断は土曜だけにすると通告したと報じた。

セルパ容疑者はMRTAが仲間の服役囚のうち、病気の30人を即刻釈放するよう要求したとする19日のペルー紙ラレプブリカの報道を「全くの推測」と否定した。

一方、保証人のシプリア二大司教は20日、日曜恒例の公邸でのミサに出掛けず、ペルー政府とMRTAとの合意を急ぐ保証人委員会の調停は中断状態となった。

大司教は事件直後からほぼ毎日曜日、公邸でミサを行ってきた。関係筋は19日、大司教が腹痛を訴えたことを明らかにした。20日も回復しなかったためミサを欠席したとみられるが、症状は深刻ではなく、今後の調停活動に影響を及ぼすことはないようだという。

大司教は19日、公邸でMRTAと公式に接触したが、わずか1時間で帰宅した。公邸には20日、ビンセント大使と赤十字国際委員会ペルー事務所のミニグ代表の保証人2人が約1時間入った。



4月20日のできごと