平成3014日目

平成9年4月9日(水)

1997/04/09

【第69回選抜高校野球大会】天理(奈良)初優勝

第69回選抜高校野球大会最終日は9日、甲子園球場で決勝を行い、天理(奈良)が4−1で中京大中京(愛知)を下し、初優勝した。天理は1986、90年の夏の全国制覇と合わせ、19校目の春夏両大会優勝校となった。

奈良県勢の優勝は大会史上初。近畿勢の優勝は第66回大会(94年)の智弁和歌山(和歌山)以来、3年ぶり。中京大中京は大会最多5度目の優勝はならなかった。《共同通信》

ヒーローインタビューで仲良くお立ち台に上がった天理バッテリー。マウンドを任された背番号3は、「頭が真っ白になった。夢のようで」と話しながら、自然と涙がこぼれてきた。その長崎を支えた女房役の東は「今までのつらいことも全部吹っ飛んだ」と喜びを表現したが、対照的に終始冷静な受け答えだった。

この二人が手繰り寄せた優勝と言ってもいいだろう。「きのう(準決勝)は小南が一人で投げた。きょうは僕が」。気のはやる速球派投手を巧みなインサイドワークで導いたのが“天理の頭脳”といわれる東。前夜、ビデオで分析して得た結論が「緩いカープを交ぜて、速球で内角を突けば抑え込める」。

当たっていた中京大中京の四番杉浦、五番藤村からは計5三振を奪い、三振は毎回の11個を数えた。 七回まで毎回走者を背負う苦しい場面も二人で切り抜けた。伝統校の機動力を封じた長崎は六回に絶妙なけん制で二塁走者を刺し、東も矢のような送球で二、三回と二盗を阻止。五回はリードの大きい一塁走者を刺して、相手の持ち味である機動力を封じた。

あこがれの紫紺の優勝旗を持った主将の東は「こんなに重いと思わなかった」と、あらためて喜びをかみしめていた。《共同通信》



【大阪市浪速区】小3女児、刺され死亡

9日午前8時ごろ、大阪市浪速区敷津西1丁目の路上で、食料品販売業Sさん(45)の長女Aちゃん(8つ)=市立敷津小3年=が血を流してうつぶせに倒れているのを通行人が気付き110番した。Aちゃんは登校中で首の後ろを刃物で刺されており、病院に運ばれたが約1時間後に死亡した。

大阪府警は殺人事件として浪速署に捜査本部を設置、通り魔による犯行の可能性があるとみて捜査を始めた。

調べでは、凶器は刃渡り約15センチの包丁で、Aちゃんの首に刺さったままだった。「キャー」というAちゃんの叫び声がした直後、30歳くらいの男が現場から走り去るのが目撃されており、捜査本部は男の行方を追っている。

目撃者によると、男は身長160−165センチ。眼鏡を掛け、ベージュ色のジャンパーを着ていた。包丁の柄の部分には、お絞りのような布が巻き付けられていたという。

敷津小は8日が始業式で9日、授業が始まったばかり。Aちゃんは普段、家人が「危ないから」と学校まで送っていたが、この日は家人が用事で早く出掛けたため、一人で登校したという。自宅から現場までは数十メートルしか離れていなかった。現場は大阪市営地下鉄大国町駅の西約200メートル。マンションなどが立ち並ぶ住宅街。

小学女児が襲われた事件としては3月、神戸市須磨区の団地路上で、小4女児(10)、小3女児(9つ)の二人が、相次いで刺されるなどし、小4女児が7日後に死亡する連続通り魔事件があったばかり。兵庫県警が、現場付近の不審者情報などをもとに捜査しているが難航している。《共同通信》

9日朝、大阪市浪速区敷津西の路上で、市立敷津小3年Aちゃん(8つ)が登校中、包丁で刺され死亡した事件で、大阪府警浪速署捜査本部は同日午後、殺人の疑いで同区、ガラス施工業手伝い、B容疑者(44)を逮捕した。同容疑者は調べに対し「以前購入した包丁で女の子の首を突き刺し、家に逃げ帰った」と犯行を認めたが、動機については「今は言いたくありません」と供述しており、捜査本部でさらに追及している。

調べでは、同容疑者は同午前8時ごろ、登校中のAちゃんの後ろから、持っていた包丁(刃渡り約15センチ)で首をいきなり刺し、約1時間後に失血死させた疑い。

周辺の聞き込み捜査の結果、「現場のすぐそばの建物から男が飛び出し、女の子の首を刺した」との目撃情報から、同容疑者が浮上。同市都島区内の工事現場で働いていた同容疑者に任意同行を求めたところ犯行を認めた。

同容疑者は2、3年前から近くの商店街の窓ガラスをハンマーで割るなどして住民に不審がられていたという。事件直後には、勤務先の同僚の車で工事現場に出掛け、通常通り仕事をしていたという。《共同通信》

【富山県・中沖豊知事】新幹線「地域発展に不可欠」

衆院運輸委員会は9日、整備新幹線建設と国鉄長期債務処理問題について、牧野昇三菱総研相談役ら参考人4人からの意見聴取と質疑を行った。整備新幹線建設の賛否をめぐっては参考人の意見が分かれたが、国鉄債務処理では政府の対応の甘さなどを批判する意見が続出、国民が納得する処理案を早急にまとめるべきだとする提言が出された。

整備新幹線建設では、牧野氏が「省エネと環境問題は重要で(時代は)高速道路ではなく鉄道」と早期建設を主張。北陸新幹線の沿線を代表する立場から中沖豊富山県知事は「国土の均衡ある発展や地域活性化に不可欠」と建設を強く要望した。

これに対し、桜井徹日大教授は「東京一極集中につながり、地域の活性化にならない」と反対。岡野行秀東大名誉教授は建設に理解を示しながらも「並行在来線の廃止は鉄道貨物の衰退を進める」として在来線の高速化を提案した。また財源問題でも、桜井氏が「新幹線整備費の一部は国鉄債務の返済に充てるべきだ」と強調したのに対し、牧野氏は「道路財源であるガソリン税の一部転用を検討すべきである」と提言するなど意見が分かれた。

国鉄債務処理問題では、利子の高い財政投融の資金を借り続けたり、土地売却のタイミングを逃すなど政府の対応の甘さに批判が集中。牧野氏と岡野氏が国民負担による債務処理を容認する意見を述べたが、岡野氏は「国民は税金の使い方に不満を持っており、特別会計にして納税者に分かりやすくして処理を進めるべきだ」と注文を付けた。《共同通信》

【新進党・小沢一郎党首】自民との連携に前向き

新進党の小沢一郎党首は9日午後、国会内で定例記者会見を行い、今後の重要政治課題である行財政改革の具体化に当たって「政府、与党が本気でやる気になって、協力してくれと言われれば話をする」と述べた。

特に、8月の10年度予算概算要求の取りまとめに向け「6月の国会終了前後が政府の(行財政改革に対する)あかしを示す時だ」と指摘し「議論を求められれば、いくらでもやる」と強調した。これは沖縄の米軍用地特別措置法改正問題に続き、行財政改革でも自民党との部分連合を模索する可能性があることを示したものだ。

小沢氏は自民党との連携について「付き合う、付き合わないというとらえ方ではないが、自民党の中にも私どもの主張を了とし、同じような考えの方が多数いる」と前向きな姿勢を表明。政界再編に関連して「沖縄問題であれ何であれ、根本的な考え方の違いが徐々に明りょうになっている。別の考え方の者が同じ政党を構成しているのはおかしい」と指摘した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は9日、財政構造改革会議企画委員会で、亀井静香建設相らが景気への影響などから公共事業費削減に抵抗する姿勢を示したことについて記者団から聞かれると、「僕の立場でなぜ、今そのことを議論しなくちゃならないの」と逆質問。さらに「その質問は僕の(ゴルフの)パットより悪い。(距離が)オーバーしてるかショートしてるか、相当ライン違いだ」とかわした。政権の重要課題に挙げる財政構造改革だが、閣僚というパートナーに「一切の聖域を設けない」というルールを守らせることができないようでは、首相の改革もプレー以前の問題?

○・・・社民党が米軍用地特別措置法改正案への反対を正式に決めたことで、この日の与党責任者会議は冒頭から重い雰囲気に。自民党の森喜朗総務会長がこの気分を何とか和らげようと、同党の加藤紘一幹事長と社民党の伊藤茂幹事長の背広を見て「ヒビが入っているかと思ったが同じ色ですね」と口火を切り、他の出席者も加藤氏に「厳しい顔をしてますよ」と声を掛けた。伊藤氏は「(生まれは加藤氏と)同じ山形県ですから」と答えたが加藤氏は硬い表情で無言のまま。この様子に周囲からは「ヒビは大きいのでは」との憶測も。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】米・コーエン国防長官と会談

橋本龍太郎首相は9日午前、首相官邸でコーエン米国務長官と朝食を共にしながら会談し、アジア太平洋地域の安定のためには引き続き10万人の米軍前方展開を維持する必要があるとの認識で一致。沖縄の負担軽減に向けて両国が共同で基地の整理、縮小に努力していくことを再確認した。

首相は在日米軍の兵力構成について「国内ではいろいろな議論があるが、現時点で在日米軍の削減を求めることは考えていない」とあらためて説明。コーエン長官は「地域情勢に大きな変化が生じた時は、それに応じた軍事情勢について日本側と協議することは日米安保共同宣言に明記してある通りだ」と述べた。《共同通信》

【ザイール・モブツ大統領】首相を解任

ザイールからの報道によると、モブツ大統領は9日、国営テレビを通し、新首相として前国防相リクリア・ボロンゴ氏を任命したと発表し、自分が任命したばかりのチセケディ首相を事実上解任したことを明らかにした。

9日には、チセケディ氏の支援者数千人が首都キンシャサに集まって支援行動を開始。これに対して治安部隊が催涙ガスを発射するなどして混乱が続いており、反政府勢力による第二の都市ルアンバシへの進攻と合わせてザイール情勢は混迷を深めている。

首相は野党勢力が指名した後、大統領が形式的に任命することになっているが、大統領は8八日発令した非常事態宣言を利用し、反大統領の姿勢を見せてきた政敵チセケディ氏を追放したとみられる。

チセケディ氏は、大統領から首相に任命された直後の3日、新閣僚のうち、外務、国防など6ポストを反政府勢力に与えるとする組閣案を発表するなど、大統領の影響力排除を狙う動きを見せていた。《共同通信》

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】大司教「交渉は前進」

日本大使公邸人質事件の保証人シプリアニ大司教は9日、公邸でトゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループと非公式接触したほか、ビンセント駐ペルー・カナダ大使、日本政府現地対策本部の寺田輝介顧問と協議し、同委とMRTAとの新たな個別協議開催に向けた調整に努めた。

寺田顧問らとの協議後、大司教は報道陣に「交渉が前進しているのは確か」と述べ、個別協議開催の環境が整いつつあることを明らかにした。大司教は、ペルー政府とMRTAに対し「一致点を見つけること、譲歩することを知らなければならない」と早期解決への決断を促した。同時に「人質と日本で待つ(人質の)家族らと私は完全に一体だ。(交渉の)具体的内容を秘密にしていることを許してもらいたい」と忍耐を呼び掛けた。

大司教ら保証人3人とMRTA武装グループとの非公式接触は約1時間半にわたった。大司教らは8日に政府交渉担当のパレルモ教育相と個別協議を開いていることから、MRTA服役囚の釈放問題などに関する政府側の姿勢を伝えたとみられる。

事件解決へ向けた交渉は、ペルー政府とMRTAとの直接対話再開で大きく動き出す。その環境づくりのための保証人委とMRTAとの個別協議開催が当面の焦点となっている。先月25日を最後に、個別協議は開かれていない。《共同通信》



4月9日のできごと