平成2908日目

平成8年12月24日(火)

1996/12/24

【ペルー日本大使公邸占拠事件】

ペルー政府、妥協策検討

ペルーに日本大使公邸人質事件発生から8日目の24日、ペルー政府は極左ゲリラ、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)との交渉には応じないとの公式姿勢は変えないものの、140人余りの人質に危害を加えないことを条件に、MRTAとの一定の妥協策について検討を開始した。複数の現地関係筋が明らかにした。

また、同日付の地元有力紙コメルシオは、人質解放・武装解除と引き換えに「保証委員会」という組織が、犯人グループの安全を保証し、国外亡命で決着するとの妥協案も排除されていないと報道。これはペルー政府がゲリラ側に妥協案を提示する“ボール”を投げたとも読み取れる内容で、政府とゲリラ側の交渉が事実上、開始された可能性も出てきた。《共同通信》

ウルグアイ、MRTAゲリラを釈放

ペルーの日本大使公邸を占拠して人質を取っているトゥパク・アマル革命運動(MRTA)のメンバーで、ウルグアイ司法当局に拘束されていたルイス・アルベルト・サマニエゴ被告ら2人が24日午後(日本時間25日朝)釈放された。2人はMRTAが人質と引き換えに釈放を要求していた服役囚らに含まれていた。釈放に呼応するように、MRTAは同日夕、人質のタバレ・ボカランドロ駐ペルー・ウルグアイ大使を1人だけ解放した。

リマの同国大使館は「ウルグアイは三権分立の民主的伝統を持つ国だ」として、釈放と大使解放が「取引」だとの見方を否定したが、赤十字国際委員会ペルー代表は同日夕、報道陣に「ゲリラ2人がウルグアイで釈放されたことによる(大使の)解放だ」と明言した。ウルグアイのオブセルバドール紙によると、ボカランドロ大使は公邸から母国政府高官に電話で接触していた。

ウルグアイからの報道によると、2人の被告は同国控訴裁判所で、ペルーへ強制送還しないよう求めており、来年2月に判断が示される予定だった。同司法当局は釈放についてコメントを拒否している。 フジモリ大統領はMRTAの要求を当初から拒否している。《共同通信》

橋本首相、フジモリ大統領と電話会談

政府はペルーの日本大使公邸人質事件が発生後1週間を経過、長期化の様相を見せる中、ペルーの現地対策本部の強化を図るなど、あらためて態勢整備や対応策の模索を進めている。橋本龍太郎首相は24日昼、フジモリ・ペルー大統領と電話で会談し、意見交換した後、記者団に対し「(解決には)時間がかかる」と事件の長期化の見通しを表明。首相周辺も「首相は長期戦を覚悟している」としており、「越年」に見方も急速に広がっている。《共同通信》



【イスラエル・ネタニヤフ首相、PLO・アラファト議長】会談

イスラエルのネタニヤフ首相とパレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長は24日、ヨルダン川西岸ヘブロンからのイスラエル軍部分撤退交渉の合意を目指し、パレスチナ自治区ガザのエレツ検問所で約3時間半会談した。

交渉を調停してきた米国のロス中東和平特使は会談後、両首脳に代わって記者会見し、「合意にまでは至らなかったが、雰囲気はとても良く、極めて生産的だった」と述べ、大きな進展があったことを強調。実務交渉を引き続き行い、ネタニヤフ首相とアラファト議長は「ほどなく再会談する」と述べた。

首相と議長の会談は、今年10月に米国で緊急開催した中東和平首脳会談以来。ロス特使は調停続行のため帰国予定をさらに延期し、「しばらくこの地域にとどまる」と述べた。ネタニヤフ首相のバリラン報道官も、この日の会談について「大成功だった」と述べた。ヘブロン交渉で合意できれば、今年6月に右派・ユダヤ教勢力のネタニヤフ政権が発足して以来、和平交渉で初の成果となる。《共同通信》

【日本、中国】円借款で合意

佐藤嘉恭・駐中国大使と中国の唐家璇外務次官は24日、北京で、日本の第四次対中国円借款(1996−2000年度)の96年度分(22プロジェクト、計約1705億円)の合意文書を交換した。今夏以来、靖国神社や尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐって波乱含みだった両国関係は、これで本格的な修復に向かうことになった。

唐次官は「円借款は中国経済だけでなく、日中貿易にも寄与する。11月のマニラでの日中首脳会談がぎくしゃくした両国関係に転機をもたらした」と指摘。佐藤大使も「来年の日中国交正常化25周年に弾みをつけることになる」と述べ、文書交換の意義を強調した。

昨年8月、中国の核実験に対して日本が抗議、第四次円借款の実施に向けての調査団派遣を見合わせていたが、今年11月の日中首脳会談で調査団派遣に至った。

96年度分の大規模プロジェクトには、内モンゴル自治区フフホト・包頭大気汚染対策(約100億円)、内陸電話網の整備(約150億円)などがあり、全体的に環境保護、内陸部開発、農業振興に焦点を当てた借款となる。前半3年分の合計では40プロジェクト、5800億円になる見通し。《共同通信》

【大相撲初場所】番付発表

日本相撲協会は24日、大相撲初場所(来年1月12−26日・両国国技館)の番付を発表した。米国ハワイ州出身の大和が、外国出身力士としては戦後7人目の新入幕を果たし、昭和58年12月に部屋を創設した間垣親方(元横綱2代目若乃花)が育てた初の幕内力士となった。

横綱陣は10場所ぶりに東西が入れ替わった。九州場所で11勝の5人による優勝決定戦に進出した曙が東に座り、全休した貴乃花が西で再起をかける。そろって決定戦に出場した3大関に番付上の変動はなかったが、2度目の優勝を飾った西の武蔵丸が横綱昇進のチャンスを迎えた。東は若乃花と貴ノ浪。

三役陣には常連が並んだ。東関脇の魁皇は三役連続14場所目、関脇連続13場所目で、いずれも自己の昭和以降最長記録を更新。先場所優勝決定戦に残っており、大関の座に挑む。西の琴錦は昭和以降1位タイの関脇在位通算21場所目。小結は、東に10場所連続で三役となる武双山、西は5場所ぶりに三役へ復帰した安芸乃島。新三役を目指す玉春日は東2枚目に上がり、上位陣に挑戦する。《共同通信》



12月24日のできごと