平成2895日目

平成8年12月11日(水)

1996/12/11

【香港】初代長官に董建華氏

香港の親中派住民400人で構成する香港特別行政区推薦委員会は11日、中国返還後の香港行政のトップとなる初代行政長官を選出するための全体会議を開催した。会議には銭其琛外相ら中国高官も出席、選出は投票で行われ、海運会社オーナー、董建華氏(59)が当選した。

行政長官の決定で、香港社会は202日後に迫った英国から中国への主権返還に向け、期待と不安を抱えながらも大きく動き出す。

行政長官の最終選考に残ったのは薫氏のほか、前高裁首席判事、楊鉄樑氏(67)、財閥企業元会長、呉光正氏(50)。董氏は、実業界出身の委員を中心に推薦委内で広い支持を集めていた。上海出身の童氏は、海運会社オリエント・オーバーシーズの会長を10月まで務め、中国だけでなく、日米の経済界とも関係が深い。

行政長官は、国防と外交を除く香港行政の最高責任者。「一つの中国」での社会主義と資本主義の共存をうたう「一国二制度」の下で、中英の合意に基づく「高度の自治」の実現を目指す。任期は5年で、一期だけ再任が認められる。《共同通信》

返還後の香港の初代行政長官に選出された董建華氏(59)は11日午後記者会見し、「平穏な香港返還」が当面の最重要課題との見方を示した上で、「香港の長期的利益を考え、物事を過度に政治的に扱うべきでない」と述べ、中国と対立する民主派グループを批判した。

推薦委員400人の8割に当たる320票という圧倒的多数の得票で当選した董氏は、会見でも時々笑みが漏れるなど余裕の表情。質問に応じて広東語、北京語、英語を使い分けて答え、国際都市香港のトップ実業家の片りんを見せた。

董氏は「香港は過去一世紀以上にわたり植民地だったが、今後は自ら統治を行う」と言明、長官選出を「将来の民主主義発展への第一歩」と評価した。さらに「香港と中国、民族のためによりよい未来を築こう」と呼び掛けた。《共同通信》



【オリックス・イチロー外野手】契約更改

オリックスのイチロー外野手(23)は11日、神戸市須磨区のグリーンスタジアム神戸で契約更改交渉に臨み、1億円増の年俸2億6000万円でサインした。今季のタイトル料2000万円を含めると2億8000万円で、プロ野球3人目の3億円には届かなかった。

同選手は一昨年、プロ球界初のシーズン200安打を達成。800万円から10倍増の8000万円に年俸がアップ。さらに昨年も二年連続で首位打者を取り、球団創設7年目でチームを初優勝に導いたことから今季の年棒は2億円とも言われていた。しかしイチローは「あまりに金額が違い過ぎて一人歩きしていた」と話し、実際は1億6000万円程度だったようだ。

今季の成績は542打数193安打、84打点、16本塁打。日本シリーズでは第1戦で決勝本塁打を放っている。

オリックス・イチロー選手 大台(3億円)には届いていない。サインしたわけですから納得しています。何点ぐらいの満足度? はっきりした点数は自分でも分からない。数字(金額)だけ見たらびっくりですね。目の前に(お金を)積まれたらもっとびっくりしますけど。これだけ頂いているんだという雰囲気を出していける選手になりたい。(金額は推定)《共同通信》

【豊浜トンネル】復旧

20人の死者が出た北海道古平町の豊浜トンネル崩落事故現場で進められていた応急復旧工事が終わり、11日、事故から約10ヶ月ぶりに同トンネルが復旧した。しかしあくまで暫定開通で、北海道開発局は早ければ年内に本復旧ルートを現在のトンネルにするか山側に新しいトンネルを掘るかを決める。《共同通信》

【撚糸工連汚職差し戻し審】被告の控訴棄却

撚糸工連汚職事件で受託収賄罪に問われた元民社党衆院議員、横手文雄被告(61)の差し戻し控訴審の判決公判が11日、東京高裁で開かれ、中山善房裁判長は「一審判決に事実誤認、訴訟手続の違反などはなく正当」として懲役2年、執行猶予3年、追徴金200万円を言い渡した東京地裁判決を支持、横手被告の控訴を棄却した。被告側は「納得できない」として上告する意向を示した。《共同通信》

【橋本龍太郎首相】前事務次官へのボーナス「苦渋の決断」

橋本龍太郎首相は11日午前の参院予算委員会で、厚生省汚職事件で逮捕された岡光序治前厚生事務次官に対するボーナス支給について「割り切れないが、苦渋の決断だった」と述べ、支給はやむを得なかった」との認識を示した。首相は「現行法(一般職給与法)では支給しないことで逆に、厚生省の担当者が懲役を含む刑事罰の対象になる」との理由を強調した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・橋本龍太郎首相は11日、来春の欧州主要国際大会で、日本の柔道選手が青のカラー柔道着も試験的に着用することについて記者団から感想を求められ、「それは柔道をやる人の話だから」と、「白」を主張してきた日本の柔道家たちを気遣ってか慎重な言い回し。同時に「でも、今までのように帯の色だけ(の識別)というのはね。ぼくら剣道(の剣道着)は、もともと紺と白だから」と、カラー化に理解を示すような微妙な発言も。このところ国会答弁で厚生省汚職や自らの政治献金問題で厳しい追及を受けているだけに、風当たりを気にして白黒はっきりさせないのが最近の「橋本カラー」か。

○…この日、還暦を迎えた自民党の山崎拓政調会長は都内のホテルで講演。予算編成をめぐり党内から逆風が強まっていることを挙げ「整備新幹線誘致派の議員からは“ダラ幹”と非難を浴び、医師出身議員からは医療制度改悪はまかりならんと言われた。これから先どうなることやら」とぼやいた。だが自らの今後の政治活動については「2010年くらいまでかな。その時にぴしゃっと辞めるか、私も凡人だから分からない」とまだ十数年は現役と宣言。打たれ強いのが政治家の条件?《共同通信》

【創価学会・秋谷栄之助会長】羽田氏を批判

新進党の羽田孜元首相は11日午後、都内で創価学会の秋谷栄之助会長と会談、同党を離党して新党結成を目指すことに理解を求めた。秋谷氏は「総選挙で支援した人たちの心情としては、新進党は結束して進んでもらいたいという思いに変わりはない。会員は理解も納得もしない。むしろ背信と受け止める。議論を尽くしてもらいたい」と批判した。

一方、西岡武夫幹事長は同日夜、羽田氏と会い、小沢一郎党首と羽田氏が12日午後に会談することを確認した。小沢氏は11日午後、岡田克也氏ら中堅議員と会い、羽田氏との会談に向けて「何回でもやる。二人だけの問題ではなく、皆に影響が及ぶ重大な話だから、裸になった気持ちで話し合う」と述べ、慰留に全力を挙げる決意を表明した。

羽田氏も同日夜、小沢氏との会談について、記者団に「政権を取り戻さないといけないという意味で率直な話し合いをする」と述べ、た。《共同通信》



12月11日のできごと