平成2973日目

平成9年2月27日(木)

1997/02/27

【オウム・松本智津夫被告】「芝居やめろ」

オウム真理教松本智津夫被告(41)=教祖名麻原彰晃=の第27回公判が27日、東京地裁(阿部文洋裁判長)で開かれ、坂本堤弁護士一家殺害事件の検察側証人として、一家失踪後に自宅アパートを実況見分した神奈川県警巡査部長が室内14カ所から乾いた血痕を採取したことなど、現場の状況や当時の捜査態勢などを証言した。

松本被告はこの日も開廷直後から「駄目なんだよ」「芝居はやめなさい」と小声で独り言を繰り返した。

血痕採取についてはほとんど明らかにされていなかったが、実行犯とされる元幹部岡崎一明被告(36)が13日の松本被告の公判で「現場で手をかまれた村井(秀夫元幹部)の血をふきんでふいた」と証言している。

松本被告の公判は13日の第25回から地下鉄サリン事件と並行して坂本弁護士事件を事実審理。岡崎被告と元幹部早川紀代秀被告(47)が松本被告の殺害指示と犯行の経緯などを証言した。

この日の証人の巡査部長は血痕採取のほか、一回目の実況見分が終わった後に坂本弁護士の母親から「室内に落ちていた」とプルシャ(教団のバッジ)を提出されたことなども明らかにした。

松本被告は13、14日の公判で岡崎、早川両被告の証言に割り込み「全部うそだ」などと発言を繰り返し、両日とも退廷させられた。その後、国選弁護団との接見も拒否。弁護団は「もはや限界」と3月と4月の公判取り消しを東京地裁に申し立てた。《共同通信》



【新国立劇場】完成

オペラから前衛舞踊まであらゆる領域の舞台芸術に対応できる「新国立劇場」が、東京・新宿副都心近くにある渋谷区本町の東京工業試験場跡地に完成し27日、工事を担当した建設省関東地方建設局から文化庁外郭団体の日本芸術文化振興会への引き渡し式が行われた。10月10日にこけら落としを迎える。

警視庁音楽隊がベルディ作曲の歌劇「運命の力」序曲を力強く演奏する中、中劇場に工事関係者や近隣住民など約1000人が参加した。関東地建の藤井友竝局長が「構想から約30年経過、立派な施設がやっと完成しました」と関係者をねぎらい、約1メートルのシンボルキーを振興会の長谷川善一理事に手渡した。《共同通信》

【山岸章・前連合会長】政治家個人支持に変更を

前連合会長の山岸章全労働経済協会理事長は27日、石川県労働者福祉協議会が金沢市で開いた研究集会で講演し、「総評・社会党と同盟・民社で競い合ってきたが、政党に入れ込み過ぎた。労組は政党支持方式を見直すべきだ」と述べ、連合加盟労組の支持政党の不一致を解消するため、政策を判断材料に政治家個人を支持する方式に改めるべきと強調した。

集会には労組幹部ら約150人が出席し、山岸氏は「はったりも時と場合によって必要だ。800万人の連合は農協に次いで大きな組織だから、もっとものを言うべき」と“山岸節”を響かせ、影響力確保のために組合員の拡大を促した。《北國新聞》

【橋本龍太郎首相】プルサーマル推進を福井県知事らに要請

プルトニウムを軽水炉で利用するプルサーマル計画を推進するため、橋本龍太郎首相は27日、原発が集中する福井、福島、新潟の3県知事を招いて懇談し、理解と協力を求めた。

栗田幸雄福井県知事らは「国民の理解を得ているとはいえない」として「国民合意形成に向け、さらに国が前面に出た努力をしてほしい」と要請。同計画への具体的な回答はしなかった。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は27日朝、官邸内で梶山静六官房長官を見つけると「氷が溶けたとか、溶けないとか言う人がここにいるよ」と駆け寄った。前日、首相と昼食を共にした梶山氏が「氷詰めだった関係がこれで割れた」と冗談交じりに解説していたためだが、並んで歩く二人に記者団が「氷」について尋ねると、首相は「水割りにして飲んじゃった」。梶山氏も「氷を買ってきてくれよ」と、口をそろえて「氷」の存在を否定。別れ際には「次は国会で会いましょう」と約束までしていたが、殊更に親密さをアピールするところがいかにも不自然。

○・・・自民党の村上正邦参院幹事長はこの日の与党責任者会議で、自民党を暴力団に例えた中野寛成・新進党国対委員長の発言は「公党に対する侮辱で見過ごせない」とかみついた。さらに衆院予算委で郵政三事業の民営化論を展開した小泉純一郎厚相をやり玉に「所管外のことであれだけ言えば、参院ではとっくに審議は止まっている」と厳重に抗議。まだ言い足りないのか、特殊法人見直しで野党とも協議する方針を示した佐藤孝行・行革推進本部長には「そんな権限はない」と切り捨てるなど、当たるを幸いになで斬りする独り舞台。《共同通信》

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】7回目の予備的対話

日本大使公邸人質事件で、ペルー政府とトゥパク・アマル革命運動(MRTA)武装グループの7回目の予備的対話が27日午後(日本時間28日午前)開かれた。終了後、保証人のシプリア二大司教は「保証人委員会が双方の解決の意思を確認。人道的な問題についても協議した」と発表、人質の健康やMRTAが要求している刑務所の待遇改善などに関する具体的な「人道的問題」に立ち入ったことを示唆した。次回対話は3月3日に開かれる。

3時間近くにわたった27日の対話について、声明は初めて公式に「解決の意思を確認」と明言した上で「実質的テーマについて協議を継続。保証人委員会は助言を提示した」とした。これまでより柔和な大司教の表情と合わせ、議論がかみ合い始めたことをうかがわた。

リマの複数の外交筋は、これまでの対話で「双方は早期解決を目指す基本姿勢では一致」としていたが、それが今回、確認された。

大司教らは「実質的テーマ」などの内容を依然、明らかにしていないが、保証人が「助言」する機会を得て、対話が新たな段階に向かっていることを印象付けた。「人道的な問題」について、日本政府筋は人質の健康問題も含むと指摘した。現在、ペルー政府が禁じている赤十字国際委員会の刑務所視察再開などを指すとも受け止められている。

27日の対話には前回同様、政府側からパレルモ教育相と同相顧問、MRTA側のセルパ、ロハス両容疑者が出席。シプリアニ大司教ら保証人3人と日本政府現地対策本部の寺田輝介顧問が同席した。《共同通信》



2月27日のできごと